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2026.09.18 採用支援コラム

採用要件を決める手順と企業の49.9%が社内育成に悩む職種




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 採用の1位は23.9%:人を採るのが難しいと答えた企業がいちばん多い職種は、情報セキュリティで23.9%でした。*1
  • 育成の1位は49.9%:社内で育てるのが難しいと答えた企業がいちばん多い職種は、プロジェクトマネジメントで49.9%でした。*1
  • 社内に持たない職種は48.1%:社内に持たず外部に委託している割合がいちばん高い職種は、顧客向けサービスの企画で48.1%です。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

メンバーが1人抜けた枠の要件を、引き継ぎと並行して書くことになった。あるいは、書き終えて読み返し、これに当てはまる人が本当にいるのか迷った——。欠員を埋めようとすると、多くの現場が条件の膨らみに突き当たります。目安になるのが、JUASが毎年公表している「企業IT動向調査」です。IT要員の課題を12の職種に分けて、採用・育成・流出のどれが主な課題かを企業に聞いています。*1

同じ職種で他社が何に困っているかが分かれば、その枠を採用で埋めるのか、社内で育てるのか、外部の要員に任せるのかを先に決められます。ただし万能ではなく、この設問は回答数が資料に明示されておらず、自社の枠にどう当てはまるかまでは書かれていません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、12の職種で何が挙がっているのか、採用の課題と育成の課題の違い、なぜ要件が膨らむのか、どう絞るのか、つまずきやすい点、そして外注の勘所を整理します。

霧が流れる斜面に針葉樹の林が広がっている風景

12の職種で企業が挙げた課題

JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社を対象に、2025年9月5日から10月24日にかけて実施されました。回収数は957社、有効回答率は21.3%です。*1 このなかで、IT要員の課題を12の職種に分けて聞いています。課題があるときは「採用」「育成」「流出」のうち主なものを1つだけ選ぶ形式です。*1

職種ごとに企業が挙げた主な課題(出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)図表6-4-4。課題があるときは「採用」「育成」「流出」のうち主なものを1つだけ選ぶ形式。この設問の回答数は資料に明示がない。「人員数・スキルともに概ね充足している」と「IT部門担当業務でない・アウトソースしている」の列は省いている。この表は資料に示された数値をもとに筆者が作成したものであり、資料の図表そのものを複製したものではない)
職種 採るのが難しい 社内で育てるのが難しい 辞めていく
IT・DX戦略や企画の担当 20.2% 44.8% 11.3%
新技術の調査・検証の担当 20.3% 45.4% 9.0%
顧客向けサービスの企画の担当 11.6% 28.2% 6.5%
プロジェクトマネジメントの担当 14.2% 49.9% 10.6%
上流工程(業務分析・要件定義)の担当 15.0% 46.6% 11.6%
データ分析の担当 21.3% 42.5% 6.9%
生成AIの担当 20.0% 45.3% 6.2%
インフラ・ネットワークの担当 19.2% 36.7% 12.5%
情報セキュリティの担当 23.9% 41.0% 11.4%
アプリ設計・開発(ウォーターフォール) 12.8% 28.6% 10.6%
アプリ設計・開発(アジャイル) 13.8% 37.0% 7.9%
運用管理・運用の担当 15.8% 35.2% 13.5%

人を採るのが難しいと答えた企業がいちばん多かったのは、情報セキュリティの職種で23.9%でした。*1 次いでデータ分析の職種が21.3%、新技術の調査・検証の職種が20.3%です。*1 資料は情報セキュリティについて、他の職種と比べて要員は足りているものの、技術が高度化しており採用が難しいと書いています。*1 いま社内にいる人数は足りていても、次に採る1人が見つからない職種なのでしょう。

この設問は回答数が資料に明示されていません。割合の順位は読めますが、何社が答えた割合なのかは分かりません。

採用の課題と育成の課題の違い

採用が難しい職種を避ければ済む、という話にはなりません。社内で育てるのが難しいと答えた企業のほうが、どの職種でも多いためです。いちばん高いのはプロジェクトマネジメントの職種で49.9%、次が上流工程の職種で46.6%、3番目が新技術の調査・検証の職種で45.4%でした。*1 採るのが難しいの1位である23.9%と比べると、2倍を超えます。この倍率は筆者が計算した値です。

資料は、プロジェクトマネジメントと上流工程について、自社の社員が主体となる業務であることから育成が課題になっていると書いています。*1 社内の段取りを動かす仕事なので、社外から来た人がすぐ担うには時間がかかります。

新技術の調査・検証の職種は、採るのが難しいでも社内で育てるのが難しいでも3位に入りました。どちらからも埋めにくい職種です。この枠を1人で埋めようとすると条件が膨らむので、調査だけを切り出すなどの分け方が要ります。

生成AIの職種は少し違いました。人が辞めていくと答えた企業は6.2%にとどまる一方、採るのが難しいは20.0%と高い値です。*1 資料は、比較的新しい技術であることを理由に挙げています。*1 入ってきた人は残るが、入口が狭い職種だと読めます。

なぜ要件が10行を超えるのか

条件が増えるのは、前任の仕事をそのまま写しているからです。長く在籍した人は、本来の役割に加えて周辺の作業を拾っています。設計もできて、運用も見られて、若手の面倒も見られる人。それを1枚の要件に押し込めば、複数の役割が混ざったままになります。

調査の12の職種に当てはめ直すと、その枠に何職種分が入っているかが見えます。プロジェクトマネジメントと上流工程と運用管理が1枠に入っていれば、要件はその3つ分になります。応募が来ないのは条件が厳しいからではなく、3人分だからということもあります。

ここは調査が述べていることではなく、職種の分け方を要件づくりに使う読み替えです。

どう絞るのか

絞り方は、いま埋めたいポジションを1つに決めるところから始めます。複数の役割を兼ねている枠でも、いちばん工数を割く仕事で当てはめてください。ここを決めないまま要件を書くと、前任の仕事の写しに戻ります。

チームの欠員を採る・育てる・外部に委託するのどれにするか分ける手順を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は埋めたいポジションを1つ決め、それが12の職種のどれに近いかを当てること、2つ目は他社がその職種で人を採るのが難しいとしているか、社内で育てるのが難しいとしているかを調べること(採るのが難しいでいちばん高いのは23.9%、社内で育てるのが難しいでいちばん高いのは49.9%)、3つ目は採用要件をいますぐ必要なことだけに絞ること、4つ目は正社員の採用か外部の要員かを決め、育成に当たるものは社内に置くこと。数値はJUAS「企業IT動向調査2026」図表6-4-4および図表6-4-5による。職種は12、上位3つを表示。

次に、その職種で他社が何を主な課題としているかを見て、採るのが難しい側か、社内で育てるのが難しい側かを決めます。情報セキュリティの職種では23.9%が採用を挙げ、プロジェクトマネジメントの職種では49.9%が育成を挙げています。*1

採るのが難しい側と決まったら、採用要件をいますぐ実行できることだけに絞ります。将来の期待を条件に混ぜると、候補が市場からいなくなります。社内で育てるのが難しい側と決まったら、その枠は社内に残してください。社外から採っても立ち上がりに時間がかかります。

つまずきやすい難所

一つめは、2番目の課題まで読もうとすることです。主な課題を1つだけ選ぶ形式なので、採用と育成の両方に困っている企業がどれだけあるかは分かりません。

二つめは、割合を母集団つきの数値として扱うことです。この設問の回答数は資料に明示されていません。順位と割合までを目安にしてください。

三つめは、他社の分布をそのまま自社の答えにすることです。自社のどの枠にどう当てはまるかは調査に含まれていません。

外注時に確認しておきたい点

外部の要員に任せると決めた枠は、任せる作業と期間を書き出します。「脆弱性診断の結果の整理を来月末まで」といった粒度で構いません。外部の要員(フリーランスを含む業務委託)は、作業と期間が決まっているほど合わせやすい調達の仕方になります。

一方、育成が課題の側に当たる枠は社内に残してください。社内に持たず外部に委託している割合がいちばん高いのは顧客向けサービスの企画の職種で48.1%、次がアプリ設計・開発(アジャイル)の32.1%でした。*1 他社が社外に委託しているのは、企画と実装の一部です。

正社員の採用と外部の要員では、向く場面が違います。その仕事を自社の機能として持ちたいなら採用、特定の期間だけ人手と判断を加えたいなら外部の要員でしょう。どちらにしても、埋めたい枠を12の職種のどれか1つに当ててからのほうが条件を書けます。

要件の広げ方はポータブルスキル9要素で採用要件を広げるにあります。

誰が何をできるかを社内で把握する話はスキルマップの整備の違い、未対応42.8%と整備済み33.7%にあります。

育成の側はスキルベースの人材育成、5分野8つの人材像で要件を決めるで整理しました。

確保そのものが進まない話は人材確保の課題はなぜ入れ子になるのか、担当者の確保が74%で別の調査を扱っています。

まとめ:採用要件で押さえる3つの視点

採用要件が絞れないのは、1つの枠に複数の職種が混ざっているからです。押さえておきたい視点は3つに整理できます。第一に、人を採るのが難しい職種の1位は情報セキュリティの23.9%で、データ分析の21.3%、新技術の調査・検証の20.3%が続くこと。*1 第二に、社内で育てるのが難しいと答えた企業のほうが多く、プロジェクトマネジメントの職種では49.9%と、採用の1位の2倍を超えること。*1 第三に、この設問は回答数が資料に明示されておらず、読めるのは順位と割合までだということです。この3点を踏まえておけば、「要件を10行書いたのに、当てはまる人が1人も来ない」という事態を避けやすくなります。埋めたい枠を12の職種のどれか1つに当て、採用と育成のどちらの課題かを決めるところまでは社内でできます。その先、社内に担い手がいなければ、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

外部の要員に任せると決めた枠があれば、あとは担い手を探す段階です。脆弱性診断の結果の整理を来月末まで、データ基盤の移行設計を3か月——このくらいまで書けていれば、求める経験の条件も決まります。設計から任せるのか、決まった作業だけを任せるのかで、声をかける相手が変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材ニーズの発生から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で稼働まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

人を採るのが難しい職種はどれですか

JUAS「企業IT動向調査2026」では、情報セキュリティの職種の23.9%が最も高い値でした。*1 これに続くのがデータ分析の職種の21.3%と、新技術の調査・検証の職種の20.3%になります。*1 確認日は2026年9月18日です。

社内で育てるのが難しい職種はどれですか

プロジェクトマネジメントの職種で49.9%、上流工程の職種で46.6%、新技術の調査・検証の職種で45.4%でした。*1 資料は、自社の社員が主体となる業務であることを理由に挙げています。*1 確認日は2026年9月18日です。

採用より育成のほうが課題なのですか

社内で育てるのが難しいの1位は49.9%で、採るのが難しいの1位である23.9%の2倍を超えます。この倍率は筆者が計算した値です。確認日は2026年9月18日です。

社内に持たない職種はありますか

顧客向けサービスの企画の職種が48.1%で最も高く、次がアプリ設計・開発(アジャイル)の32.1%でした。*1 確認日は2026年9月18日です。

自社のポジションに当てはめられますか

自社のどのポジションにどう当てはまるかは調査に含まれていません。*1 この設問の回答数も資料に明示がないため、順位と割合までを目安にします。確認日は2026年9月18日です。

任せる作業が決まったら相談

「脆弱性診断の結果の整理を来月末まで」といった形で作業と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。まだ採用と育成のどちらの課題か決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、設計から任せる要員も、決まった作業を分担する要員も、作業と期間を決めたうえでお探しいただけます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とその子会社、25年度の回収数957社・有効回答率21.3%、図表6-4-4(担当業務別 IT人材に関する課題感)、図表6-4-5(採用、育成、流出で課題感の高い担当業務)の一次情報として。この記事は資料に示された数値をもとに図と表を筆者が作成した。資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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