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2026.10.16 採用支援コラム

データエンジニアの採用要件とデータサイエンティストとの違い

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

面接の丸テーブルで候補者が紙に四角と矢印のデータの流れを描き、向かいの面接担当が四角を指している

この記事の結論

  • データエンジニアはデータを集めて整え届ける職種で、分析を担うデータサイエンティストとは求める力が違います。
  • 求人票はデータの入手元と使い道と更新の頻度を書き、構築から始めるのか運用なのかを分けて示します。
  • 基盤の構築は業務委託の専門人材、動かし続ける運用は社員と分けると、知識を社内に残しやすくなります。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

「データ基盤を作れる人を社員で採りたい」「求人にデータサイエンティストと書けばよいのか迷う」——。データエンジニアの採用を任された現場では、こうした迷いが起こりがちです。データエンジニアは、社内や社外のデータを集めて整え、分析やAIで使える状態にして届け続ける職種です。

経済産業省とIPAがまとめた「デジタルスキル標準」(デジタル人材に求める力の一覧)は、2026年4月のver.2.0で「データマネジメント」の類型を加え、データエンジニアをその中の役割として定めました。*1 データを分析するデータサイエンティストとは別の類型です。本記事では、エンジニア採用の担当者や情報システム部門の責任者に向けて、データエンジニアの仕事、データサイエンティストとの違い、採用要件の書き方、確保の方法の分け方、外部人材に頼むときの確認点を整理します。

データエンジニアとは

デジタルスキル標準は、データエンジニアの責務を「データの現状を把握し、収集・統合・加工・提供などの各プロセスにおけるデータ整備、前処理の実施、データパイプラインの設計・実装を通じて、組織全体の継続的なデータ利活用を支える役割」と定めています。*1 データパイプラインは、データを集めてから使う人に届けるまでの流れを自動で動かす仕組みのことです。主な業務は次のとおりです。

  • 業務の記録やシステムなど、入手元の違うデータの今の状態を調べる
  • データを使える形にまとめ、加工や前処理をする
  • 必要な品質とタイミングでデータを届ける流れを設計して作る
  • 現場の担当者と組んで、データの説明書き(メタデータ)を整える

同じ類型には、データの品質や使い方のルールを現場で運用する「データスチュワード」と、全社のデータの構造や流れを設計する「データアーキテクト」も置かれています。*1 エンジニアの少ない会社では、採用するデータエンジニアにこの3つのどこまでを任せるかを、募集の前に決めておきます。

データサイエンティストとの違い

デジタルスキル標準で、データサイエンティストは別の類型です。分析を担う「データサイエンスプロフェッショナル」の責務は「データの処理や解析を通じて、顧客価値を拡大する業務の変革やビジネスの創出につながる有意義な知見を導出する」ことと書かれています。*1

窓際のハイテーブルで分析担当が印刷した棒グラフを赤いペンで指し、隣の同僚が紙を押さえて見ている

データエンジニアは分析に使うデータを整えて届ける側、データサイエンティストは届いたデータから知見を引き出す側と分けると分かりやすくなります。標準はスキルごとに、a「高い実践力と専門性が必要」、b「一定の実践力と専門性が必要」、c「説明可能なレベルで理解が必要」などの段階で求める水準を示しています。*1

2つの役割に求める水準(デジタルスキル標準 ver.2.0から抜粋・項目名は一部を言い換え)
スキル項目 データエンジニア データサイエンスプロフェッショナル
データエンジニアリング(設計・収集・統合・提供) a b
データの品質と保護の向上 a c
データ基盤の設計・実装・運用 b c
数理統計・多変量解析・データ可視化 c a
機械学習・深層学習 c a

2024年度に行われたIPAの調査「DX動向2025」は、まだ前の版の分け方で、データサイエンティストを「データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材」と説明していました。*2 求人に「データサイエンティスト」とだけ書くと、分析やAIのモデルづくりが得意な人と、データ基盤を作る人の両方が応募してきて、選考で迷いが生じます。データ基盤を作って動かす人がほしいなら、職種名をデータエンジニアと書き分けます。

採用要件の書き方

標準でデータエンジニアに重要度aが付いているのは、次の3項目です(名称は一部を言い換え)。*1 この3つを必須の軸にし、b以下の項目は歓迎や入社後に覚える項目に回すと、要件を絞り込めます。

  • データ関連法令などの理解やルール整備と遵守の推進
  • データの品質と保護の向上
  • データエンジニアリング(設計・収集・統合・提供)

ただし、項目の名前だけでは候補者に仕事の中身が伝わりません。求人票には、次の点を具体的に書きます。

  • どこからデータを集めるか(販売管理のシステム、Webサイトの利用記録、取引先から受け取るファイルなど)
  • 集めたデータを誰がどう使うか(経営の集計表、分析の担当者、AIの学習など)
  • どのくらいの頻度で更新するか(1日1回、1時間ごとなど)
  • 基盤をこれから作るのか、できあがった基盤を動かして手を入れていくのか

面接では、作ったデータの流れと自分が担当した範囲、データが届かなかったときや中身が誤っていたときにどう気づいて直したかを聞くと、実務の深さが見えます。経験の段階を要件に書く方法は「ITSSのレベルを採用要件に使う方法」で扱っています。

構築期と運用期の確保の方法

IPAの調査では、DXを進める人材の量が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた日本企業は合わせて85.1%でした。*2 同じ調査で、米国とドイツは「特定技術を有する企業や個人との契約」を使う割合が日本より高いと報告されています。*2 社員の採用だけで埋めようとせず、外部人材も含めて確保の方法を選びます。

データ基盤の仕事と確保の方法を、左から右への時間の流れで示した図。左は構築期で、業務委託の専門人材が期間と範囲を決めて基盤とデータの流れを作る。右は運用期で、社員が取り込みの監視や項目の追加、現場からの依頼への対応を続ける。2つの間は、資料を残して引き継ぐ矢印でつながる。下の帯には、運用を担う社員が構築の途中から加わること、社員はリモートワークの採用も選べることが書かれている。

データ基盤の仕事は、作る時期と動かし続ける時期で中身が変わります。場面ごとに向いている方法は次のとおりです。

場面ごとに向いている確保の方法
場面 向いている方法 理由
基盤を新しく作る構築期 業務委託の専門人材 作る範囲と期間を決めて進められる
取り込みの監視や項目の追加が続く運用期 社員採用 業務とデータの知識を社内に残せる
社内に候補者を評価できる人がいない 業務委託から始める 一緒に作りながら採用の要件を固められる
近くで候補者が見つからない リモートワークの社員採用 住む場所を問わずに候補者を探せる

夕方の打ち合わせ机で外部の技術者が白い厚いバインダーを社員に手渡し、手前に黒いヘッドセットが置かれている

構築を外部人材に任せる場合も、運用を引き継ぐ社員を早めに決めておくと、構築の途中から一緒に作業できます。完成した後に初めて中身を見るより、仕組みの理由まで社内に残しやすくなります。

外部人材に頼むときの確認点

データ基盤の構築を業務委託で進めるときは、契約の前に次の点を確かめておきます。

会議室で社内の担当者と外部の技術者が紙とノートPCを広げて打ち合わせている

  • 任せる範囲(どのデータを、どこまで届けたら完了とするか)
  • 個人情報や取引先のデータを扱うか、扱うならその管理の方法
  • データの流れの図、項目の説明、止まったときの手順などの資料を残してもらうか
  • 運用を担う社員が構築に加わり、やり方を覚えられるか
  • 完成後の不具合や項目の追加を、どの期間どの窓口で受けるか

資料と引き継ぎの段取りが決まっていれば、構築が終わった後も社員が改善を続けられます。フリーランスと分担して構築する進め方は「フリーランス活用でデータ基盤を構築する分担」に、データを使う側の体制づくりは「データ利活用の体制の作り方」にまとめています。契約やデータの扱いは、法務の担当者や専門家に確かめてください。

まとめ:データエンジニア採用で確かめたい3つの点

データエンジニアの採用で確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、データエンジニアはデータを集めて整え届ける職種で、分析を担うデータサイエンティストとは求める力が違うこと。第二に、求人票はスキルの名前だけでなく、データの入手元と使い道と更新の頻度、構築か運用かを具体的に書くこと。第三に、基盤を作る時期は業務委託の専門人材、動かし続ける時期は社員と分けて考えることです。この3点を踏まえておけば、「分析は得意だが基盤は作れない人を採ってしまった」という事態を避けやすくなります。社員を採るか外部人材で始めるかに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

データの入手元と使い道、構築から始めるのか運用なのかが書き出せたら、確保の方法を決める段階です。基盤を作る時期は業務委託で加わる専門人材と進め、動かし続ける担い手はリモートワークの社員の採用で探す、という分け方でご相談いただけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

データエンジニアとデータサイエンティストは1人で兼ねられますか

兼ねる人もいますが、求める力の中心が違うため、まずどちらの仕事を先に任せたいかを決めてから募集します。デジタルスキル標準でも別の類型として分けられています。

データ基盤の経験がない候補者を採用してもよいですか

業務システムの開発やデータベースの経験があれば、候補に入れられます。その場合は、構築を経験者と一緒に進め、運用を通じて覚えてもらう前提で計画を立てます。

構築を業務委託で進めながら社員の採用を並行してもよいですか

並行して進められます。採用した社員が構築の途中から加われば、資料と作業の両方から仕組みを覚え、そのまま運用を引き継げます。

データエンジニアの確保を相談したいとき

集めたいデータや使い道が分かっていれば、そのままご相談いただけます。社員を採るか、業務委託で構築から始めるかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:IPA「デジタルスキル標準(DSS)」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/index.html)。出典:経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準 ver.2.0」(2026年4月・PDF)。改訂趣旨と改訂履歴(データマネジメント類型の追加)、ロール一覧、データマネジメントのロール(データエンジニアの担うべき責務・主な業務・スキルの重要度)、データサイエンティストのロール(データサイエンスプロフェッショナルの責務・スキルの重要度)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:IPA「DX動向2025」(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2025.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025」(PDF)。図表3-1 DXを推進する人材の「量」の確保(日本の不足の合計85.1%)、図表3-3 DX推進スキル標準の人材類型(データサイエンティストの説明)、図表3-5 獲得・確保の方法を参照。2024年度調査(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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