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2026.10.25 採用支援コラム

生成AIの内製化支援の進め方|外部人材から社員へ移す順番

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

ホワイトボードのマグネットを上段から下段へ動かす手

この記事の結論

  • 生成AIの内製化は、最初の3か月・半年・1年を目安に区切り、時期ごとの12項目を順に進めると社内に移しやすくなります。
  • 最初の3か月で対象の業務と社内のルールを決め、外部人材が作る横で社員も作業して、設定と理由を記録に残します。
  • 外部人材の支援は手順の決まった作業から順に手放し、使うかどうかの判断は最初から社内に残します。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

生成AIを使った社内の仕組みを外部のエンジニアに作ってもらった。いずれは社員だけで直せるようにしたいが、いつまでに何をし、外部の人にどこまで頼み続けるのかが決まっていない——。生成AIの内製化を任された情報システム部門や開発部門の責任者が、最初に迷うところです。

本記事は、生成AIの開発を社内で持てるようにするまでの1年を、最初の3か月・半年・1年の3つの時期に分け、時期ごとにやることを12項目にまとめます。あわせて、外部人材による内製化の支援を手放していく順番を表で示します。IPAの「DX動向2026」と、総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」をもとに整理します。

最初の3か月でやること4項目

IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2026」では、生成AIを「導入している」企業は2024年度の22.6%から2025年度の44.0%に増えました。*1 一方で、生成AIの組織での利用状況のうち「部署の業務プロセスに組み込まれている」は11.9%にとどまり、AIの導入・運用の課題では「専門人材が不足している」が50.1%で最も高くなっています。*1 作れる人が社内に少ないなら、最初は外部人材の力を借り、時期を区切って社内に移します。

外部エンジニアが構成図の紙を押さえ社員がノートに記録する

なお、本記事の3か月・半年・1年という区切りは、公的な資料で決まった期間ではなく目安です。対象の業務の数や、社員が割ける時間で前後します。最初の3か月でやることは次の4つです。

  • ① 対象の業務を1つに絞り、目的と効果の測り方を決める
  • ② 社内の責任者と、外部人材と組んで作業する社員を決める
  • ③ 入力してよい情報や使ってよいサービスなど、社内のルールを決める
  • ④ 外部人材が作る横で社員も手を動かし、設定と決めた理由を記録に残す

AI事業者ガイドラインは、まずAIがもたらし得る便益とリスクを分析し、そのうえでAIを開発・提供・利用するかを判断して、方針(AIポリシーなど)を決める流れを示しています。*2 ①と③はこの判断にあたるので社内で決めます。DX動向2026でも「適切な利用を管理するためのルールや基準の作成が難しい」が39.7%にのぼっており、後回しにされやすい項目です。*1

④は、のちに支援を手放すための準備です。設定の中身とそう決めた理由を社内の置き場に書き残してもらわないと、半年後に社員が直そうとしたとき、なぜその設定なのかが分からず手が止まります。

半年までにやること4項目

作ったものを限られた部署で使ってもらう時期です。外部人材は作る役から確かめる役へ移ります。

  • ⑤ 対象の部署を限って試し、使われ方と利用料を確かめる
  • ⑥ テストの問いと合格の基準を社員が作り、評価を回す
  • ⑦ 小さな直しは社員が行い、外部人材はレビューに回る
  • ⑧ 回答のもとにする社内文書の入れ替え手順と、見てよい人の範囲を決める

⑥の評価は、生成AIならではの作業です。答えが毎回同じとは限らないため、決まった問いの組と合格の基準を用意し、直すたびに確かめます。品質の決め方は外部人材活用で生成AIを本番運用へ移すときの品質基準と更新手順で扱っています。

⑧は、社内の文書を検索して答えを作らせる仕組み(RAG)を使う場合の項目です。文書の入れ替えは運用が始まってからも続くので、この時期に社員が手順を持っておきます。

1年までにやること4項目

対象の部署を広げ、運用を社員が回す時期です。外部人材の関わりは設計の相談と難しい直しに絞ります。

運用手順書のリングバインダーをめくる社員とメモを取る社員

  • ⑨ 本番の運用と、使う人からの問い合わせへの対応を社員が持つ
  • ⑩ 機能や対象の部署を広げる前に、便益とリスクを見直す
  • ⑪ モデルの更新や乗り換えに備え、指示文とテストの問いを手元に残す
  • ⑫ 外部人材の関わり方を、設計の相談とレビューに切り替える

⑨で社員が運用を持つと、自社の立場も変わります。AI事業者ガイドラインは、AIシステムを既存のシステムや業務に組み込んで提供する事業者を「AI提供者」とし、検証、他のシステムとの連携の実装、運用のサポートなどを担うとしています。*2 同じ事業者がAI開発者・AI提供者・AI利用者の複数を兼ねる場合もあるとされ、社内向けに作るなら提供する側の役割も持ちます。*2

⑩もガイドラインの考え方にそった項目です。ガイドラインは、運用を始めた後も規制などの外部環境の変化を踏まえて、ふたたび環境・リスク分析を行い、必要に応じてゴールを見直すとしています。*2 機能を広げるときは、外部人材の目を借りやすい場面です。

外部人材の支援を手放す順番

支援は一度に切り替えず、作業ごとに順番を決めて社員に移します。手順の決まった作業から移し、判断の幅が大きい作業を最後に残すと、社員がつまずいたときに外部人材がまだ手を貸せます。

外部人材の支援を手放す順番(時期は本記事の目安)
順番 社員に移す作業 移す時期の目安 移す前に確かめること
1 画面や社内システムとのつなぎ込みなど、手順の決まった作業 3か月〜半年 社員が一人で小さな直しを出し、外部人材のレビューで通る
2 テストの問いの追加と評価 半年 社員が問いを足し、合格かどうかを自分で判断できる
3 本番の運用と問い合わせへの対応 1年まで 誤った回答や停止が起きたとき、社員が先に原因を切り分けられる
4 仕組みの設計と回答の質の改善 1年以降 社員が設計案を出し、外部人材のレビューで大きな直しが出ない

生成AIの内製化で、外部人材と社員の作業が時期ごとに入れ替わる様子の図。最初の3か月は外部人材が作り社員が横で一緒に作業する。半年までは社員が小さな直しを行い外部人材はレビューに回る。1年までは社員が運用と評価を回し、外部人材は設計の相談とレビューに絞る。期間は目安。

最初から外部人材に渡さないものもあります。どの業務に使うか、何を入力してよいか、使い続けるかの判断です。ガイドラインはAIを開発・提供・利用するかを判断する段階を置いています。*2 自社の業務とリスクを知っている社内でしか決められないので、ここは社内に残します。

公的な例では、神戸市が、生成AIを活用した各種アプリを内製しながら、AIのリスクアセスメントの評価基準の運用では、専門家からなるAI活用アドバイザーの助言も得ることとしています。*3 全庁で「AIとは」から始める初心者向けの研修も行っています。*3 作業ごとに技術を移す手順は外部人材活用から内製化へ、技術移転で社員に移すものと確かめ方で扱っています。

外部に頼むときに確認しておきたい点

生成AIの開発経験を持つ外部人材に内製化の支援を頼むなら、次の点を先に決めておくと、相談の内容がそのまま人材を探す条件になります。

  • 範囲:作業を代わりに進めてもらうのか、社員と組んで教えながら進めてもらうのか
  • 期間:3か月・半年・1年のどこまで頼むか。区切りごとに関わり方を減らす前提か
  • 体制:外部人材と組む社員は誰か。その社員が週にどのくらいの時間を割けるか
  • 費用の決まり方:関わる時間を時期ごとに減らすとき、契約の形と金額をどう見直すか
  • 引き継ぎ:設定の記録、指示文、テストの問いを社内の置き場に残してもらうこと

面談では、作った経験だけでなく、運用まで関わって社員に引き継いだ経験があるかを聞くと、手放す順番を相手と合わせやすくなります。社内と専門家の役割の分け方は外部人材活用で進める生成AIの導入、社内と専門家の役割の違いで扱っています。

まとめ:生成AIの内製化で押さえる3つの点

押さえたい点は3つです。第一に、最初の3か月・半年・1年を目安に区切り、12項目を順に進めること。第二に、外部人材が作る段階から社員と一緒に作業し、記録と指示文とテストの問いを社内に残すこと。第三に、支援は手順の決まった作業から順に手放し、どの業務に使うか、何を入力してよいか、使い続けるかの判断は最初から社内に残すことです。

LASSICに相談するメリット

時期ごとにやることと、外部人材に頼む範囲が書き出せたら、その条件で生成AIの開発経験を持つ人材を探す相談に進めます。業務委託で頼むか社員で採るかを決めきれていなくても、両方の形で候補を比べられます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

生成AIの内製化にはどのくらいの期間がかかりますか

公的な資料で決まった期間は示されていません。本記事の3か月・半年・1年は目安で、対象の業務の数、社員が割ける時間、仕組みの複雑さで前後します。表の「移す前に確かめること」ができているかで、次へ進むかを決めます。

社員が少なくても生成AIの内製化を進められますか

外部人材と組む社員が1人でも始められます。ただ、その社員しか分からない状態だと異動や退職で止まるので、④の記録を残し、半年までに2人目が小さな直しを担えるようにしておきます。

外部人材の支援はいつ終えればよいですか

手放す順番の4つ目まで社員が進められるようになれば、日々の支援は終えられます。そのあとも、機能を広げるときやモデルを乗り換えるときに相談できる形を残しておく方法があります。

生成AIの開発経験を持つ人材を探す

内製化の時期ごとに頼みたい範囲が決まっていれば、そのままご相談いただけます。どこまで頼むかを固めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2026」(2026年7月30日公開・PDF)(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/rcu1hd0000017uk8-att/dx-trend-2026.pdf)。出典:IPA。図表3-5 生成AIの導入状況(経年比較)、図表3-6 生成AIの組織での利用状況、図表3-16 AI導入・運用上の課題を参照(確認日2026年10月23日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編(令和8年3月31日・PDF)(https://www.soumu.go.jp/main_content/001064279.pdf)。出典:総務省・経済産業省。はじめに(AI開発者・AI提供者・AI利用者の定義)、第2部 E. AIガバナンスの構築を参照(確認日2026年10月23日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」別添(令和8年3月31日・PDF)(https://www.soumu.go.jp/main_content/001064286.pdf)。出典:総務省・経済産業省。別添2 コラム12「神戸市における AI 活用のためのルール整備」を参照(確認日2026年10月23日)(2026年10月確認)




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