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品番管理システムとは?品番の採番ルールと選び方をわかりやすく解説
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 品番管理システムは、製品や部品に付ける番号を決まった規則で振り、1つの品番が1つの物だけを指す状態を保つ仕組みです。
- 品番に意味を持たせる有意コードは分かりやすい反面、品目が増えると崩れやすく、追加が多いなら無意コードが勧められています。
- システムを選ぶ前に、番号を変える基準と廃番の扱い、旧品番との対応表を決めておくことが大切です。
※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
同じ部品なのに、部署ごとに別の品番が付いている。品番の桁が足りなくなり、決まりにない番号が増えてきた——。製品と部品の種類が増えた製造業の現場では、こうした食い違いが起こりがちです。品番管理システムは、製品・部品・材料に付ける番号(品番)を決まった規則で付け、1つの品番が1つの物だけを指す状態を保つための仕組みです。
ただし万能ではなく、採番ルール(番号の付け方の決まり)が曖昧なままシステムを入れても、混乱がそのまま画面に移るだけです。本記事では、製造業の情報システム担当者に向けて、品番管理システムの役割、コードの種類、採番ルールの決め方、そして選び方と外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
品番管理システムとは
デジタル庁のコード設計のガイドブックは、コードを「識別のためのコード」と「分類のためのコード」に分け、製品コードを識別のためのコードの例に挙げています。*1 品番は、このうち識別のためのコードにあたります。品番管理システムは、品番を付ける・確かめる・変える・止めるという一連の作業をを、決まった仕組みで行うためのものです。

- 採番:決めた規則に沿って、新しい品番を振る
- 重複の確認:同じ物に2つの品番、1つの品番に2つの物が付かないようにする
- 品目の台帳:品番ごとに名称・仕様・単位・状態(使用中・廃番など)を持つ
- 履歴:いつ誰が品番を作り、変え、廃番にしたかを残す
- 連携:生産管理・販売管理・設計の各システムへ同じ品番を渡す
似た言葉にPLMとMDMがあります。PLM(製品の企画から廃棄までの情報管理)は図面や設計変更を扱い、MDM(マスタデータ管理)は取引先や顧客を含む全社の基本データをそろえる取り組みです。品番管理は、その土台にあたる「番号の付け方と守り方」の話です。図面の管理はPLM・図面データ管理の開発で、全社のマスタ整備はマスタデータ管理(MDM)の導入で扱っています。
有意コードと無意コードの違い
採番ルールで最初に選ぶのが、有意コードと無意コードのどちらにするかです。デジタル庁のガイドブックは、有意コードを「コードの記号に意味を持たせるコード」と説明し、無意コードは記号に乱数などを使って意味を持たせない方式としています。*1
| 区分 | 品番の例 | よい点 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 有意コード | MT-BLT-0012(分類や材質を表す記号を含む) | 品番を見るだけで何の部品か見当が付く | 運用の変更に合わせにくく、品目が増えると体系が破綻しやすい |
| 無意コード | 100245(連番などで意味を持たせない) | 品目が増えても対応しやすく、運用を変えてもシステムの直しが小さい | 品番だけでは中身が分からず、品番と名称を結ぶ台帳が要る |
ガイドブックは、追加や変更が頻繁にある場合や、将来どれだけ増えるか見込めない場合に無意コードを勧めています。*1 GS1 Japanも、JANコードの商品の番号について、一部の桁を商品分類や部門の番号に使うと変更があったときに管理が難しくなるとして避けるよう案内し、順番に振る方法を勧めています。*3 品番から中身を知りたいなら、分類を品番に埋め込まず、台帳の別の項目として持つ方法があります。
品番とJANコードの違い
商品を小売店に出す会社では、社内の品番とは別にJANコードも扱います。JANコードは国際標準のGTIN(ジーティン)の日本での呼び名で、「どの事業者の、どの商品か」を表す商品識別コードです。*2 社内の品番とは、誰がどの規則で付けるかが違います。
| 項目 | 社内の品番 | JANコード(GTIN) |
|---|---|---|
| 付ける人 | 自社 | 商品のブランドを持つ事業者が、GS1 Japanから貸与された事業者コードを使って設定 |
| 桁数 | 自社で決める | 標準タイプは13桁、短縮タイプは8桁 |
| 付ける対象 | 製品のほか、部品・材料にも付ける | 商品(単品と集合包装) |
| 番号を変える基準 | 自社で決める | GS1が「10の基準」として示している |
社内の品番づくりで参考になるのが、番号を切り替える基準です。GS1は、消費者や取引相手が新旧を区別したいとき、規制上の開示が求められるとき、出荷・保管・受領の方法に影響する重要な変更があるときの少なくとも1つに当てはまる場合に番号を変えるとしています。*4 社内の品番でも、品番を変える変更と版(改訂の番号)で済ませる変更の境目を先に決めておくと、部署ごとの判断がそろいます。
採番ルールの決め方
採番ルールはシステムを選ぶ前に決めます。デジタル庁のガイドブックのコード設計の手順を品番に当てはめると、次の4つの段階になります。*1
- ステップ1:品番を付ける対象を決める(製品・部品・材料のどこまでに付けるか)
- ステップ2:有意コードか無意コードかを選び、将来必要な数を見積もって桁数と文字種を決める
- ステップ3:いまの品番と新しい品番の対応表を作る
- ステップ4:変更・廃番・再利用の決まりを作る
つまずきやすいのはステップ4です。ガイドブックは、製品の生産中止などで削除したコードは原則として再利用しないことを勧めています。*1 GS1 Japanも、終売した商品のJANコードを別の商品に設定することはできないとし、同じ番号の商品は在庫管理や売上管理で同じ商品として扱われてしまうと説明しています。*3
Excelの台帳では、数字だけの品番の先頭の0が消えることがあります(012345が12345になる)。*1 列を文字列に指定しておくと防げます。打ち間違いを見つけるには、番号の末尾にチェックディジット(検査用の数字)を付ける方法もあります。
システムの選び方と外部に頼むときの確認点
品番管理は、専用のシステムで行うほか、生産管理システムの品目の台帳を中心に整える方法もあります。どちらでも次の点を確かめて選びます。

- 採番の規則:決めたルールを設定で表せるか。桁数や先頭の記号を後から変えられるか
- 重複の確認:登録の時点で、名称や仕様が近い品目を探して知らせてくれるか
- 旧品番との対応:いまの品番と新しい品番の対応表を持ち、どちらでも検索できるか
- 履歴と状態:変更と廃番の履歴を残し、廃番にした番号を再び振らないようにできるか
- 連携:生産管理・販売管理・設計の各システムへ同じ品番を渡せるか
構築や移行を外部に頼むときは、見積もりの前に、採番ルールを誰が決めるかをはっきりさせておきます。ルールづくりまで頼むのか、実装だけを頼むのかで作業の量が変わります。あわせて、重複の洗い出しと移行前後の件数の照合を誰が行うか、稼働後に品番の追加を誰が承認するかも確かめておきます。生産管理システム全体の作り方は生産管理システムの開発を外注する進め方で扱っています。
まとめ:品番管理システムで確かめておきたい3つの点
品番管理システムを入れるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、有意コードか無意コードかを品目の増え方を見込んで決めること。第二に、品番を変える基準と廃番の番号の扱いを先に決めること。第三に、いまの品番との対応表を作り、移行の前と後で件数を照らし合わせることです。この3点を踏まえておけば、「システムを入れたのに、同じ部品に別の品番が付いている」という事態を避けやすくなります。採番ルールづくりや移行の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
品番は何桁にすればよいですか
決まった正解はありません。いまの品目数と将来増える見込みから必要な数を見積もり、桁数を決めます。*1 足りなくなってから桁を増やすと、連携するシステムへの影響を考えた対応が必要になるため、最初から余裕を持たせておきます。
JANコードを社内の品番として使ってもよいですか
JANコードは、商品のブランドを持つ事業者が商品ごとに設定する番号です。*2 社内の品番は部品や材料にも付けるため、品番は別に持ち、商品の品番とJANコードを台帳で結び付けておくと扱いやすくなります。
旧品番から新しい品番へ一度に切り替える必要はありますか
一度に切り替えず、関係するシステムの変更が終わるまで新旧を並べて使う方法もあります。*1 その間は対応表を使い、どちらの番号からでも同じ品目にたどり着けるようにしておきます。
品番管理と採番ルールづくりのご相談
採番ルールの設計から、品番管理システムの構築、旧品番からの移行と運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:デジタル庁「デジタル社会推進実践ガイドブック DS-463-1 コード(分類体系)導入実践ガイドブック」(2022年3月31日)(https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/890e5d96-d63c-4b77-bd3e-cc89487393e3/69935470/data_strategy_gif_463-1_guidebook_code.docx)。出典:識別のためのコードと分類のためのコード、有意コードと無意コードの特徴、コード設計の手順、削除したコードの再利用、表計算ソフトでの先頭の0の扱い、チェックディジット、コードの並行運用の記述を参照(2026年11月確認)
- *2 参考:GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)「GS1事業者コード・GTIN(JANコード)とは」(https://www.gs1jp.org/code/jan/about_jan.html)。出典:GTIN(JANコード)の説明、設定する事業者、標準タイプ13桁と短縮タイプ8桁の体系を参照(2026年11月確認)
- *3 参考:GS1 Japan「GTIN(JANコード)の作成手順」(https://www.gs1jp.org/code/jan/procedure.html)。出典:商品アイテムコードを順番に設定するやり方の推奨、分類や部門の番号を使う方法を避ける案内、終売後の再設定の禁止、同じGTINの商品の扱いを参照(2026年11月確認)
- *4 参考:GS1 Japan「GTIN(JANコード/集合包装用商品コード)の変更ルール」(https://www.gs1jp.org/code/jan/gtin_rules/)。出典:GTINを変更する場合の変更原則と「10の基準」を参照(2026年11月確認)