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2026.11.03 らしくコラム

座席管理システムの選び方|フリーアドレスの予約と在席表示の基本

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

壁のモニターに映る座席の配置図を前に、スマートフォンを手にする出社直後の社員

この記事の結論

  • 座席管理システムは、フリーアドレスの席の予約と、誰がどの席にいるかの表示をまとめて扱う仕組みです。
  • 会議室予約が部屋の空きを扱うのに対し、座席管理は人の居場所を扱うところが違います。
  • 選ぶ前に、席の持たせ方・在席の確かめ方・居場所を見せる範囲の3つを社内で決めておくことが大切です。

※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

出社しても空いている席が見つからない。あの人が今日オフィスにいるのか、行ってみないと分からない——。フリーアドレスを取り入れたオフィスでは、こうした困りごとが起こりがちです。国土交通省の令和7年度の調査では、会社などに雇われて働く人のうちテレワークをしたことがある人は25.2%で、業種別では情報通信業が74.1%と最も高い割合でした。*4 出社と在宅が日によって入れ替わる職場では、席と人の居場所が分かりにくくなります。座席管理システムは、フリーアドレスの席の予約と、誰がどの席にいるかの表示を、1つの画面でまとめて扱う仕組みです。

空いている席や同僚を探す手間を減らし、総務の担当者が席の使われ方を確かめるときにも役立ちます。ただし万能ではなく、席の数や出社の決まりが定まらないまま入れると、使われずに終わることもあります。本記事では、総務や情報システムの担当者に向けて、座席管理システムの仕組み、会議室予約システムとの違い、選び方の観点、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

座席管理システムとは

フリーアドレスは、社員の固定席をなくし、その日に空いている席を使う働き方です。総務省行政管理局は、個人の座席を固定しないフリーアドレス制と個人用デスクの撤廃を合わせた取組を「霞が関の中央省庁では先駆的な試み」と位置づけています。*1 国土交通省の不動産業グループも、2018年に職員の固定席をなくしたフリーアドレスを導入しました。*2

  • 座席の予約:出社する日の席を、前もって、または当日に押さえる
  • 在席表示:フロアの図の上で、誰がどの席にいるかを表示する
  • 席の解放:予約したのに使われていない席を、空きに戻す
  • 利用状況の集計:曜日や場所ごとに、席がどれだけ使われたかをまとめる

席が固定されていた頃は、座席表を一度作れば済みました。フリーアドレスでは座る場所が毎日変わるため、紙の座席表では追いつきません。座席管理システムは、その座席表の代わりを受け持つ仕組みです。

会議室予約システムとの違い

座席管理システムと会議室予約システムは、どちらも社内の場所を予約する仕組みです。違いは、予約する単位と、予約した後に何を知りたいかにあります。

座席管理システムと会議室予約システムの違い
観点 座席管理システム 会議室予約システム
予約する単位 1人が1日使う席 複数の人が数時間使う部屋
予約する人 席を使う本人 会議の主催者
知りたいこと 誰がどこに座っているか 部屋がいつ空いているか
よくある困りごと 空いている席が見つからない。同僚の居場所が分からない 同じ時間に予約が重なる。予約したまま使われない
主な連携先 社内アカウント、社員名簿、フロアの図 予定表(カレンダー)、会議の招待

会議室の予約は「部屋の空き」を、座席の管理は「人の居場所」を扱う、と考えると分かりやすくなります。総務省の取組では、事前予約制で慢性的に足りなかった会議室の使い方を見直し、予約不要のフリースペースを数か所設けました。*1 席と打合せの場所を一緒に見直すと、両方の仕組みが必要になることもあります。会議室の側は会議室予約システムの選び方で扱っています。

席の持たせ方と在席表示の仕組み

座席管理システムでは、まず建物・フロア・区画・席の順に場所を登録し、席ごとに使い方を決めます。Microsoft 365の公式ドキュメントでは、席をこの階層で整理し、1つの席に次の4つの使い方のどれかを割り当てる例が示されています。*3

モニターアームから伸びるケーブルをつないだノートPCで作業を始める女性社員

席の4つの使い方(Microsoft 365の公式ドキュメントの例)
使い方 内容 使いどころの例
予約できる席 前もって、またはその場で予約できる 出社する日を決めて来る人が多いエリア
当日だけ使える席 前もっては予約できず、その場で使う 短い時間だけ立ち寄る人が使うエリア
決まった人の席 特定の人に結びつき、ほかの人は予約できない 専用の機材があり、席を動かせない担当者
使えない席 修理などのために予約を受け付けない 机や機器を入れ替えている最中の席

在席表示は、席を予約しただけでは正しくなりません。本人が席に着いたことを知らせる「チェックイン」が要ります。同じ公式ドキュメントでは、机のモニターなどの周辺機器を席と結びつけ、つないだときに席を自動で予約したり、予約した席にチェックインしたりする方法が案内されています。*3 チェックインのない予約を一定の時間で空きに戻す決まりを作っておくと、席を押さえたまま来ない人の分もほかの人が使えます。

座席管理システムでの1日の流れを左から順に並べた図。STEP1 席を予約する、STEP2 着席してチェックイン、STEP3 在席を表示する、STEP4 来ない予約を空きに戻す。

座席管理システムの選び方

製品やサービスを見比べる前に、自社の席の使い方を決めておくと、必要な機能がはっきりします。次の4つの観点で整理します。

  • 席の持たせ方:全部の席を予約制にするか、当日だけ使える席や決まった人の席を混ぜるか
  • 在席の確かめ方:本人が画面で知らせるか、席に貼ったQRコードを読むか、モニターや社内のネットワークにつないだことで知らせるか
  • 既存の仕組みとの連携:シングルサインオン(1回のログインで入れる方式)で社内アカウントから使えるか。予定表や入退室の記録とつなぐか
  • 見せる範囲:誰の居場所を、誰に、どこまで見せるか。在宅の日も表示するか

中でも見落とされやすいのは見せる範囲です。在席表示は、社員の居場所という個人の情報を扱います。先の公式ドキュメントでも、周辺機器につないだときに勤務場所を自動で更新する機能は、本人の一度の同意を得てから働く形になっています。*3 表示する目的と範囲を社内で決め、社員に説明してから使い始めると、運用の途中で反発を受けにくくなります。

外部に頼むときに確認しておきたい点

座席管理システムには、出来合いのサービスを契約して使う方法と、社内の仕組みに合わせて作ったりつないだりする方法があります。どちらの場合も、導入や連携を外部に頼むときは、見積もりの前に次の点を確かめておきます。

円卓に広げたフロアの平面図をペンで示す委託先の技術者と、図を見る総務担当

  • どこまで頼むか:フロアの図の作成、席の登録、社内アカウントとの連携、操作の説明のうち、どれを任せるか
  • フロアの図の更新:レイアウトを変えたとき、誰がどの手順で図と席の登録を直すか
  • 連携の範囲:予定表、入退室の記録、社員名簿のどれとつなぐか。退職や異動がいつ反映されるか
  • 個人の情報の扱い:在席の記録をどこに、どのくらいの期間残すか。誰が見られるか
  • 運用後の見直し:席の使われ方の集計を見て、席の数や使い方を直す場を設けるか

受付で来客を迎える仕組みとあわせて整えたい場合は、来客管理・受付システムの開発を外注する進め方も参考になります。

まとめ:座席管理システムで確かめておきたい3つの点

座席管理システムを選ぶうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、予約できる席・当日だけ使える席・決まった人の席をどう混ぜるかを先に決めること。第二に、在席をどの方法で確かめ、使われない予約をどう空きに戻すかを決めること。第三に、誰の居場所を誰にどこまで見せるかを決め、社員に説明しておくことです。この3点を踏まえておけば、「入れてはみたが、在席表示が当てにならず、結局だれも見ていない」という事態を避けやすくなります。社内の仕組みとの連携や運用の決め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

座席管理の仕組みづくりでは、Microsoft Entra IDなどの社内アカウントとSAMLやOpenID Connectでつなぐシングルサインオン、Exchange Onlineのリソースメールボックスや予定表のAPIとの連携、フロアの図を席ごとに選べるSVGにする作業が中心になります。設計の段階では、予約できる席・当日だけ使える席・決まった人の席の割り振り、チェックインの方式、使われない予約を空きに戻すまでの時間、在席の情報を見られる人の権限を、お客様の座席表と出社の決まりを見ながら決めます。検証では、同じ席への予約の重なりや、退職した人のアカウントが残らないかを試験します。運用では、在席の記録の保存期間と削除の手順を文書にし、席の利用状況の集計をもとに席数や割り振りの見直しを提案します。

よくある質問

席数が少ない会社でも座席管理システムは必要ですか

出社する人数が毎日ほぼ同じで席が足りている間は、表計算ソフトの座席表で足りることもあります。出社と在宅が日によって入れ替わり、空いている席や同僚の居場所を探す手間が目立ってきたら、導入を考える時期です。まずはフロアの一部で試し、使われ方を見てから広げる方法もあります。

OutlookやTeamsだけで座席の予約はできますか

Microsoft 365では、席のまとまりをExchange Onlineの「ワークスペース」として登録し、OutlookやTeams、Placesアプリから予約できます。*3 1席ずつを指定して予約する機能は、席ごとに追加のライセンスが必要な機能とされています。自社の契約で何が使えるかは、契約内容と公式ドキュメントで確かめておきます。

在席表示を勤怠の記録に使えますか

在席表示は席の使われ方を示すもので、労働時間を記録するための仕組みとは目的が違います。勤怠の記録に使うかどうかは、就業規則や労務の専門家に確かめてから決めます。在宅の日の表示も含めて、どの情報を何のために見せるかを社員に説明しておくことが大切です。

座席管理の仕組みづくりのご相談

座席の予約と在席表示の仕組みづくりから、社内アカウントや予定表との連携、運用後の見直しまで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:総務省「ワークスタイルを変えるオフィス改革の試行的取組について」(https://www.soumu.go.jp/main_content/000343954.pdf)。出典:行政管理局行政情報システム企画課のオフィス改革(フリーアドレス制と個人用デスクの撤廃、会議室の事前予約制の見直しと予約不要のフリースペースの設置)の記述を参照(2026年11月確認)
  2. *2 参考:国土交通省 報道発表資料「「働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」とりまとめ ~『真に人に優しい不動産』の実現に向け、国交省でもフリーアドレスを導入~」(2018年7月24日)(https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000174.html)。出典:国土交通省不動産業グループが職員の固定席をなくしたフリーアドレスを導入したことの記述を参照(2026年11月確認)
  3. *3 参考:Microsoft Learn「Configure desk booking」(Microsoft Places)(https://learn.microsoft.com/en-us/microsoft-365/places/configure-desk-booking)。出典:建物・フロア・区画・席の階層、席の4つのモード(Reservable・Drop-in・Assigned・Unavailable)、Exchange Onlineのワークスペース、周辺機器による自動予約とチェックイン、同意を得たうえでの勤務場所の自動更新、席ごとの予約に必要なライセンスの記述を参照(2026年11月確認)
  4. *4 参考:国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果-」(令和8年3月)(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001989216.pdf)。出典:雇用型テレワーカーの割合(25.2%)と、業種別の雇用型テレワーカーの割合(情報通信業74.1%)を参照。テレワーカーはこれまでにテレワークをしたことがある人(2026年11月確認)




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