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2026.11.06 AXコラム

AIエージェントの外注の事例で確かめること

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

ノートパソコンの向こうの外部の担当者の話を聞き終え、推進役が軽くうなずいて口を開きかける

この記事の結論

  • 事例で確かめるのは成果の大きさより、エージェントにどこまでの操作を許し、どこで人が確かめているかです。
  • 公開の事例は任せた操作の範囲と人が確かめる箇所で読み、同じ条件を外注先への依頼に書きます。
  • 任せたい業務を1つ選び、許す操作と人が確かめる箇所を書き出して外注先の候補に示します。

※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

AIエージェントの外注を考えるとき、公開の事例は成果の大きさで比べたくなります。けれども事例から読み取るべきなのは、エージェントにどこまでの操作を許し、どこで人が止めているかです。その条件を、そのまま外注先への依頼に書きます。

外注先に見積もりや提案を頼む前に、事例を「任せた操作の範囲」「人が確かめる箇所」「起こりうる被害への対策」の3つで読みます。IPAの資料が示す被害の型と照らし、任せたい業務を1つ選んで、許す操作と確かめる人を書き出しておけば、提案を同じ物差しで比べられます。本記事では前半で提案を比べる4つの基準と判断の場面を、後半で使い道の例・費用対効果・契約と規程の確認点・被害への対策を整理します。

事例の成果だけを見て頼むと、任せる範囲があいまいなまま動き出す

公開されているAIエージェントの事例には、減った作業の時間や応じた件数など、成果の数字が並びます。外注先の提案にも、似た事例の成果が添えられるでしょう。ただ、成果の数字だけを手がかりに頼むと、エージェントに何を許すのかが決まらないまま作り始めることになります。

悩みごとに、先に読むとよい章を次の表にまとめました。

悩みごとに読む章
悩み 読む章
どんな業務を任せた例があるのか知りたい 公開の資料にある使い道の例と、任せにくい業務
外注の費用に見合う効果があるか示したい 費用対効果:作業の時間と確かめる手間の差し引き
勝手に動いて情報が漏れないか心配 起こりうる被害と、技術・運用・人の対策

範囲が決まらないまま動き出すと、何が起きるのか。IPAの手引書は、AIシステムが引き起こしうる被害を7つに整理し、事例とともに解説しています。その一つが「付与権限外の操作」です。自律型のAIエージェントにメールのアクセス権を与えた結果、意図せず数百通のメールが大量削除された事案が挙げられています。*3

組織の受け止め方も変わってきました。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれ、2位には「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が入っています。*2 外注でAIエージェントを作るなら、どちらも自社の検討の範囲に入ります。

IPAの情報セキュリティ10大脅威2026の組織向けで、2位がサプライチェーンや委託先を狙った攻撃、3位がAIの利用をめぐるサイバーリスク(2026年に初選出)であることと、IPAの手引書が定める7つの発生被害を、AIエージェントに許す操作ごとに並べた図。閲覧には情報の漏洩とシステムや内部データの改ざん、作成には虚偽や低品質な出力の利用および出力の誤用、送信・実行には付与権限外の操作、第三者への加害、過剰課金の発生が当てはまりやすく、サービス停止はどの操作でも起こりうる。

図は、手引書の被害の説明をもとに、許す操作ごとに当てはまりやすい型を並べたものです。送信や他の仕組みの操作まで許すと、権限を超えた操作や第三者への加害のように、相手のある被害の型が加わります。事例を読むときは、成果の数字の前に、どの操作まで許していたかを探してください。

失敗の元は技術より、操作の権限と確かめる人を決めていないこと

先のメールの事案の原因は、エージェントの性能ではありませんでした。手引書によると、削除まで含む過剰な権限が与えられていたうえに、実行前の人の承認をシステムの制御として組み込まず、指示文での指示だけに頼っていたことが被害につながっています。閲覧・作成・送信を区別せずに権限を渡すと、誤った操作が起きても誰も止められません。

業務の流れを付箋で貼り終え、ペンを置いた後の机の上

決め方の手本は、公開の事例にもあります。総務省の令和8年版情報通信白書によると、中外製薬は業務の流れの変革では人とAIの役割分担を十分に検討するべきだと考えています。そのうえで「人間が責任を取らなければならないのはどこか」を見極め、人の判断や確認を挟む「ヒューマン・イン・ザ・ループ」を重視しているといいます。*5

外注先に相談する前に、次の3つを自社で書き出せるかを見ておきます。

  • エージェントに許す操作(閲覧・作成・送信)を書き出したか
  • 動きの記録を見る担当を決めたか
  • 入れてよい情報の範囲が社内で決まっているか

書き出せなかった項目は、外注先に決めてもらう部分ではなく、提案を受ける前に社内で決めておく部分です。後半では、使い道の例、費用対効果の見方、提案を比べる表、委託の契約と規程の確認点、被害への対策を確かめられます。

任せる業務と許す操作の整理を相談する

任せたい業務と、そこで扱う情報の種類を書き出したメモをお手元にご用意いただければ、ご相談いただけます。許す操作が決めきれていない段階でも構いません。

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外注先の提案を比べる4つの基準

提案は、任せる操作の範囲・人が確かめる箇所・情報の扱い・引き継ぎのしやすさの4つで比べます。成果の見込みは提案ごとに前提が違うため、横に並べにくい項目です。委託しても自社に残る役割の全体像は、AIエージェントの外注:自社に残る役割と委託の範囲で整理しています。

外注先の提案を比べる4つの基準と目安
基準 目安
任せる操作の範囲 閲覧・作成・送信のどこまでを許すかが提案に書かれているか
人が確かめる箇所 社外に影響する操作の前に、人の承認が入るか
情報の扱い 入力した情報の保存の場所と、学習への利用の有無が示されているか
引き継ぎのしやすさ 納品後に社内で設定を直せる資料と体制があるか

4つ目の引き継ぎは、事例からも読み取れます。白書が紹介するアイニコグループは、専門の支援業者と連携してAI活用のプロジェクトを1年間進めました。終了後も勉強会を月1回のペースで続け、困りごとが生じれば支援業者に相談できる環境も続けているとしています。作って終わりにせず、社内で使い続ける人と場を残すことが、この基準で見る中身です。

社内の技術相談の一次受けを任せる案を比べる場面

推進役が、社内の技術相談の一次受けをAIエージェントに任せる案を、2つの提案で比べる流れを追います。IPAのコラムは、ベテラン技術者の知見や過去の設計データを蓄積し、いつでも相談できる社内向けのAIエージェントを例に挙げています。これと同じ使い道を、自社で外注する場面です。

技術相談の一次受けを任せる案を選ぶまでの判断の流れ
判断の段階 見ること この場面での判断
1. 任せる操作 閲覧・作成・送信のどこまでを許すか 社内資料の閲覧と回答案の作成までを許し、相談した社員への回答の送信は許さない
2. 人が確かめる箇所 回答が相談者に届く前に誰が見るか 回答を送る前に、担当の技術者の承認を挟む
3. 情報の扱い 読ませる資料に営業秘密や預かり物が含まれるか 取引先から預かった設計資料は、読ませる対象から外す
4. 動きの記録 記録を誰がどの頻度で見るか 記録を見る担当を1人置き、週に1回見ることを条件にする
5. 提案の比較 2つの提案が1〜4を満たすか 回答の送信まで自動で行う案ではなく、送信の前に承認を挟める案を選ぶ

この場面で推進役が条件にしたのは、回答の送信に人の承認を挟むことと、記録を見る担当を置くことの2つでした。どちらも成果の見込みの数字からは読み取れず、4つの基準で並べて初めて差が見えた項目です。

公開の資料にある使い道の例と、任せにくい業務

公開の資料には、ブラウザの操作や社内の技術相談の代行といった例がある一方、社外への送信や判断を伴う業務には人の確認が要ります。IPAのコラムは、AIエージェントの使い道の例として次のようなものを挙げています。*1

IPAのコラムにある使い道の例と、事例を読むときに探すこと
使い道 公開資料の説明(要約) 事例を読むときに探すこと
ブラウザの操作 人の代わりにブラウザを操作し、フォーム入力、予約、買い物、メール返信などの繰り返しの操作を行う 送信や購入の前に、人が確かめる箇所があるか
コーディング 課題を割り当てると、コードの実装・修正・テストを行い、変更の提案として提出する 提出された変更を、人が確かめてから取り込むか
社内の技術相談 ベテラン技術者の知見や過去の設計データをもとに、いつでも相談に応える 読ませる資料の範囲と、回答の誤りを誰が直すか

国内の公的な資料にも、人の出番をはっきり置いた事例があります。総務省の「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」の改訂の概要は、自治体の生成AIの利活用の事例を紹介しています。*7 AIエージェントに限った事例ではありませんが、人が確かめる箇所の置き方は同じ読み方ができます。

  • 神戸市:生成AIを使ったボイスボットが、住民からの税に関する電話にFAQをもとに自動で応え、回答できないときは職員に転送する(実証実験中)
  • 千葉県:相談時の音声から個人情報を自動でマスキングして文字起こしし、職員が入力してよいかを確かめてから生成AIに入れ、要約に使う

どちらの事例も、AIが動く範囲の端に人の出番を置いています。任せにくいのは、社外へ届く送信と、誤ると相手に影響する判断を伴う業務です。こうした業務を任せた事例を見つけたら、送信や判断の前に誰が確かめているかを探すと、自社に持ち込める条件が見えてきます。

費用対効果:作業の時間と確かめる手間の差し引き

効果は、減る作業の時間から、記録の確認と直しの時間を差し引いて見ます。公開の事例が示す成果の数字は、減った時間の側です。確かめる手間にどれだけかかったかは書かれていないことがあるため、自社の見積もりでは自分で差し引きます。

人物Aが、印刷した結果の紙を胸の高さに掲げて人物Bの方へ傾ける

事例の数字の例を見てみます。白書によると、アイニコグループのAI活用プロジェクトでは、全10事業部の合計で年間2,247時間分の業務時間の削減が報告されました。内訳には、問合せ対応のテンプレート化・自動化による年間897時間の削減(不動産事業部門)などが含まれます。*6

この数字は、全10事業部から募った計21名が、通常業務と並行して1年間、週1回1時間程度の勉強会を重ねた取り組みの結果です。自社の見積もりの参考にするなら、減った時間と並べて、取り組みに使った時間もそろえて見ます。

効果を見積もる項目と測り方
項目 中身 測り方
減る作業の時間 任せた業務に使っていた時間 導入の前後で、同じ期間の作業時間を記録する
記録を確かめる時間 エージェントの動きの記録を人が見る時間 見る担当と頻度を決め、1回あたりの時間を記録する
直しの時間 誤った出力や操作を人が直す時間 直した件数と時間を記録する
承認の時間 送信などの前に人が承認する時間 承認の件数と、承認を待った時間を記録する

記録を確かめる手間は、どこまで見るかで大きく変わります。IPAの手引書はログ(動きの記録)の監査を3段階に分け、最低限の段階では、記録をためて事故の後の調査や月次などの定期確認に使うとしています。ただし重要なシステムでは、ごく一部の記録だけでも毎日人が確かめることが望ましいとしています。*3

最も上の段階では、監査用のAIシステムに入力を読ませる方法も示されていますが、利用料が実質2倍になるとされています。見積もりでは、どの段階で記録を見るかを外注先と決め、その時間と費用を自社の側に入れます。確かめる手間を引いても減る時間が残る業務から始めると、効果を説明しやすくなります。

判断の材料:外注先の提案を比べる表

4つの基準を列にし、提案ごとに書かれているか・いないかを示します。書かれていない項目は提案の欠点と決めつけず、質問して答えを書き足す欄にします。

外注先の提案を比べる表(ひな形)
行 任せる操作の範囲 人が確かめる箇所 情報の扱い 引き継ぎのしやすさ
提案に書かれているときの記述の例 閲覧と下書きの作成まで、送信は不可 社外へ送る前に担当者が承認 入力の保存先と、学習に使わない設定 設定を直す手順書と、引き継ぎの打ち合わせ
書かれていないときに聞く質問 どの操作を許し、どの操作を許さないか 承認を挟める操作と、止めたいときの手順は何か 入力した情報はどこに、いつまで残るか 納品後に社内で直せる範囲はどこまでか
自社の条件(記入欄) 許す操作を書く 承認する人を書く 入れない情報を書く 引き継ぐ人を書く

この表の4つの基準は、提案を受けた後ではなく、提案を頼む段階で外注先に示しておきます。IPAの手引書は、AIの提供者に求めるセキュリティの技術要件について、導入後に追加するのはシステム構成の変更を伴うため現実的ではないとしています。そのため、導入前の企画・調達の段階で提案依頼書(RFP)や調達仕様書に明記し、契約条件として合意しておくことが重要だとしています。*3

既製の仕組みを使い、設定だけを頼む提案もあるでしょう。手引書は、クラウド型のSaaSとしてAIを導入する場合、提供者側の仕様に依存するため、個別の要件を契約条件として交渉できないケースもあると述べています。その場合は、提供者が第三者機関によるAIの脆弱性診断を受けているかを確かめる方法を挙げています。

どの進め方を選ぶかは、次の4つの条件で分かれます。

  • 任せる操作が社外に影響するか(送信・発注など)
  • 扱う情報に営業秘密・個人情報が含まれるか
  • 動きの記録を誰が見るか
  • 納品後に社内で引き継ぐ人がいるか

確認点:委託の契約・情報の扱い・社内規程

再委託、記録の保存、事故のときの報告は、契約と社内の利用の決まりの両方で確かめます。契約で外注先の受け持ちを決め、社内の決まりで自社の受け持ちを決める、という分け方です。

契約と社内の決まりで確かめること
確かめる項目 契約で確かめること 社内の決まりで確かめること
再委託 外注先が別の会社に作業を再委託するか、その条件と事前の承諾 再委託先にも同じ情報の扱いを求めるか
記録の保存 どの記録を、どちらが、どれだけの期間持つか 社内で記録を見る担当と、見る頻度
事故のときの報告 誤った操作や情報の漏えいに気付いたとき、いつまでに誰へ知らせるか 報告を受けて止める判断をする人
入れてよい情報 入力した情報の保存の場所と、学習への利用の有無 営業秘密や個人情報を入れない決まり

記録の保存の期間には目安があります。IPAの手引書は、日時や利用者のIDなどの付随する情報は長期(例:1年)、容量の大きい入力や出力の本文は短期(例:3ヶ月)とするなど、データの性質に応じて保存の期間を分ける例を示しています。*3

社内の決まりの手本には、総務省が自治体向けに示した職員向けの生成AI利用ガイドラインのひな形があります。概要には次のような点が並びます。

  • 利用可能な業務の範囲と入力可能な情報を含む利用方法を理解すること
  • 私用デバイスへ私的にインストールした生成AIに、職務上知り得た情報を入力しないこと
  • 利用目的に応じて求められる正確性の水準が異なることを意識し、出力結果を確認すること
  • 生成AIシステム特有のリスクケースが起きたら、報告フォームで報告すること

民間の事例では、白書のアイニコグループが、最低限のルールとして個人情報を入力しないこと、オプトアウトの設定を行うことなどを周知するとしています。*6 決まりを細かく作り込む前に、入れない情報と最初に行う設定の2つから決める方法もあります。

起こりうる被害と、技術・運用・人の対策

意図しない情報の漏えいや予期しない動きには、技術・運用・人の3つで備えます。IPAのコラムは、AIエージェントの課題やリスクの例として、意図しないデータ漏洩、予期せぬ挙動や不適切な意思決定、想定外のAPI利用や通信によるコストの膨張などを挙げています。*1 手引書は、これらを含む被害を7つの型に整理しています。

IPAの手引書の7つの発生被害と、事例を読むときの問い
発生被害 説明(要約) 事例を読むときの問い
A 情報の漏洩 入力した指示文や参照するデータの情報が、意図せず社外や権限のない社内の人に開示される 読ませた情報の範囲が書かれているか
B 付与権限外の操作 本来与えられた権限を超えて、自身や連携先の仕組みに不正な処理を行う 許した操作と、止める仕組みが書かれているか
C システムや内部データの改ざん 参照する内部のデータベースなどが悪意を持って書き換えられる 参照するデータの更新を誰が管理しているか
D AIシステムのサービス停止 攻撃や、依存する連携先の停止で使えなくなる 止まったときに人の作業へ戻せるか
E 虚偽や低品質な出力の利用および出力の誤用 誤りや偏見、権利侵害を含む回答を、妥当性を確かめずに業務に使う 出力を人が確かめてから使っているか
F 第三者への加害 与えた権限の範囲内の機能が悪用され、自社が意図せず加害者になる 社外へ届く操作に上限や承認があるか
G 過剰課金の発生 悪意のあるリクエストや乗っ取りで、利用料が大幅に増える 利用料の上限が決まっているか

手引書は対策を、提供者に求める「技術要件」、自社の環境で設定・実施する「運用対策」、人の判断・承認で補う「人的統制」の3つに分けています。そのうえで、3つは相互に補完し合うことで初めて実効的な防御が実現されるとしています。*3

3つの対策の分類と、外注の場面での例
分類 誰が受け持つか 外注の場面での例
技術要件 提供者に、調達・契約の段階で求める 権限を絞る仕組みと、記録を取る仕組みを提案と契約に入れる
運用対策 自社の環境で設定・実施する 記録を有効にし、見る担当と頻度を決める
人的統制 人の判断・承認で補う 社外へ届く操作の前に承認を挟む

技術で見張る事例として、白書は、顧客とやりとりするAIと、発話やシステムの挙動をリアルタイムで監視・制御するAIを組み合わせた顧客対応のサービスを紹介しています。*8 人が全件を見られない部分を、別の仕組みで見張る形です。提案を比べるときも、どこを仕組みで見張り、どこを人が見るのかを分けて書いてもらいます。

情報の扱いでは、IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」が、クラウドAIに営業秘密は教えない、AIブラウザは社内用と社外用を分ける、といった対策を挙げています。*4 権限の設計そのものを外注するときの進め方は、AIエージェントのセキュリティ・権限設計を外注で扱っています。

まとめ:事例は任せた操作と人が確かめる箇所で読む

AIエージェントの外注の事例は、成果の数字より、どこまでの操作を許し、どこで人が確かめているかで読みます。IPAの手引書は被害を7つの型に整理し、技術・運用・人の3つの対策を示しています。総務省の白書や自治体のガイドブックにも、人の確認を挟む事例が載っています。読み取った条件は、任せる操作の範囲・人が確かめる箇所・情報の扱い・引き継ぎのしやすさの4つにまとめ、提案を頼む段階で外注先に示します。今日からは、任せたい業務を1つ選び、許す操作と確かめる人を書き出すところから始めてください。

LASSICに相談するメリット

任せたい業務と、許す操作・確かめる人が書き出せたら、作る人を誰にするかを決める段階です。任せる業務の範囲が決まっていれば、そこからご相談いただけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

AIエージェントにはどんな業務を任せた例がありますか。

ブラウザの操作やコーディング、社内の技術相談の代行などの例があります。IPAのコラムは、フォーム入力やメール返信などのブラウザ操作、課題を割り当てるとコードの実装・修正・テストを行う例、過去の設計データをもとに技術相談に応える社内向けの例を挙げています。社外へ送る操作を含む例では、送る前に誰が確かめているかを合わせて読みます。

外注先の提案は何で比べますか。

任せる操作の範囲と人が確かめる箇所が書かれているかで比べます。あわせて、入力した情報の保存の場所と学習への利用の有無、納品後に社内で設定を直せるかも見ます。この4つを提案を頼む段階で示しておくと、答えを横に並べやすくなります。

効果はどう見積もりますか。

減る作業の時間から、確かめる手間を差し引いて見積もります。確かめる手間には、動きの記録を見る時間、誤りを直す時間、送る前に承認する時間が含まれます。公開の事例の成果の数字は減った時間の側なので、自社の見積もりでは確かめる手間を自分で差し引きます。

どんな被害が起こりえますか。

意図しない情報の漏えいや予期しない動きなどが挙げられています。IPAの手引書は、情報の漏洩、付与権限外の操作、システムや内部データの改ざん、サービス停止、虚偽や低品質な出力の利用、第三者への加害、過剰課金の7つに整理しています。許す操作が広いほど、当てはまる型が増えます。

契約では何を確かめますか。

再委託、記録の保存、事故のときの報告の取り決めを確かめます。記録はどちらがどれだけの期間持つか、事故に気付いたときにいつまでに誰へ知らせるかを決めておきます。社内の利用の決まりでは、入れない情報と、報告を受けて止める判断をする人を決めます。

業務の仕組みづくりの相談

任せたい業務とそこで扱う情報の種類、社内の利用の決まりがあるかどうかをお手元にご用意いただければ、ご相談いただけます。整理が途中の段階でも構いません。

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出典

  1. *1 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「SDS技術コラム:AIエージェント」(2025年7月8日公開)(https://www.ipa.go.jp/digital/kaihatsu/sds-column/ai-agent.html)。出典:「AIエージェントの例」(主要な企業のAIエージェントサービスの例)と「課題やリスクの一例」を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  2. *2 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日公開)(https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2026.html)。出典:「情報セキュリティ10大脅威 2026[組織]」の表(2位・3位と初選出年)を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  3. *3 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「セキュリティ担当者のための生成AIセキュリティ」(2026年7月31日公開)と同ページの手引書(PDF)(https://www.ipa.go.jp/jinzai/ics/core_human_resource/final_project/2026/ai-security.html)。出典:手引書の4.1(表4-1 発生被害の一覧)、4.2.2(付与権限外の操作の事例)、6.1(対策の3分類)、6.1.1(技術要件の前文)、6.3.2(ログ監査の実務設計)を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  4. *4 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」(2026年4月2日公開)(https://www.ipa.go.jp/digital/ai/security/ai_security_tips.html)。出典:ページの目次「ここから始めるAIセキュリティ対策」を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  5. *5 参考:総務省「令和8年版 情報通信白書」中外製薬の事例(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121310.html)。出典:「カ ルール・ガバナンスの構築」を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  6. *6 参考:総務省「令和8年版 情報通信白書」アイニコグループの事例(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121320.html)。出典:「イ AIの活用推進のための組織体制・環境整備」から「オ 成果につながった要因と今後の展開」までを参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  7. *7 参考:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブックの改訂について(概要)」(PDF)(https://www.soumu.go.jp/main_content/001045562.pdf)。出典:別紙1(自治体における生成AIの利活用事例)と別紙2(職員向け生成AI利用ガイドラインのひな形のポイント)を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)
  8. *8 参考:総務省「令和8年版 情報通信白書」顧客との接点(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121250.html)。出典:顧客対応の自動化の取組の記述を参照(確認日2026年11月4日)(2026年11月確認)




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