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2026.10.31 らしくコラム

MySQL 8.0サポート終了後の4つの対応|版上げと延長料金

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

サーバー室でノートPCの表を見ながら相談する情報システム部の2人

この記事の結論

  • MySQL 8.0はOracle社の延長サポートが2026年4月に終わり、新しい修正は出ていません。
  • Amazon RDSでは2026年8月から有料の延長サポートに入り、2029年7月末で終わります。
  • 延長サポートは版上げの時間をつくる手段で、8.4への移行の計画と組み合わせて使います。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

MySQL 8.0はいつまで使えるのか、社内で聞かれても答えられない。AWSの請求書に見慣れない延長サポートの項目が増えている——。MySQL 8.0でシステムを動かしている会社では、こうした戸惑いが起こりがちです。MySQL 8.0のサポート終了とは、開発元のOracle社による8.0の延長サポートが2026年4月で終わり、新しい修正が出なくなったことを指します。

クラウドのAmazon RDSなら、期限の後も有料の延長サポートで使い続けられます。ただし万能ではなく、料金は年数とともに上がり、延長にも終わりがあります。本記事では、情報システムの担当者に向けて、Oracle社とAWSの期限、延長サポートの料金の仕組み、取れる4つの対応と8.4への版上げの進め方、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

MySQL 8.0のサポート終了とは

Oracle社は製品ごとのサポート期限を一覧で公開しています。MySQLは、標準のサポート(Premier Support)、延長サポート(Extended Support)、期限を定めない継続サポート(Sustaining Support)の3つの段階で示されています。*1 8.0は2018年4月に一般提供が始まり、標準のサポートは2025年4月、延長サポートは2026年4月に終わりました。

MySQLの版ごとのサポート期限(Oracle社の一覧から作成)
版 一般提供の開始 標準のサポートの終了 延長サポートの終了
8.0 2018年4月 2025年4月 2026年4月
8.4 2024年4月 2029年4月 2032年4月
9.7 2026年4月 2031年4月 2034年4月
  • Oracle社の一覧で、8.0に残っているのは期限を定めない継続サポートの段階だけです
  • 無償で配られているコミュニティ版の8.0も、AWSの資料で終了日は2026年4月30日とされています*2
  • Amazon RDSで選べる8.0の次の版は8.4です*2

5.7から8.0へ移ったときの経緯はMySQL 5.7終了と8.0への移行で扱っています。8.0から先は、自社のMySQLがどこで動いているかによって、期限と取れる手段が変わります。

RDSとAuroraの期限と延長料金

AWSのデータベースサービスAmazon RDSでは、MySQL 8.0の標準のサポートを2026年7月31日まで続け、翌8月1日から有料の延長サポートに切り替えています。*2 延長サポートの間も、重大度が高いセキュリティの修正と重大な不具合の修正が提供され、問い合わせもできます。*3

モニターの棒グラフを指して説明する担当者と、腕を組んで見る課長

AWSのMySQL 8.0系の期限(AWSの公式ドキュメントから作成)
サービスと版 標準のサポートの終了 延長料金の開始 延長サポートの終了
RDS for MySQL 8.0 2026年7月31日 2026年8月1日(2028年8月1日から3年目の単価) 2029年7月31日
Aurora MySQL version 3(8.0と互換) 2028年4月30日 2028年5月1日 2029年7月31日
RDS for MySQL 8.4 2029年7月31日 2029年8月1日 2032年7月31日

延長サポートの料金は、インスタンスの利用料とは別にかかります。決まり方は次のとおりです。*4

  • vCPU(仮想的なCPU)1つ・1時間あたりの単価で、リージョン(AWSの地域)ごとに違う
  • 標準のサポートの終了から何年目かで単価が変わる
  • 待機用のインスタンス(Multi-AZ)と読み取り用の複製(リードレプリカ)にもかかる
  • リザーブドインスタンス(前払いの割引)の割引は効かない

AWSの料金ページの例では、米国東部(オハイオ)で5.7を動かす場合、2024年3月から2年間は1vCPU・1時間あたり0.100ドル、2026年3月からは0.200ドルです。*4 延長の3年目に単価が上がる形で、延長サポートの期間が終わると、AWSが自動で次の版へ上げます。*3

サポート終了後に取れる4つの対応

MySQL 8.0のサポート終了に向き合う手段は、大きく4つに分けられます。費用と手間のかかり方がそれぞれ違うので、システムをあと何年使うかから考えると選びやすくなります。

MySQL 8.0のサポート終了後に取れる4つの対応
対応 中身 向いている場面
1. 8.4へ版上げする 標準のサポートの版に戻り、RDSの延長料金も止まる これから何年も使い続けるシステム
2. 延長サポートで時間をつくる 料金を払い、RDSなら最長2029年7月31日まで8.0のまま使う 版上げの試験が間に合わないとき、近く使うのをやめるシステム
3. Aurora MySQL version 3へ移す 8.0と互換のまま、標準のサポートが2028年4月30日まで続く Auroraへの移行をもともと考えていた場合(移す作業は別に必要)
4. 別のデータベースへ移す MariaDBなど、ほかの製品へ切り替える 製品の選び直しも含めて見直したい場合

延長料金は、8.4など標準のサポートの版へ上げるか、データベースを削除すると止まります。*3 延長サポートは版上げまでの時間をつくる手段と考え、終わりの日を決めて使うのが基本です。自社のサーバーで動かしている場合、2と3は選べないため、1か4のどちらかになります。製品の乗り換えを考えるときはMariaDBとMySQLの違いも参考になります。

8.0から8.4へ上げる進め方

8.4へ版上げする場合は、次の4つの段階で進めると、本番で止まる時間と失敗を減らせます。

MySQL 8.0から8.4への版上げを4つの段階で左から順に並べた流れ図。STEP1 使っている版と場所を洗い出す、STEP2 非互換を事前に確かめる、STEP3 複製した環境で試験する、STEP4 本番を切り替える。

大切なのはステップ2です。AWSの資料は、8.4には8.0との非互換がいくつかあり、版上げの前に準備が要る場合があるとしています。主な確認点は次のとおりです。

  • 廃止された古いデータ型や関数を使った表がないか
  • 8.4で新しく予約語(MySQLが特別な意味で使う言葉)になった語を、表や列の名前に使っていないか
  • 廃止されたSQLモード(データベースの動き方を決める設定)を指定していないか
  • 外部キー(表どうしをつなぐ決まり)の名前が64文字を超えていないか
  • 文字コードのutf8mb3をutf8mb4へ変えておくか。古い接続側のソフトは、データベースより先に更新しておく

RDSでは、8.0から8.4への版上げを始めると事前のチェックが自動で走り、省略はできません。チェックはインスタンスを止める前に行うので、チェックそのもので停止は起きません。問題が見つかれば、止める前に版上げが取り消されます。*6 それでも失敗した場合は、元の版へ戻されます。

外部に頼むときに確認しておきたい点

MySQL 8.0の版上げを外部に頼むときは、作業の範囲と、延長料金がかかる期間の見通しを先にそろえておくと、見積もりが比べやすくなります。次の点を確かめておきます。

夜の会議室でノートPCの工程表を見せる外部の技術者と情報システム部の2人

  • 対象の洗い出し:RDS、Aurora、自社のサーバーにあるMySQLを全部挙げ、版と延長料金の有無を一覧にするか
  • 延長料金の見通し:移行が終わるまでの月数とvCPUの数から、延長料金の見込みを出すか
  • 非互換の確認範囲:データベースだけでなく、接続するアプリケーションと接続用のソフト(ドライバ)まで見るか
  • 試験と切り戻し:複製した環境での試験の方法と、失敗したときに元の版へ戻す手順を決めるか
  • 次の期限の管理:8.4の期限を台帳に載せ、次の版上げの時期まで決めるか

延長料金は待機用のインスタンスや読み取り用の複製の分もかかるので、版上げの作業費と並べて判断します。RDS全体の費用の見直しはAmazon RDSのコストを最適化する進め方にまとめています。

まとめ:MySQL 8.0で確かめておきたい3つの点

MySQL 8.0のサポート終了に向き合ううえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、自社のMySQLが自社のサーバー、RDS、Auroraのどこで動いているかを洗い出し、それぞれの期限を一覧にすること。第二に、延長サポートを使うなら、料金の決まり方を踏まえて終わりの日を先に決めること。第三に、8.4へ上げる前に非互換を確かめ、複製した環境で試してから本番を切り替えることです。この3点を踏まえておけば、「延長料金を払い続けたまま、版上げの準備が進まない」という事態を避けやすくなります。版上げの進め方や費用の見通しに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

LASSICは2006年の創業以来、システムの運用・保守に特化したプライム(一次請け)のシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。日本ニアショア開発推進機構の認定ベンダーとして、全国のリモート人材による開発・運用の体制を整えています。

MySQL 8.0から8.4への版上げでは、MySQLのアップグレードチェッカーとAmazon RDSの事前チェックで非互換を洗い出し、utf8mb4への文字コードの変換や予約語と重なる名前の変更を先に済ませます。切り替えは、Amazon RDS Blue/Green Deploymentsを使うか、スナップショットから試験環境を作るかを、止められる時間から決めます。検証では接続ドライバとORM(プログラムからデータベースを扱う部品)の版をそろえ、元に戻す手順も文書にします。運用では次の版の期限を台帳で管理します。

よくある質問

延長サポートの料金は自動でかかるのですか

インスタンスを作るときや復元するときに延長サポートを有効にしていれば、標準のサポートが終わった後に自動で登録され、料金がかかります。*3 登録の設定は後から変えられますが、期限を過ぎたインスタンスで登録を外すと、次の版へ自動で上がります。外す前に版上げの試験を済ませておくと、思わぬ版上げを避けられます。

古い8.0のスナップショットを残しておくと料金はかかりますか

スナップショット(保存したバックアップ)そのものには延長サポートの料金はかかりません。*4 ただし、標準のサポートが終わった後にスナップショットから新しいインスタンスを作ると、そのインスタンスには料金がかかります。過去のデータを確かめるために一時的に復元するときは、使い終わったら削除しておきます。

8.4へ上げた後、次の版上げはいつ考えればよいですか

RDSの8.4は、標準のサポートが2029年7月31日までです。*2 Oracle社の一覧には8.4の次に9.7が載っており、延長サポートは2034年4月までとされています。*1 8.0のときと同じ慌ただしさを避けるため、8.4の期限の1〜2年前には次の版の試験を始められるよう、予定に入れておくとよいでしょう。

MySQLの版上げとデータベース移行のご相談

MySQL 8.0から8.4への版上げの検証から、本番の切り替え、移行後の運用まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。

2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。

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出典

  1. *1 参考:Oracle「Oracle Lifetime Support Policy: Oracle Technology Products」(https://www.oracle.com/us/support/library/lsp-tech-chart-069290.pdf)。出典:Oracle MySQL Releases の表(MySQL Database 8.0・8.4・9.7の一般提供日、Premier Support・Extended Supportの終了時期、Sustaining Supportが無期限であること)を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:Amazon Web Services「MySQL versions on Amazon RDS」(Amazon RDS User Guide)(https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/MySQL.Concepts.VersionMgmt.html)。出典:Supported MySQL major versions on Amazon RDS の表(コミュニティ版の終了日、RDSの標準サポートの終了日、延長サポートの料金の開始日・3年目の単価の開始日・終了日)と、8.0が延長サポートでのみ使えることの記述を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:Amazon Web Services「Amazon RDS Extended Support with Amazon RDS」「Amazon RDS Extended Support charges」(Amazon RDS User Guide)(https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/extended-support.html)。出典:延長サポートで提供される修正と問い合わせ、自動の登録、登録を外したときの自動の版上げ、最長3年と期間後の自動の版上げ、料金が止まる条件の記述を参照(料金の記述は https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/extended-support-charges.html )(2026年10月確認)
  4. *4 参考:Amazon Web Services「Amazon RDS for MySQL Pricing」(https://aws.amazon.com/rds/mysql/pricing/)。出典:Amazon RDS Extended Support costs とFAQ(vCPU・時間あたりの課金、リージョンと年数による違い、米国東部(オハイオ)の5.7の例、Multi-AZとリードレプリカへの課金、スナップショット、リザーブドインスタンスの割引)を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:Amazon Web Services「Release calendars for Aurora MySQL」(Aurora MySQL Release Notes)(https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraMySQLReleaseNotes/AuroraMySQL.release-calendars.html)。出典:Aurora MySQL version 3(MySQL 8.0互換)の標準サポートの終了日、延長サポートの料金の開始日と終了日を参照(2026年10月確認)
  6. *6 参考:Amazon Web Services「Upgrading the MySQL DB engine major version」(Amazon RDS User Guide)(https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/USER_UpgradeDBInstance.MySQL.Major.html)。出典:MySQL 8.0から8.4への非互換の一覧、事前チェックが必須で停止前に行われること、失敗時の切り戻し、Blue/Green Deploymentsの記述を参照(2026年10月確認)




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