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2026.09.20 採用支援コラム

SESパートナーと要員確保、情報通信業は1事業所25.2人




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 他社へ出した人は、出した側の事業所が数える:資料は従業者を、当該事業所に所属して働いている全ての人としています。*1 別経営の事業所へ出向又は派遣している人も、出した側の事業所の従業者に含まれます。*1
  • 賃金を支給していない事業所は、その人を数えない:ある事業所で働いている人でも、その事業所から賃金・給与を支給されていなければ、その事業所の従業者には含めません。*1 資料はその例として、別経営の事業所から出向又は派遣されている場合を挙げています。*1
  • 情報通信業は1事業所あたり25.2人:事業内容等不詳の事業所を除いた集計で、情報通信業の事業所数は85,992、従業者数は2,169,025人です。*1 1事業所当たり25.2人、全産業では14.0人です。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

SESパートナーに要員確保を頼むとき、相手がどれくらいの人数を抱えているのかを公的な統計で確かめたくなることがあります。ただし統計の人数は、誰を数え、誰を数えないかが調査ごとに決まっています。この記事で分かるのは人数そのものではなく、人がどちら側で数えられるかです。

読むのは、総務省統計局の令和6年経済センサス‐基礎調査のうち甲調査の確報集計結果です。*1 甲調査は民営事業所を、乙調査は国及び地方公共団体の事業所を対象としています。*1 調査日は2024年6月1日なので、いま現在の人数ではありません。*1

甲調査は、国及び地方公共団体の事業所と、雇用者のいない個人経営の事業所などを対象から外しています。*1 確報は速報に続く二段階目の集計で、*2 過去の経済センサスとは調査対象範囲が異なるため、資料は比較に留意が必要だと述べています。*2

SESとは何かも、出向と派遣の違いも、今回参照した資料には書かれていません。この記事は契約の形に踏み込まず、誰が賃金・給与を支給しているかという線引きだけを当てはめます。

生成りの紙の繊維が見える面を写した写真。人も読める文字も写っていない

数えている単位は会社ではなく事業所

先に単位を確かめます。資料は事業所を、経済活動が行われている場所ごとの単位とし、一定の場所を占めて単一の経営主体のもとで経済活動が行われていること、従業者と設備を有して物の生産や販売、サービスの提供が継続的に行われていることを要件に挙げています。*1

2024年6月1日現在の民営事業所数の総数は5,060,494事業所です。*1 このうち事業内容等不詳の事業所を除いた事業所数は4,023,941事業所、従業者数は56,285,043人で、1事業所当たり14.0人です。*1 事業内容等不詳とは、事業所として存在しているが記入内容等の不備で事業内容が不明のものです。*1

差は1,036,553事業所で総数の20.5%です。これはこの記事の計算です。以降の割合は、これを除いた4,023,941事業所が分母です。*1

会社の単位で数えた集計は別にあります。資料は企業等を、事業・活動を行う法人と個人経営の事業所としています。*1 企業等数は2,549,827企業等、うち情報通信業は65,603企業等です。*1 単一事業所企業が2,261,664企業等で88.7%、複数事業所企業が288,163企業等です。*1

この2つは単位も産業の分け方も違います。企業等のほうは企業産業分類といって、支所を含めた企業全体の主な事業の種類で分類しています。*1 4,023,941事業所と2,549,827企業等は数える対象が別なので、引き算に意味はありません。

出した側は数え、受け入れ側は賃金の有無で決まる

ここが本題です。資料は従業者を、調査日現在で当該事業所に所属して働いている全ての人と定め、そこから2つのことを述べています。*1

1つめは、「他の会社などの別経営の事業所へ出向又は派遣している人も含まれる」ということです。*1 2つめは、当該事業所で働いている人であっても、「他の会社などの別経営の事業所から出向又は派遣されているなど、当該事業所から賃金・給与を支給されていない人は従業者に含めない」ということです。*1

従業者規模別に、事業所数の割合と従業者数の割合を並べた棒グラフ。全産業の数字で、1〜4人の事業所は事業所数の47.1%を占めるが従業者数では7.8%。5〜9人は22.3%と10.5%、10〜19人は15.3%と14.8%、20〜29人は5.9%と10.1%、30〜49人は4.4%と11.8%、50〜99人は2.7%と13.0%、100〜199人は1.1%と10.3%、200〜299人は0.3%と4.8%、300人以上は0.3%と16.9%。

2つめで人を外す基準は、賃金・給与を支給しているかどうかです。*1 引用に「など」とあるので、出向又は派遣はあてはまる場合の例で、そこに限られていません。これはこの記事の読み方です。

一方、1つめの引用には賃金の条件が付いていません。*1 出した側が数えることは、受け入れた側が支給しているかどうかにかかわらず書かれています。*1 受け入れた側でも数えるのかは、今回参照した資料には書かれていません。

SESパートナーから技術者を受け入れて要員確保をしている場合も、当てはめるのは同じ基準です。自社がその技術者に賃金・給与を支給していなければ、自社の事業所の従業者数には現れません。支給しているかどうかは、自社の支払いの記録で分かります。これはこの記事の読み方です。

同じ基準を相手側に当てると、SESパートナーの従業者数には他社の現場に出ている技術者も入ります。そのうち何人の手が空いているかは、資料には出てきません。

情報通信業は1事業所あたり25.2人

情報通信業の数字を見ます。事業所数は85,992事業所で、4,023,941事業所の2.1%です。*1 従業者数は2,169,025人で56,285,043人の3.9%、1事業所当たり従業者数は25.2人です。*1

1事業所当たり従業者数が多いのは、製造業の26.6人、運輸業・郵便業の26.1人、情報通信業の25.2人の順です。*1 少ないほうは、不動産業・物品賃貸業が5.1人、生活関連サービス業・娯楽業が8.4人、建設業が8.6人です。*1

ただしこれは平均で、85,992の事業所をならした値です。どの規模の事業所が何か所あるかは表していません。

この2,169,025人の中身も見ます。資料は常用雇用者を、期間を定めずに雇用されている人か、1か月以上の期間を定めて雇用されている人としています。*1 1か月未満の期間を定めて雇用されている人と日々雇用されている人は臨時雇用者で、常用雇用者には含みません。*1

情報通信業の従業者2,169,025人のうち常用雇用者は2,067,616人で、常用雇用者比率は95.3%です。*1 全産業の合計は90.6%で、95.3%より高いのは複合サービス事業の97.4%と金融業・保険業の96.4%だけです。*1 つまり従業者の95.3%は、1か月以上の期間で雇われている人です。*1 残りの4.7%には臨時雇用者のほか、個人業主、有給役員、家族従業者が含まれます。*1 この3語の説明は資料にありません。

全産業では、従業者1〜4人の事業所が47.1%

平均の裏側を、従業者規模別の集計で見ます。この集計は全産業のもので、情報通信業だけの規模別の内訳は、今回参照した資料には出てきません。

従業者規模別の事業所数と従業者数(総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査」甲調査確報集計結果。2026年9月20日確認)
従業者規模 事業所数 事業所数の割合 従業者数 従業者数の割合
総数 4,023,941 100.0% 56,285,043人 100.0%
1〜4人 1,893,344 47.1% 4,412,901人 7.8%
5〜9人 898,472 22.3% 5,917,336人 10.5%
10〜19人 615,626 15.3% 8,305,396人 14.8%
20〜29人 238,880 5.9% 5,672,423人 10.1%
30〜49人 176,501 4.4% 6,623,955人 11.8%
50〜99人 107,221 2.7% 7,341,161人 13.0%
100〜199人 42,730 1.1% 5,794,705人 10.3%
200〜299人 11,279 0.3% 2,723,027人 4.8%
300人以上 13,635 0.3% 9,494,139人 16.9%

事業所の数では1〜4人が47.1%で最も多く、5〜9人が22.3%、10〜19人が15.3%と続きます。*1 9つの階級の割合を足すと99.4%、実数を足すと3,997,688事業所で、総数の4,023,941事業所には26,253事業所届きません。資料は、総数には従業者0人の事業所を含むと注記しています。*1 これはこの記事の計算です。

従業者0人の事業所が何を指すのかは、今回参照した資料には書かれていません。資料は事業所の要件として従業者と設備を有することを挙げていますが、*1 この要件とどう両立するのかも書かれていません。

従業者の側は9つの階級を足すと56,285,043人で総数と一致します。100人未満の6階級で68.0%、100人以上の3階級で32.0%、20人未満では33.1%です。これはこの記事の計算です。

階級別に最も高いのは300人以上の16.9%ですが、この階級だけ上限がありません。*1 他の8つも幅はそろっておらず、1〜4人は4人幅、200〜299人は100人幅です。*1 割合の高さをそのまま階級の大きさとして比べることはできません。SESパートナーの分布も、この表からは読めません。

SESパートナーの要員確保でこの数字をどう読むか

SESパートナーへ要員確保を頼む場面で、この統計を持ち出すときに外さない点を3つ挙げます。

1つめは、相手が出した数が何の数かです。情報通信業には事業所が85,992、企業等が65,603あり、この2つは数える対象が別なので比べられません。*1 人数も、1つの拠点のものか会社全体のものかで比べる相手が変わります。ただし従業者数を企業等単位で分けた数字は、今回参照した資料には出てきません。

2つめは、自社が賃金・給与を支給していない人は自社の数字に出てこないことです。*1 受け入れている人が出ない分は少なく、他社へ出している人が入る分は多く出ます。*1 どちらに振れるかは自社の状況によります。

3つめは、平均25.2人が要員確保の見込みを表す数字ではないことです。この統計に稼働や募集の状況は出てきません。見込みは相手に聞くことになります。1つの開発に月あたり何人の要員が付くかという別の統計の話は、記事「月あたりの要員数の違い」で扱っています。

まとめ:所属で数え、賃金で外す

SESパートナーと要員確保の話でこの統計を使うときに、今回参照した資料から読み取れることは5つです。第一に、従業者とは調査日現在で当該事業所に所属して働いている全ての人で、別経営の事業所へ出向又は派遣している人も、出した側に含まれます。*1 第二に、当該事業所から賃金・給与を支給されていない人は、その事業所の従業者に含めません。*1 第三に、情報通信業の事業所数は85,992、従業者数は2,169,025人で、1事業所当たり25.2人です。*1 第四に、その従業者の95.3%は1か月以上の期間で雇われている人です。*1 第五に、従業者規模別の集計は全産業のもので、情報通信業だけの内訳は出てきません。第一と第二から、相手の人数がどちら側で数えられているかが決まります。第三と第四は2024年6月1日現在の平均と内訳で、稼働の見込みではありません。

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よくある質問

受け入れている技術者は、どちらの会社の従業者に数えられますか

受け入れた側が賃金・給与を支給していなければ、受け入れた側には数えません。*1 資料は、当該事業所で働いている人であっても、別経営の事業所から出向又は派遣されているなど当該事業所から賃金・給与を支給されていない人は従業者に含めない、と定めています。*1 出した側については、所属して働いている人として含まれるとしています。*1

情報通信業の1事業所25.2人は、会社の平均人数ですか

いいえ。事業所は場所ごとの単位なので、複数の拠点を持つ会社は分かれて数えられます。*1 会社単位の集計は企業等数として別にあり、情報通信業は65,603企業等です。*1 ただし従業者数を企業等単位で分けた数字は、資料には出てきません。

常用雇用者比率95.3%の残りは、全部が臨時雇用の人ですか

いいえ。資料は、常用雇用者以外には臨時雇用者のほか、個人業主、有給役員、家族従業者が含まれると注記しています。*1 臨時雇用者は、1か月未満の期間を定めて雇用されている人と日々雇用されている人です。*1

この数字を過去の経済センサスと並べて増減を見られますか

そのまま並べることはできません。令和6年の甲調査は雇用者のいない個人経営の事業所を調査対象としておらず、令和3年経済センサス‐活動調査などとは調査対象範囲が異なるため、比較には留意が必要だと資料が述べています。*2

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出典

  1. *1 参考:令和6年経済センサス‐基礎調査(民営事業所)確報集計結果 結果の概要(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/e-census/2024/pdf/kekka_k.pdf)。出典:総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査(甲調査)確報集計結果 結果の概要」(令和7年12月24日公表)。事業所・従業者・常用雇用者・臨時雇用者・企業産業分類の定義、産業大分類別の事業所数・従業者数・1事業所当たり従業者数、常用雇用者比率、従業者規模別事業所数及び従業者数、企業等数と単一・複数事業所企業数、利用上の注意の一次情報として参照(2026年9月確認)
  2. *2 参考:令和6年経済センサス‐基礎調査 甲調査確報集計結果 利用上の注意(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/e-census/2024/pdf/riyou_k.pdf)。出典:総務省統計局「令和6年経済センサス‐基礎調査 甲調査確報集計結果 利用上の注意」。雇用者のいない個人経営の事業所を調査対象としておらず過去の経済センサスとは調査対象範囲が異なるため比較には留意が必要である旨の一次情報として参照(2026年9月確認)




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