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VB.NETの保守を外注する進め方とサポート期限の確認ポイント
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- VB.NETの業務システムは、作り直さずに保守を続けるという選び方ができます。
- 保守で大切なのは言語よりも、土台の.NETとWindowsのサポート期限を一覧にしておくことです。
- 外注するときは、ソースコードの確認と土台の更新を契約の範囲に入れておくと進めやすくなります。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
画面はいまも毎日使われているのに、作った担当者はもう社内にいない。改修を頼もうにも、どの版の.NETで動いているのかさえ分からない——。VB.NETで作った業務システムを長く使っている会社では、こうした状況が起こりがちです。VB.NET(Visual Basic .NET)は、Microsoftの.NETの上で動くプログラミング言語で、Windowsの画面を持つ社内システムによく使われてきました。
作り直さずに使い続けるのも、一つの選択肢です。ただし万能ではなく、土台になる.NETやWindowsのサポート期限を見ないまま放っておくと、セキュリティ更新を受けられなくなります。本記事では、VB.NETの業務システムを持つ情報システムの担当者に向けて、サポート期限の確かめ方、刷新との違い、保守の進め方、そして保守を外注するときに確認したい点を整理します。
VB.NETの保守とは
VB.NETの保守とは、いま動いている業務システムを作り直さずに、不具合の修正や小さな機能の追加、土台になるソフトウェアの更新を続けていくことです。言語そのものについて、Microsoftは.NETチームの方針として、VB.NETを安定した設計の言語として保ち、新しい用途には広げないと示しています。*1
- Windows Formsの画面やクラスライブラリ(共通の部品)といった、これまでの主な使い方には引き続き力を入れるとしています*1
- 新しい文法はほとんど足さず、.NETの新しい機能は使う側として取り込む方針です
- Webの画面や、複数のOSで動く画面の仕組みに新しく対応する見込みは低いとしています
言語の設計が変わらないということは、長い期間にわたって書かれたコードを、書き方の違いに悩まずに読み続けられるということでもあります。気にしておきたいのは言語よりも、その下で動く.NETとWindowsの版のほうです。
サポート期限の確かめ方
VB.NETのシステムは、大きく2つの土台のどちらかで動いています。古くからある.NET Frameworkと、後から出た新しい系統の.NET(.NET 8や.NET 10など)です。どちらで動いているかによって、サポートの考え方が変わります。

| 土台 | サポートの期限 | 保守で確かめること |
|---|---|---|
| .NET Framework 4.8・4.8.1 | 入っているWindowsのサポート期間に従う*3 | 使っているWindowsの期限 |
| .NET Framework 4.6.2 | 2027年1月*2 | 4.8系へ上げる時期 |
| .NET 8・.NET 9 | 2026年11月10日*4 | .NET 10へ移す計画 |
| .NET 10 | 2028年11月14日*4 | 最新の修正版が入っているか |
新しい系統の.NETは毎年11月に新しい版が出て、偶数の版は3年、奇数の版は2年サポートされます。*4 .NET 8で動かしているシステムは2026年11月に期限を迎えるため、.NET 10への切り替えが急ぎの課題になります。一方、.NET Framework 4.8系はWindowsの部品という扱いで、Windowsのサポートが続くあいだは更新を受けられます。*3 Windows 10(Home・Pro)のサポートは2025年10月に終わっているので、*5 古いパソコンで動かしている場合はOSの側から確かめます。
刷新との違い
古いシステムの話になると、すぐに作り直し(刷新)が話題に上ります。ただ、VB.NETはいまもVisual Studio(Microsoftの開発ツール)で直せる言語で、Microsoftもその使い勝手に引き続き手を入れるとしています。*1 使い続けるか作り直すかは、次の違いを見て決めます。
| 項目 | 使い続ける保守 | 作り直し(刷新) |
|---|---|---|
| 主な作業 | 不具合の修正、小さな改修、土台の更新 | 新しい言語や仕組みで作り直す |
| 費用のかかり方 | 毎年少しずつかかる | 一度に大きくかかる |
| 業務への影響 | 画面や操作はほぼ変わらない | 操作が変わり、利用者への説明が要る |
| 向いている場面 | 業務の流れが当面変わらないとき | 業務の流れを大きく変えたい、Webで使いたいとき |
VB.NETはWebの画面などの新しい用途には広げない方針なので、社外からブラウザで使いたいといった要望が出てきたら、刷新を考える時期です。刷新の進め方はVB6・Access業務アプリの刷新や.NET Frameworkからの移行で扱っています。
保守の進め方
保守を続けるうえで最初に困るのは、システムの中身を知る人が社内にいないことです。自社で続けるか外注するかにかかわらず、次の4つの段階で進めると、引き継ぎで抜けが出にくくなります。
- ステップ1:いまの状態を調べる(動いている.NETとWindowsの版、ソースコードの置き場所、プログラムを作り直すための手順)
- ステップ2:引き継ぎの資料をそろえる(画面ごとの役割、つながっているデータベース、毎月の作業)
- ステップ3:更新の手順を決める(Windowsと.NETのセキュリティ更新を、試す環境で確かめてから本番に当てる)
- ステップ4:期限の前に見直す(サポート期限の1年前を目安に、版を上げるか作り直すかを決める)
つまずきやすいのはステップ1です。ソースコードが見つからない、見つかっても本番で動いているものと同じかどうか分からない、ということがよく起こります。新しい系統の.NETでは、出ている最新の修正版を入れていることがサポートを受ける条件です。*4 どの修正版まで当たっているかも、この段階で記録しておきます。
外部に頼むときに確認しておきたい点
VB.NETの保守を外注するときは、言語が書けるかどうかだけで選ぶと、引き継いだあとで手が止まります。見積もりを取る前に、次の点を確かめておきます。

- 調べる範囲:ソースコードと本番のプログラムの食い違いを、引き継ぎの最初に確かめてくれるか
- 土台の更新:.NETとWindowsのサポート期限を一覧にし、更新の時期を提案してくれるか
- 確かめ方:更新や改修のあと、どの画面と帳票を試すかを決めた手順があるか
- 体制:担当者が替わっても、引き継ぎの資料を更新し続ける仕組みがあるか
- 見直しの場:年に一度など、使い続けるか作り直すかを話し合う場を設けるか
特に土台の更新は、契約の範囲に入れ忘れやすい点です。不具合の修正だけを頼む契約では、.NETのサポート期限が近づいても誰も気づかないことがあります。保守を外注する会社の比べ方はシステム保守会社の選び方にまとめています。
まとめ:VB.NET保守で確かめておきたい3つの点
VB.NETの業務システムを使い続けるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、システムが.NET Frameworkと新しい系統の.NETのどちらで動いているかを調べ、サポート期限を一覧にすること。第二に、ソースコードと引き継ぎの資料をそろえること。第三に、セキュリティ更新の当て方と、期限の前に作り直しを検討する時期を決めておくことです。この3点を踏まえておけば、「気づいたらサポートが切れていて、急いで作り直すことになった」という事態を避けやすくなります。保守の引き継ぎや更新の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
ソースコードが見つからなくても保守を頼めますか
頼めますが、最初は見つからない状態から調べる作業になります。本番で動いているプログラムからどこまで中身を読み取れるかは、システムによって異なります。調べた結果をもとに、使い続けるか作り直すかを判断するのが現実的です。
VB.NETのシステムを.NET 10で動かせますか
MicrosoftはWindows Formsの画面やクラスライブラリを、VB.NETの主な使い方として引き続き扱うとしています。*1 ただし、古い部品や外部のライブラリが新しい版に対応していないこともあるため、移す前に試す環境で動作を確かめます。
保守を頼んだ場合、更新はどのくらいの頻度で行いますか
新しい系統の.NETは、出ている最新の修正版を入れていることがサポートの条件です。*4 更新の確認を毎月の作業として契約に入れておくと、当て漏れを防げます。
VB.NETの業務システムの保守のご相談
VB.NETで作られた業務システムの引き継ぎから、.NETとWindowsの更新、刷新の判断まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:Microsoft Learn「Visual Basic language strategy」(https://learn.microsoft.com/en-us/dotnet/visual-basic/getting-started/strategy)。出典:安定した設計の維持、新しい用途に広げないこと、新しい文法を足さず使う側として取り込む方針、Windows Formsやライブラリなど主な使い方とVisual Studioへの継続投資の記述を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:Microsoft Learn「Microsoft .NET Framework」ライフサイクル(https://learn.microsoft.com/en-us/lifecycle/products/microsoft-net-framework)。出典:.NET Framework 4.6.2のサポート終了日(2027年1月)を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:Microsoft Learn「Lifecycle FAQ – .NET Framework」(https://learn.microsoft.com/en-us/lifecycle/faq/dotnet-framework)。出典:.NET Framework 4.5.2以降はWindowsの部品として、入っているWindowsのライフサイクルに従うこと、4.8.1も同様であることを参照(2026年10月確認)
- *4 参考:.NET「.NET and .NET Core official support policy」(https://dotnet.microsoft.com/en-us/platform/support/policy/dotnet-core)。出典:.NET 8・.NET 9・.NET 10のサポート終了日、LTSは3年・STSは2年、毎年11月の公開、最新の修正版を入れることがサポートの条件であることを参照(2026年10月確認)
- *5 参考:Microsoft Learn「Windows 10 Home and Pro」ライフサイクル(https://learn.microsoft.com/en-us/lifecycle/products/windows-10-home-and-pro)。出典:Windows 10 Home・Proのサポート終了(2025年10月)を参照(2026年10月確認)