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エンジニアのスカウト例文テンプレート|職種別の件名と本文の書き方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- エンジニアのスカウトは、件名・声をかけた理由・任せる業務・技術スタック・働き方など8つの項目で文面を組みます。
- 職種と経験ごとに件名と厚く書く点を変え、社名や年収など自社の内容は求人票と同じ値で埋めます。
- 職業安定法は電子メール等で送る募集の情報にも虚偽や誤解を生じさせる表示を禁じており、送る前に表示を確かめます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
エンジニアにスカウトを送ろうとしても、件名に何を書けば開いてもらえるのか、本文にどこまで条件を書いてよいのかで手が止まりがちです。他社の文面をまねると、どの人にも送れる定型の文になり、返信が来ないまま件数だけが増えていきます。
本記事は、エンジニアを採る企業の採用担当者と開発マネージャに向けて、スカウト文面の項目のテンプレートと、職種・経験別の件名と本文の例文を示します。あわせて、職業安定法と厚生労働省の指針から、スカウトで書いてはいけない表示と候補者の情報の扱いをまとめます。例文の社名・年収・人名は〇〇で伏せています。
目次
スカウト文面の項目のテンプレート
エンジニアへのスカウトの文面は、次の8つの項目で組み立てます。相手が知りたいのは、なぜ自分に声がかかったのか、入社したら何をするのか、どう働くのか、返信したら次に何が起きるのかです。記入の例は、社内の業務システムを作り直す開発を任せる場面を想定しています。
| 項目 | 書く中身 | 記入の例 | よくある抜け |
|---|---|---|---|
| 件名 | 相手の経験のどこを見たかと、任せたい仕事を1行で | 〇〇(言語)での設計のご経験を拝見し、〇〇システムの開発でご連絡しました | 社名と「ご案内」だけで、誰に宛てたかが分からない |
| 声をかけた理由 | 公開されている経歴のどこが求人と合うか | 〇〇のサービスで基本設計から担当されている点が、今回の役割と重なります | どの人にも送れる定型の褒め言葉で終わる |
| 任せる業務 | 配属先のチームで受け持つ作業の範囲と進め方 | 〇名のチームで、〇〇の機能の設計から運用までを受け持っていただきます | 職種名だけで、作業の範囲が書かれていない |
| 技術スタック | 使う言語・データベース・クラウドと、これから変える予定 | 〇〇(言語)と〇〇(データベース)。〇〇年度にクラウドへ移す計画があります | 欠かせない技術と、入社後に覚えればよい技術を分けない |
| 働き方 | 在宅勤務の日数、勤務時間の制度、出社が要る場面 | 在宅勤務は週〇日。出社は月〇回の全体会議のときです | 「リモート可」だけで、実際の運用が分からない |
| 労働条件 | 雇う会社、雇用形態、賃金の示し方。書ききれない項目の参照先 | 株式会社〇〇の正社員として採用します。年収は〇〇万〜〇〇万円で、詳しい条件は添付の求人票に記載しています | 求人票と違う額や、一部の社員だけの額を書く |
| 選考の流れ | 返信後に何が起きるか。誰と話すか、何回か | まず開発チームの〇〇と〇分ほどお話しし、その後に面接を〇回行います | 返信したら即面接のように読め、気軽に返せない |
| 返信先と時点 | 差出人の名前と役割、返信の方法、この求人の情報がいつ時点か | 採用担当 〇〇。この内容は〇年〇月〇日時点のものです | 募集を終えた求人の文面をそのまま使い回す |
労働条件の項目は、スカウトの本文に全部を書かなくても構いません。指針は、従事すべき業務の内容等を原則として求職者等と最初に接触する時点までに明示することとし、一部をやむを得ず別途明示するときはその旨をあわせて明示することとしています。*1 本文には主な条件を書き、残りは「詳しい条件は添付の求人票に記載しています」と参照先を示します。
業務の内容は、指針が職場環境を含め可能な限り具体的かつ詳細に明示することとしている項目です。*1 職種名だけで済ませず、チームの人数と受け持つ範囲まで書きます。技術スタックの書き方は「エンジニア採用の求人票、技術スタックは5つの層に分けて書く」で扱っています。
職種・経験別のスカウト例文
項目は同じでも、職種と経験によって相手が知りたい点は変わります。件名には相手の経験のどこを見たかを入れ、本文では職種ごとに次の点を厚く書きます。経験の浅い人に送るときも、年齢ではなく経験の年数や中身で呼びかけます。
| 職種・経験 | 件名の例 | 本文で厚く書く点 |
|---|---|---|
| バックエンドの経験者 | 〇〇(言語)での設計のご経験を拝見し、〇〇システムの開発でご連絡しました | 設計から任せる範囲、データベースの規模、運用の当番の有無 |
| インフラ・クラウドの経験者 | クラウドでの構築のご経験を拝見し、〇〇基盤の運用の見直しでご連絡しました | いまの構成と移行の予定、障害対応の体制、夜間や休日の対応の有無 |
| フロントエンドの経験者 | 〇〇の画面開発のご経験について、〇〇サービスの改修でご相談です | デザイナーとの分担、使う部品の仕組み、利用者の声を受け取る経路 |
| 開発リーダーの候補 | 〇名のチームをまとめたご経験を拝見し、〇〇の開発体制づくりでご連絡しました | チームの人数と役割、評価に関わる範囲、手を動かす作業の割合 |
| 実務経験が〇年未満の人 | 〇〇での開発のご経験を拝見し、〇〇チームの開発でご連絡しました | 最初の〇か月で任せる作業、教える人と相談の場、使う技術を覚える順番 |

バックエンドの経験者に送る場合の本文を、段落ごとに組み立てると次のようになります。〇〇の部分は、求人票と同じ値で埋めてください。
| 段落 | 例文 |
|---|---|
| 1文目 | はじめまして。株式会社〇〇で開発チームの採用を担当している〇〇です。〇〇のサービスで基本設計から担当されている経歴を拝見し、ご連絡しました。 |
| 任せる業務 | 〇名のチームで、〇〇システムのサーバ側の機能の設計から運用までをお任せしたいと考えています。 |
| 技術スタック | 〇〇(言語)と〇〇(データベース)を使っています。〇〇年度にクラウドへ移す計画があり、その設計にも加わっていただけます。 |
| 働き方 | 在宅勤務は週〇日で、出社は月〇回の全体会議のときです。勤務時間はフレックスタイム制です。 |
| 労働条件 | 正社員としての採用で、年収は〇〇万〜〇〇万円です。詳しい労働条件は添付の求人票に記載しています。 |
| 選考の流れ | まず開発チームの〇〇と〇分ほどお話ししませんか。応募の意思は、そのあとで決めていただいて構いません。 |
| 締め | このご案内は〇年〇月〇日時点の内容です。ご都合のよい日時をいくつか、このメッセージへの返信でお知らせください。 |
選考の流れの段落では、返信すると何が起きるのかを先に示します。最初の面談に開発チームの人が出ることを書くと、相手は仕事の中身を直接聞けると分かります。面談の進め方は「エンジニア人材紹介からダイレクトリクルーティングへ乗り換える手順」でも触れています。
スカウトで書いてはいけない表示
職業安定法第5条の4は、労働者の募集を行う者が広告等で募集に関する情報を出すとき、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならないと定めています。*2 同法の施行規則は、この広告等の方法に電子メール等の送信の方法を含めています。*3 スカウトのメッセージも、このルールを前提に書きます。
厚生労働省の令和4年改正職業安定法Q&Aは、虚偽の情報でなくとも一般的・客観的に誤解を生じさせるような表示は「誤解を生じさせる表示」に当たるとしています。*4 指針とQ&Aが挙げる例を、スカウトの文面に置き換えると次のとおりです。
| 書いてはいけない例 | 当たるもの | 直し方 |
|---|---|---|
| グループ会社の実績を自社の実績のように書く | 誤解を生じさせる表示(関係会社との混同) | 雇う会社の名前を書き、グループ会社の実績は会社名を分けて書く |
| 業務委託の案件を、社員の募集と同じ文面で送る | 誤解を生じさせる表示(請負契約の受注者の募集との混同) | 業務委託の案件であることを件名と1文目で示す |
| 給与の高い社員の額を例に挙げ、全員の額のように書く | 誤解を生じさせる表示(賃金を実際より高く見せる) | 求人票と同じ幅で書き、固定残業代があれば時間数と額を求人票で示す |
| 運用の当番が中心の業務を「開発エンジニア」と書く | 誤解を生じさせる表示(業務の内容とかけ離れた職種名) | 受け持つ作業の割合が分かる書き方にする |
| 「正社員」と書きながら別の雇用形態で採る | 虚偽の表示 | 雇用形態は求人票と合わせ、変わる可能性があればそのことも書く |
| 「〇代の方歓迎」と年齢を条件にする | 年齢にかかわりない均等な機会の確保 | 年齢ではなく、任せる作業に要る経験で書く |
年齢については、労働施策総合推進法第9条が、厚生労働省令で定めるときは募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう求めています。*5 個別の文面が規定に当たるかどうかの判断に迷うときは、労働局などの窓口に確かめてください。
候補者の情報の扱いと送る前の確認
スカウトは、相手の経歴を読んでから送ります。職業安定法第5条の5は、労働者の募集を行う者に、求職者等の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集するよう求めています。*2 指針は、本人から直接収集する、本人により公開されている個人情報を収集するなど、適法かつ公正な手段によらなければならないとしています。*1

指針は、思想及び信条や労働組合への加入状況などを、原則として収集してはならない個人情報として挙げています。*1 文面で経歴に触れるときは、仕事の経験と技術に限ります。送る前の確認の順番は次の図のとおりです。
- 相手の情報は、スカウトの場で本人が公開している経歴だけを使っているか
- 社名・雇用形態・年収の幅が、求人票と同じ値になっているか
- 業務委託の案件なら、そのことを件名と1文目で示しているか
- 年齢や性別を条件にする言葉が入っていないか
- 情報の時点を書き、募集を終えた求人の文面を止めているか
情報の時点については、第5条の4第2項が募集の情報を正確かつ最新の内容に保つよう求めています。*2 指針は、そのための措置の一つに情報の時点を明らかにすることを挙げています。*1 文面のひな形を使い回すときほど、締めの段落の日付を更新します。
文面づくりで外部に頼める範囲
スカウトの文面は、任せる業務と技術スタックを開発チームが書き、労働条件と表示の確認を採用担当者が見る分担にすると埋めやすくなります。それでも声をかけたい職種が多い、返信が少ない、社員で採るか業務委託で頼むかを決めかねている、というときは外部に相談する方法があります。相談の前に次の点を書き出しておくと話が早く進みます。
- 範囲:社員として採りたい役割と、業務委託に任せてもよい作業の分け目
- 期間:採用を決めたい時期と、それまで開発を止められない作業
- 体制:文面の中身を決める人と、返信後の面談に出る現場の人
- 働き方:在宅勤務の日数と、出社が要る場面
- 条件の決まり方:求人票に書いている労働条件と、まだ決めていない項目
採用チャネルの中でスカウトをどう位置づけるかは「エンジニア採用の採用チャネル、ダイレクトリクルーティングの役割」で扱っています。
まとめ:エンジニアのスカウト例文の作り方
エンジニアのスカウトは、件名・声をかけた理由・任せる業務・技術スタック・働き方・労働条件・選考の流れ・返信先と時点の8項目で組み立てます。職種と経験ごとに件名と厚く書く点を変え、自社の内容は求人票と同じ値で埋めます。職業安定法は電子メール等で出す募集の情報にも虚偽や誤解を生じさせる表示を禁じているので、関係会社との混同、業務委託との混同、賃金の見せ方、職種名、年齢の条件を送る前に確かめます。候補者の情報は本人が公開している経歴から、仕事の経験と技術に限って使います。
よくある質問
スカウトの本文に年収を書かないといけませんか
指針は、業務の内容や労働条件を原則として最初に接触する時点までに明示することとし、一部を別途明示するときはその旨を示すこととしています。本文には主な条件を書き、詳しい条件は求人票で示すと書き添えます。
同じ文面を多くの人に送ってもよいですか
送ること自体は問題ありませんが、声をかけた理由の段落は相手ごとに書き換えます。ひな形の中身が古くなっていないかも確かめ、文面には情報の時点を書いておきます。
業務委託の人にスカウトを送るときは何が違いますか
指針は、労働者の募集と請負契約による受注者の募集が混同されないよう表示することを求めています。業務委託の案件であることを件名と1文目で示し、雇用の募集と同じ文面を使い回さないようにします。
スカウトを送る相手の候補を一緒に探す
任せる業務と働き方の条件が決まっていれば、そのままご相談いただけます。社員で採るか業務委託で頼むかを決めかねている段階でも構いません。
Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。
Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。
出典
- *1 参考:厚生労働省「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/001003997.pdf)。出典:厚生労働省。最終改正令和6年厚生労働省告示第318号の版。第三(労働条件等の明示)・第四(的確な表示)・第五(個人情報の取扱い)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
- *2 参考:職業安定法 第5条の3・第5条の4・第5条の5(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。労働条件等の明示、求人等に関する情報の的確な表示、求職者等の個人情報の取扱いを参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
- *3 参考:職業安定法施行規則 第4条の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。法第5条の4第1項の厚生労働省令で定める方法(電子メール等の送信の方法を含む)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
- *4 参考:厚生労働省「令和4年 改正職業安定法Q&A」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000965559.pdf)。出典:厚生労働省。問2-1(虚偽の表示)と問2-2(誤解を生じさせる表示)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)
- *5 参考:労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第9条(https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保を参照(確認日2026年10月28日)(2026年10月確認)