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2026.10.05 採用支援コラム

エンジニア採用の求人票、技術スタックは5つの層に分けて書く

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

木の机で白いキーボードを打つ手元。奥にノートパソコンのスタンドが見える

この記事の結論

  • 求人票の技術スタックは、言語・フレームワーク・データベース・実行環境・開発の道具の5つの層に分け、1行に1つの層を書きます。
  • いま使っている技術と、導入を予定・検討している技術は欄を分け、予定の技術は必須の条件に入れません。
  • 版は仕事の中身が変わる場合だけ大きな区切りまで書き、必須は毎日触る層の中心の技術に絞ります。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

求人票に「Java」「AWS」と並べてみたものの、応募してくる人の経験が、現場で使っている技術と合わない。まだ検討しているだけの技術まで書いてしまい、面接で説明に困った——。エンジニア採用の求人票では、こうした食い違いが起こりがちです。求人票の技術スタックとは、入社した人が仕事で使うプログラミング言語、フレームワーク、データベース、実行環境、開発の道具の組み合わせを、応募を考える人に向けて書き出したものを指します。

技術スタックがはっきり書かれていれば、応募する人は自分の経験と照らし合わせて判断できます。ただし万能ではなく、名前を並べるだけでは、どの技術を毎日使い、どの技術がまだ予定なのかまでは伝わりません。本記事では、エンジニアを採用する開発の現場のマネージャーに向けて、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)とIPAの資料をもとに、技術を層に分ける書き方、版の扱い、使っている技術と予定の技術の分け方、必須と歓迎の分け方を整理します。

求人票の技術スタックとは

技術スタックは、システムを形づくる技術を、積み重なった層として見たときの呼び方です。処理を書くプログラミング言語、その上で使うフレームワーク、データをためるデータベース、プログラムを動かすOSやクラウド、そして開発の作業で使う道具が、それぞれ一つの層にあたります。求人票では「開発環境」や「使用技術」といった欄に書かれることが多く、決まった書式はありません。

書式がないぶん、言語の名前を一つだけ書く会社もあれば、技術を十数個並べる会社もあります。前者では仕事の中身が見えず、後者ではどれが中心の技術なのかが分かりません。

求人票の技術スタックを5つの層に分けて書く方法を示した図。上から言語、フレームワーク、データベース、実行環境、開発の道具の5つの層が積み重なり、各層に書くものが添えてある。右側には、各行に添えることとして、いま使っているか予定・検討中かの状態、必須か歓迎か(予定の技術は必須に入れない)、主に使用・画面の一部といった使う場面の3つが示されている。下の帯には、版は仕事の中身が変わる場合だけ大きな区切りまで書くこと、1つの層に書く技術は中心の1〜3個に絞ることが書かれている。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)とIPAの資料をもとに作成。

この記事では、技術の名前を層ごとに分け、それぞれに「いま使っているか」「どのくらい使うか」を添える書き方を勧めます。業務内容の欄の書き方はエンジニア採用の求人票に書く業務内容、5つの要素で整理で扱っています。

job tagが職業ごとに挙げる技術

層の分け方を考えるときの手がかりになるのが、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)です。job tagは職業ごとに「よく使う道具、機材、情報技術等」という項目を設けていて、IT系の職業では技術の種類と製品の例が並んでいます。

プログラマーでは、OS(Linux、CentOS、ubuntu)、統合開発環境、プログラミング言語(C言語、Java、Python、Ruby、HTML等)、データベース(MySQL、Oracle、MongoDB等)などが挙がっています。*1 システムエンジニア(Webサービス開発)では、ここにクラウドサービス、サイト構築ソフトウェア(Apache)、API、コラボレーションツールが加わります。*2

スマートフォンのアプリを開発する職業では、フレームワーク(React Native、flutter等)、プログラミング言語(Swift、Kotlin等)、OS(Android、iOS)が並びます。*3 基盤システムのシステムエンジニアになるとプログラミング言語は挙がらず、サーバー、ストレージ、ネットワーク、クラウド(IaaS、PaaS、SaaS)が中心です。*4

4つの職業を見比べると、まず、どの職業でも「種類の名前」と「製品の例」が組になっています。次に、職業によって挙がる層が違います。フレームワークが挙がるのはスマートフォンのアプリの職業だけで、基盤システムの職業ではプログラミング言語が挙がりません。求人票でも、すべての層を同じ重さで書く必要はなく、募集する職に関わる層を選んで書けば足ります。

5つの層に分けて書く

job tagの分け方を参考にすると、求人票の技術スタックは、言語、フレームワーク、データベース、実行環境、開発の道具の5つの層に整理できます。層ごとに行を分けるだけで、読み手はどこに何が書いてあるかを探しやすくなります。

求人票の技術スタックを書く5つの層(job tagの「よく使う道具、機材、情報技術等」の分け方を参考に、この記事で作成)
層 書くもの 書き方の例
言語 処理を書くプログラミング言語 Java(主に使用)、TypeScript(画面の一部)
フレームワーク 言語の上で使う枠組みや主なライブラリ Spring Boot、React
データベース データをためる製品 PostgreSQL
実行環境 プログラムを動かすOS・サーバー・クラウド Linux、AWS
開発の道具 統合開発環境、構成管理、課題管理、チャット Git、課題管理ツール

1行に1つの層、1つの層には中心になる技術を1〜3個と決めておくと、十数個の名前が1行に並ぶことを防げます。複数の言語を使う職場なら、「Java(主に使用)」「TypeScript(画面の一部)」のように、使う場面を括弧で添えると、どれが中心なのかが伝わります。

層の中でも、データベースは製品の名前まで書いておきたい層です。IPAが企業から集めた2016〜2021年度の開発プロジェクトのデータでは、使ったデータベース管理システムの第1回答はOracleが42.9%、SQL Serverが14.5%、PostgreSQLが10.5%、DB2が7.9%で、使っていない案件も7.6%ありました(1,229件)。*5 製品が一つに寄っていないため、「データベースの経験」とだけ書いても、どの製品の経験を求めているのかは伝わりません。

開発の道具の層は、構成管理や課題管理の道具が書いてあると、入社後の作業の流れを想像しやすくなります。必須の条件には入れず、職場の様子を伝える情報として最後の行に置きます。

版はどこまで書くか

job tagの「よく使う道具、機材、情報技術等」には、技術の版(バージョン)までは書かれていません。*2 職業の説明であれば種類と製品名で足りますが、求人票では、版が仕事の中身を左右することがあります。古い版で動いているシステムを保守する仕事と、新しい版で作り直す仕事とでは、求める経験が違ってくるからです。

そこで、版は次の2つの場合に書くことを勧めます。1つ目は、版の違いで書き方や作り方が大きく変わる場合です。2つ目は、版を上げる作業そのものが仕事に含まれる場合です。後者なら、「古い版のJavaで書かれた業務システムを、新しい版へ移す作業を担当」のように、いまの状態と目指す状態を業務内容の欄と合わせて書きます。

反対に、小さな版の違いまで必須にすると、少し前の版で同じ製品を使ってきた人が応募をためらうかもしれません。版は大きな区切りまでにとどめ、「〇以降」のように幅を持たせます。社内の事情で版を出せない場合は、「新しい版への移行を予定」のように状態だけを書く方法もあります。

使っている技術と予定の技術を分ける

技術スタックの欄で起こりやすいのが、まだ使っていない技術が、使っている技術と同じ行に並ぶことです。導入を検討している段階のクラウドや、試しに動かしているだけの仕組みが、すでに本番で使われているかのように読めてしまいます。

企業の側でも、技術の状態は一様ではありません。IPAの2024年度ソフトウェア動向調査(企業向け、798件)は、技術ごとの導入の状況を「導入している」「試行している」「検討中」「導入していない」「わからない」の5つから選ぶ形で尋ねています。*6 クラウドネイティブでは、全体で導入しているが16.9%、試行しているが4.1%、検討中が8.1%でした。*6 ベンダー企業(117件)に限ると、導入しているが35.0%、試行しているが10.3%、検討中が11.1%です。*6

技術の導入の状況(IPA「2024年度ソフトウェア動向調査(企業向け)」単純集計グラフ Q3-22。単一回答)
技術・回答の範囲 導入している 試行している 検討中
クラウドネイティブ・全体(798件) 16.9% 4.1% 8.1%
クラウドネイティブ・ベンダー企業(117件) 35.0% 10.3% 11.1%
マイクロサービス・API連携・全体(798件) 21.9% 6.1% 7.9%
マイクロサービス・API連携・ベンダー企業(117件) 30.8% 11.1% 12.8%

マイクロサービス・API連携も、全体で導入しているが21.9%、試行しているが6.1%、検討中が7.9%でした。*6 試している段階や検討している段階の企業が一定の割合でいる以上、求人票でも状態を分けて書く必要があります。

書き方としては、技術スタックの欄を「いま使っている技術」と「導入を予定・検討している技術」の2つに分けるのが分かりやすいでしょう。予定の技術には、決まっている範囲で時期や段階を添えます。職業安定法は、募集に関する情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じ、募集を行う者に、その情報を正確かつ最新の内容に保つよう求めています。*7 個々の書き方がこれに当たるかどうかは個別の判断になるため、迷う場合は専門家に確かめてください。

予定が変わったら求人票も直す、という運用も先に決めておきます。求人情報の表示に関する義務は求人情報の的確な表示、企業に課される義務で整理しています。

必須と歓迎をどう分けるか

層に分けて状態を書いたら、最後に必須と歓迎を分けます。必須にするのは、入社した人が毎日の作業で触る層の、中心になる技術に限るのが基本です。Webサービスのサーバー側の開発なら、言語と主なフレームワークが候補になります。

データベースやクラウドは、歓迎に回すか、「PostgreSQLまたは他のリレーショナルデータベースの経験」のように幅を持たせて書く方法が考えられます。どこまで幅を持たせるかは、入社後に誰がどのくらいの期間で教えられるかと合わせて決めます。

予定の技術は、必須に入れないようにします。まだ社内で使っていない技術を必須にすると、入社した人がその技術を使う仕事にいつ就けるのかが分からなくなります。予定の技術は歓迎の欄か、「入社後に一緒に検証してもらう技術」として別に書くと、期待していることが伝わります。

必須要件と歓迎要件の違いそのものはエンジニア採用の求人票、必須要件と歓迎要件の違いと書き分けで詳しく扱っています。

つまずきやすい点

1つ目は、技術を書き出す人と求人票を出す人が違うことです。現場のリーダーの一覧を人事の担当者が転記するとき、状態の区別や版の幅が抜け落ちることがあります。一覧は「層」「技術名」「状態」「必須か歓迎か」の4列の表で受け渡すと、転記で情報が抜けにくくなります。

2つ目は、求人票を出したまま更新しないことです。募集を始めたあとに導入が決まった技術や、使うのをやめた技術が残りがちです。募集が長くなる場合は、現場のリーダーと一覧を見直す日を決めておきます。

3つ目は、略称や社内の呼び方をそのまま書くことです。社内でしか通じない略称は、応募する人には伝わりません。正式な製品名で書き、必要なら括弧で別の呼び方を添えます。技術用語の意味の確かめ方はエンジニア採用の技術用語、兼務人事が公的資料で意味を確かめるで扱っています。

外部に委託するときに確認しておきたい点

技術スタックを層に分けて書き出すと、社内で担える人が少ない層も見えてきます。言語とフレームワークは社員で回せていても、クラウドの設計や移行を担える人がいない、といった偏りです。その層の仕事が移行のように期間の決まったものであれば、社員の採用と並行して、業務委託で専門の人に加わってもらう方法もあります。

その場合も、委託先に渡すのは同じ一覧です。層・技術名・版・状態を書いた表があれば、委託先の会社は、どの層の経験を持つ人を探せばよいかを判断しやすくなります。社員に任せる層と業務委託に任せる層を分けて考えると、社員の求人票の必須要件も絞りやすくなります。案件の性質を伝える項目はエンジニア採用の求人票、IPAの4項目で業務内容を書くも参考になります。

まとめ:技術スタックで確かめておきたい3つの点

エンジニア採用の求人票に技術スタックを書くうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、技術を5つの層に分け、1つの層には中心になる技術を絞って書くこと。第二に、いま使っている技術と、導入を予定・検討している技術を分けて書き、予定が変わったら求人票も直すこと。第三に、版は仕事の中身が変わる場合だけ大きな区切りまで書き、必須は毎日触る層の中心の技術に限ることです。この3点を踏まえておけば、「入社してみたら、書いてあった技術はまだ使われていなかった」という食い違いを避けやすくなります。層ごとに必要な人の探し方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

層ごとに技術と状態を書き出せたら、次はその層を担う人を探す段階です。毎日触る技術と、これから導入する技術が分かれていれば、求める経験がはっきりし、社員として迎える人と、移行などの期間の決まった仕事に加わってもらう人を分けて探しやすくなります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

技術スタックを細かく書くと、応募が減りませんか

判断を難しくするのは、名前の数よりも、どれが必須なのかが分からないことです。必須は毎日触る層の中心の技術に絞り、そのほかは歓迎や「入社後に覚えてもらう技術」として分けて書きます。

社内の事情で、使っている技術の版を書けない場合はどうすればよいですか

版の数字を出さずに、状態だけを書く方法があります。「古い版で動いているシステムを、新しい版へ移す予定」のように書けば、移行の仕事があることは伝わります。具体的な版は、面接など相手が分かった段階で説明すれば足ります。

導入を検討している技術は、求人票に書かないほうがよいですか

書いて構いませんが、使っている技術とは欄を分けます。職業安定法は、募集の情報を正確かつ最新の内容に保つよう求めています。*7 検討の段階であることを明記し、導入をやめた場合や時期が変わった場合には求人票も直します。書き方が法令に照らして問題ないか迷う場合は、専門家に確かめてください。

技術と状態を書き出したら相談

求人票に書く技術スタックの一覧ができていれば、そのままご相談いただけます。どの層を社員で採り、どの層を業務委託に任せるか決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「プログラマー」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313)。出典:同ページの「よく使う道具、機材、情報技術等」を参照(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(Webサービス開発)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314)。出典:同ページの「よく使う道具、機材、情報技術等」を参照(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「ソフトウェア開発(スマホアプリ)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/317)。出典:同ページの「よく使う道具、機材、情報技術等」を参照(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(基盤システム)」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/318)。出典:同ページの「よく使う道具、機材、情報技術等」を参照(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)
  5. *5 参考:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」(PDF)(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/metrics/hjuojm000000c6it-att/000102171.pdf)。出典:独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター。1.1(直近6年間、2016年度〜2021年度の開発データを主な対象とすること)と、表A3-1-9「プロダクトのDBMSの利用」(集計対象データ:313_DBMSの利用1、第1回答、合計1,229件)を参照(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)
  6. *6 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査(企業向け)単純集計グラフ」(PDF)(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/h5f8pg00000028n8-att/software2024-c-graphs.pdf)。出典:独立行政法人情報処理推進機構、2025年4月8日。回答798件(2025年3月31日時点)。Q3-22「その他テクノロジーの導入状況」のクラウドネイティブとマイクロサービス・API連携のグラフ(全体n=798、ベンダー企業n=117)を参照。ベンダー企業の値は同調査の公開データ(software2024-c-result-data-str.csv)でも集計して一致を確認(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)
  7. *7 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)第5条の4(求人等に関する情報の的確な表示)第1項・第2項を参照(確認日2026年10月5日)(2026年10月確認)




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