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情報処理技術者試験を採用で評価する方法|合格証書の確かめ方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 情報処理技術者試験の合格は知識の裏付けとして書類で加点し、実務の力は面接で合格後の担当を聞いて確かめます。
- 合格証書番号の照会は2023年に終わっており、合格は合格証書か合格証明書の原本を本人に見せてもらって確かめます。
- 2027年度から試験の区分が変わる予定のため、求人票や評価の基準は新旧の区分名が並ぶ前提で書いておきます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
履歴書に「応用情報技術者試験 合格」と書いてある。どのくらい評価してよいのか、合格は本当なのか、どこで確かめればよいのかが分からない——。エンジニアの中途採用の現場では、こうした迷いが起こりがちです。情報処理技術者試験とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づいて国が行う試験で、ITの知識・技能を客観的に評価する目的で1969年から続いています。*1
合格は知識の裏付けとして使える一方、実務の力までは示しません。ただし、確かめ方を知らずに書類の記載だけで判断すると、評価の重みも真偽もあいまいなままになります。本記事では、エンジニアの採用を任された実務者に向けて、区分ごとの評価の置き方、合格の確かめ方、2027年度からの試験の見直し、そして外部人材に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
情報処理技術者試験とは
情報処理技術者試験は、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)が行う国家試験です。2024年度の応募者数は74.1万人、合格者数は25.1万人でした。*1 経済産業省は、企業が試験の合格を採用や昇格の条件の一つとして使っていると案内しています。*5 区分は難しさの段階で分かれていて、採用で見るときは区分ごとに意味が違います。
| 区分 | 位置づけ | 採用での見方 |
|---|---|---|
| ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験 | ITを使う側も含めた基礎の区分 | 職種を問わない基礎知識の目安 |
| 基本情報技術者試験 | 上位者の指導の下に役割を果たす | 若手や未経験からの入口の目安 |
| 応用情報技術者試験 | 独力で役割を果たす | 一人で任せる知識の裏付け |
| 高度試験・情報処理安全確保支援士試験 | 区分ごとの専門分野 | 任せる職種に合う区分かを見る |
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違いは、役割の説明にある「上位者の指導の下に」*2と「独力で」*3の1語に表れています。各区分の対象者像を求人票の要件にどう書くかは「情報処理技術者試験の対象者像とレベルの使い方」で扱っています。
採用でどこまで評価するか
合格は、ある時点で試験の範囲の知識を持っていたことの記録です。どの工程を何年担当したか、チームでどんな役割だったかまでは分かりません。そのため、書類で見る「知識の目安」と、面接で確かめる「実務の力」を分けて評価すると、判断がぶれにくくなります。

- 必須にするのは、資格が仕事の条件になっているときに限る(取引先から有資格者を求められる案件など)
- 書類では加点にとどめ、区分と合格した年を見る
- 区分と任せる職種が合っているかを見る(データベースの担当ならデータベーススペシャリスト試験など)
- 面接では「合格したあと、その知識を使って何を担当したか」を聞く
合格した年が古い場合も、知識の土台があることは変わりません。気をつけたいのは、合格を理由に実務の経験年数の条件を緩めすぎることです。区分ごとの合格者の数や合格率の見方は「応用情報技術者試験の合格率と資格の評価の仕方」に、経済産業省のITスキル標準(ITSS)のレベルで要件を書く方法は「ITSSのレベルを採用要件に使う方法」にまとめました。
合格を確かめる方法
合格者には、経済産業大臣から合格証書が交付されます。合格証書は再発行できず、なくした人は、IPAに申請して合格証明書を交付してもらいます。*4 経済産業省は、合格証書の写しを偽造して企業に合格を偽った例があったとして、企業が合格を確かめるときは写しではなく原本を確認するよう求めています。*5
| 書類 | 誰が出すか | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 合格証書 | 経済産業大臣(合格者に交付) | 原本を見る。コピーすると「複製」の文字が浮かぶ仕組みとマイクロ文字がある |
| 合格証明書 | IPA(本人の申請で交付・1通700円) | 原本を見る。申請から届くまで2週間ほどかかることがある |
| 情報処理安全確保支援士の登録証 | IPA(登録した人に交付) | 検索サービスで登録の状況を見て、登録証が更新期限内かを見る |
以前あった合格証書番号の照会は、2023年5月16日で受付を終えています。*6 令和5年度以降の合格者は、受験者マイページで合格証書番号を確認できるため、原本が手元に無い人には面談でその画面を見せてもらう方法もあります。合格者の受験番号は官報にも載りますが、*7 氏名とは結びつかないので、本人の書類とあわせて使います。
合格証明書の申請受付は、システムの入れ替えのため2026年12月24日で一時休止する予定です。*9 年末に内定の手続きが重なるときは、証明書が要るかを早めに本人に伝えておきます。情報処理安全確保支援士は、登録した人を誰でも検索できるサービスがあり、登録証を出されたときは更新期限内かを確かめるよう案内されています。*8
2027年度からの試験の見直し
経済産業省とIPAは、2027年度から新しい試験制度に移る予定で、現行の応用情報技術者試験・高度試験は2026年度の実施で終わる予定です。*3 案では、応用情報技術者試験と高度試験をマネジメント、データ・AI、システムの3領域の試験(プロフェッショナルデジタルスキル試験・仮称)にまとめ直し、その1試験の合格を応用情報技術者試験の合格と同等と位置づけます。*1 開始時期は見込みで、準備の状況によって遅れる可能性があるとされています。 採用する側では、次の点を押さえておきます。
- 基本情報技術者試験などは2027年度春頃、新しい3試験と情報処理安全確保支援士試験は夏頃から秋頃に新制度へ移る見込み
- データマネジメント試験(仮称)が新しくできる
- 情報処理安全確保支援士試験のレベル感は変わらない
- 求人票や評価の基準は、旧区分と新区分の名前が並ぶ前提で書いておく
外部人材に頼むときの確認点
試験で確かめられるのは知識までです。資格の有無だけで決めきれないときは、業務委託で短い期間だけ一緒に仕事をして、実際の進め方を見てから役割を広げる方法もあります。

- 資格を必須にするか、あれば評価するか:必須にすると候補の数が減る
- 確かめる書類:合格証書か合格証明書の原本、支援士なら検索サービス
- 試しに頼む範囲と期間:資格の区分に近い作業から始める
- 確認の記録:氏名・区分・確かめた日と方法を残す
民間の資格の確かめ方は「AWS認定の確認方法とは?デジタルバッジと有効期間の見方を解説」と「PMP資格の確認方法|オンライン名簿の調べ方と有効期限の見方」で扱っています。情報処理技術者試験と組み合わせて、職種ごとに見る資格を決めておくと選考がそろいます。
まとめ:情報処理技術者試験の評価で確かめる3つの点
応募者の情報処理技術者試験の合格を採用で評価するときは、3点に整理できます。第一に、合格は知識の裏付けとして書類で加点し、実務の力は面接で合格後に担当した仕事を聞いて確かめること。区分と任せる職種が合っているかも見ます。第二に、合格証書番号の照会は2023年に終わっているため、合格証書か合格証明書の原本を本人に見せてもらうこと。写しだけで済ませないことが、経済産業省の求める確かめ方です。第三に、2027年度から試験の区分が変わる予定のため、求人票や評価の基準は新旧の区分名が並ぶ前提で書いておくことです。評価の基準が決まったら、探す人材の条件に落とし込んでいきます。
よくある質問
基本情報技術者試験の合格だけで、未経験の人を採ってよいですか
基本情報技術者試験は、上位者の指導の下に役割を果たす人を対象にした区分です。合格は学ぶ力と基礎知識の目安になりますが、実務の経験は示さないので、育てる体制があるかとあわせて判断します。
合格証書のコピーを送ってもらうだけでは足りませんか
経済産業省は、偽造の例があったことから、企業が合格を確かめるときは写しではなく原本を確認するよう求めています。*5 面談の場で原本を見せてもらうか、なくしている人には合格証明書を取ってもらいます。
2027年度の見直しのあと、今の区分の合格はどう扱えばよいですか
経済産業省の案では、新しい3領域の試験の1つに合格することは、応用情報技術者試験の合格と同等と位置づけられています。案の段階なので、求人票では旧区分と新区分を並べて書き、IPAの発表を見て更新します。
評価の基準が決まったら相談
情報処理技術者試験を含め、候補者に求める知識と経験が整理できていれば、そのままご相談いただけます。資格を必須にするかを決めきれていない段階でも構いません。
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出典
- *1 参考:経済産業省「情報処理技術者試験における試験区分体系などの見直し(案)について」(https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331003/20260331003.html)。出典:経済産業省ニュースリリース(2026年3月31日)。試験の根拠法と開始年(1969年)、2024年度の応募者数・合格者数、応用情報技術者試験・高度試験の3試験への再編、データマネジメント試験(仮称)の新設、新試験制度の開始時期の見込み、PDの1試験合格と応用情報技術者試験の合格の位置づけ、情報処理安全確保支援士試験のレベル感を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *2 参考:IPA「基本情報技術者試験」(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験」。対象者像、業務と役割(上位者の指導の下に)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *3 参考:IPA「応用情報技術者試験」(https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「応用情報技術者試験」。業務と役割(独力で)、現行試験制度は2026年度の試験実施をもって終了し2027年度から新試験制度に移行する予定であることを参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *4 参考:IPA「合格証明書の交付手続き」(https://www.ipa.go.jp/shiken/goukaku/shinsei_01.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「合格証明書の交付手続き」。合格証書(経済産業大臣が交付・再発行できない)、合格証明書(IPAが交付・1通700円・発行可否の通知と発送の目安)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *5 参考:経済産業省「(企業等の皆様へ)情報処理技術者試験の合格証書等は原本をご確認ください」(https://www.meti.go.jp/information/license/data/c140320aj.html)。出典:経済産業省。企業が採用や昇格の条件に合格を使っていること、写しの偽造の例、原本の確認のお願い、偽造防止策(複製の文字・マイクロ文字)を参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *6 参考:IPA「合格証書番号の照会」(https://www.ipa.go.jp/shiken/goukaku/shinsei_00.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「合格証書番号の照会」。照会の申請受付の終了(2023年5月16日)、令和5年度以降の合格者は受験者マイページで合格証書番号を確認できることを参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *7 参考:IPA「官報について」(https://www.ipa.go.jp/shiken/goukaku/kanpo_link.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「官報について」。合格者の受験番号が官報に掲載されることを参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *8 参考:IPA「登録セキスペを探すなら『検索サービス』」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/riss/katsuyou/kensaku.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構。情報処理安全確保支援士の検索サービス(手続き不要・誰でも利用可)、登録証は更新期限内のものかを確認することを参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)
- *9 参考:IPA「合格証明書交付申請の一時受付休止について」(https://www.ipa.go.jp/news/2026/shiken_20261016.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構(2026年10月16日公開)。システムリプレースのため合格証明書の交付申請を2026年12月24日をもって一時休止する予定であることを参照(確認日2026年10月17日)(2026年10月確認)