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2026.09.18 採用支援コラム

運用保守の増員の進め方|1兆円以上は外部委託68.9%




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 運用保守は売上高で分かれる:内製の合計は100億円未満で54.4%、1兆円以上で20.0%でした。
  • 外部委託は40.0ポイント開く:外部委託の合計は100億円未満で28.9%、1兆円以上で68.9%です。
  • 調査は委託の形を分けていない:運用の責任ごと委託したのか担い手を増やしたのかは読み取れません。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

運用保守を担ってきたメンバーが1人抜けて、当番が回らなくなった。あるいは、改修の依頼が溜まる一方で、日々の問い合わせに手を取られている——。運用保守の体制を考えるとき、多くの現場が「社内で抱えるのか、社外から人を入れるのか」に突き当たります。目安になるのが、JUASが毎年公表している「企業IT動向調査」です。システム開発を5つの工程に分けたうえで、売上高の区分ごとに内製と外部委託のどちらが多いかを聞いています。*1

自社と近い規模の企業がどちら寄りかが分かれば、社内で抱える前提が例外なのかどうかを先に確かめられます。ただし万能ではなく、この調査は運用の責任ごと社外に委託することと、担い手だけを社外から増やすことを区別していません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、売上高で何が分かれるのか、設計・実装・テストとの違い、なぜ「外部委託」だけでは決められないのか、どう決めるのか、つまずきやすい点、そして外注の勘所を整理します。

吹き抜けの書架が四方の壁を埋め、アーチ窓から光が入る図書室の内観

売上高で何が分かれるのか

JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社を対象に、2025年9月5日から10月24日にかけて実施されました。回収数は957社、有効回答率は21.3%です。*1 このうちシステム運用・保守の分担に答えたのは、売上高の区分ごとに45社から430社です。*1

売上高別 システム運用・保守の内製と外部委託の度合い(出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)図表7-2-5。5つの工程のうち「システム運用・保守」の行だけを抜き出した。この表は資料に示された数値をもとに筆者が作成したものであり、資料の図表そのものを複製したものではない)
売上高(回答数) ほぼ内製 内製が多い 同程度 外部委託が多い ほぼ外部委託
100億円未満(197社) 31.0% 23.4% 16.8% 13.2% 15.7%
100億円以上1000億円未満(430社) 22.6% 24.0% 20.9% 18.1% 14.4%
1000億円以上1兆円未満(182社) 8.8% 20.9% 20.9% 23.6% 25.8%
1兆円以上(45社) 8.9% 11.1% 11.1% 20.0% 48.9%

売上高が小さいほど内製が多く、大きいほど外部委託が多い並びになりました。「ほぼ内製」と「内製が多い」を合わせると、100億円未満で54.4%、100億円以上1000億円未満で46.6%、1000億円以上1兆円未満で29.7%、1兆円以上で20.0%です。上端と下端の開きは34.4ポイントあります。

外部委託の側は反対に上がります。「外部委託が多い」と「ほぼ外部委託」を合わせると、100億円未満で28.9%、100億円以上1000億円未満で32.5%、1000億円以上1兆円未満で49.4%、1兆円以上で68.9%でした。開きは40.0ポイントです。資料も、システム運用・保守は売上高の小さい企業ほど内製の割合が高く、大きい企業ほど外部委託の割合が高いと書いています。*1 なお、これらの合計と開きは資料が印字した値ではなく、示された割合から筆者が算出しました。

設計・実装・テストとの違い

同じ表の設計・実装・テストを並べると、運用保守の位置がはっきりします。外部委託の合計は、100億円未満で56.8%、100億円以上1000億円未満で57.8%、1000億円以上1兆円未満で73.0%、1兆円以上で86.7%でした。どの規模でも運用保守より高い値です。

差は規模が大きくなるほど縮みます。100億円未満では27.9ポイント、100億円以上1000億円未満では25.3ポイント、1000億円以上1兆円未満では23.6ポイント、1兆円以上では17.8ポイントです。大きい企業では、運用保守も設計・実装・テストに近い扱いになっていく、と読めます。

一方で、1兆円以上の45社は「ほぼ外部委託」だけで48.9%を占めます。*1 この区分の回答数は45社と少ないので、割合の振れ幅は大きくなります。規模が大きい企業ほど外部に委託している、というところまでが読める範囲です。

なぜ「外部委託」だけでは決められないのか

外部委託の割合が分かっても、それだけでは自社の打ち手が決まりません。この調査の選択肢は「ほぼ内製」から「ほぼ外部委託」までの5段階で、外部委託の中身を分けていないからです。

運用保守を社外に委託すると言うとき、少なくとも2つの形があります。一つは、監視から障害対応まで運用の責任ごと社外へ委託する形。もう一つは、社内が責任を持ったまま、足りない担い手だけを社外から増やす形です。前者は契約の話になりますが、後者は要員の話です。

ここは資料が述べていることではありません。調査はこの2つを分けていないので、68.9%という数字のうちどちらがどれだけかは読み取れません。自社で決めるときは、先にどちらの話なのかを分けてください。

どう決めるのか

決め方は、いま回らなくなっている作業を1つ選ぶところから始めます。夜間の当番なのか、問い合わせの一次受けなのか、溜まっている改修の設計なのか。運用保守と一括りにすると、必要な人も契約の形も決まりません。

運用保守の担い手を増やすまでの手順を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は自社の売上高の位置を見ること(100億円未満は内製の合計が54.4%、1兆円以上は外部委託の合計が68.9%)、2つ目は運用の責任ごと委託するのか担い手だけを増やすのかを分けること(調査はこの2つを区別していない)、3つ目は障害の一次対応なのか改修の設計なのかを決めて作業と期間を書くこと、4つ目は外部の要員に出したうえで、システムを止めるか続けるかの判断は社内に残すこと。数値はJUAS「企業IT動向調査2026」図表7-2-5による。合計は筆者が算出し、回答は売上高の区分ごとに45社から430社。

次に、その作業について運用の責任ごと委託するのか、担い手だけを増やすのかを決めます。止めるか続けるかの判断を社外に委ねてよいならば前者、判断は社内に残したいならば後者です。ここまでは社内の体制表と当番表で決められます。

担い手だけを増やすと決めたら、作業と期間を書き出します。「問い合わせの一次受けを平日日中、6か月」といった粒度で構いません。外部の要員(フリーランスを含む業務委託)は、作業と期間が決まっているほど合わせやすい調達の仕方になります。

つまずきやすい難所

一つめは、外部委託の割合を委託の形として読むことです。5段階の選択肢は度合いを聞いたもので、運用の責任ごと委託したのか要員を増やしたのかは含まれていません。

二つめは、1兆円以上の値をそのまま自社に当てることです。この区分の回答数は45社にとどまり、他の区分の182社から430社と比べて振れ幅が大きくなります。*1

三つめは、外部委託が多い企業ほどうまくいっている、と読むことです。調査が示すのは分担の度合いであって、運用の質や費用がどうなったかは含まれていません。

外注時に確認しておきたい点

依頼を書くときは、作業と時間帯と期間を並べます。「問い合わせの一次受けを平日日中、6か月」「月次の改修の設計を3か月」といった粒度で構いません。運用保守は日々の当番と改修の設計で求める経験が違うので、ここを分けるだけで声をかける相手が変わります。

当番に入ってもらうなら、引き継ぐ手順書がどこまで揃っているかも先に確かめてください。手順が書かれていない作業は、入った人が自分で調べることになり、その時間は社内の確認工数として戻ってきます。

一方、システムを止めるか続けるかの判断は社内に残してください。ここを社外に委ねると、障害のたびに社内で判断できる人がいなくなります。正社員の採用と外部の要員のどちらを選ぶかも、この判断を社内に置けるかどうかで変わります。

工程ごとの全体の割合はシステム開発の外部委託|設計・実装・テストで63.4%で扱っています。

どの仕事に業界の知識が要るのかは業界知識はどこで要る?上流の不足60.1%と実装44.9%にあります。

稼動後に性能の問題が出たときは性能改善とは|IPAの定義は応答時間から資源使用量までで整理しました。

既存システムの刷新に予算が向いている話は既存システムの刷新と新規導入の違い、予算増の理由は66.3%にあります。

まとめ:運用保守の体制で押さえる3つの視点

運用保守を社内で抱えるかどうかは、企業の規模で分かれています。押さえておきたい視点は3つに整理できます。第一に、内製の合計が100億円未満の54.4%から1兆円以上の20.0%まで下がり、外部委託の合計は28.9%から68.9%まで上がること。第二に、設計・実装・テストの外部委託はどの規模でも運用保守より高く、その差は規模が大きいほど縮んで1兆円以上では17.8ポイントになること。第三に、この調査は運用の責任ごと委託することと担い手だけを増やすことを区別していないことです。この3点を踏まえておけば、「運用保守をまとめて社外に委託したのに、障害のたびに社内で判断できなくなった」という事態を避けやすくなります。回らなくなっている作業を1つ選び、どちらの話なのかを決めるところまでは社内でできます。その先、担い手が社内にいなければ、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

担い手だけを増やすと決めたあとは、探す段階です。問い合わせの一次受けを平日日中で6か月、月次の改修の設計を3か月——このくらいまで書けていれば、求める経験の条件も決まります。日々の当番に入ってもらうのか、改修の設計から任せるのかで、声をかける相手が変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材ニーズの発生から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で稼働まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

運用保守は社外に委託するのが多数派ですか

売上高によって分かれます。JUAS「企業IT動向調査2026」では、外部委託の合計が100億円未満で28.9%、1兆円以上で68.9%でした。*1 この合計は筆者が算出しています。確認日は2026年9月18日です。

規模が小さいほど社内で抱えているのですか

内製の合計は100億円未満で54.4%、100億円以上1000億円未満で46.6%、1000億円以上1兆円未満で29.7%、1兆円以上で20.0%でした。*1 資料も、売上高の小さい企業ほど内製の割合が高いと書いています。*1 確認日は2026年9月18日です。

設計・実装・テストとどのくらい違いますか

外部委託の合計で比べると、100億円未満で27.9ポイント、1兆円以上で17.8ポイントの差でした。*1 どの規模でも設計・実装・テストのほうが高い値です。この差は筆者が算出しています。確認日は2026年9月18日です。

外部委託の中身は分かりますか

分かりません。選択肢は「ほぼ内製」から「ほぼ外部委託」までの度合いで、運用の責任ごと委託したのか担い手だけを増やしたのかは含まれていません。確認日は2026年9月18日です。

1兆円以上の数字はそのまま使えますか

この区分の回答数は45社にとどまります。*1 他の区分は182社から430社なので、45社の割合は振れ幅が大きくなります。規模が大きいほど外部に委託しているというところまでを目安にしてください。確認日は2026年9月18日です。

回らない作業が決まったら相談

「問い合わせの一次受けを平日日中、6か月」といった形で作業と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。まだ責任ごと委託するか担い手を増やすか決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、日々の当番に入る要員も、改修の設計から任せる要員も、作業と期間を決めたうえでお探しいただけます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とその子会社、25年度の回収数957社・有効回答率21.3%、図表7-2-5(工程別・売上高別 システム開発の内製/外部委託度合い)の一次情報として。この記事は資料に示された数値をもとに図と表を筆者が作成した。資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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