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2026.09.18 採用支援コラム

業界経験のある人材|上流工程はOJT121件・採用9件




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 上流工程の育成はOJTが121件:自由回答の分類でいちばん件数が多いのはOJTの121件でした。*1
  • 採用は9件にとどまる:その他の3件を除けば、採用がいちばん少ない分類です。*1
  • 人材交流31件の中身は社内の異動:業務部門との人材交流やローテーション、業務部門経験者の配置が挙がっています。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

要件定義を任せられる人が1人しかいないので、業界経験のある人を採ろうとした。あるいは、募集を出して半年たっても、条件に合う応募が来ないまま案件が始まった——。上流工程の枠を埋めようとすると、多くの現場が「業界経験のある人はどこから来るのか」に突き当たります。手がかりになるのが、JUASが毎年公表している「企業IT動向調査」です。上流工程担当をどう育てているかを、企業の自由回答で集めています。*1

他社がどの経路で埋めているかが分かれば、自社が採用に賭けるべきかどうかを先に確かめられます。ただし万能ではなく、自由回答を分類した件数なので、どの経路がうまくいったかまでは書かれていません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、他社が挙げた取組み、プロジェクトマネジメント担当との違い、なぜ採用が9件にとどまるのか、どう埋めるのか、つまずきやすい点、そして外注の勘所を整理します。

霧が流れる緑の尾根に針葉樹が点在し、奥の岩肌が雲に隠れている風景

上流工程担当の育成で他社が挙げた取組み

JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社を対象に、2025年9月5日から10月24日にかけて実施されました。回収数は957社、有効回答率は21.3%です。*1 この調査は、育成面の課題が大きい2つの担当業務として「プロジェクトマネジメント担当」と「上流工程担当(業務分析・システム要件定義等)」を選び、その育成の取組みを自由回答で聞いています。*1

2つの担当業務の育成の取組み(出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)図表6-4-6および図表6-4-7。自由回答を分類したもので、数字は回答件数であり企業数ではない。1社の回答が複数の分類に入るかどうかは資料に書かれていないため、合計を母数にした割合は出せない。分類名は資料のままで、プロジェクトマネジメント担当は「研修・資格」「外部人材活用」、上流工程担当は「研修」「外部活用」。プロジェクトマネジメント担当に「人材交流」の分類は無い。この表は資料に示された件数をもとに筆者が作成したものであり、資料の図表そのものを複製したものではない)
分類 プロジェクトマネジメント担当 上流工程担当(業務分析・システム要件定義等)
OJT 131件 121件
研修(プロジェクトマネジメント担当は「研修・資格」) 120件 70件
人材交流 分類なし 31件
外部人材の活用 25件 20件
知識・スキルの整理 14件 11件
採用 12件 9件
その他 14件 3件

上流工程担当でいちばん件数が多かった分類はOJTの121件、次が研修の70件、3番目が人材交流の31件でした。*1 採用は9件で、その他の3件を除けばいちばん少ない分類です。*1 OJTの121件は採用の9件の約13.4倍にあたります。ただしこれは件数の比であって、企業数の比ではありません。

人材交流の中身も書かれています。グループ内の人材交流、業務部門との人材交流、ローテーション制度を活用したメンバーアサイン、異動によるキャリア形成、業務部門経験者の配置です。*1 ここでいう業界経験は、社外の同業他社ではなく自社の業務部門から来ています。

プロジェクトマネジメント担当との違い

プロジェクトマネジメント担当の側を並べると、違いがはっきりします。OJTが131件、研修・資格が120件、外部人材活用が25件、知識・スキル整理が14件、採用が12件、その他が14件でした。*1 採用が少ないのは両方に共通します。

違うのは分類の顔ぶれです。プロジェクトマネジメント担当には「人材交流」という分類がありません。代わりに知識・スキル整理の中身として、PM標準の制定と教育、PMBOK等の体系的な知識の習得が挙がっています。*1 資料も、プロジェクトマネジメント担当にはPMBOKのような標準があると書いています。*1

上流工程担当には、そうした標準の代わりに人材交流が31件出てきます。*1 業務分析は自社の業務がどう回っているかを読み解く作業なので、本を読んで身につく部分が少ない、という事情は想像がつきます。ただし、なぜ人材交流が多いのかは資料に書かれていません。

なぜ採用が9件にとどまるのか

採用が9件にとどまる理由は、調査に書かれていません。自由回答の分類なので、件数が少ないことは「採用で埋めた企業が少ない」以上のことを示しません。

それでも、分類の並びからは読めることがあります。OJT・研修・人材交流という社内の経路が121件・70件・31件と上位を占め、社外から人を入れる経路は外部人材の活用20件と採用9件にとどまりました。*1 上流工程担当の枠を、他社の多くは社内で回して埋めています。

資料は、外部の使い方についても触れています。OJTを実施するために内製化を進める企業が多い一方で、社内で指導できる人材を確保することが難しい企業では、外部人材と仕事を並走するなどの工夫もみられた、と書かれています。*1 社外に委託するか社内で育てるかの二択ではない、という書き方です。

どう埋めるのか

埋め方は、いま空いている枠が上流工程担当なのかどうかを決めるところから始めます。要件定義や業務分析が主な仕事ならこちら、渡された仕様どおりに作る仕事なら別の担当業務です。

上流工程担当の枠を埋める経路を選ぶ手順を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は埋める枠が上流工程担当かどうかを決めること、2つ目は社内の経路を当たること(他社の回答はOJT121件、研修70件、人材交流31件)、3つ目は案件の期限に間に合うかを見ること(採用は9件と少なく、育成は時間がかかる)、4つ目は外部の要員と並走すること(外部活用20件)。自社の業務を説明する役は社内に残す。件数はJUAS「企業IT動向調査2026」図表6-4-7による。自由回答を分類した回答件数で、企業数ではない。

上流工程担当だと決まったら、先に社内の経路を当たってください。他社の回答で多いのはOJT121件、研修70件、人材交流31件です。*1 特に人材交流には業務部門経験者の配置が含まれます。*1 IT部門の外に、自社の業務を知っている人がいるかもしれません。

社内の経路で間に合わないなら、案件の期限と照らします。OJTも人材交流も、担い手が育つまで時間がかかる経路です。期限のある案件で、いま業務分析を進める人が要るなら、外部の要員(フリーランスを含む業務委託)と並走する形が現実的です。

つまずきやすい難所

一つめは、件数を企業の割合として読むことです。自由回答を分類した回答件数であり、1社の回答が複数の分類に入るかどうかも資料に書かれていません。合計を母数にした割合は出せません。

二つめは、件数の多さを成果の裏づけと取ることです。どの経路でうまく育ったかは調査に含まれていません。読めるのは、どの取組みを挙げた回答が多かったかまでです。

三つめは、業界経験の要否をここから決めることです。調査は業界経験の有無を聞いておらず、要否を一律に決める根拠はありません。読めるのは、他社が社内の経路を多く挙げたという事実までです。

外注時に確認しておきたい点

外部の要員と並走すると決めたら、任せる作業と期間を書き出します。「受注業務の現行調査を3か月」といった粒度で構いません。外部の要員は、作業と期間が決まっているほど合わせやすい調達の仕方になります。

業界経験を条件に入れるなら、どの業務のどの部分かまで書いてください。同じ小売でも、受注と在庫では当てはまる人が変わります。業界名だけを条件にすると、候補は減るのに見極めの精度は上がりません。

一方、自社の業務がどう回っているかを説明する役は社内に残してください。ここを社外に委ねると、渡した仕様が自社の実態と合っているかを確かめる人がいなくなります。並走させながら社内の担い手を育てる、という使い方もできます。

どの仕事に業界の知識が要るのかは業界知識はどこで要る?上流の不足60.1%と実装44.9%で扱っています。

採用要件そのものを絞る手順は採用要件を決める手順と企業の49.9%が社内育成に悩む職種にあります。

誰が何をできるかを社内で把握する話はスキルマップの整備の違い、未対応42.8%と整備済み33.7%で整理しました。

工程のどこを外部に委託しているかはシステム開発の外部委託|設計・実装・テストで63.4%にあります。

まとめ:業界経験の埋め方で押さえる3つの視点

業界経験のある人材は、採用よりも社内の経路から来ています。押さえておきたい視点は3つに整理できます。第一に、上流工程担当の育成の取組みとして挙がった件数はOJTが121件、研修が70件、人材交流が31件で、採用は9件だったこと。*1 第二に、人材交流の中身は業務部門との交流やローテーション、業務部門経験者の配置であり、社外の同業他社ではなく自社の業務部門から来ていること。*1 第三に、これは自由回答を分類した件数であって企業数ではなく、業界経験の要否を決める根拠ではないことです。この3点を踏まえておけば、「募集を出して半年たっても、条件に合う応募が来ないまま案件が始まった」という事態を避けやすくなります。空いている枠が上流工程担当かを決め、社内の経路を当たるところまでは社内でできます。その先、案件の期限に間に合わないなら、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

上流工程担当の枠を外部の要員と並走で埋めると決めたあとは、担い手を探す段階です。受注業務の現行調査を3か月、要件定義の取りまとめを半年——このくらいまで書けていれば、求める経験の条件も決まります。業務分析から任せるのか、社内がまとめた要件の裏づけだけを任せるのかで、声をかける相手が変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材ニーズの発生から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で稼働まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

上流工程担当はどうやって育てられていますか

JUAS「企業IT動向調査2026」の自由回答では、OJTが121件、研修が70件、人材交流が31件、外部活用が20件、知識・スキル整理が11件、採用が9件、その他が3件でした。*1 確認日は2026年9月18日です。

採用で埋めている企業は少ないのですか

採用の分類は9件で、その他の3件を除けばいちばん少ない件数でした。*1 ただし自由回答を分類した件数であり、企業数ではありません。確認日は2026年9月18日です。

人材交流とは何を指しますか

グループ内の人材交流、業務部門との人材交流、ローテーション制度を活用したメンバーアサイン、異動によるキャリア形成、業務部門経験者の配置が挙げられています。*1 確認日は2026年9月18日です。

プロジェクトマネジメント担当とは違いますか

プロジェクトマネジメント担当はOJTが131件、研修・資格が120件で、「人材交流」の分類はありません。*1 代わりにPM標準やPMBOKといった体系的な知識の習得が挙がっています。*1 確認日は2026年9月18日です。

外部の要員を入れる企業はありますか

外部活用の分類が20件ありました。*1 資料は、社内で指導できる人材を確保することが難しい企業では外部人材と仕事を並走するなどの工夫もみられた、と書いています。*1 確認日は2026年9月18日です。

任せる作業が決まったら相談

「受注業務の現行調査を3か月」といった形で作業と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。まだ社内で育てるか社外から入れるか決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、業務分析から任せる要員も、社内の担い手と並走する要員も、作業と期間を決めたうえでお探しいただけます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とその子会社、25年度の回収数957社・有効回答率21.3%、図表6-4-6(プロジェクトマネジメント担当育成の取組み)、図表6-4-7(上流工程担当(業務分析・システム要件定義等)育成の取組み)の一次情報として。この記事は資料に示された件数をもとに図と表を筆者が作成した。資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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