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ポータブルスキル9要素で採用要件を広げる
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 9要素は対課題5+対人4:仕事のし方に5要素、人との関わり方に4要素が置かれています*1。
- 比較対象は114種類:19の職務と6つの役割を組み合わせた職務・職位と、構成比率で比べる仕組みです*2*3。
- 適性判定には使えない:ツール自身が「職種への適性を判定するものではありません」と明示しています*2。
※ 本記事は2026年8月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
採用要件を書くとき、経験社数や使用言語のような分かりやすい条件だけが並んでしまうことがあります。ただその書き方だと、同じ職種の経験者しか候補にならず、母集団が最初から狭まります。
厚生労働省は「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」を公開しています。ここでいうポータブルスキルとは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルです*1。その中身が9つの要素として定義されている点が、採用要件を書く側にとって使える部分になります。
ただしこのツールはミドルシニア層のホワイトカラー職種の方がキャリアチェンジ、キャリア形成を進める際に使うことを想定しており、キャリアコンサルタント等の支援者が求職者や相談者等に対し相談支援を行う際に活用することを前提としたものです*1。企業が選考に転用するには、明示された限界を先に押さえる必要があります。
本記事では9要素の定義と、114種類の職務・職位と比べる仕組み、そしてツールが「やらないこと」を確認したうえで、採用要件の書き方に落とせる範囲を整理します。
目次
9要素は「対課題5」と「対人4」に分かれている
まず定義を確認します。要素の並び方に、この枠組みの考え方が出ています。
厚生労働省の説明では、ポータブルスキルの要素は「仕事のし方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」において、9要素あります*1。そして「仕事のし方」は仕事における前工程から後工程のどこが得意かをみており、「人との関わり方」はマネジメントだけでなく、経営層や、上司、お客様など全方向の対人スキルをみています*1。
各要素の説明は次のとおりです*1。
| 分類 | 要素 | 説明 |
|---|---|---|
| 仕事のし方 | 現状の把握 | 取り組むべき課題やテーマを設定するために行う情報収集やその分析のし方 |
| 仕事のし方 | 課題の設定 | 事業、商品、組織、仕事の進め方などの取り組むべき課題の設定のし方 |
| 仕事のし方 | 計画の立案 | 担当業務や課題を遂行するための具体的な計画の立て方 |
| 仕事のし方 | 課題の遂行 | スケジュール管理や各種調整、業務を進めるうえでの障害の排除や高いプレッシャーの乗り越え方 |
| 仕事のし方 | 状況への対応 | 予期せぬ状況への対応や責任の取り方 |
| 人との関わり方 | 社内対応 | 経営層・上司・関係部署に対する納得感の高いコミュニケーションや支持の獲得のし方 |
| 人との関わり方 | 社外対応 | 顧客・社外パートナー等に対する納得感の高いコミュニケーションや利害調整・合意形成のし方 |
| 人との関わり方 | 上司対応 | 上司への報告や課題に対する改善に関する意見の述べ方 |
| 人との関わり方 | 部下マネジメント | メンバーの動機付けや育成、持ち味を活かした業務の割り当てのし方 |
採用要件を書く側から見て意味があるのは、「仕事のし方」が工程順に並んでいることです。現状の把握から状況への対応まで、課題に取りかかる順番でスキルが切られている*1。「この人は課題を見つけるのが得意なのか、決まった課題を回すのが得意なのか」を、同じ語彙で区別できます。
なおポータブルスキルは、一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が開発したもので、厚生労働省はそれを測定するツールを提供しているという関係です*1。ツールそのものは職業情報提供サイト(日本版O-NET)内のページから利用できます*1。
5段階の階層は、職業能力評価基準から作られている
診断の中身を見ると、この枠組みが既存の公的な型とつながっていることがわかります。
支援者向けの活用教材によると、診断は「持ち味」と「階層」の掛け算で行われます*3。持ち味は受検者が主観的に得意であると思う項目に配点するもので、9つのポータブルスキルに最低1点、残りの20点を得意だと思う程度に応じて割り振ります(合計29点)*3。
もうひとつの軸である階層のほうが、企業側には重要です。教材は「職業能力評価基準を基に作成された『能力レベル定義書』にて、9つのポータブルスキルごとに5段階の階層別水準が定義されています」と説明しています*3。
たとえば「現状の把握」は情報収集の範囲で階層が切られています。5段階のうち3つを抜き出すと次のようになります*3。
- 階層1:担当業務に必要な情報の収集を行っている
- 階層3:自部署・部門に関連する情報を収集し、分析を行っている
- 階層5:経営に影響する情報を収集し、多角的に分析を行っている
担当業務→自部署・部門→経営、という視野の広がりで水準が決まっているという構造です*3。同じ「情報収集ができる」という表現でも、どこまでの範囲を見て集めているかで階層が変わる。職務経歴書の表現をそのまま信じずに、範囲を確かめるという聴き方につながります。
ここで押さえておきたいのは、階層の土台が職業能力評価基準だという点です*3。職業能力評価基準は職種ごとに能力を記述した公的な型で、採用要件を書くときの下敷きとしても使えます。こちらは職業能力評価基準とは|採用要件を書く公的な型で扱いました。職種の中身は職業能力評価基準、職種を跨ぐ部分はポータブルスキル、という住み分けで理解すると混乱しません。
比較対象は「19の職務 × 6つの役割」の114種類
診断結果として何が出てくるのかを確認します。要件定義に最も直結する部分です。
教材は仕組みをこう説明しています。受検者のポータブルスキルと、ホワイトカラー114職務・職位のポータブルスキルの比率構成が類似している5つの職務・職位を提示・比較する*3。算出方法も明記されており、構成要素ごとの構成比率の差を2乗し、それらの和の2乗根を距離として、近いものを抽出するとされています*3。
114という数字は、職務と役割の掛け算です。職務は9つの職種を分解した19区分です*2。
| 職種 | 職務 |
|---|---|
| 経営戦略 | 経営戦略 |
| 人事・人材開発・労務管理 | 人事・人材開発/労務管理 |
| 企業法務・総務・広報 | 企業法務/総務/広報 |
| 経理・資金財務・経営管理分析 | 経理/資金財務/経営管理分析 |
| 情報システム | 情報システム |
| 営業・マーケティング・広告 | 営業/マーケティング/広告 |
| 生産管理 | 生産管理プランニング/生産管理オペレーション |
| ロジスティクス | ロジスティクス管理/ロジスティクス・オペレーション |
| 国際事業 | 国際(グローバル)経営管理/貿易 |
情報システムは1区分だけで、開発・運用・企画といった分け方はされていません*2。IT職の細かい要件をこのツールで詰めることはできない、という制約として受け取っておくのが正確でしょう。エンジニア職の要件はエンジニア求人票の書き方と必須14項目の側で組み立てることになります。
役割の側は6区分です。役割は複線型のキャリアパスで、6つに区分していますと説明されています*2。
| レベル | 役割 | 役割の定義 |
|---|---|---|
| レベル1 | スタッフ | 部門の一員として、企業利益の創出・確保に貢献する役割を担う |
| レベル2 | シニアスタッフ | 同上 |
| レベル3 | マネージャー/スペシャリスト | マネージャーは組織を統率する役割、スペシャリストは高度な課題解決や業務遂行で貢献する役割 |
| レベル4 | シニアマネージャー/シニアスペシャリスト | 同上 |
役割の定義は原文ではこう書かれています*2。マネージャー系は「組織目標や個別プロジェクトのマネージャーとして、部門戦略を策定し、目標の達成に向けて組織を統率する役割を担う」、スペシャリスト系は「担当分野に関し一定の権限と責任を付与され、高度な課題解決や業務遂行を通じて、企業業績の向上に貢献する役割を担う」です。
レベル3以上でマネージャーとスペシャリストが並列に置かれているのが、この枠組みの特徴です。管理職に進まない道を等級として持つかどうかは採用の訴求に直結します。この論点はマネジメントに進まないエンジニアの処遇設計で扱いました。
診断結果は19の職務と6つの役割の組み合わせの中から5つ示され、それぞれについて職務で求められるポータブルスキルの特徴と本人の特徴をレーダーチャートで表示し、職務の具体的な内容も添えられます*2。「どの要素が、どの職務で求められる形に近いか」を可視化する道具だと理解すれば用途がはっきりします。
ツールが明示している限界を先に押さえる
企業側が転用を考えるなら、ここを飛ばせません。ツール自身が3つの限界を書いています。
- 適性判定ではない:「この診断は、あなた自身が思うポータブルスキルの相対的な得意・不得意をもとにしたものであり、職種への適性を判定するものではありません」*2
- 提示される職業は職位に対応していない:「診断結果から職業を検索」で表示される職業は「職務に関連する職業を幅広に提示するもの」であり、職位に対応したものではない*2
- 支援者の活用が前提:キャリアコンサルタント等の支援者が求職者や相談者等に対し相談支援を行う際に活用することを前提としたツール*1
結論として、診断結果そのものを選考の合否判断に使うのは筋が違います。本人の主観による相対配点が入力値であり、点数の高低が能力の絶対水準を示すものではない*2*3。応募者に提出を求めるような使い方も、この設計からは外れます。
実際、活用事例には診断結果と本人の実感がずれた場面が収録されています。役職定年間際の53歳の従業員が「シニアマネージャーまで昇進したので、スキルはレベル4だろうと思ったら、レベル3のメンバークラスと出てしまい、実は大した仕事をやっていなかったのかと、ショックを受けました」と語る相談です*4。
この事例で人事担当者は、結果を否定材料として扱っていません。「転職活動を始め、大組織の責任者案件に応募し入社した後で、できそうもない役割を任されて失敗し、雇用が失われる危険があると事前に把握できた」と位置づけ直しています*4。肩書と職務遂行の実態は一致しないことがある、という前提で使う道具だということです。
もう1件の事例では、転職アドバイザーが結果の扱い方をこう伝えています。「結果はあくまで参考程度に捉えましょう。提示されたスキルレベルや職種の結果にとらわれず、なぜその点数をつけたのか。根拠となった事実や体験を内省してみましょう」*4。
この「なぜその点数をつけたのか」という問いは、企業側がそのまま借りられます。点数を見るのではなく、点数の根拠になった事実を聴く。面接での聴き方の設計は技術面接で人事が見極める5つの質問で扱いました。
採用要件を「専門性」と「持ち運べる部分」に分ける
ここまでを踏まえて、要件の書き方に落とします。やることは要件を2階建てにするだけです。
- 1階:職種の専門性——使用技術、担当した工程、規模、資格など。ここは職業能力評価基準や求人票の必須項目で書く部分です。
- 2階:持ち運べる部分——9要素のうち、その職務で本当に要るものだけを選ぶ。ポータブルスキルの定義は「職種の専門性以外」なので、1階と重複させない*1。
2階を全部並べないことが要点です。9要素すべてを求めると、結局「優秀な人」と書いたのと同じになります。診断が構成比率の近さで職務を判定しているのと同じ考え方で、その職務で比率が高くなる要素を2〜3個に絞ると、要件が判断できる形になります*3。面接ではその2〜3要素について、「調整が得意ですか」ではなく「直近で利害が対立した場面と、どう合意に持っていったか」を聴きます。要素の説明文がそのまま質問の型になります*1。
絞り方の目安として、9要素を職務の性質に当てて考えます。
| 職務の性質 | 重く見る要素 |
|---|---|
| 課題がまだ決まっていない立ち上げ | 現状の把握/課題の設定 |
| 決まった課題を期限内に回す | 計画の立案/課題の遂行 |
| 障害や仕様変更が頻発する運用 | 課題の遂行/状況への対応 |
| 他部署や経営を巻き込む必要がある | 社内対応/上司対応 |
| 顧客や委託先との調整が中心 | 社外対応 |
| メンバーを持つ | 部下マネジメント |
この対応づけはツールが定めたものではなく、9要素の説明文から本記事で整理したものです*1。自社の職務に合わせて置き換えて使ってください。
階層の考え方も要件に持ち込めます。「現状の把握」が担当業務→自部署・部門→経営という範囲で切られていたように*3、要件側でも「どこまでの範囲を見て動いてほしいのか」を書き添えると、応募者の自己判断が正確になります。「情報収集ができる方」ではなく「自部署に加えて関連部署・顧客まで見て集められる方」と書けば、階層3と階層4の違いが伝わります。
異職種から採る判断は、どこで下すか
要件を2階建てにする狙いは、異職種の候補者を検討可能にすることです。ただし全部の職務でできる話ではありません。
活用事例には、業種と職種をまたいだ転職が成立した例が収録されています。複数の中堅メーカーで品質保証や生産管理の現場と管理職を経験した56歳の相談で、結果はこう記録されています*4。
「ポータブルスキル見える化ツールの結果と、求職者が語った具体的なエピソードから現状把握(現場や業務の実態を自身の足で把握する)が得意であることが判明。業界・職種を超えて通用する具体的な場面と活用スキルを言語化し、職務経歴書に追加記載。金融業界の企業で採用が決定」*4。年収は下がったものの、利益創出のための経費削減や業務工程改善の実践など、多岐にわたり期待以上の活躍と記されています*4。
ここで効いたのは診断の点数ではなく、点数の根拠として語られた具体的な場面です*4。「自分の足で現場を観て回り、関係者の思いや考え、ひっかかることをひたすら聴いていく」という進め方が、業界を替えても再現されたという構図になります*4。
もうひとつ、企業規模による事情が書かれている箇所があります。人事担当者が「転職市場では深い専門性が求められる場合だけでなく、小規模企業や拡大期に入る前のベンチャー企業では、ひとりに幅広く任せたいと考えるケースが多いです」と説明しています*4。
一人に幅を求める職務なら、専門性の一致より持ち運べる部分の重なりを見るほうが合理的だということです。逆に、専門性が深く要る職務で2階だけを見て採ると、入社後に噛み合いません。2階建てのうちどちらを重く見るかは、職務ごとに決める話になります。
判断の順番としては、次の3つを確認するだけで足ります。
- 1階が代替不能か——その専門性が無いと着任初日から止まるのか、3か月で追いつけるのか。
- 2階のうち譲れないものは何個か——2〜3個に絞れないなら、要件がまだ職務になっていません。
- 教える側の余力があるか——1階を後から埋める前提なら、教える人の時間が必要になります。
3つ目については、公的統計で相場が確認できます。育成の実施率や費用の水準は研修ありと書けるのは、どの水準からかで扱いました。異職種から採る判断は、育成の余力とセットでしか下せません。
要件の2階建てを一緒に整理したい方へ
1階と2階を分けてみると、専門性が本当に要る部分は思ったより狭いことがあります。任せたい職責と必要な稼働の形から、担当が一緒に整理できます。
最後に1階が代替不能で、教える余力もないと判断したときの分岐を1つだけ挙げておきます。専門性が要る部分だけを業務委託で先に埋め、社内では2階の要素で採って育てるという分け方は、現実的な選択肢です。要件を2階建てにしておくと、この切り分けもそのまま検討できます。
まとめ:ポータブルスキルを採用要件に使うときの3点
第一に、9要素の中身です。厚生労働省のポータブルスキル見える化ツールでは、ポータブルスキルを職種の専門性以外に業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルと定義し、仕事のし方(対課題)に現状の把握・課題の設定・計画の立案・課題の遂行・状況への対応の5要素、人との関わり方(対人)に社内対応・社外対応・上司対応・部下マネジメントの4要素を置いています。仕事のし方は前工程から後工程のどこが得意かをみる並びです。第二に、仕組みです。診断は本人が主観で配点する持ち味と、職業能力評価基準を基に作成された能力レベル定義書による5段階の階層を掛け合わせ、19の職務と6つの役割を組み合わせた114種類のホワイトカラーの職務・職位と構成比率を比較して、近い5つを提示します。役割は複線型のキャリアパスで6区分され、レベル3以上でマネージャーとスペシャリストが並列に置かれています。第三に、限界です。ツールは職種への適性を判定するものではないと明示しており、診断結果から検索される職業も職位に対応したものではないと注記されています。キャリアコンサルタント等の支援者が相談支援に活用することを前提としたツールであり、診断結果を選考の合否判断に使う設計にはなっていません。企業が借りられるのは9要素という語彙と階層の考え方、そして「なぜその点数をつけたのか」という事実を聴く問いの立て方です。要件を専門性と持ち運べる部分の2階建てにし、2階は2〜3要素に絞るところから始めてください。
よくある質問
ポータブルスキルとは何ですか。
厚生労働省の説明では、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルを指します。要素は「仕事のし方(対課題)」と「人との関わり方(対人)」において9つあり、前者は現状の把握・課題の設定・計画の立案・課題の遂行・状況への対応、後者は社内対応・社外対応・上司対応・部下マネジメントです。ポータブルスキルは一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が開発したものです。
ポータブルスキル見える化ツールはどこで使えますか。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)内のページから利用できます。厚生労働省のページからリンクされており、ミドルシニア層のホワイトカラー職種の方がキャリアチェンジやキャリア形成を進める際に使うことを想定したツールです。キャリアコンサルタント等の支援者が求職者や相談者等に相談支援を行う際に活用することを前提としており、支援者向けの活用教材や診断結果の見方も公開されています。
診断結果を採用選考に使ってもよいのですか。
診断結果そのものを合否判断に使う設計にはなっていません。ツールは「あなた自身が思うポータブルスキルの相対的な得意・不得意をもとにしたものであり、職種への適性を判定するものではありません」と明示しています。また診断結果から検索される職業についても、職務に関連する職業を幅広に提示するものであり職位に対応したものではないと注記されています。企業が借りられるのは9要素という語彙と、点数の根拠となった事実を聴くという問いの立て方です。
診断はどのような仕組みで職務を提示しているのですか。
本人が主観で配点する「持ち味」と、5段階の「階層」を掛け合わせて9要素の数値を出し、その構成比率をホワイトカラー114職務・職位の構成比率と比較して、近い5つを提示します。114は19の職務と6つの役割の組み合わせです。算出方法は、構成要素ごとの構成比率の差を2乗し、それらの和の2乗根を距離として近いものを抽出するとされています。階層は職業能力評価基準を基に作成された能力レベル定義書で定義されています。
異職種からの採用にどう活かせますか。
採用要件を「職種の専門性」と「持ち運べる部分」の2階建てに分け、2階は9要素のうち2〜3個に絞るのが実務的です。活用事例では、品質保証や生産管理を経験した方が現状把握の強みを具体的な場面として言語化し、金融業界の企業で採用が決まった例が記録されています。ただし専門性が深く要る職務では2階だけで判断できません。1階が代替不能かどうかと、教える側の余力があるかを合わせて確認してください。
出典
- *1 参考:厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23112.html)。ポータブルスキルの定義、仕事のし方(対課題)と人との関わり方(対人)の9要素とそれぞれの説明、ツールの想定利用者(ミドルシニア層のホワイトカラー職種)と支援者の活用を前提とする旨、職業情報提供サイト(日本版O-NET)内での提供、開発主体が一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)である旨の一次情報として(2026年8月確認)
- *2 参考:厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール 診断結果の見方」(https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000900493.pdf)。診断結果の役割6区分(レベル1〜4、スタッフ/シニアスタッフ/マネージャー/シニアマネージャー/スペシャリスト/シニアスペシャリスト)とその定義、職種と職務の19区分、19の職務と6つの役割の組み合わせから5つを提示する仕組み、レーダーチャートと職務の説明の表示、職種への適性を判定するものではない旨および検索結果の職業が職位に対応しない旨の注記の一次情報として(2026年8月確認)
- *3 参考:厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール キャリアコンサルタント等支援者向け活用教材」(https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000935264.pdf)。診断の仕組み(持ち味×階層)、9要素に29点を配分する手順とその理由、職業能力評価基準を基に作成された能力レベル定義書による5段階の階層別水準と「現状の把握」の水準例、ホワイトカラー114職務・職位との比較および構成比率の距離による抽出方法の一次情報として(2026年8月確認)
- *4 参考:厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール 活用動画(参考事例集)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001072501.pdf)。転職希望者との相談場面および従業員とのキャリア相談場面の活用事例(対象者の経歴、相談内容、結果、支援者の発言)の一次情報として(2026年8月確認)