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2026.09.20 採用支援コラム

外部人材活用と採用難、未活用労働指標とはLU1からLU4




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 未活用労働は3つの層で数えられている:追加就労希望就業者、失業者、潜在労働力人口の3つです。*1 2026年4〜6月期平均で、追加就労希望就業者は209万人、失業者は208万人、潜在労働力人口は38万人でした。*1
  • 指標は4つあり、分子が段階的に増える:LU1は失業者だけを労働力人口で割った2.9%、LU4は3つを足して分母にも潜在労働力人口を足した6.4%です。*1 LU1とLU4の差3.5ポイントを作っているのは、追加就労希望就業者209万人と潜在労働力人口38万人です。*1
  • 3つの層のうち、働いていないのは2つ:失業者208万人と潜在労働力人口38万人は、就業していない人です。*1 追加就労希望就業者209万人は、就業時間が週35時間未満で、就業時間の追加を希望しており、追加できる就業者で、すでに働いています。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

採用難だと言うとき、労働市場の側の数字としてまず出てくるのは失業者の数でしょう。総務省の労働力調査は、その失業者のほかに、もっと働きたい就業者と、就業者でも失業者でもない人のうち働ける人まで数えた指標を公表しています。

この記事で読むのは、総務省統計局の労働力調査(詳細集計)の2026年4〜6月期平均です。*1 2026年8月10日公表の結果の概要に、未活用労働指標が4つ載っています。*1

詳細集計は基本集計の約4分の1の世帯が対象で、基本集計とは数値が必ずしも一致しません。*1 統計表の数値は表章単位未満の位で四捨五入されているので、総数と内訳の合計も必ずしも一致しません。*1

外部人材に頼む進め方や、どの会社に頼むかという話は、この記事では書きません。LUが何の略かは、今回参照した資料には書かれていません。扱うのは、4つの指標が何を足し引きしているかと、その周りの内訳です。

青緑の面にノック式のボールペンが十数本、角度をそろえずに並べられた写真。人も読める文字も写っていない

未活用労働として数えられている3つの層

資料は未活用労働の状態を、「労働需給のミスマッチなどにより、就業に関するニーズが満たされていない状態」と説明しています。*1 そこに入るのが、追加就労希望就業者、失業者、潜在労働力人口の3つです。*1

全体の枠です。15歳以上人口は10,944万人、労働力人口は7,080万人、就業者は6,872万人、非労働力人口は3,864万人です。*1 この調査の労働力人口は就業者と失業者を合わせたものなので、6,872万人と208万人の合計が7,080万人です。*1

追加就労希望就業者は、就業時間が週35時間未満で、就業時間の追加を希望しており、追加できる就業者です。*1 2026年4〜6月期平均で209万人、前年同期に比べ17万人の増加でした。*1

未活用労働指標が何を足していくかを示した図。LU1は失業者だけを労働力人口で割った2.9%。LU2は失業者に追加就労希望就業者を足して労働力人口で割った5.9%。LU3は失業者に潜在労働力人口を足し、分母にも潜在労働力人口を足した3.5%。LU4は失業者と追加就労希望就業者と潜在労働力人口を足し、分母にも潜在労働力人口を足した6.4%。いずれも2026年4〜6月期平均の男女計。

失業者は、就業しておらず、1か月以内に求職活動を行っており、すぐに就業できる者です。*1 208万人で、前年同期に比べ4万人の増加でした。*1

潜在労働力人口は、就業者でも失業者でもない者のうち、拡張求職者か就業可能非求職者に当たる者です。*1 拡張求職者は、1か月以内に求職活動を行っており、すぐではないが2週間以内に就業できる者です。*1 就業可能非求職者は、1か月以内に求職活動を行っていないが、就業を希望しており、すぐに就業できる者です。*1 38万人で、前年同期と同数でした。*1 内訳は拡張求職者が8万人、就業可能非求職者が30万人です。*1

この3つの周りにも数字があります。非労働力人口3,864万人のうち、就業希望者は205万人です。*1 求職活動をしていない理由別では、適当な仕事がありそうにないとした者が79万人でした。*1 就業希望者のうち、拡張求職者か就業可能非求職者に当たる人が潜在労働力人口に入ります。*1 差がどの要件で外れたのかは、今回参照した資料には書かれていません。

指標は4つあり、分子が段階的に増える

4つの指標は、どれも3つの層のうちどれを分子に入れるかで分かれています。*1 ただしLU3とLU4は、分母にも潜在労働力人口を足しています。*1

4つの未活用労働指標の式と、2026年4〜6月期平均の値(総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」。2026年9月20日確認)
指標 男女計の値
LU1 失業者÷労働力人口×100 2.9%
LU2 (失業者+追加就労希望就業者)÷労働力人口×100 5.9%
LU3 (失業者+潜在労働力人口)÷(労働力人口+潜在労働力人口)×100 3.5%
LU4 (失業者+追加就労希望就業者+潜在労働力人口)÷(労働力人口+潜在労働力人口)×100 6.4%

LU1とLU2は労働力人口が分母、LU3とLU4は労働力人口に潜在労働力人口を足したものが分母です。*1 ただし分母に足されるのは38万人で、7,080万人に対しては小さい数です。*1 LU2の5.9%とLU3の3.5%の開きは、分母ではなく、分子に追加就労希望就業者209万人を入れるか、潜在労働力人口38万人を入れるかの違いから来ています。これはこの記事の計算です。

2026年4〜6月期平均の前年同期差は、LU1が0.0ポイント、LU2が0.3ポイント、LU3が0.1ポイント、LU4が0.3ポイントの上昇で、LU1だけ横ばいでした。*1 資料はLU4を、最も包括的に未活用労働を捉えた指標、と書いています。*1

失業者の数え方と、仕事につけない理由

この調査でいう失業者は、1か月以内に求職活動を行った者です。*1 完全失業者は、そのうち1週間以内に求職活動を行った者です。*1

2026年4〜6月期平均で、失業者208万人のうち完全失業者は185万人でした。*1 差の23万人は、求職活動をしたのが1週間前から1か月前までの人にあたります。この23万人も労働力人口の内側にいます。

失業期間別に見ると、3か月未満が100万人、3か月以上が105万人です。*1 3か月以上の内訳は、3〜6か月未満が25万人、6か月〜1年未満が21万人、1年以上が58万人です。*1 足し合わせても失業者208万人にはなりませんが、資料は、四捨五入と、総数に分類不能又は不詳の数を含むためと注記しています。*1 仕事につけない理由別では、希望する種類・内容の仕事がないが54万人、勤務時間・休日などが希望とあわないが29万人、求人の年齢と自分の年齢とがあわないが22万人となっています。*1

仕事につけない理由のうち、賃金・給料が希望とあわないは17万人、自分の技術や技能が求人要件に満たないは12万人、条件にこだわらないが仕事がないは11万人です。*1 仕事の中身が合わない、時間や休日が合わない、年齢が合わない、賃金が合わない、技能が足りない、条件にこだわらないが仕事がない、と理由は分かれています。*1 この6つのほかにその他が61万人あります。*1 採用難という言い方で1つにすると、どの理由が自社に当てはまるのかが見えなくなります。

人数が多い階級と、LU4が高い階級は違う

追加就労希望就業者209万人を年齢階級別に見ると、45〜54歳が50万人で最も多く、35〜44歳が37万人、55〜64歳が35万人と続きます。*1 年齢階級別内訳の合計に占める割合では、45〜54歳が23.9%、35〜44歳が17.7%、55〜64歳が16.7%です。*1

一方、LU4を年齢階級別に見ると、15〜24歳が11.6%、65歳以上が6.3%、25〜34歳が6.1%、35〜44歳が5.9%、45〜54歳と55〜64歳が5.7%です。*1 最も高いのは15〜24歳で、最も低いのは45〜54歳と55〜64歳です。*1

人数が多い階級と、LU4が高い階級は別のところにあります。45〜54歳は追加就労希望就業者の人数で最も多く、構成比でも23.9%で最も高い一方、*1 LU4では55〜64歳と並んで最も低い5.7%です。*1 構成比は209万人の中での割合、LU4は年齢階級ごとの人口に対する割合で、分母が違います。

年齢階級別のLU4は階級ごとに分母が違うので、6つの値を平均しても総数の6.4%にはなりません。なお男女別のLU4は男5.1%、女7.9%で、開きは2.8ポイントです。*1 年齢階級の開きは11.6%と5.7%で5.9ポイントなので、年齢のほうが大きく分かれています。これはこの記事の計算です。

この数字を採用の話にどう置くか

外部人材活用を考えるときに確かめることを3つ挙げます。この整理はこの記事のものです。

1つめは、どの指標を見ているかです。LU1の2.9%とLU4の6.4%は同じ調査の同じ期ですが、分子も分母も違います。*1 採用難という言葉が指しているのがどちらなのかで、見えるものが変わります。これはこの記事の読み方です。

2つめは、採る話と、もっと働いてもらう話の区別です。就業していないのは失業者208万人と潜在労働力人口38万人で、こちらが採る話につながります。*1 追加就労希望就業者209万人はすでにどこかで働いている人なので、*1 働く時間を増やせる人の数として読むことになります。この層が外部人材として動けるかどうかは、今回参照した資料には書かれていません。

3つめは、全国の数字だという点です。産業別や職業別の内訳は、今回参照した結果の概要には出てきません。自社が探している職種の状況は、別の統計で見ることになります。これはこの記事の読み方です。

情報通信業に絞って入職と離職の差を見る話は、記事「情報通信業の入職超過率3.2ポイントを自社と比べる手順」で扱っています。

まとめ:失業者の外側に、数えられている層がある

採用難のときに見る数字について、今回参照した資料から読み取れることは5つです。第一に、未活用労働として数えられているのは、追加就労希望就業者209万人、失業者208万人、潜在労働力人口38万人の3つの層です。*1 第二に、指標は4つあり、LU1が2.9%、LU2が5.9%、LU3が3.5%、LU4が6.4%です。*1 第三に、3つの層のうち就業していないのは失業者208万人と潜在労働力人口38万人で、追加就労希望就業者209万人はすでに働いている人です。*1 第四に、この調査でいう失業者は1か月以内に求職活動を行った者で、そのうち1週間以内の者が完全失業者の185万人です。*1 第五に、産業別や職業別の内訳は結果の概要に出てきません。以上から、外部人材活用の検討で確かめるのは、どの指標を見ているか、採る話と働く時間を増やす話の区別、全国の数字だという点の3つです。これはこの記事の読み方です。

LASSICに相談するメリット

採用の数字をどう読むかの段階から、社内で採る範囲と外に頼む範囲の整理をご相談いただけます。頼む範囲がまだ決まっていない段階でも構いません。

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よくある質問

LU1は完全失業率と同じですか

同じではありません。LU1の分子はこの調査でいう失業者で、1か月以内に求職活動を行った者です。*1 完全失業者はそのうち1週間以内に求職活動を行った者で、208万人のうち185万人でした。*1 この調査の労働力人口7,080万人には、完全失業者でない23万人も入っています。*1 分子も分母も一般に報じられる完全失業率とは別なので、同じ数として扱うことはできません。これはこの記事の読み方です。

追加就労希望就業者は今すぐ働けますか

定義のうえでは、追加できる就業者とされています。*1 就業時間が週35時間未満で、就業時間の追加を希望しており、追加できる就業者、という定めです。*1 ただしすでにどこかで働いている人なので、その人たちが外部人材として動けるかどうかは、今回参照した資料には書かれていません。

職種別の数字はありますか

今回参照した結果の概要には、産業別や職業別の未活用労働指標は出てきません。出ているのは男女別と年齢階級別です。*1 年齢階級別のLU4は、15〜24歳が11.6%で最も高くなっています。*1

採用難のときに見るべき指標はどれですか

どれを見るべきかは、今回参照した資料には書かれていません。資料はLU4について、最も包括的に未活用労働を捉えた指標、と説明しているだけです。*1 LU1からLU4までは分子が違うので、*1 どれを指しているかを添えて使うことになります。

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出典

  1. *1 参考:労働力調査(詳細集計)2026年(令和8年)4〜6月期平均 結果の概要(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf)。出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2026年(令和8年)4〜6月期平均」(2026年8月10日公表)。未活用労働の3つの層の定義と人数、未活用労働指標LU1からLU4の式と値、失業者と完全失業者の定義の違い、失業期間別と仕事につけない理由別の人数、年齢階級別の追加就労希望就業者数とLU4、利用上の注意の一次情報として(2026年9月確認)




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