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2026.10.16 採用支援コラム

レガシー人材の確保方法|社内の育成・採用・外部人材の選び方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

電源の切れた古いブラウン管モニターの前で、ノートに並ぶ無地の付箋3枚の真ん中を指で押さえる両手

この記事の結論

  • IPAの調査では、人材の欠乏を挙げた割合が、汎用機の独自開発システムで64.0%、パッケージ(カスタマイズあり)で29.5%と、システムの種類で差がありました。
  • 企画から運用まで全て内製化している会社の62.7%が人材の欠乏を挙げ、ベンダーと協力して進める会社の40.0%より高くなっています。
  • 社内の育成・採用・外部人材は1つに決めず、日々の運用、障害対応、改修の作業ごとに振り分けます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

COBOLで書かれた基幹システムを直せる人が、定年で社内からいなくなった。VBで作った業務アプリは、触れる人がもう1人しかいない——。古いシステムを抱える会社では、こうした悩みが起こりがちです。レガシー人材とは、COBOLや汎用機(メインフレーム)、VB、古い業務パッケージなど、いま新しく学ぶ人が少なくなった技術で動くシステムを、保守できる人を指します。

探す言語の名前よりも、システムの種類と、いまどこまで社内で抱えているかによって、確保の難しさも向く手段も変わります。ただし万能な手段はなく、どれにも弱点があります。本記事では、情報システム部門の責任者や開発マネージャーに向けて、人材の欠乏が多いシステムの種類、社内の育成・採用・外部人材の比べ方、進め方、外部に頼むときの確認点を整理します。

レガシー人材とは

IPA(情報処理推進機構)の「2024年度ソフトウェア動向調査」*1は、老朽化・陳腐化、複雑化・肥大化、ブラックボックス化のいずれかに当てはまるシステムをレガシーと呼んでいます。老朽化・陳腐化の説明には、古い技術でできていて、故障すると代わりがきかない、もしくは技術者の確保が難しい、とあります。*2 つまり、人を確保しにくいこと自体が、レガシーの特徴の1つです。

古い小型の保守用ブラウン管端末と、緑のランプが点く灰色のサーバーラックが並ぶ薄暗い機械室

レガシー人材が担う仕事は、大きく3つに分けられます。

  • 動かし続ける:毎日の運用と、定期の作業を止めずに回す
  • 直す:障害の原因を調べ、小さな修正を入れる
  • 中身を知っている:仕様や業務の経緯を覚えていて、聞かれれば答えられる

1人がこの3つを兼ねていると、その人が抜けたときに3つが同時に空きます。調査では、レガシーシステムを保有している322社と、過去に保有していた62社の計384社が、放置した場合に影響が大きいものを3つまで選んでいます。「技術及び業務知識を持つ人材の欠乏」を選んだのは172社、44.8%でした。*3

システムの種類で違う人材の欠乏

同じ384社を、最も重要なレガシーシステムのタイプ別に分けると、人材の欠乏を選んだ割合に差が出ます。*3 次の図は、3つのタイプで並べたものです。

IPA「2024年度ソフトウェア動向調査」企業向けの集計。レガシーを保有している、または過去に保有していた384社のうち、レガシーシステムを放置した場合の影響として技術及び業務知識を持つ人材の欠乏を選んだ割合を、最も重要なシステムのタイプ別に示した横棒グラフ。メインフレーム上で動く独自開発の業務アプリケーションは111社中71社で64.0%、独自開発の業務アプリケーション(スクラッチ開発)は133社中55社で41.4%、既成サービス及びパッケージ(カスタマイズあり)は88社中26社で29.5%。

最も重要なシステムのタイプ別に見た、人材の欠乏を選んだ割合
システムのタイプ 回答した社数 人材の欠乏を選んだ社数 割合
汎用機上の独自開発の業務アプリ 111社 71社 64.0%
独自開発の業務アプリ(スクラッチ) 133社 55社 41.4%
パッケージ(業務に合わせた改修あり) 88社 26社 29.5%

3つのタイプで332社です。残りの52社はOffice系ソフトウェアなど少数のタイプや「わからない」で、載せていません。

  • 汎用機の独自開発システムは、3つのうち最も人材の欠乏を選んだ割合が高い
  • パッケージは、製品の保守を提供元や販売元が持つ場合があり、割合が最も低い
  • 言語や製品の名前ではなく、システムの種類で見ると、確保の難しさの見当がつけやすい

この設問は「放置した場合に影響が大きいと思うもの」を選ぶ形式で、いま何人足りないかを数えたものではありません。割合の差は、確保の難しさの目安として読みます。

社内・採用・外部人材の比べ方

確保の経路は、社内で育てる、採用する、外部の人材に頼むの3つです。合うものは、担当者がいつまで在籍するか、教える時間が取れるかで変わります。

確保の3つの経路の比べ方(考え方の例)
経路 向く場面 弱点 先に確かめる点
社内で育てる いまの担当者が在籍していて、教える時間が取れる 教える人が辞めると止まり、育つまでに時間がかかる 誰が誰に、どの作業から教えるか
採用する 長く任せたい。社内に知識を残したい 古い技術の経験者は、応募が集まりにくい場合がある 求める経験を、言語の名前ではなく作業で書けるか
外部の人材に頼む 期間を決めて調べたい。教える人が社内にいない 引き受けられる人がいるとは限らず、知識が外に残る 文書に残してもらい、社内に渡せるか

人の確保そのものが難しいことは、調査にも表れています。JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査報告書2026」では、IT組織の17項目の機能・能力のうち、不足の割合が最も高かったのは「IT人材の採用・育成」の73.9%でした。*4 また、主な課題を人材の流出(高齢化を含む)とした企業の割合が最も高い担当業務は、運用管理・運用担当の13.5%です。*4

社内に教える人が少ない企業が、外部の人材と並走する工夫をしている例も、JUASの自由回答で報告されています。*4 ただし、プロジェクトマネジメントや上流工程の育成の話で、古いシステムの保守を尋ねたものではありません。

IPAの調査には、社内で抱える度合いごとの違いも出ています。企画から運用まで全て内製化している75社では47社、62.7%が人材の欠乏を選びました。企画と要件定義は社内で行い、設計・開発・運用はベンダーと協力して進める130社では52社、40.0%です。*3

  • 全て内製化している:75社中47社(62.7%)
  • 企画後の工程はベンダー主体:44社中22社(50.0%)
  • 企画と要件定義は社内、あとはベンダーと協力:130社中52社(40.0%)
  • 全工程でベンダーの提案を受けて依頼:83社中32社(38.6%)

全て社内で抱えるほど人材が足りなくなる、とまでは言えません。ただ、社内だけで保守する会社ほど人材の欠乏を重く見ており、外部に分ける検討の材料になります。

どう進めるのか

確保の経路は1つに決め打ちせず、作業ごとに振り分けます。手順は4つです。

木のテーブルに横一列で並ぶ白い紙3枚と、紙ごとに1〜3枚の付箋、黒いペン、奥のノートPC

  1. システムごとに、保守できる人が何人いるか、いつまで在籍する見込みかを書き出す
  2. 保守の作業を、日々の運用、障害対応、改修の3つに分ける
  3. 社内に残す作業を決め、残りを採用か外部の人材に振り分ける
  4. 外部に頼んだ作業は、手順と仕様を文書に残してもらい、社内の人に渡す

2つ目の手順で、日々の運用は社内で育てやすく、障害対応と改修は外部の経験者に分けやすい作業です。仕様が分からないものは、期間を決めて調べてもらうと進めやすくなります。担当者が辞めたあとの進め方は、レガシー放置の影響と立て直し方で扱っています。

移行まで見据えるなら、設計できる人が先に要ります。人材の種類はレガシー移行に必要な人材で、刷新の課題としての要員不足の統計はレガシー刷新の課題で整理しています。

外部に委託するときに確認しておきたい点

外部の人材に頼むときは、頼む前に次の点を確かめます。

  • 同じ種類のシステム(汎用機、VB、パッケージなど)で、どんな作業を経験したか
  • 参画できる人数と、その人が抜けたときの代わりの人がいるか
  • 参画の前に、秘密保持の契約と、渡す権限の範囲が決まっているか
  • 手順と仕様の文書づくりが、業務に含まれているか
  • 契約が終わったあとも、質問できる窓口があるか

2つ目の人数の確認は、IPAの調査でも課題に挙がっています。移行がうまく進まない原因のうちベンダー側に起因する課題として、「ベンダーに対応要員がいない」を選んだのは384社中63社、16.4%でした。独自開発の業務アプリが最も重要なシステムの会社に限ると、133社中31社で23.3%です。*3 移行について尋ねた設問ですが、頼む先に人がいるかを契約の前に聞く理由になります。

COBOLなど特定の言語を受託やニアショアで補う進め方は、COBOL技術者不足をニアショア・受託で補完するレガシー保守の進め方で扱っています。契約の形や責任の分け方は、専門家への相談が欠かせません。

まとめ:レガシー人材の確保で確かめておきたい3つの点

古いシステムを保守できる人を確保するとき、確かめておきたい点は3つです。第一に、言語の名前ではなくシステムの種類で、確保の難しさの見当をつけること。第二に、社内で育てる、採用する、外部の人材に頼むを比べ、全て社内で抱えている作業がないかを見直すこと。第三に、保守の作業を日々の運用、障害対応、改修に分けて、作業ごとに経路を振り分けることです。抱えきれない作業は、外部の人材に分けることも選択肢になります。

LASSICに相談するメリット

保守したいシステムの種類と、頼みたい作業が運用・障害対応・改修のどれかが分かれば、求める経験を言語の名前ではなく作業で伝えられます。参画してほしい期間と、社内に残したい知識まで決まっていれば、候補を絞りやすくなります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

COBOLなど古い言語の経験者は、採用で見つかりますか

見つかるかどうかは、求める経験や条件、時期で変わり、この記事の調査では測っていません。採用だけに決め打ちせず、外部の人材に頼む方法と並べて、作業ごとに選びます。

社内の誰も仕様が分からないシステムでも、外部の人に頼めますか

頼める場合はあります。ただし、最初の作業は保守ではなく、仕様と手順を調べて文書にすることです。期間を決めて調べてもらい、結果を文書で受け取る形にします。

社内で育てるときは、何から教えればよいですか

担当者が在籍している間に、毎日の運用と定期の作業の手順を、後任の人が自分で動かしながら書き留めるところからです。障害対応や仕様の経緯は、本人に聞ける時間を日付つきで押さえます。

古いシステムを保守できる人を探す

保守したいシステムの種類と、頼みたい作業が分かっていれば、そのままご相談いただけます。仕様書がない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

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出典

  1. *1 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査」調査結果データの公開と分析レポートの募集(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/result-software2024.html)。出典:公開日2025年2月27日・最終更新日2025年4月25日。調査期間(2024年12月17日〜2025年2月14日)、2025年4月7日時点の回答件数(企業799件・個人74件)、オープンデータとしての公開を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 企業向け 設問一覧」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/h5f8pg00000028n8-att/software2024-c-questions.xlsx)。出典:Q5-2のレガシーシステムの考え方(老朽化・陳腐化の説明を含む)、Q5-3・Q5-9・Q5-10・Q5-22の設問文と選択肢を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:IPA「2024年度ソフトウェア動向調査 企業向け 調査結果(選択肢項目文字列)」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/software-engineering/h5f8pg00000028n8-att/software2024-c-result-data-str.csv)。出典:Q5-2・Q5-3・Q5-9・Q5-10・Q5-22の回答。社数と割合は、Q5-2でレガシーを保有している、または過去に保有していた384社を母数に、このCSVから集計・計算した値(2026年10月確認)
  4. *4 参考:JUAS「企業IT動向調査報告書2026」(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)。2025年度調査。6.3(2)(IT組織の機能・能力の充足状況)、6.4(2)図表6-4-5(流出で課題感の高い担当業務)、6.4(3)(育成の取組み)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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