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Windows Server 2019サポート終了と移行の進め方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- Windows Server 2019の延長サポートは2029年1月9日に終わり、その後はセキュリティ更新が止まります。
- 移る方法はインプレースアップグレード、新しいサーバーへの移行、Azureへの移行の3つが中心です。
- 棚卸しと検証環境での試験を先に済ませ、戻す手順まで決めてから本番を切り替えることが大切です。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
サーバーのOSがいつまで使えるのか、正確な日付が分からない。古いサーバーの上で動く業務システムを、誰がどう移すのか決まっていない——。社内にWindows Serverを置いている会社では、こうした宿題が後回しになりがちです。Windows Server 2019のサポート終了とは、Microsoftがこの版へのセキュリティ更新の提供を止めることで、その日付は2029年1月9日です。*1
まだ先に見えますが、移行には棚卸しや検証の期間が要り、サーバーの台数が多いほど準備に時間がかかります。ただし万能な移し方はなく、サーバーの役割や構成によって選べる方法が変わります。本記事では、サーバーを管理する情報システムの担当者に向けて、サポート終了で止まるもの、移行の方法の違い、進め方とつまずきやすい点、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
サポート終了で止まるもの
Windows Server 2019は、発売の時点でサポートの期間が決められる「固定ライフサイクルポリシー」の製品です。*2 サポートは前半のメインストリームサポートと後半の延長サポートに分かれ、段階ごとに受けられる更新の範囲が狭くなります。*3 Windows Server 2019は、すでに後半の延長サポートに入っています。
| 段階 | 期間 | 受けられる更新 |
|---|---|---|
| メインストリームサポート | 2018年11月から2024年1月まで(終了済み) | セキュリティ更新、セキュリティ以外の修正、機能の変更の要望 |
| 延長サポート | 2024年1月から2029年1月9日まで | セキュリティ更新だけ |
| サポート終了の後 | 2029年1月9日の後 | 拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)を通じた場合だけ |
- Datacenter・Standard・Essentialsのどのエディション(製品の種類)も、期限は同じです*2
- 同じ日に、Windows Server 2019上のIIS 10(Webサーバーの機能)と、Windows Server 2019向けのWSUS(更新プログラムを社内に配る仕組み)もサポートが終わります*1
- サポートが終わるとセキュリティ更新が止まり、セキュリティやコンプライアンス(法令や社内規程を守ること)の問題につながるおそれがあると、Microsoftは説明しています*5
移行の方法と移行先の違い
Microsoftは、新しい版へ移る方法として、いまのサーバーの上に新しい版を入れるインプレースアップグレード、新しくOSを入れ直すクリーンインストール、別のサーバーへ役割やデータを移す移行などを挙げています。*4 Windows Server 2019からは、Windows Server 2022にも2025にも直接インプレースアップグレードできます。*4

| 方法 | 中身 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| インプレースアップグレード | いまのサーバーに新しい版を上書きし、設定や役割、データを残す | 同じ機器を使い続け、動いている役割が上書きに対応しているとき |
| 新しいサーバーへの移行 | 新しい版のサーバーを別に用意し、役割やデータを移す | 機器も入れ替えたいとき、上書きできない構成のとき |
| Azureの仮想マシンへの移行 | Microsoftのクラウドの仮想マシン(ソフトウェアで作るサーバー)で動かす | 自社で機器を持ち続けたくないとき |
移る先の版も選ぶ必要があります。延長サポートの終わりは、Windows Server 2022が2031年10月、Windows Server 2025が2034年11月です。*6*7 数年後にもう一度移行の作業をしないために、長く使える版を選ぶという考え方もあります。新しい版の変更点はWindows Server 2025で何が変わるかで扱っています。
移行の進め方
移行の作業は、OSを入れ替える前の準備で大半が決まります。次の4つの段階で進めると、切り替えの直前に慌てずに済みます。
- ステップ1:Windows Server 2019で動いているサーバーと、その上の役割(ファイル共有、社内のWebアプリケーション、ドメインコントローラーなど)を一覧にする
- ステップ2:サーバーごとに、移る先の版と、上書きするか新しいサーバーへ移すかを決める
- ステップ3:検証環境で移行を試し、業務アプリケーションが動くかを確かめる
- ステップ4:本番を切り替え、古いサーバーを止める
つまずきやすいのはステップ1です。台帳に載っていない古いサーバーや、退職した担当者が作った仕組みが後から見つかると、計画を組み直すことになります。どの方法でも、Microsoftは作業の前にシステムと大切なファイルのバックアップを取るよう求めています。*4 ステップ3では、バックアップから元に戻す手順まで試しておきます。
つまずきやすい点
インプレースアップグレードは手軽に見えますが、Microsoftはいくつかの制限を示しています。*4 次の条件に当たるサーバーは、新しいサーバーへ移す方法を選ぶことになります。
- 言語を変えるアップグレードはできません(日本語版から英語版へ、など)
- 画面の無い構成(Server Core)と画面のある構成の切り替えは、上書きの途中ではできません
- DatacenterからStandardへのように、エディションを下げることはできません
- すべての役割が上書きに対応しているわけではなく、役割ごとに対応を確かめる必要があります
- ネットワークの口を束ねる設定(NICチーミング)は、上書きの前に一度外します
ライセンスにも注意が要ります。Windowsのパソコンとは違い、Windows Serverでは版を上げるたびに新しい版のライセンスが必要です。*4 移行の予算には、作業の費用だけでなくライセンスの費用も入れておきます。前の版での考え方はWindows Server 2016サポート終了と移行にまとめています。
外部に頼むときに確認しておきたい点
サーバーの台数が多い場合や、移行を経験した人が社内にいない場合は、作業の一部を外部に頼むことも考えます。見積もりの前に、次の点を確かめておきます。

- どこまで頼むか:棚卸し、移行の計画、検証、本番の切り替え、移行後の運用のうち、どれを任せるか
- 役割ごとの判断:ドメインコントローラーやファイル共有など、役割ごとに上書きか移行かを決めた理由を説明してもらえるか
- 検証の方法:検証環境で何を試し、業務アプリケーションの動作を誰が確かめるか
- 戻す手順:切り替えに失敗したときに、元のサーバーへどう戻すか
- 移行後の運用:更新プログラムの適用と、次の版の期限に向けた見直しを誰が受け持つか
特に戻す手順は、見積もりの段階では省かれやすい点です。切り替えの当日に業務が止まらないよう、計画の段階で決めておきます。さらに古い版が残っている場合の進め方はWindows Server 2012終了と移行でも扱っています。
まとめ:Windows Server 2019で確かめておきたい3つの点
Windows Server 2019のサポート終了に備えるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、Windows Server 2019で動いているサーバーと、その上の役割を漏れなく一覧にすること。第二に、サーバーごとに移る先の版と、上書きか新しいサーバーへの移行かを決めること。第三に、検証環境で移行と元に戻す手順を試してから本番を切り替えることです。この3点を踏まえておけば、「期限の直前になって、移せないサーバーが見つかった」という事態を避けやすくなります。移行の計画や作業の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
サポート終了の後も使い続ける方法はありますか
拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)という仕組みがありますが、Microsoftはこれをサポート終了後の最終手段と位置づけています。*5 前の世代のWindows Server 2012と2012 R2では、延長サポートの終了後3年間のESUが用意され、Azureで動かすサーバーには追加料金なしで提供されました。*5 ESUは重要なセキュリティ更新に限られ、新しい機能は含まれないため、移行までのつなぎとして考えるのが現実的です。
移行の準備はいつごろ始めればよいですか
サーバーの台数や、上で動く業務システムの数によって変わるため、一律には決められません。まず棚卸しを済ませて移行の対象と方法を固めると、必要な期間を見積もれるようになります。切り替えの時期は、決算期などの業務が忙しい時期を避けて決めます。
上で動いている業務アプリケーションはそのまま動きますか
OSの版が変わると、業務アプリケーションの動き方が変わることがあります。アプリケーションの提供元に新しい版への対応状況を確かめ、検証環境で実際に動かしてから本番を切り替えます。提供元のサポートが終わっているアプリケーションは、OSの移行とあわせて置き換えを検討します。
Windows Serverの移行と運用のご相談
Windows Server 2019からの移行計画の作成から、検証、本番の切り替え、移行後の運用保守まで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:Microsoft Learn「2029 年にサポートが終了する製品」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/end-of-support/end-of-support-2029)。出典:Windows Server 2019、IIS 10 on Windows Server 2019、Windows Server Update Services for Windows Server 2019 のサポート終了日(2029年1月9日)を参照(2026年10月確認)
- *2 参考:Microsoft Learn「Windows Server 2019」(ライフサイクル)(https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/products/windows-server-2019)。出典:固定ライフサイクルポリシーの適用、対象エディション(Datacenter、Essentials、Standard)、開始日とメインストリームサポートの終了日を参照(2026年10月確認)
- *3 参考:Microsoft Learn「固定ライフサイクル ポリシー」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/policies/fixed)。出典:メインストリームサポート・延長サポート・サポート終了後に受けられる更新の範囲を参照(2026年10月確認)
- *4 参考:Microsoft Learn「Windows Server アップグレードを計画する」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/upgrade-overview)。出典:アップグレードの方法、Windows Server 2019からのインプレースアップグレードのパス、アップグレードの制限、ライセンス、バックアップの記述を参照(2026年10月確認)
- *5 参考:Microsoft Learn「Windows Server の拡張セキュリティ更新プログラムの概要」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/get-started/extended-security-updates-overview)。出典:ESUの位置づけ、サポート終了後のリスク、Windows Server 2012/2012 R2のESU期間とAzureでの提供の記述を参照(2026年10月確認)
- *6 参考:Microsoft Learn「Windows Server 2022」(ライフサイクル)(https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/products/windows-server-2022)。出典:延長サポートの終了日を参照(2026年10月確認)
- *7 参考:Microsoft Learn「Windows Server 2025」(ライフサイクル)(https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/products/windows-server-2025)。出典:延長サポートの終了日を参照(2026年10月確認)