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Gemini法人プランのセキュリティ|確かめる設定と記録
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- Google Workspaceの対象エディションでは、Geminiへの入力は許可なく学習に使われません。
- 個人のGoogleアカウントで使うと規約が変わり、人が確認したり改善に使われたりする場合があります。
- 利用範囲・会話履歴・共有・ログ・社内ルールの12項目を、管理コンソールで順に確かめます。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
Geminiを社内で使わせたいが、入力した資料がAIの学習に使われないか。どの管理画面で何を決めればよいのか分からない——。Google Workspaceを使う会社の情報システム部門では、こうした迷いから展開の判断が止まりがちです。Geminiは、Googleが提供する生成AIで、Workspaceの法人プランではGmailやドキュメントの中と、単独のアプリの両方で使えます。
便利な一方で万能ではなく、共有の設定やアカウントの使い分けが曖昧なままだと、意図しない文書が回答に使われることがあります。本記事では、導入を任された情報システムの担当者に向けて、Googleの公式ヘルプで確かめられるデータの扱いと、Gemini 法人プランのセキュリティを点検する12項目、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。
目次
Gemini法人プランのデータの扱い
Google Workspaceで使うGeminiには、Gmailやドキュメントの中で動く「Gemini in Workspace」と、単独で対話する「Geminiアプリ」があります。Googleのプライバシー ハブは、どちらもプロンプトや回答を許可なく生成AIモデルのトレーニングに使わず、人間もレビューしないと説明しています。*1
- Geminiは、利用者に見る権限があるWorkspaceのファイルやメールだけを使って回答します。権限の無い文書は取得しません
- やり取りの内容は組織の外へ開示されず、共有ファイルの共同編集者にも、自分のプロンプトと回答は見えません
- Geminiの出力をメールや共有ドライブのファイルに入れると、対応するエディションでは組織で設定済みのデータ損失防止(DLP、情報の持ち出しを防ぐ仕組み)が働きます
- 会話の保存期間は、Gemini in Workspaceが90日から無期限、Geminiアプリが36か月までの範囲で、管理者が決めます
法人プランのセキュリティは「Geminiが何を学ぶか」より「社内の誰が、どの文書を読ませられるか」で決まります。共有の設定の緩さは、そのまま回答に表れます。
法人プランと個人アカウントの違い
この扱いが当てはまるのは、対象のエディションで使う場合だけです。管理者向けヘルプは、Business Starter・Business Standard・Business Plus、Enterprise Standard・Enterprise Plusなどを対象に挙げています。*2
| 項目 | 対象エディションの会社のアカウント | 対象外のアカウント(個人用など) |
|---|---|---|
| 適用される規約 | Google Workspace 利用規約、または個別のWorkspace契約 | Google 利用規約とGeminiアプリのプライバシーに関するお知らせ |
| チャットを人が確認するか | 人間がレビューすることはない | 人間のレビュアーが確認する場合がある |
| サービスの改善への利用 | 許可なく組織の外で生成AIモデルのトレーニングに使われない | Googleのプロダクトや機械学習技術の改善に使われる場合がある |
対象外のアカウントについて、ヘルプは機密情報を入力しないよう利用者に注意を促すことを求めています。個人のGoogleアカウントで業務の文書を扱うと右の列の扱いになるため、社内ルールの最初に書きます。
利用範囲とデータのチェックリスト
前半の6項目は、Geminiを誰に使わせるか、会話やファイルをどこまで残すかを決めるものです。設定はどれも、組織部門(部署ごとの単位)やグループごとに変えられます。

| 項目 | 確かめる中身 | 管理コンソールの場所 |
|---|---|---|
| 1. Geminiアプリを使う人 | 全員に有効のままにするか、試行する部署やグループに絞るか | 生成 AI > Gemini アプリ > サービスのステータス |
| 2. アプリ内のGemini | Gmail・ドライブ・Meetなどのサービスごとに、Geminiの機能を有効にするか | 生成 AI > Gemini for Workspace > 機能へのアクセス |
| 3. Gmailやドライブとの連携 | GeminiアプリがGmail・ドライブ・カレンダーの内容を参照してよいか | 生成 AI > Gemini アプリ |
| 4. Geminiアプリの会話履歴 | 会話を保存するか。保存するなら3か月・18か月・36か月のどれで消すか | 生成 AI > Gemini アプリ > Gemini 会話履歴 |
| 5. アプリ内の会話履歴 | 利用者に削除を許すか。90日・540日・1,080日・自動的に削除しないのどれにするか | 生成 AI > Gemini for Workspace > 会話の履歴と削除 |
| 6. 機密の文書 | Geminiに読ませない人事や財務の文書に、ダウンロード・コピー・印刷の無効化やクライアントサイド暗号化をかけたか | ドライブのファイルごとの制限と暗号化の設定 |
2の設定は、Enterprise Standard・Enterprise Plusなど一部のエディションに限られます。*3 ドライブだけをオフにしても、Gmail側のGeminiからドライブのファイルについて質問できます。4は既定で18か月で、履歴をオフにしても新しいチャットは最長72時間保存されます。*2 5の日数は最後のやり取りから数えます。*4
6について、プライバシー ハブは、ダウンロード・コピー・印刷を無効にした文書やクライアントサイド暗号化をかけた文書をGeminiが取得しないと説明しています。*1
共有・記録・社内ルールのチェックリスト
後半の6項目は、会話を誰に渡せるか、使われ方をどう記録するか、社員に何を守ってもらうかを決めるものです。
| 項目 | 確かめる中身 | 管理コンソールの場所 |
|---|---|---|
| 7. 会話のリンク共有 | リンクを知る人なら誰でも読める共有を、既定のオフのままにするか | 生成 AI > Gemini アプリ > 共有 |
| 8. ドライブを通じた共有とGem | 会話やGem(目的に合わせて指示を設定したGemini)の共有を、ドライブの外部共有の設定と合わせて許すか | 生成 AI > Gemini アプリ > 共有 |
| 9. 監査ログ | Gemini for Workspace のログイベントを、誰がどの間隔で確かめるか | レポート > 監査と調査 |
| 10. 利用状況 | 部署ごとの利用者数と使われ方を確かめるか | 生成 AI > Gemini レポート |
| 11. 個人アカウントの扱い | 個人のGoogleアカウントでの業務利用を禁じ、必要ならログインそのものを制限するか | 一般ユーザー向けアカウントのブロック |
| 12. 一時チャットと削除 | Vaultで保持する方針と合わせて、一時チャットと会話の削除を許すか | 生成 AI > Gemini アプリ > Gemini 会話履歴 |
7のリンク共有は既定でオフ、ドライブを通じた共有は既定で有効です。ドライブで外部共有を無効にしていれば、会話も組織外の人とは共有できません。*5 Gemの共有をオフにしても、以前に共有したGemはドライブから引き続き開けます。*6
9のログイベントでは、ドキュメントやスライドなどでのユーザーとGeminiのやり取りを確かめられます。*7 保持期間は6か月なので、それより長く残すかも決めておきます。*8 10のGemini レポートでは、組織部門やグループごとの使われ方を見られます。*9
11については、管理者が企業ネットワーク内で個人用のGmailアカウントなどを使うことを禁止できます。*11 12は、Vaultを使う組織では、一時チャットや削除を選んでも保持ルールが適用されます。*10 どちらも入力してはいけない情報と合わせて社内ルールに書きます。ルールの作り方は生成AI利用規程の策定で扱っています。
外部に頼むときに確認しておきたい点
Geminiの設定は、生成AIのメニューだけでなく、ドライブの共有、Vault、レポートの設定にまたがります。外部に頼むときは、見積もりの前に次の点を確かめておくと、相談の話が早く進みます。

- どこまで頼むか:12項目の点検、ドライブの共有と機密文書の制限の見直し、社内ルールと説明資料づくりのうち、どれを任せるか
- 期間の決まり方:組織部門とグループの数、見直す共有ドライブの量で期間が変わるため、何を前提に見積もっているか
- 体制:管理コンソールの権限を誰が持ち、設定の変更を社内の誰が承認するか
- 費用の決まり方:点検と設定の作業量で決まるのか、月ごとの運用で決まるのか。Workspaceのライセンス費用とは別に示されているか
- 引き継ぎ:変えた設定の一覧と、ログやレポートを定期に確かめる手順を文書で受け取れるか
契約中のプランで使える機能を先に共有しておくと、提案のずれを防げます。導入そのものはGoogle Workspace導入支援の選び方で、ログの基本は監査ログとはで扱っています。
まとめ:Geminiの設定で確かめたい3つの点
Gemini 法人プランのセキュリティで確かめておきたい点は、3つに整理できます。第一に、社員が会社のアカウントで使っているかを確かめ、個人アカウントでの業務利用を禁じること。第二に、利用する部署、会話履歴の保存期間、共有の可否を管理コンソールで決めること。第三に、監査ログとGemini レポートを見る担当を決めることです。この3点を踏まえておけば、「社外に見せるつもりのない会話が共有されていた」という事態を避けやすくなります。設定の点検や社内ルールづくりに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
Gemini Notebook(旧NotebookLM)も同じ扱いになりますか
Workspace契約の対象のコアサービスで、アップロードや回答が人間に確認されることも、モデルのトレーニングに使われることもありません。ただし取り込んだファイルは別のコピーとして保存され、組織のファイル共有の設定は適用されず、DLPとも連携していません。機密の文書は、ダウンロード・コピー・印刷の無効化で取り込めないようにします。
設定を変えるとすぐに反映されますか
すぐには反映されないことがあります。Geminiアプリのオンとオフは最長で24時間ほど、会話履歴の設定は最長で72時間ほどかかると案内されています。*2 試行の前日までに済ませておくと進めやすくなります。
社員がGeminiに送ったフィードバックは学習に使われますか
生成AIのプロダクトとサービスの改善には使われますが、Workspaceの生成AIを支えるモデルのトレーニングには使われないと説明されています。*1 フィードバックは任意で、最長18か月保持される場合があります。
Geminiのセキュリティ設定と社内展開のご相談
利用範囲と会話履歴・共有の設定から、ログの確認手順、社内ルールと説明資料づくりまで、元請(プライムベンダー)としてご提案します。
2006年の創業以来、一次請けのシステムインテグレーターとして、企業のシステム開発と保守・運用を受託してきました。
出典
- *1 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/generative-ai-in-google-workspace-privacy-hub?hl=ja)。出典:トレーニングに使わないこと、人間によるレビューが無いこと、アクセス権限の範囲、データ保持の表、DLP・IRM・クライアントサイド暗号化、フィードバックの扱い、Gemini Notebook の記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *2 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gemini アプリをオンまたはオフにする」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/gemini-app/turn-the-gemini-app-on-or-off?hl=ja)。出典:コアサービスとして使えるエディション、対象外のアカウントに適用される規約と注意喚起、会話履歴の保持期間と既定値、反映までの時間の記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *3 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Workspace サービスでの Gemini 機能へのアクセスを管理する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/workspace-with-gemini/manage-access-to-gemini-features-in-workspace-services?hl=ja)。出典:対応エディション、既定がオンであること、他のアプリからのデータの参照の記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *4 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gemini in Workspace との会話の履歴の設定を管理する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/workspace-with-gemini/manage-gemini-in-workspace-conversation-history-settings?hl=ja)。出典:手動削除と自動削除(90日・540日・1,080日・自動的に削除しない)の記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *5 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gemini アプリの会話の共有をオンまたはオフにする」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/gemini-app/turn-conversation-sharing-on-or-off?hl=ja)。出典:リンクによる共有が既定でオフ、ドライブを通じた共有が既定で有効、ドライブの共有設定の適用の記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *6 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gem の共有を有効または無効にする」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/gemini-app/turn-gem-sharing-on-or-off?hl=ja)。出典:オフにした後も以前に共有したGemにドライブからアクセスできることの記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *7 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gemini for Workspace のログイベント」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/reports/gemini-for-workspace-log-events?hl=ja)。出典:ユーザーとGeminiとのやり取りを確認できること、監査と調査ツールの記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *8 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「データの保持期間とタイムラグ」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/reports/data-retention-and-lag-times?hl=ja)。出典:Gemini for Workspace のログイベントの保持期間が6か月であることの記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *9 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「組織での Gemini の使用状況を確認する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/review-gemini-usage-in-your-organization?hl=ja)。出典:Gemini レポートで組織部門・グループ別、アプリ別の使用状況を確認できることの記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *10 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「Gemini アプリで一時的なチャットとチャットの削除を管理する」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/gemini-app/enable-temporary-chats-in-gemini-app?hl=ja)。出典:Vault を使う組織での一時チャットと削除の扱い、利用者への表示の記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)
- *11 参考:Google Workspace 管理者ヘルプ「一般ユーザー向けアカウントからのサービス利用を防ぐ」(https://knowledge.workspace.google.com/admin/security/block-access-to-consumer-accounts?hl=ja)。出典:個人用の Gmail アカウントなどの使用を禁止できることの記述を参照(確認日:2026-10-22)(2026年10月確認)