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子の看護等休暇はなぜ5労働日と10労働日に分かれるのか
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 対象は小学3年生修了前:9歳に達する日以後の最初の3月31日までです*1。
- 日数は5労働日と10労働日:対象の子が2人以上のときに10労働日です*1*3。
- 時間単位でも取得できる:1日分の時間数は所定労働時間数で数えます*2。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
子どもの発熱や学級閉鎖で、当日に休みの相談を受ける場面があります*3。そのための休暇が子の看護等休暇です*1*3。
根拠は育児・介護休業法第16条の2です*1。小学校第三学年修了前の子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより休暇を取得できるとしています*1。
日数は2段階です*1。1の年度において五労働日、養育する対象の子が2人以上の場合は十労働日を限度としています*1。
本記事では、対象となる子、日数と年度、4つの事由、時間単位の取得、そして事業主側の扱いを条文で確かめます。
目次
対象は「9歳に達する日以後の最初の3月31日まで」の子
まず対象からです。
第16条の2第1項が範囲を定めています*1。九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子を養育する労働者としています*1。
条文はこの子を「小学校第三学年修了前の子」と呼んでいます*1。学年で言えば小学3年生の終わりまでです*1*3。
厚生労働省も同じ範囲で案内しています*3。対象となる子の範囲を小学3年生修了までの子としています*3。
誕生日で切れるわけではありません*1。9歳の誕生日を過ぎても、その後の最初の3月31日までは対象に入る書き方です*1。
年度の区切りも条文にあります*1。第16条の2第4項は、第1項の年度は事業主が別段の定めをする場合を除き、四月一日に始まり翌年三月三十一日に終わるとしています*1。
別段の定めができる点が実務の分かれ目です*1。会社の休暇管理の区切りに合わせる場合は、就業規則で定めておく形になります*1。
日数は子の人数で変わります*1*3。厚生労働省は、対象となる子が1人の場合は1年間に5日まで、2人以上の場合は1年間に10日までとしています*3。
3人以上でも10労働日です*1。条文は2人以上をひとまとめにして十労働日を限度としています*1。
次に、どのような事由で使えるかを見ます*1*2。
事由は4つ、うち3つは省令で決まっている
第16条の2第1項が事由を並べています。
1つ目は看護です*1。負傷し、若しくは疾病にかかった当該小学校第三学年修了前の子の世話としています*1。
2つ目は予防の場面です*1。疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める子の世話としています*1。
その省令が施行規則第32条です*2。子に予防接種又は健康診断を受けさせることとしています*2。
3つ目は学校が休んだ場合です*1。学校の休業その他これに準ずるものとして省令で定める事由に伴う子の世話としています*1。
準ずる事由は施行規則第33条にあります*2。同条第1号が出席停止を、第2号が保育所等その他の施設または事業における学校の休業に準ずる事由などを挙げています*2。
| 事由 | 根拠 | 条文の表現 |
|---|---|---|
| 看護 | 法第16条の2第1項 | 負傷し、若しくは疾病にかかった子の世話 |
| 予防 | 施行規則第32条 | 予防接種又は健康診断を受けさせること |
| 学校の休業等 | 施行規則第33条 | 出席停止、学校の休業に準ずる事由など |
| 行事への参加 | 施行規則第33条の2 | 入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典 |
育児・介護休業法第16条の2、同法施行規則第32条・第33条・第33条の2より作成*1*2。
保育所の側も読み込まれています*2。第33条第2号は、保育所等その他の施設又は事業における学校の休業に準ずる事由、または出席停止に準ずる事由としています*2。
4つ目は行事です*1。子の教育若しくは保育に係る行事のうち省令で定めるものへの参加としています*1。
施行規則第33条の2が中身です*2。入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典としています*2。
厚生労働省の案内も同じ4つです*3。病気やけがをした子の看護、予防接種・健康診断、感染症に伴う学級閉鎖等になった子の世話、子の入園式・卒園式・入学式への参列を挙げています*3。
次に、1日単位以外の取り方を見ます*1*2。
時間単位で取得でき、端数は1時間に切り上げる
単位の話です。
第16条の2第2項が入口です*1。1日の所定労働時間が短い労働者として省令で定めるもの以外の者は、省令で定めるところにより一日未満の単位で取得することができるとしています*1。
その単位を定めるのが施行規則第34条第1項です*2。一日未満の単位は時間とし、1日の所定労働時間数に満たないものとしています*2。
置き方にも条件があります*2。同項は、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続するものとしています*2。
1日の途中だけを抜く形は書かれていません*2。前か後ろに寄せる取り方が省令の形です*2。
1日分の数え方は第2項です*2。時間単位で取得する子の看護等休暇1日の時間数は、1日の所定労働時間数とするとしています*2。
日によって違う場合の扱いも書かれています*2。日によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1日平均所定労働時間数とするとしています*2。
端数の処理まで省令にあります*2。1時間に満たない端数がある場合は、1時間に切り上げるとしています*2。
厚生労働省の案内も同じ考え方です*3。1日の所定労働時間数が7時間30分の場合、8時間分の休暇で1日分となるとしています*3。
就業規則の書き方に影響します*2。切り上げ後の時間数を1日分として管理する形になります*2。
次に、申し出のしかたを見ます*1*2。
申出は日、または開始と終了の日時を明らかにして行う
手続の側です。
第16条の2第3項が定めています*1。省令で定めるところにより、子の看護等休暇を取得する日を明らかにして申し出なければならないとしています*1。
時間単位の場合は日時です*1。同項は、一日未満の単位で取得するときは休暇の開始及び終了の日時を明らかにするとしています*1。
明らかにする事項は施行規則第35条第1項にあります*2。申出をする労働者の氏名、申出に係る子の氏名及び生年月日、取得する年月日の3つが並びます*2。
4つ目が事由です*2。子が負傷し、若しくは疾病にかかっている事実、第32条に定める世話や第33条に定める事由に伴う世話を行う旨、または第33条の2に定めるものへの参加をする旨としています*2。
子の氏名と生年月日を書く理由もここにあります*2。対象年齢の範囲に入っているかを、この2つで確かめる形になります*1*2。
会社側からの求めも規定されています*2。同条第2項は、事業主は申出があったときに、この事由を証明することができる書類の提出を求めることができるとしています*2。
できる規定です*2。提出がないと取得させないという書き方にはなっていません*2。
書面に限る決まりも置かれていません*2。第35条第1項は、事項を事業主に対して明らかにすることによって行うとしています*2。
当日の電話やメールでの申出を受ける運用が想定される書き方です*2。受付の窓口と記録の残し方を決めておく作業になります*2。
労働条件の明示そのものは別の話です*1。入社時の明示は労働条件明示のルールと記録管理で整理しました*1。
次に、事業主側の扱いを見ます*1*2。
事業主は拒めないが、労使協定で外せる範囲がある
ここが会社側の義務です。
第16条の3第1項が原則です*1。事業主は、労働者から第16条の2第1項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができないとしています*1。
例外の入口は第2項です*1。第6条第1項ただし書のうち第2号に係る部分と同条第2項を準用するとしています*1。
第6条第1項ただし書は労使協定の枠です*1。過半数組合または過半数代表者との書面による協定で定められた労働者からの申出については、拒むことができるという構造です*1。
準用されるのは第2号だけです*1。第1号の「引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者」は準用の対象に入っていません*1。
第2号の中身は省令に委ねられています*1。施行規則第36条は、第16条の3第2項において準用する第6条第1項第2号の省令で定めるものを、第8条第2号の労働者とするとしています*2。
その第8条第2号が範囲です*2。1週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数以下の労働者としています*2。
厚生労働省は日数を示しています*3。労使協定で除外できる労働者として、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者を挙げています*3。
拒まれた場合の効果も準用されています*1。第16条の3第2項が読み替えて準用する第6条第2項は、申出を拒まれた労働者は休暇を取得することができないとしています*1。
時間単位についての例外もあります*1。第16条の3第2項の読替えは、業務の性質若しくは業務の実施体制に照らして時間単位で取得することが困難と認められる業務に従事する労働者を加えています*1。
この読替えは時間単位で取得しようとする者に限られます*1。1日単位の取得そのものを外す規定ではありません*1。
不利益な取扱いも禁じられています*1。第16条の4は第16条を準用し、申出をし、または休暇を取得したことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならないとしています*1。
次に、採用実務での確認点を整理します*1*3。
介護の側と並べて、規程を1つにまとめる
もう1つの休暇と並びます。
介護の側にも同じ形の休暇があります*1。育児・介護休業法は子の看護等休暇の後に介護休暇の規定を置いています*1。
介護の側の改正点は別の記事にまとめています*1。事業主の義務は介護離職を防ぐために義務になった3つのことで整理しました*1。
就業規則では2つを並べて書く形になります*1。年度の定め、申出の方法、時間単位の扱いが共通の論点です*1*2。
労使協定も1本で足ります*1。除外する労働者の範囲を定める協定として、休暇ごとに分けて書く必要はありません*1。
3歳から就学前の措置も同じ法律の中です*1。選択肢の置き方は柔軟な働き方を実現するための措置とは|5つから2つ選ぶで整理しました*1。
公表の義務も並行して続きます*1。取得率の数え方はなぜ育児休業取得率の公表には2つの式があるのかで整理しました*1。
この休暇は取得率の公表の対象ではありません*1。公表の対象は育児休業等の取得率です*1。
年度の途中で入社した人も使えます*1。第16条の3第2項が準用するのは第6条第1項第2号だけで、勤続期間による除外は準用されていません*1。
日数を月割りにする規定も置かれていません*1。第16条の2第1項は1の年度において5労働日または10労働日を限度としています*1。
採用の場面で聞かれたときに、この2点は答えを持っておくと話が早くなります*1*3。入社直後から使えるかどうかは求職者の関心事です*3。
次に、会社側の作業を3点に整理します*1*2*3。
採用実務で押さえる3点
作業に落とします。
1点目は年度の定めです*1。第16条の2第4項の別段の定めをするかどうかで、休暇の残り日数の数え方が変わります*1。
4月1日始まりのままにするなら、就業規則に書かないという選択もできます*1。条文が既定値を置いているためです*1。
2点目は時間単位の受け方です*2。施行規則第34条第1項の始業から連続または終業まで連続という形を、勤怠システムでどう入力するかを決める作業になります*2。
1日分の時間数も先に決めておきます*2。同条第2項の切り上げの結果を、所定労働時間ごとに一覧にしておく形です*2。
3点目は事由の確かめ方です*2。施行規則第35条第2項の書類の提出を求めるかどうか、求めるとして何を受けるかを決めておきます*2。
当日の申出に間に合わない場面もあります*2。事後の提出でよいとするなら、その扱いを規程に書いておく形になります*2。
4つの事由のうち行事への参加は日程が読めます*1*2。予定として先に申し出てもらえる事由と、当日の申出になる事由が混ざります*1*2。
ここまでが条文と省令の範囲です*1*2*3。規程の文言や個別の運用の適否は、社会保険労務士と管轄の労働局雇用環境・均等部に確かめる領域になります*3。
休暇の取得が重なる時期に、担当が抜けた分の体制が組めないこともあります。急ぐ場合は、採用と並行して業務委託で職責を預ける選択肢もあります。
まとめ:子の看護等休暇の要点
第一に、対象と日数です。育児・介護休業法第16条の2第1項は、9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子を養育する労働者が、1の年度において5労働日、養育する対象の子が2人以上の場合は10労働日を限度として子の看護等休暇を取得できるとしています。厚生労働省も対象を小学3年生修了までの子とし、子が1人なら1年間に5日まで、2人以上なら10日までとしています。同条第4項は、年度を事業主が別段の定めをする場合を除き4月1日に始まり翌年3月31日に終わるものとしています。第二に、事由です。条文は負傷し、若しくは疾病にかかった子の世話、省令で定める世話、学校の休業その他省令で定める事由に伴う世話、教育または保育に係る行事のうち省令で定めるものへの参加を挙げ、施行規則第32条が予防接種または健康診断を受けさせること、第33条が出席停止や学校の休業に準ずる事由、第33条の2が入園・卒園・入学の式典を定めています。第三に、単位と申出です。同条第2項と施行規則第34条は、一日未満の単位を時間とし、始業の時刻から連続または終業の時刻まで連続するものとし、1日分の時間数を1日の所定労働時間数として1時間に満たない端数を切り上げるとしています。申出は取得する日、時間単位のときは開始および終了の日時を明らかにして行い、施行規則第35条第2項は事業主が事由を証明することができる書類の提出を求めることができるとしています。第四に、事業主側です。第16条の3第1項は申出を拒むことができないとし、第2項は第6条第1項ただし書のうち第2号に係る部分を準用します。施行規則第36条と第8条第2号により、労使協定で除外できるのは1週間の所定労働日数が著しく少ない労働者で、厚生労働省は1週間の所定労働日数が2日以下の労働者としています。第16条の4は第16条を準用し、不利益な取扱いを禁じています。
よくある質問
対象になる子はどこまでですか。
育児・介護休業法第16条の2第1項は、9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子を養育する労働者を対象とし、この子を小学校第三学年修了前の子と呼んでいます。厚生労働省も、対象となる子の範囲を小学3年生修了までの子としています。9歳の誕生日で切れるのではなく、その後の最初の3月31日までが対象です。
日数はどのように決まりますか。
育児・介護休業法第16条の2第1項は、1の年度において5労働日、養育する小学校第三学年修了前の子が2人以上の場合は10労働日を限度としています。3人以上でも条文は2人以上をひとまとめにしているため10労働日です。同条第4項は、年度を事業主が別段の定めをする場合を除き4月1日に始まり翌年3月31日に終わるものとしています。
どのような事由で取得できますか。
条文は、負傷し、若しくは疾病にかかった子の世話、疾病の予防を図るために必要なものとして省令で定める子の世話、学校の休業その他省令で定める事由に伴う子の世話、教育または保育に係る行事のうち省令で定めるものへの参加を挙げています。施行規則第32条は予防接種または健康診断を受けさせること、第33条は出席停止と学校の休業に準ずる事由、第33条の2は入園・卒園・入学の式典としています。
時間単位で取得するときの数え方はどうなりますか。
施行規則第34条第1項は、一日未満の単位を時間とし、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続するものとしています。第2項は、時間単位で取得する子の看護等休暇1日の時間数を1日の所定労働時間数とし、日によって異なる場合は1年間における1日平均所定労働時間数とし、1時間に満たない端数がある場合は1時間に切り上げるとしています。厚生労働省も、1日の所定労働時間数が7時間30分の場合は8時間分の休暇で1日分になるとしています。
会社が申出を断ることはできますか。
育児・介護休業法第16条の3第1項は、事業主は申出を拒むことができないとしています。第2項が第6条第1項ただし書のうち第2号に係る部分を準用しており、施行規則第36条と第8条第2号により、労使協定で除外できるのは1週間の所定労働日数が著しく少ない労働者です。厚生労働省は、これを1週間の所定労働日数が2日以下の労働者としています。第16条の4は第16条を準用し、申出や取得を理由とする不利益な取扱いを禁じています。
出典
- *1 参考:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成三年法律第七十六号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076)。第16条の2第1項(対象を9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子とすること、5労働日と2人以上の場合の10労働日、4つの事由)、第2項(一日未満の単位での取得)、第3項(取得する日または開始および終了の日時を明らかにすること)、第4項(年度を4月1日から翌年3月31日とし別段の定めを認めること)、第16条の3(申出を拒むことができないこと、第6条第1項ただし書第2号の準用と時間単位が困難な業務の読替え)、第16条の4(第16条の不利益取扱いの禁止の準用)、第6条第1項(労使協定による除外の枠組み)の一次情報として(2026年9月確認)
- *2 参考:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成三年労働省令第二十五号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/403M50002000025)。第32条(予防接種または健康診断を受けさせること)、第33条(出席停止と学校の休業に準ずる事由)、第33条の2(入園・卒園・入学の式典その他これに準ずる式典)、第34条(一日未満の単位を時間とし始業から連続または終業まで連続とすること、1日の時間数を所定労働時間数とし端数を1時間に切り上げること)、第35条(申出で明らかにする4つの事項と、事由を証明することができる書類の提出を求めることができること)、第36条および第8条第2号(労使協定で除外できる労働者)の一次情報として(2026年9月確認)
- *3 参考:厚生労働省 育児休業制度特設サイト「子の看護等休暇」(確認日2026年9月1日)(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/nursing/)。対象となる子の範囲が小学3年生修了までの子であること、対象となる子が1人の場合は1年間に5日まで・2人以上の場合は1年間に10日までであること、取得事由が病気やけがをした子の看護・予防接種や健康診断・感染症に伴う学級閉鎖等になった子の世話・入園式や卒園式や入学式への参列であること、時間単位での取得が可能で1時間単位および1労働日単位であること、1日の所定労働時間数が7時間30分の場合は8時間分の休暇で1日分となること、労使協定で除外できる労働者が1週間の所定労働日数が2日以下の労働者であることの一次情報として(2026年9月確認)