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2026.10.16 採用支援コラム

生成AIエンジニアの採用要件と見極め方|外部人材との使い分け

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

面接室で候補者がホワイトボードの四角と矢印の図を指して説明し、机の手前で面接担当が聞いている

この記事の結論

  • 生成AIエンジニアの採用要件は、AIの経験年数よりも、ソフトウェア開発の力を土台に置いて書きます。
  • 面接では、作った機能と担当した範囲、誤った出力やデータの扱いへの対処を具体的に聞いて見極めます。
  • 自社の中核として作り続けるなら社員採用、効果を試す段階や期間の決まった開発は業務委託が向いています。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

「生成AIを使った機能を作りたいので、扱えるエンジニアを採りたい」「でも求人票に何を書けばよいのか分からない」——。生成AIエンジニアの採用を任された現場では、こうした迷いが起こりがちです。本記事でいう生成AIエンジニアは、文章や画像を作るAI(生成AI)を自社のシステムや業務に組み込み、動かし続ける開発職を指します。

IPAの調査では、AIを活用したシステムを実装できる人材が「不足している」と答えた日本企業は53.7%でした。*1 一方で「自社には必要ない」と答えた企業も40.7%あり、採るかどうかの判断から分かれています。本記事では、エンジニア採用の担当者や開発マネージャーに向けて、採用要件の決め方、面接での見極め方、社員採用と外部人材の使い分け、外部に頼むときの確認点を整理します。

生成AIエンジニアとは

経済産業省とIPAがまとめた「デジタルスキル標準」(デジタル人材に求める力の一覧)は、2026年4月のver.2.0で、生成AIを組み込む開発の力を「AI実装・運用」という項目に整理しました。*2 説明は「生成AI、AIエージェント、マルチモーダル、IoTなどのAIシステム開発を実装し、運用管理を現場定着させるスキル」です。*2 学ぶ内容の例は次のとおりです。

  • 生成AIを使った機能を作る(生成AI開発・活用)
  • 生成AIでプログラムを書く作業を助ける(コーディング支援)
  • 手持ちのデータでAIの答え方を調整する(ファインチューニング)
  • 指示を受けて複数の作業を自動で進める仕組みを作る(AIエージェント)

採用でまず分けたいのは、AIを研究する人とAIを使ったシステムを作る人です。IPAの調査もこの2つを別の人材として聞いています。

日本企業が答えたAI人材の充足度(IPA「DX動向2025」から抜粋)
人材 調査での説明 不足している 自社には必要ない
AI研究者 先端的なAIアルゴリズムを開発したり、学術論文を書けたりする 41.0% 56.4%
AI開発者 AIを活用したソフトウェアやシステムを実装できる 53.7% 40.7%

生成AIエンジニアとして多くの企業が求めているのは、表の下の段のAI開発者です。どちらを求めるかで、求人票の書き方も声をかける候補者も変わります。業務の側でAIを使う人材の採り方は「AI人材の採用基準」で扱っています。

採用要件の決め方

デジタルスキル標準は、ソフトウェアエンジニアの役割のうち、サーバー側の機能を作る「バックエンドエンジニア」について、スキルごとに求める水準を示しています。*2 生成AIに関係する項目と、開発の土台になる項目を並べると、次のようになります。

社内のサーバー室で、エンジニアがラックの機器に青いLANケーブルを差し込んでいる手元

バックエンドエンジニアに求める水準(デジタルスキル標準 ver.2.0から抜粋)と、採用要件での扱い
スキル項目 標準での水準 採用要件での扱い
バックエンドシステム開発 高い実践力と専門性が必要 必須
クラウドインフラ活用 高い実践力と専門性が必要 必須
AI実装・運用 一定の実践力と専門性が必要 必須(経験の長さは問わない)
機械学習・深層学習 一定の実践力と専門性が必要 歓迎
セキュア設計・開発・構築 一定の実践力と専門性が必要 必須

表から分かるのは、生成AIを扱う開発職でも、いちばん高い水準を求められているのはサーバー側の開発やクラウドの扱いだという点です。生成AIの機能は、社内のデータや業務システムとつながって初めて役に立つためです。求人票は「生成AIの経験3年以上」のような年数より、作りたい機能とつなぐシステムから書くほうが、合う候補者に伝わります。

デジタルスキル標準は、数十名以上の開発チームを持つ企業を想定して役割を分けており、小さな企業では少人数か1人がすべての役割を担うこともあると書いています。*2 エンジニアが少ない会社ほど1人に求める範囲が広くなるため、必須と歓迎を分けて書きます。

面接での見極め方

生成AIは、もっともらしい誤りを返すことがあります。デジタルスキル標準も、生成AIを使う人に求める姿勢として、期待しない結果が出ることや、著作権などの権利侵害、情報漏洩に注意が要ると理解していることを挙げています。*2 面接では、こうした問題にどう備えたかも聞きます。

  • 作った機能と、その中で自分が担当した範囲
  • 生成AIの誤った答えをどう見つけ、利用者に届く前にどう防いだか
  • 社内のデータや個人情報をAIに渡すとき、何を決めて扱ったか
  • 使い始めた後に、答えの質や利用料をどう見直したか
  • 生成AIを使わないほうがよいと判断した場面があったか

答えを聞くときは、使った製品の名前よりも、何に困ってどう決めたかに注目します。製品は入れ替わりが早く、名前を知っていることは実務の力を示しません。

IPAの調査では、生成AIを業務で使う上での課題として「誤った回答を信じて業務に利用してしまう」が、日本企業で突出して多く挙がりました。*1 社内の利用者を誤りから守る仕組みを作れるかは、大事な見どころです。

社員採用と外部人材の使い分け

IPAの調査では、DXを進める人材の量が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた日本企業は合わせて85.1%でした。*1 それでも「人材確保を行っていない」企業が19.4%あり、米国とドイツでは「特定技術を有する企業や個人との契約」を使う割合が日本より高いと報告されています。*1 外部の人材と契約して進める道も検討に入れておきます。

生成AIの開発を担う人を確保する流れの図。作りたい機能と期間、つなぐ社内のシステムを書き出し、自社の中核として作り続けるかを判断する。試す段階なら業務委託で試作し、期間と完了の条件を決めて説明資料を残してもらう。作り続けるなら開発の力を土台に要件を書いて社員を採用し、リモートワークの採用も選べる。試作の後に続けると決めたら、要件を固めて採用へ進む。試作と採用活動は並行して進めることもできる。

選び方は、作るものが自社の中でどんな位置にあるかで決まります。

場面ごとに向いている確保の方法
場面 向いている方法 理由
自社サービスの中核として作り続ける 社員採用 機能の改善と運用が長く続き、社内に知識を残したい
効果があるかを試す段階 業務委託 期間と作る範囲を決めて進められ、やめる判断もしやすい
社内に候補者を評価できる人がいない 業務委託から始める 一緒に作りながら、採用で求める要件を固められる
近くで候補者が見つからない リモートワークの社員採用 住む場所を問わずに候補者を探せる

執務室の空いた机に社員が無地の入館カードを置き、横に黒いヘッドセットが並ぶ受け入れ準備

IPAの同じ調査では、DXを進める人材の評価基準が「基準はない」と答えた日本企業が75.7%でした。*1 評価の物差しがないまま採ると、入社後に期待とのずれが起きやすくなります。業務委託で試作を進め、その経験から要件を決めてから社員を採る順番も選べます。

外部人材に頼むときの確認点

生成AIの開発を業務委託で進めるときは、契約の前に次の点を確かめておきます。

西日の入る会議室で外部の技術者と担当者が構成図をペンと指で確かめている

  • 任せる機能と期間、どこまでできたら完了とするか
  • 社内のデータや個人情報を扱う範囲と、その管理の方法
  • 生成AIのサービスの利用料を、どちらの契約で払うか
  • 作ったものの説明資料と、引き継ぎの進め方
  • 社内のエンジニアが一緒に作業し、やり方を覚えられるか

説明資料が残っていれば、後で採用した社員がそのまま改善を続けられます。生成AIの仕事を頼む前の準備は「外部人材活用で生成AIの仕事を頼む準備」に、導入を専門家と進めるときの役割分担は「生成AIの導入を外部人材活用で進める方法」にまとめています。契約やデータの権利の扱いは、法務の担当者や専門家に確かめてください。

まとめ:生成AIエンジニア採用で確かめたい3つの点

生成AIエンジニアの採用で確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、求めるのはAIの研究者ではなくAIを使ったシステムを作る開発者で、要件はソフトウェア開発の力を土台に書くこと。第二に、面接では作った機能と担当範囲、誤った出力やデータの扱いへの備えを具体的に聞くこと。第三に、自社の中核として作り続けるなら社員採用、試す段階や期間の決まった開発なら業務委託と、場面で使い分けることです。この3点を踏まえておけば、「採ったものの、任せたい仕事と得意なことが違った」という事態を避けやすくなります。採用と外部人材のどちらで始めるかに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

作りたい機能と続ける期間の見込みが書き出せたら、確保の方法を決める段階です。試す段階の開発は業務委託で加わる専門人材と進め、続けると決めた機能はリモートワークの社員の採用で担い手を探す、という分け方でご相談いただけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

生成AIの実務経験がない候補者を採用してもよいですか

サーバー側の開発やクラウドの経験が十分なら、候補に入れてよいでしょう。デジタルスキル標準でも、AI実装・運用より開発の土台のほうに高い水準を求めています。

エンジニアが数人の会社でも生成AIエンジニアを採るべきですか

作り続けたい機能がはっきりしていれば、採る価値があります。まだ効果を試す段階なら、業務委託で期間を決めて試作し、続けると決めてから採用に進むほうが無理がありません。

社員の採用と業務委託を並行して進めてもよいですか

並行して進められます。業務委託で試作を進めながら採用活動を始め、社員が入社した時点で説明資料をもとに作業を引き継ぐ形が取れます。

生成AIエンジニアの確保を相談したいとき

作りたい機能や、つなぎたい社内のシステムが分かっていれば、そのままご相談いただけます。社員を採るか、業務委託で始めるかを決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:IPA「DX動向2025」(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2025.html)。出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025」(PDF)。図表2-8 AI人材の充足度(日本 n=1,513。AI研究者:不足している41.0%・自社には必要ない56.4%、AI開発者:不足している53.7%・自社には必要ない40.7%)、図表2-12 生成AIを業務で活用する上での課題、図表3-1 DXを推進する人材の「量」の確保(不足の合計85.1%)、図表3-5 獲得・確保の方法(人材確保を行っていない19.4%)、図表3-10 評価基準(基準はない75.7%)を参照。2024年度調査(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:IPA「デジタルスキル標準(DSS)」(https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/index.html)。出典:経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準 ver.2.0」(2026年4月・PDF)。共通スキルリストの「AI実装・運用」、ソフトウェアエンジニアのロールの分担、バックエンドエンジニアのスキル重要度、生成AI利用において求められるマインド・スタンスを参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)




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