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情シスの人数の目安|従業員規模別の実態と足りない分の埋め方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- 情シスの人数に、公的な調査が示す決まった適正人数はなく、規模ごとの実態の分布だけが分かります。
- 従業員が100人以下の会社は専任を置かず、兼任や外部委託で回している例が多く、人数は仕事の量で決めます。
- 足りない分は、仕事の量と続く期間に合わせて社員か外部人材を選び、窓口と判断は社内に残します。
※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
従業員が増えてきたのに、情シスは担当1人のまま。何人まで増やせば足りるのか、他社はどうしているのか、社長に聞かれても答えられない——。IT担当を任された人が、こうした場面で調べるのが情シスの人数の目安です。情シスの人数の目安とは、従業員の規模に対して、社内のIT担当者が何人いるのがふつうかを示す数のことを指します。
目安が分かれば、足りない分を社員で探すか外部人材に頼むかを決めやすくなります。ただし万能ではなく、公的な調査が示すのは「ふつうの人数」であって「適正な人数」ではありません。本記事では、IT担当の責任者や経営者に向けて、人数の目安の考え方、中小企業の置き方、規模別のIT部門の人数、足りない分の埋め方、外部に頼むときの確認点を整理します。
目次
情シスの人数に決まった目安はあるか
本記事で調べた範囲では、従業員が何人なら情シスは何人が適正、と示した公的な調査は見つかりませんでした。出ているのは、実際の会社が担当者をどう置いているかの分布です。人数の目安として使える調査は、母集団の違う次の2つです。
- 東京商工会議所の調査:主に東京23区内の中小企業が対象。従業員規模ごとに、専任・兼任・外部委託・担当者なしの割合が分かる
- JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)の調査:東証上場企業とそれに準じる企業のIT部門長が回答。従業員数ごとに、IT部門の人数の分布が分かる
母集団が違うため、数字を1本の線につなげることはできません。従業員100人前後までの会社は前者、数百人以上の会社は後者を手がかりにします。
中小企業の担当者の置き方
東京商工会議所は、2024年10月から11月に、主に東京23区内の中小企業1万社へ調査票を送り、1,218社から回答を得ました。*1 デジタルシフトの状況を「口頭連絡、電話、帳簿での業務が多い」とした企業を除く1,002社の結果が、次の表です。この調査が聞いているのは人数ではなく、専任か兼任かといった置き方です。

| 従業員規模 | 専任の担当者がいる | 兼任の担当者がいる | 外部委託している | 担当者はいない |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 11.7% | 43.9% | 15.0% | 28.9% |
| 5人以下 | 7.1% | 34.7% | 13.1% | 44.3% |
| 6〜20人 | 7.0% | 47.8% | 16.7% | 27.8% |
| 21〜50人 | 8.5% | 51.2% | 18.8% | 21.6% |
| 51〜100人 | 25.0% | 61.8% | 9.2% | 3.9% |
| 101人以上 | 56.7% | 30.0% | 10.0% | 3.3% |
全体では、専任が11.7%、兼任が43.9%で、あわせて約5割の企業が社内に担当者を置いています。*1 規模別に見ると、5人以下では担当者がいない企業が44.3%と最も多くなります。21〜50人でも専任は8.5%にとどまり、兼任が51.2%で中心です。専任が25.0%に上がるのは51〜100人の層で、101人以上では56.7%になります。*1
つまり、従業員が100人以下の会社では、専任の情シスを置かず、兼任や外部委託で回している例が多いことが分かります。
従業員数別のIT部門の人数
JUASの「企業IT動向調査報告書2020」は、2019年9月から10月に東証上場企業とそれに準じる企業4,000社のIT部門長へ調査票を送り、970社から回答を得ています。*2 この調査には、従業員数別にIT部門の要員数を、10人未満・10〜49人・50〜99人・100人以上に分けた図表があります。*2
- 300人未満の企業:10人未満が88.5%で、10〜49人は10.4%
- 300〜1000人未満の企業:10人未満が68.1%、10〜49人が29.3%
- 1000人以上の企業:10〜49人が44.4%で最も多く、100人以上も14.1%
同じ報告書は、売上高別のIT部門の平均人数も載せています。売上高100億円未満の企業は7.1人、100億〜1000億円未満は13.1人、1000億〜1兆円未満は46.9人、1兆円以上は117.6人です。*2
注意したいのは2点です。1つは、10人未満の区分が広く、その中の内訳が分からないことです。もう1つは、2019年度の調査で、回答したのは上場企業とそれに準じる企業であることです。2023年版から2026年版の報告書には同じ区分の人数の分布が見つからなかったため、2020年版を使っています。
足りない分を社員と外部人材のどちらで埋めるか
人数が足りないと感じている会社は少なくありません。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2025」では、DXに取り組んでいる日本企業のうち、DXを推進する人材の量を「やや不足している」「大幅に不足している」とした企業の合計が85.1%でした。*3 東京商工会議所の調査でも、社内のデジタル人材が「十分確保できている」企業は7.2%、「ある程度確保できている」は30.1%にとどまり、6割を超える企業が確保に苦慮しています。*1

確保の方法は「既存社員の育成」が48.0%で最も多く、「何も実施していない」も40.2%あります。外部人材やリソースを「活用していない」企業も40.0%です。*1 足りない分を埋める選択肢は、次の3つに整理できます。
| 埋め方 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 今いる社員を育てる | 仕事の量が少なく、会社の業務をよく知る人に任せたいとき | 担当できるようになるまで時間がかかる。本業との兼務で手が回らなくなりやすい |
| 社員として採用する | 毎日ITの仕事があり、常勤で長く任せたいとき(リモートワークの社員も選べる) | 探す期間と採用後の育成が要る。1人に仕事が集まると、辞めたときに止まる |
| 業務委託の外部人材に頼む | 仕事の量が決まっている、期間が限られている、専門の作業だけ要るとき | 任せる範囲と窓口を社内で決めておく。権限の渡し方と引き継ぎの記録を契約前に確かめる |
迷ったときは、仕事の量と続く期間で考えます。この考え方は本記事の整理です。
- 窓口と日々の確認が中心で量が少ないなら、今いる社員の兼任で始める
- 毎日ITの仕事があり、長く続くなら、社員として採用することを考える
- 量や期間がはっきりしている、専門の作業だけ要るなら、業務委託の外部人材を考える
情シスが0人の会社は情シスがいない会社のIT担当の決め方、ひとり情シスが辞めるときはひとり情シスが退職するときの後任の確保と引き継ぎの進め方、運用保守の分担は運用保守の開発要員|夜間当番を社内と外部で分ける方法で扱っています。
外部に委託するときに確認しておきたい点
外部人材に頼む場合も、判断と窓口は社内に残します。契約の形によって社内の指示の出し方が変わることがあるため、契約の細かい扱いは、契約書と専門家に確かめてください。頼む前に、次の点を確認します。

- 任せる仕事の範囲:何を頼み、何を社内で決めるかを書き出しておく
- 稼働の曜日・時間と連絡手段:急ぎの連絡を誰が受けるかも決める
- 権限の渡し方:アカウントは1人に1つにし、契約が終わったら無効にする手順を決める
- 作業の記録:何をしたかを文書で残してもらい、社内の人が読める状態にする
- 担当が替わるときの代わり:1人に仕事が集まらないよう、後任の探し方を事前に確かめる
まとめ:情シスの人数で確かめておきたい3つの点
情シスの人数を考えるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、公的な調査が示すのは適正な人数ではなく、同じ規模の会社の置き方の分布であること。第二に、従業員が100人以下の会社は専任を置かず、兼任や外部委託で回している例が多く、人数は仕事の量で決めること。第三に、足りない分は仕事の量と続く期間で社員か外部人材を選び、窓口と判断は社内に残すことです。この3点を踏まえておけば、他社の人数に合わせて数だけを増やす事態を避けやすくなります。足りない分の埋め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
従業員が10人ほどの会社では、情シスは何人置けばよいですか
公的な調査に、適正な人数を示したものは見つかりませんでした。東京商工会議所の調査では、従業員6〜20人の会社は、専任が7.0%、兼任が47.8%、外部委託が16.7%、担当者なしが27.8%でした。*1 専任を置かず兼任や外部委託で回す会社が多く、人数は仕事の量で決めることになります。
兼任の担当者が1人いれば、情シスがいると考えてよいですか
東京商工会議所の調査は、「兼任の担当者がいる」を担当者を置いている形の1つとして集計しています。*1 ただし、兼任の人が何人で、どれだけの時間をITに使っているかは調査では分かりません。本業を圧迫していないかは、自社で確かめる必要があります。
JUASの人数の分布は、中小企業の目安に使えますか
回答したのは東証上場企業とそれに準じる企業で、調査も2019年度のものです。*2 従業員が数十人の会社にそのまま当てはめるのは向いていません。中小企業は東京商工会議所の調査のように、同じ規模の会社の置き方を参考にし、自社の仕事の量で判断します。
足りない分の人材の探し方を相談
任せたい仕事と、必要な期間が決まっていれば、そのままご相談いただけます。社員で探すか外部の人材に頼むか迷っている段階でも構いません。
Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。
Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。
出典
- *1 参考:東京商工会議所「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査 集計結果(詳細版)」(2025年1月10日)(PDF)(https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1205203)。出典:東京商工会議所 中小企業のデジタルシフト・DX推進委員会。調査期間2024年10月15日〜11月15日、主に東京23区内の中小企業1万社へ送付し1,218社が回答(回答率12.2%)。情報システム担当者の設置状況(n=1,002)、デジタル人材の確保状況、外部人材・リソースの活用状況を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
- *2 参考:JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)「企業IT動向調査報告書2020」(2019年度調査)(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2021/02/JUAS_IT2020_original_Ver.4.pdf)。出典:JUAS。2019年9月13日〜10月11日、東証上場企業とそれに準じる企業4,000社のIT部門長に送付し970社が回答(有効回答率24%)。7.1の図表7-1-3(従業員数別 IT部門のIT要員数)と図表7-1-4(売上高別 IT要員数平均値)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)
- *3 参考:IPA「DX動向2025」(本文)(PDF)(https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/tbl5kb0000001mn2-att/dx-trend-2025.pdf)。出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)。「国内外におけるDX推進状況等調査分析」(企業向け)2024年度調査。3.2 人材の過不足状況の図表3-1(DXを推進する人材の「量」の確保)を参照(確認日2026年10月16日)(2026年10月確認)