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2026.10.07 採用支援コラム

エンジニア人材紹介の選定|専門性は職種別の就職件数に出る

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

白い天板の木の机に画面を消したノートパソコンとヘッドホンが置かれ、両側から布張りの椅子が向かい合う打ち合わせの席。人も読める文字も写っていない

この記事の結論

  • エンジニアの職種は厚生労働省編職業分類の中分類009と010に当たり、紹介会社の届出や報告書もこの区分で書かれます。
  • 取扱職種の範囲等は求人を受け付けたあと書面などで示されるので、009か010が含まれているかを確かめます。
  • 事業報告書には事業所ごと・職種の区分ごとに求人数や就職件数を書くので、エンジニアの行の数を聞きます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニアを採りたくて紹介会社を探すと、どの会社のサイトにも「IT業界に強い」「エンジニア専門」と書いてある。けれども、実際にどれだけエンジニアの紹介を手がけてきたのかは、言葉だけでは比べられない——。エンジニア人材紹介の選定で専門性を見きわめようとすると、多くの採用担当者がここで手が止まります。

手がかりは、紹介会社が法令に沿って作っている書類の中にあります。紹介会社は扱う職種の範囲を国に届け出ることができ、毎年の事業報告書には職種の区分ごとに求人数や就職件数を書いています。ただし万能ではありません。届出は任意で、報告書もそのまま公開されるものではないからです。本記事では、エンジニアの採用を担う人事や開発部門の方に向けて、専門性をどの書類のどの欄で確かめるのか、面談で何を聞くのかを順に整理します。

エンジニア人材紹介の専門性とは

本記事でいうエンジニア人材紹介の専門性は、エンジニアの職種で求人と求職者を扱ってきた量と、その職種を扱う体制のことです。「IT特化」「エンジニア専門」といった言葉は、紹介会社が自分で名乗る呼び方で、法令に定めのある区分ではありません。法令の側で職種が出てくるのは、扱う職種の範囲の届出と、国に出す事業報告書の職種の区分の2か所です。

どちらも、職種を書くときの物差しは厚生労働省編職業分類です。届出の職種名は、原則として令和4年度版の職業分類の中分類で書くとされています。*3 事業報告書の職種の区分も、令和5年度の報告から改訂後の職業分類に変わりました。*5 紹介会社の専門性を確かめるときは、まずこの分類の言葉にそろえて話すと、会社ごとの言い回しの違いに振り回されずに済みます。分類そのものの組み立ては厚生労働省編職業分類でみるIT職種で詳しく扱っています。

エンジニアは009と010に分かれる

職業分類でエンジニアに当たる中分類は2つです。009は「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)」で、ソフトウェア開発技術者(WEB・オープン系)、ソフトウェア開発技術者(組込・制御系)、プログラマーなどが入ります。010は「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」で、ITコンサルタント、ITシステム設計技術者、ITプロジェクトマネージャ、ITシステム運用管理者、ITヘルプデスク、通信ネットワーク技術者などが入ります。*6

選定のときに大事なのは、自社の求人がどちらに当たるかを先に決めておくことです。Webサービスの開発者を採りたいなら009、サーバーやネットワークの運用を任せる人なら010の数を見ることになります。同じ「エンジニアに強い」紹介会社でも、009の紹介が中心で010はほとんど扱っていない、ということは起こりえます。

取扱職種の範囲等の届出

職業安定法の第32条の12は、有料職業紹介事業者が取扱職種の範囲等を定めたときは厚生労働大臣に届け出ること、届け出た場合は求人や求職を受け付ける義務がその範囲内に限られることを定めています。*1 届け出た内容に基づいて、許可証も書き換えられます。

厚生労働省の「職業紹介事業の業務運営要領」は、範囲を定めるかどうかは事業者が任意で判断するものとしています。限定が認められる例として、事務的職業のような職業、大阪府のような地域、月給35万円以上の求人のような賃金が挙がっています。*3 職種のほかに、地域や賃金で範囲を絞っている会社もあるということです。

ここから言えるのは、009や010に範囲を絞って届け出ている会社なら、エンジニアの職種に集中していると書類で確かめられるということです。逆に、届出をしていない会社は全ての職種を扱う前提になるだけで、エンジニアの紹介が少ないとは限りません。届出の有無は、専門性を見る手がかりの一つにとどめます。

求人を出すと届く明示の書面

届出の内容は、求人者にも知らされます。職業安定法の第32条の13は、取扱職種の範囲等、手数料に関する事項、苦情の処理に関する事項などを求人者と求職者に明示するよう有料職業紹介事業者に求めています。*1 施行規則の第24条の5第2項は、この明示を求人の申込みを受け付けたあと速やかに行うとし、方法は書面の交付や電子メールなどです。*2

書面が届いたら、取扱職種の欄に009か010が入っているか、地域や賃金で範囲が絞られていないかを見ます。たとえば勤務地が地方の求人なのに、範囲が特定の都府県に限られていれば、その会社では受け付ける義務の外になります。求人を正式に出す前に同じ内容を見せてもらえるか尋ねておくと、契約したあとで扱えないと分かる手戻りを減らせます。

事業報告書にある職種別の数

専門性をいちばん直接に表すのは、職種別の数です。職業安定法の第32条の16は、有料職業紹介事業者に事業所ごとの事業報告書を作って厚生労働大臣に出すよう求めています。期限は毎年4月30日までで、様式は「有料職業紹介事業報告書(様式第8号)」です。*2

様式第8号の記載要領によると、求人数と就職件数は「取扱業務等の区分」ごとに1年間の数を書きます。対象期間は前年の4月1日から3月末日までです。新規求職申込件数も区分ごとに書き、就職件数は無期雇用とそれ以外に分けます。さらに、前々年度に無期雇用で就職した人のうち6か月以内に離職した人の数と、離職したかどうか分からない人の数も区分ごとに並びます。*5

紹介会社が事業所ごとに作る職業紹介事業報告書(様式第8号)の「4 活動状況(国内)」から、エンジニアに当たる2つの行を抜き出した表の図。行は職業分類の009 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)と010 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)。列は求人数(常用)、新規求職申込件数、就職件数(無期雇用)、6か月以内の離職、離職したか不明の数。求人数などの対象期間は前年4月1日から3月末日までの1年間で、離職と不明の対象は前々年4月1日から前年3月末日までに無期雇用で就職した人(解雇による離職は除く)。このほか臨時・日雇の数や有効求人数、職種ごとの手数料収入なども書く。

つまり紹介会社は、009や010の行に何件の求人を受け、何人が就職したかを毎年数えています。一方、インターネットで提供が義務づけられている就職者数や離職者数は、年度ごとの総数です。*2 職種別の行は、こちらから聞かないと出てきません。選定の面談で「直近の事業報告書の009と010の行の数を教えてほしい」と頼むのが、専門性を確かめるいちばん確かな方法です。法令の手続きの話はエンジニア人材紹介の選定で確かめる手数料・実績・認定の3点もあわせてご覧ください。

手数料率の欄に並ぶ職種名

公開されている情報の中にも、職種を知る手がかりが一つあります。令和7年4月から、紹介会社は職種別の常用就職1件当たりの平均手数料率の実績を「人材サービス総合サイト」に載せることになりました。公開の対象は、常用就職の実績が多い上位5職種です。常用就職の実績が10件以下なら掲載は要りません。*7

見るべきは率の数字ではなく、並んでいる職種名です。上位5職種に009や010が入っていれば、その会社では常用就職の多い職種の一つにエンジニアがあると読めます。入っていなければ、エンジニアの紹介が他の職種より少ないか、常用就職が10件以下にとどまる可能性があります。率の比べ方や手数料の決まりは本記事では扱わず、契約の前に紹介会社の書面で確かめてください。

担当者の体制と業務提携

数と並んで見たいのが、エンジニアの求人を誰が扱うかです。有料職業紹介事業者は事業所ごとに職業紹介責任者を選ばなければなりません。職業紹介に従事する者が50人以下なら1人以上、50人を超え100人以下なら2人以上で、過去5年以内に所定の講習を修了していることが要件です。*2 職業紹介責任者は、求人の受付や求人者への助言・指導の運営と改善を統括し、従業者に必要な教育を行う役目を負います。*1

事業報告書にも、事業所の職業紹介の業務に従事する者の数と、従業員教育の日時・人数・内容を書く欄があります。*5 担当者が何人いて、エンジニアの職種について社内でどんな教育をしているかを聞けば、数だけでは見えない体制が分かります。

もう一つは業務提携です。紹介会社は、受け付けた求人をあらかじめ特定した他の紹介会社に提供し、その会社にあっせんしてもらうことがあります。求人を提供するには、提携先の名称や取扱職種の範囲等などを示したうえで、求人者の同意を得る必要があります。*4 提携先で探すなら、専門性を確かめる相手は提携先です。同意する前に、提携先の職種の範囲も確かめます。

面談で確かめたいこと

ここまでの書類を踏まえると、選定の面談で聞くことは4つに絞れます。1つ目は、自社の求人を009と010のどちらで扱うか。2つ目は、その区分の直近の就職件数と、求人を受けた事業所の数か会社全体の数か。3つ目は、その職種を担当する人数と、職種についての社内の教育。4つ目は、自社で探すのか、業務提携先にも求人を回すのかです。

数を聞くときに気をつけたいのは、比べる単位です。事業報告書は事業所ごとに作るので、複数の拠点を持つ会社では、どの事業所の数かで大きく変わります。また、離職の数は前々年度に就職した人が対象なので、就職件数と同じ年の人を数えているわけではありません。紹介予定派遣の実績は区分ごとに括弧書きで分けて書くとされているので、その分を含んだ数かどうかも確かめます。

答えが返ってこない項目があっても、それだけで候補から外す必要はありません。職業安定法が事業報告書について定めているのは国への提出で、求人者に見せることまでは求めていないからです。大切なのは、聞いた項目に対して数や書類で答えてくれるかどうかで、エンジニア人材紹介の選定ではその姿勢も専門性の一部として見ておくとよいでしょう。

まとめ:専門性を確かめる3つの手がかり

エンジニア人材紹介の選定で紹介会社の専門性を確かめる手がかりは、3つに整理できます。第一に、自社の求人が職業分類の009と010のどちらに当たるかを決め、その言葉で話すこと。第二に、求人を受け付けたあとに届く明示の書面で、取扱職種の範囲等に009や010が入っているか、地域や賃金で絞られていないかを見ること。第三に、事業報告書の職種別の行にある求人数や就職件数、担当者の人数と教育を面談で聞くことです。人材サービス総合サイトの手数料率の欄に並ぶ上位5職種の名前も、あわせて見ておくと判断の材料が増えます。求人に合う人の探し方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

求人がどの職種に当たるのか、どんな経験の人を求めているのかが書き出せたら、次はその条件で人を探す段階です。職種と任せる作業がはっきりしていれば、紹介会社を選ぶときも、別の採り方を考えるときも、話が早く進みます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

取扱職種の範囲等を届け出ていない紹介会社は避けたほうがよいですか

避ける理由にはなりません。業務運営要領は、範囲を定めるかどうかを事業者が任意で判断するものとしています。届出がない会社は全ての職種を扱う前提になるだけなので、エンジニアの紹介の量は事業報告書の職種別の数や面談で確かめます。

事業報告書の写しを見せてもらうことはできますか

頼むことはできますが、応じるかどうかは紹介会社の判断です。職業安定法が事業報告書について定めているのは国への提出で、求人者に向けては取扱職種の範囲等などの明示と、インターネットでの就職者数などの提供を求めています。写しが難しいと言われたら、009と010の行の就職件数だけでも口頭で教えてもらえるか尋ねてみてください。

エンジニアの就職件数が少ない紹介会社は専門性が低いと考えてよいですか

数だけでは決められません。事業報告書は事業所ごとなので、新しく開いた事業所や小さな拠点では数が小さく出ます。担当者の経験や、エンジニアの職種について社内でどんな教育をしているか、業務提携先があるかもあわせて聞いたうえで判断します。

採りたい職種が決まったら相談

採りたいエンジニアの職種と任せる作業が分かっていれば、そのままご相談いただけます。紹介会社を選ぶ前の、求人の条件を整理している段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)第32条の12(取扱職種の範囲等の届出等)、第32条の13(取扱職種の範囲等の明示等)、第32条の14(職業紹介責任者)、第32条の16第1項・第3項(事業報告等)を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012)。出典:職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)第24条の4第2項(許可証の書換え)、第24条の5第2項(明示の時期と方法)、第24条の6(職業紹介責任者の選任の人数と講習)、第24条の8第1項〜第3項(事業報告書の期限と様式、インターネットで提供する総数)を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第2 取扱職業の範囲及び取扱職種の範囲等(令和8年10月1日から適用)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001756230.pdf)。出典:同要領 第2の5「職業紹介事業の取扱職種の範囲等」(1)概要(届出は任意)、(2)届出の手続(職種名は令和4年度版厚生労働省編職業分類の中分類による)、(5)イ(取扱職種の範囲等の限定が認められる例)、(7)(明示との関係)を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第9 職業紹介事業の運営(令和8年10月1日から適用)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001681217.pdf)。出典:同要領 第9の7「職業紹介事業者間の業務提携」(1)基本的な考え方と(5)ロ(求人を提供する際に求人者に明示する事項と同意)を参照(2026年10月確認)
  5. *5 参考:厚生労働省「令和8年10月1日から適用される職業紹介事業の業務運営要領」(様式集・職業紹介事業報告書)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172486.html)。出典:同ページに掲載の「職業紹介事業報告書(様式第8号)」(Excel・PDF)の第1面・第2面と記載要領(取扱業務等の区分ごとの求人数・新規求職申込件数・就職件数・離職、対象期間、紹介予定派遣の括弧書き、職業紹介の業務に従事する者の数、従業員教育)、職種コード、令和5年度職業紹介事業報告より改訂後の職業分類とする旨を参照(2026年10月確認)
  6. *6 参考:厚生労働省「職業分類表(令和4年版)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001030651.pdf)。出典:大分類02「研究・技術の職業」の中分類009・010と、その小分類を参照(2026年10月確認)
  7. *7 参考:厚生労働省「紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります(職業紹介事業者の皆さまへ)」(https://www.mhlw.go.jp/content/001328410.pdf)。出典:令和7年4月1日からの省令及び指針の一部改正、職種別の常用就職1件当たりの平均手数料率の実績を人材サービス総合サイトに掲載すること、公開の対象が常用就職の実績が多い上位5職種であること、常用就職の実績が10件以下の場合は掲載不要であることを参照(2026年10月確認)




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