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厚生労働省編職業分類のIT職種|求人の職種番号の選び方
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論
- ITの職種は、ソフトウェア開発の009と、設計・運用・管理などの010という2つの中分類に分かれています。
- 社内システムエンジニアは、主に設計に従事するなら010-02、主に運用に従事するなら010-04です。
- 電話での受付やPCキッティング(パソコンの初期設定)、営業、配線工事は、IT系の求人でも技術の職業とは別の大分類に入ります。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
ハローワークに求人を出そうとしたら、職種の欄で番号を選ぶよう求められた。エンジニアを募集したいのに、それらしい項目が2つあって、どちらにすればよいか決められない——。エンジニアを採用する会社では、こうした迷いが起こりがちです。厚生労働省編職業分類とは、職業紹介や労働者の募集で共通して使う職業名を定め、職業を区分した分類表で、ハローワークの求人の職種もこの分類の番号で登録します。
番号は、求職者が求人を検索するときの項目としても使われます。*7 どの番号を選ぶかは、求職者がどの職種から探したときにその求人が見つかるかに関わります。ただし万能ではなく、この分類表から求人数や賃金は分かりません。本記事では、エンジニアを採用する実務担当者に向けて、分類の組み立て、ITの職種が入る場所、呼び名が同じでも番号が分かれる職種、そして求人の職種を選ぶ手順を整理します。
目次
厚生労働省編職業分類とは
分類の根拠は、職業安定法第15条です。同条は、職業紹介や労働者の募集などで共通して使う標準職業名を定め、職業の解説と職業分類表を作って広めるよう、厚生労働省の職業安定主管局長に求めています。*8 この分類は、統計に使う国の分類(日本標準職業分類)と食い違わないようにしながら、求人と求職者を結び付けるときや、職業ごとの求人・求職の動向を見るときに使われます。
分類の考え方も公表されています。この分類は、仕事の内容が似ているかどうかと、職業紹介で扱う求人・求職の件数などをもとに、世の中での求人と求職の多さも考えて職業を分けたものです。*2
分類はどう組み立てられているのか
分類は、大分類・中分類・小分類の3段階でできています。項目の数は大分類15、中分類99、小分類440です。番号は、大分類が2桁、中分類が3桁、小分類が5桁の数字です。*2 大分類は、01管理的職業から15運搬・清掃・包装・選別等の職業までの15項目です。*3
番号の読み方には注意が要ります。小分類の番号の上3桁は、その小分類が属する中分類の番号です。一方、大分類の番号は、中分類・小分類の番号には含まれていません。たとえば010-02は中分類010の中の小分類で、大分類02の「02」とは関係ありません。ITの職種はおもに大分類02研究・技術の職業に入ります。
小分類には、職業名の例示が付いています。その項目に当てはまる職業名には先頭に〇が、当てはまらない職業名には☓が付きます。☓の付いた例示には、その項目に誤って分類されがちな職業が載っていて、正しい番号も書かれています。
職業をどう決めるかも定められています。求人や求職者の職業は、会社の業種や雇用形態、雇用期間とは関係なく、その人がする仕事にもとづいて決めます。自社がIT関連の業種であることは、番号を決める根拠になりません。複数の分類項目に当てはまる場合は、従事する時間が最も長い仕事に対応する項目に分類します。*2
ITの職種が入る2つの中分類
大分類02研究・技術の職業には、004研究者から011その他の技術の職業まで、8つの中分類があります。*4 このうちITの職種が入るのは、009情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)と、010情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)の2つです。
009の小分類は4項目です。009-01ソフトウェア開発技術者(WEB・オープン系)には、システムエンジニア(WEBサイト開発)、同(業務用システム)、モバイルアプリケーション開発技術者が例示されています。009-02ソフトウェア開発技術者(組込・制御系)には、システムエンジニア(組込、IoT)やファームウェア開発技術者が入ります。
009-03プログラマーの例示は、コーダー、HTMLコーダー、NC工作機械プログラマーなどです。009-99その他には、ソフトウェアテスト技術者、ローカライズ技術者、ソフトウェア開発技術者(汎用機器系)が入ります。
010の小分類は7項目で、010-01ITコンサルタント、010-02ITシステム設計技術者、010-03ITプロジェクトマネージャ、010-04ITシステム運用管理者、010-05ITヘルプデスク、010-06通信ネットワーク技術者、010-99その他です。010-01にはシステムアナリストや情報セキュリティコンサルタントが、010-06にはネットワークエンジニア、電気通信技術者、サーバー構築技術者が例示されています。
010-99その他には、AIエンジニア、データエンジニア、情報システム監査技術者が挙げられています。求人票で使う職種の呼び名そのものの整理は、「AI人材の採用で不足しているのは専門家ではない」で扱っています。
同じ呼び名でも番号が分かれる職種
呼び名が同じでも、仕事の中身で番号が分かれる職種があります。分かりやすいのが社内システムエンジニアです。010-02の例示には「社内システムエンジニア(主にシステムの設計に従事するもの)」が、010-04の例示には「社内システムエンジニア(主にシステムの運用に従事するもの)」が載っており、括弧の中で仕事の中身が指定されています。*4
| 職業名の例示 | 小分類 | 小分類の名称 |
|---|---|---|
| 社内システムエンジニア(主に設計に従事) | 010-02 | ITシステム設計技術者 |
| 社内システムエンジニア(主に運用に従事) | 010-04 | ITシステム運用管理者 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 010-02 | ITシステム設計技術者 |
| セキュリティエンジニア(オペレーション) | 010-04 | ITシステム運用管理者 |
| セキュリティエンジニア(脆弱性診断) | 010-99 | その他の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く) |
| サーバーエンジニア(構築・設定を行うもの) | 010-06 | 通信ネットワーク技術者 |
| サーバー管理者 | 010-04 | ITシステム運用管理者 |
プロジェクトマネージャとプロジェクトリーダーも番号が分かれます。010-03ITプロジェクトマネージャの例示はプロジェクトマネージャ(システム開発)などですが、☓の例示にはプロジェクトリーダー、技術リーダー、チームリーダー(いずれもシステム開発)が並び、主に従事する仕事に即して009に分類するとされています。このように呼び名だけでは番号が決まらないので、求人票には担当する作業まで書き出しておくと、番号を選びやすくなります。
技術の職業に入らないIT系の職種
IT系の求人でも、大分類02研究・技術の職業に入らない職種があります。代表的なのが電話での受付です。ユーザーサポート受付係、社外ヘルプデスク受付係、テクニカルサポート受付係(いずれも電話によるもの)は、036-01コールセンターオペレーターに分類され、大分類06事務的職業に入ります。一方、社内サポートデスクや社内ヘルプデスクは、010-05ITヘルプデスクの例示に入っています。
端末の設定やホームページの更新も、事務の職業です。コンピュータ設定係員とPCキッティング係員(パソコンの初期設定をする人)は043-99その他のコンピュータ等事務用機器操作の職業、ホームページ更新係員は043-01パーソナルコンピュータ操作員、ホームページ関連事務員に入ります。PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)事務員も、010-03ではなく035-99他に分類されない総務等事務の職業です。いずれも大分類06に入ります。*5
営業職と工事の作業員は、どちらも技術の職業とは別の大分類に入ります。010-01の☓の例示にあるシステム開発営業員は、048-06通信・情報システム営業員で、大分類07販売・営業の職業に入ります。010-06の☓の例示にある通信線配線工(屋内)と通信装置据付作業員は、094-04電気通信設備工事作業員で、大分類14です。ただし携帯電話基地局工事施工管理技術者は010-06の例示にあり、工事の作業そのものをするか、工事の管理をするかで分かれます。
現行版の改定で変わった点
現在の分類は、令和4年に改定されたものです。それまで使ってきた平成23年版を、社会や経済の変化に伴う職業の変化に合わせて全面的に改定したもので、令和4年4月14日の通達で示されています。*6 旧労働省編職業分類が昭和28年に制定されてから、5回目の改定です。*1
改定では、統計のための日本標準職業分類に対応させつつ、求人と求職を結び付けやすくするため、最小の単位だった細分類を廃止しました。大分類も組み替えられ、02研究・技術の職業など5つの大分類が新設されました。
符号の桁数もこのときに変わりました。大分類の表記はアルファベット1文字から数字2桁に、中分類は2桁から3桁に、小分類は3桁から5桁になり、旧小分類と旧細分類を統合して新しい小分類が設けられています。*6 ハローワークで新しい分類が使われ始めたのは令和5年3月20日です。*7 大分類の組み替えと桁数の変更が同時に行われたため、旧細分類と新しい小分類は一対一には対応していません。
求人の職種をどう選ぶのか
求人の職種は、次の順で選ぶと迷いにくくなります。まず任せる仕事の中身を書き出し、ソフトウェアの開発が中心なら009、設計・運用・管理・ネットワークが中心なら010と、中分類を決めます。
中分類が決まったら、小分類の〇の例示と☓の例示を両方読みます。☓の例示には誤って分類されがちな職業が正しい番号付きで載っているので、自社の職種の呼び名がそこにあれば、番号はそれで決まります。設計と運用のように複数の仕事にまたがる場合は、従事する時間が最も長い仕事の項目を選びます。
分類表に載っているのは職業名の区分と例示だけで、各項目の求人数、賃金、必要なスキルは載っていません。*2 職業別の求人の動きは、厚生労働省の一般職業紹介状況という別の統計で公表されています。そこでの情報処理・通信技術者という区分は、同じ名前でも数える対象が違うため、分類表と同じものとして扱うことはできません。数字の見方は「ITエンジニア採用の難易度|職業別の求人データはどこまで語るか」で、地域ごとの職業別のデータは「就業構造基本調査とは、採用地域を決める前に見る職業別データ」で扱っています。
つまずきやすい点
一つ目は、会社の業種で番号を決めてしまうことです。自社がIT企業でも、電話でのユーザーサポートの受付や、システム開発の営業の求人は、技術の職業の番号にはなりません。
二つ目は、呼び名だけで番号を決めてしまうことです。社内システムエンジニアやセキュリティエンジニアのように、同じ呼び名でも担当する作業で番号が分かれる職種があります。プロジェクトリーダーという呼び名でも、主に開発に従事しているなら009です。
三つ目は、以前の求人の番号をそのまま使うことです。前の節で見たとおり、旧番号を機械的に新しい番号に読み替えることはできません。以前の求人を転用するときは、入っている番号が今の仕事の中身に合っているかを確かめ直します。
まとめ:求人の職種で確かめておきたい3つの点
厚生労働省編職業分類で求人の職種を選ぶうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、番号は会社の業種ではなく、任せる仕事の中身で決まること。第二に、ソフトウェアの開発が中心なら009、設計・運用・管理・ネットワークが中心なら010と、ITの職種が2つの中分類に分かれていること。第三に、電話での受付や営業、配線工事のように、IT系の求人でも技術の職業に入らない職種があることです。この3点を踏まえておけば、「開発の求人のつもりで、運用の番号を選んでいた」という事態を避けやすくなります。職種の切り分けに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
設計と運用を半分ずつ担当する社内システムエンジニアは、どちらの番号にしますか
複数の分類項目に当てはまる場合は、従事する時間が最も長い仕事に対応する項目に分類すると定められています。設計に使う時間が長ければ010-02、運用に使う時間が長ければ010-04です。募集の前に、入社後の作業のうちどちらに多くの時間を使うかを決めておくと選びやすくなります。
以前ハローワークに出した求人を転用するときは、何を確かめますか
厚生労働省は、転用元の番号が自動で変換されて入っている場合は、内容を確かめるよう案内しています。自動で変換できなかった職種にはxxx-95という移行用の臨時番号が付いており、移行用と表示されていれば新しい番号に直します。*7
分類表を見れば、求める技能の水準も決められますか
決められません。分類項目は職業の区分で、技能の等級ではありません。求める経験や技能の程度は、任せる仕事をもとに自社で決めます。
職種の切り分けと募集の進め方を相談したいとき
どの作業をどの体制で任せるか、その整理からご相談いただけます。
Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。
Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。
出典
- *1 参考:ハローワークインターネットサービス「職業分類に関するご案内」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_info.html)。出典:分類の位置づけと、令和4年改定版が5回目の改定である旨を参照(2026年9月確認)
- *2 参考:ハローワークインターネットサービス「職業分類とは」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_exposition.html)。出典:分類の考え方、分類構造・符号・項目数、例示職業名の〇☓、職業の決定方法を参照(2026年9月確認)
- *3 参考:ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_dictionary.html)。出典:大分類15項目の一覧を参照(2026年9月確認)
- *4 参考:ハローワークインターネットサービス「02 研究・技術の職業」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_dictionary_02.html)。出典:中分類009・010の小分類と例示職業名を参照(2026年9月確認)
- *5 参考:厚生労働省「参考『令和4年版 厚生労働省編職業分類表』」(https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/001030651.pdf)。出典:小分類の名称と大分類の帰属を参照(2026年9月確認)
- *6 参考:厚生労働省「厚生労働省編職業分類の改定について(職発第414005号)」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6704&dataType=1&pageNo=1)。出典:改定の経緯、基本的考え方、主な改定点、適用の時期を参照(2026年9月確認)
- *7 参考:厚生労働省「令和5年3月20日からハローワークで使用する職業分類が新しくなるため、ご注意ください。」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30403.html)。出典:使用開始日、移行用の臨時番号、求人申込み時の注意、検索項目としての使われ方を参照(2026年9月確認)
- *8 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)第15条を参照(2026年9月確認)