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2026.10.07 採用支援コラム

エンジニア人材紹介で紹介されない|働き方の条件は他社と比べられる

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

明るい部屋の白い机で、ノートパソコンのキーボードを両手で打っている手元を横から写した写真。奥にヘッドホンとマウス、ノート、手前に赤いふたのタンブラーとスマートフォンが置かれている。顔は写っておらず、読める文字も写っていない

この記事の結論

  • IT・デジタル職種に5年以内に転職した人の13.2%が働く場所を、12.0%が労働時間を柔軟に決めたいことを転職の理由に挙げています。
  • IT・デジタル人材を雇う企業の76.7%がテレワークの制度を入れており、求人の働き方の条件は他社の求人と並べて比べられます。
  • エンジニア人材紹介で紹介されないときは、在宅の頻度、勤務時間の幅、副業の可否を具体的に書き、出せない条件はその理由を紹介会社に伝えます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニア人材紹介に求人を出したのに、なかなか候補者が紹介されない。担当者に理由を聞くと、在宅勤務ができるかどうかを気にする登録者が多いと言われた——。エンジニアを採る現場では、こうした声を耳にすることがあります。働き方の条件とは、働く場所、勤務時間、副業の可否など、仕事の中身や賃金とは別に、どう働くかを決める条件のことです。

働き方の条件をすべて緩めれば紹介が増える、というものではありません。出社が欠かせない仕事もあります。本記事では、エンジニアを採用する側の担当者に向けて、転職したエンジニアが求めた働き方と、企業の制度の導入状況を厚生労働省の調査で確かめたうえで、紹介会社に渡す情報、テレワーク・勤務時間・副業の条件の書き方、出社が欠かせない仕事の伝え方、つまずきやすい点を整理します。

働き方の条件で紹介されないとは

人材紹介では、紹介会社の担当者が登録している求職者の中から、求人の条件と本人の希望が合う人を探して推薦します。職業安定法の第5条の8は、紹介会社に、求職者にはその能力に適合する職業を、求人者にはその雇用条件に適合する求職者を紹介するよう努めることを求めています。*2 求人の側から見て条件に合うだけでなく、求職者の側から見ても合う求人であることが、推薦の前提になります。

働き方の条件が理由で紹介されない場面は、2つに分けられます。1つは、登録者の多くが在宅勤務や勤務時間の自由を望んでいて、出社が前提の求人では推薦できる人が限られる場合です。もう1つは、推薦まではできても、求職者が他社の求人と比べて応募を見送る場合です。どちらの場合も、求人票に書いた働き方の条件が、比べられる材料になっています。

業務の内容や必須の経験、年齢、年収の見直し方は「エンジニア人材紹介で紹介されないときに見直す求人要件の4つの点」で扱っているので、本記事では働き方の条件に絞ります。手がかりにするのは、厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」の調査報告書(令和6年3月)です。IT・デジタル関連部署で働く個人2,000人と、企業158社に聞いたアンケートの結果が収められています。*1

転職したエンジニアが求めた働き方

個人向けのアンケートは、2023年9月15日〜19日に、調査会社のモニターのうちIT・デジタル関連部署で管理的な職業か専門的・技術的な職業に就いている2,000人に聞いたものです。このうち、直近の転職が5年以内だった342人に、転職の主な理由を複数選択で尋ねています。*1

IT・デジタル職種で5年以内に転職した342人が挙げた転職の主な理由(複数選択)を横棒で示したグラフ。収入を上げたかった35.4%、会社の経営方針や社風に不満があった28.4%、上司との関係など職場の人間関係に不満があった28.4%、やりたい仕事・チャレンジングな仕事をしたかった22.5%、長時間労働に不満があった19.9%、働く場所を柔軟に決められる働き方をしたかった13.2%、労働時間を柔軟に決められる働き方をしたかった12.0%、その他10.2%。働き方にかかわる3つの理由を黄色で示している。厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書の個人アンケート単純集計Q16をもとに作成。

最も多いのは「収入を上げたかったから」の35.4%で、「会社の経営方針や社風に不満があったから」と「上司との関係など職場の人間関係に不満があったから」がともに28.4%で続きます。働き方にかかわる理由では、「長時間労働に不満があったから」が19.9%、「働く場所を柔軟に決められる働き方をしたかったから」が13.2%、「労働時間を柔軟に決められる働き方をしたかったから」が12.0%でした。

働く場所や時間の柔軟さを挙げた人は1割強で、収入を挙げた人よりは少数です。ただ、選んだ人にとっては、勤め先を変える理由になるほどの条件でした。こうした人は、出社の日数や勤務時間の幅が分からない求人を、比べる候補から外してしまいます。収入が第一で働き方は二の次と決めつけず、少数でも外せない条件として持つ人がいると考えておくと、求人票の書き方が決まりやすくなります。

働き方を重く見る傾向は、転職した人に限りません。2,000人全員に働くうえで重視していることを複数選択で聞いた設問では、「生活と両立して働くことができること」が45.1%、「自分のペースで働くことができること」が39.2%でした。*1 なお、個人向けアンケートの回答者は6割超が50歳以上で、若い層が多い集団ではない点は割り引いて読む必要があります。

IT人材を雇う企業の働き方の制度

企業向けのアンケートは、IT・デジタル人材を雇っている企業に届くよう無作為に選んだ2,132社に依頼し、158社から回答を得たものです(回答率は約7.4%)。このうちIT・デジタル人材を雇用している120社に、多様な働き方を実現するために導入している制度を複数選択で聞いています。*1

IT・デジタル人材を雇用している企業が、多様な働き方を実現するために導入している制度(複数選択・120社)
制度 導入している企業の割合
テレワーク 76.7%
育児・介護休暇 74.2%
時短勤務 63.3%
フレックスタイム 49.2%
兼業・副業の許可 23.3%
裁量労働制 19.2%
多様な正社員(職務や地域、時間などを限定して選択できる正社員) 19.2%
高度プロフェッショナル制度 6.7%

テレワークの制度は76.7%の企業が入れており、挙がった制度の中で最も多くなりました。フレックスタイムは49.2%でほぼ半数、兼業・副業の許可は23.3%です。回答は158社と少なく、情報通信業の企業が多めに選ばれているので、日本の企業全体の姿とは言えません。それでも、IT・デジタル人材を雇う企業の間で、テレワークの制度は珍しいものではなくなっています。

求職者から見れば、自社の求人は、こうした制度を持つ企業の求人と並べて比べられます。テレワークの制度がない求人だけでなく、制度はあっても求人票に書いていない求人も、比べたときには条件が見劣りして映ります。

紹介会社に渡す働き方の情報

求人者は、紹介会社に求人を申し込むとき、従事する業務の内容と、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければなりません。*2 厚生労働省の「職業紹介事業の業務運営要領」は明示する事項を並べており、その中に就業の場所に関する事項(変更の範囲を含む)と、始業と終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間と休日に関する事項があります。*3

働き方の条件は、主にこの2つの事項にあたります。ただ、明示の決まりが求めるのは最低限の中身で、「就業場所:本社」「9時〜18時」とだけ書いても形の上では足ります。紹介会社の担当者が登録者に勧めるには、在宅で働ける日数や、時間をずらせる幅まで分かるほうが、推薦できる人を探しやすくなります。

求人の情報を渡すときは、紹介会社の求人票の様式に書き込むだけでなく、働き方について補足を添えておくと伝わりやすくなります。様式の欄が「リモート可・不可」の二択しかなくても、補足に頻度や条件を書いておけば、担当者が登録者に説明するときに使えます。

テレワークの条件の書き方

テレワークについては、厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に、労働条件の明示の考え方が書かれています。雇入れ直後からテレワークを行わせることが通常想定される場合は雇入れ直後の就業の場所として、契約の期間中に行うことが通常想定される場合は変更の範囲として、自宅やサテライトオフィスなど「テレワークを行う場所を明示する必要がある」としています。*4 労働契約を結ぶときの決まりですが、求人の段階から同じ中身で書いておけば、入社後に条件が違うという行き違いを防げます。

求人票で具体的にしておきたいのは、次の4つです。1つ目は頻度で、「週2日出社、残りは在宅」のように出社する日数の目安を書きます。2つ目は入社直後の扱いで、最初の1か月は毎日出社して仕事を覚えてもらうなら、その期間を書きます。3つ目は場所で、自宅のほかにサテライトオフィスなどで働けるかどうかです。4つ目は機器と費用で、パソコンを貸与するか、通信費を負担するかを書いておくと、求職者が他社の求人と比べやすくなります。

「リモートワーク可」とだけ書くのは避けたいところです。週1日なのか週4日なのかで、通勤に時間のかかる人や家族の事情を抱える人にとっての意味はまったく違います。紹介会社の担当者も、登録者から在宅の頻度を聞かれて答えられなければ、推薦の話を先に進めにくくなります。

勤務時間と副業の条件の書き方

勤務時間の柔軟さは、フレックスタイムの制度があるかどうかだけでは伝わりません。勤務しなければならない時間帯(コアタイム)の有無と時間、始業を何時から何時までずらせるか、残業がどのくらいあるかを書くと、子育てや通院などで時間に制約のある人も判断できます。前に触れたとおり、長時間労働への不満を転職の理由に挙げた人は19.9%いました。残業は、月の平均の時間を書いておくと比べやすくなります。

副業の可否も、エンジニアの求人で比べられる条件です。個人向けアンケートでは、回答者2,000人のうち兼業・副業をしている人は8.1%、直近5年以内に転職した342人では16%でした。*1 副業をしている人が転職するとき、いまの副業を続けられるかどうかは確かめたい点になります。

認めるなら「事前の申請により可」のように条件を添えて書き、認めないなら、その理由を担当者に伝えておきます。情報の管理や競合する仕事との関係など、理由が分かれば、紹介会社は登録者に事情を説明できます。兼業・副業を許可している企業は先の表で23.3%なので、認めれば、比べたときに目を引く条件になります。

出社が欠かせない仕事の伝え方

機器を使った検証や、顧客先での立ち会いなど、出社が欠かせない仕事もあります。その場合に、無理にテレワークを掲げる必要はありません。大切なのは、なぜ出社が必要なのかを紹介会社に伝えることです。「検証用の機器が社内にしかない」「顧客先での作業が週3日ある」のように理由が分かれば、担当者は通勤できる範囲に住む人や、出社を苦にしない人を探して推薦できます。

もう一つの方法は、仕事を分けて考えることです。出社が必要な作業と、場所を選ばない設計や開発の作業が一つの求人に混ざっているなら、出社が必要な部分を社員に任せ、場所を選ばない部分は在宅で働く社員や業務委託の専門人材に任せる組み合わせも考えられます。求人を一つにまとめたままでは、両方の条件を満たす人しか推薦の候補に残りません。

つまずきやすい点

1つ目は、制度はあるのに求人票に書いていないことです。社内では当たり前になっている在宅勤務やフレックスタイムが、紹介会社に渡す求人の情報から抜けていることがあります。求人を依頼する前に、人事部門と配属先の部門で、実際の働き方と求人票の記載が合っているかを確かめておきます。

2つ目は、部署によって運用が違うのに、全社の制度だけを書くことです。会社にテレワークの制度があっても、配属先のチームでは毎日出社しているなら、入社後に話が違うと受け止められます。書くのは制度の有無ではなく、配属先での実際の働き方です。

3つ目は、条件を変えたのに紹介会社に伝え直していないことです。在宅の日数を増やしたり副業を認めたりしても、担当者が古い求人の情報のまま登録者に説明していれば、紹介は増えません。条件を変えたら、変えた点を担当者に知らせ、求人の情報を差し替えてもらいます。

まとめ:働き方の条件で確かめたい3つの点

エンジニア人材紹介で紹介されない原因が働き方の条件にあるのかを見極めるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、自社の求人が、テレワークやフレックスタイムの制度を持つ他社の求人と並べて比べられていると考えること。第二に、在宅の頻度、入社直後の扱い、勤務時間の幅、残業の目安、副業の可否を、制度の有無ではなく配属先での実際の働き方として書くこと。第三に、出社が欠かせない仕事は、その理由を紹介会社に伝え、仕事の切り分けやほかの条件で補えないかを考えることです。この3点を踏まえておけば、条件を変えたのに紹介が増えないという事態も避けやすくなります。働き方の条件の決め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

働き方の条件を見直しても、出社が必要な仕事に合う人がすぐには見つからないことがあります。場所を選ばない設計や開発の作業を、業務委託の専門人材に任せる方法も選択肢に入れておけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

求人票に「リモートワーク可」と書いておけば足りますか

出社する日数の目安、入社直後の扱い、働ける場所、パソコンの貸与や通信費の負担まで書くのがおすすめです。週1日の在宅と週4日の在宅では、求職者にとっての意味が大きく違います。紹介会社の様式に欄がなければ、補足として添えます。

テレワークの制度がない会社は、エンジニア人材紹介で不利になりますか

比べられたときに条件が見劣りすることはあります。出社が欠かせない理由を紹介会社に伝え、勤務時間の幅や残業の少なさ、副業の可否など、ほかの働き方の条件で補えないかを考えます。仕事を分けて、場所を選ばない作業だけ在宅にするやり方もあります。

入社直後だけ毎日出社してもらう条件は、どう書けばよいですか

期間と理由を書きます。たとえば「入社後1か月は毎日出社、その後は週2日出社」のように書くと、求職者が判断できます。テレワークを行う場所は、雇入れ直後から行うなら就業の場所として、途中から行うなら変更の範囲として明示します。

副業を認めるかどうか、まだ決めていません

求人を依頼する前に、社内で方針を決めておくのがおすすめです。決まっていなければ、その旨と検討の状況を紹介会社に伝えます。担当者が登録者から聞かれたときに答えられないと、推薦の話が進みにくくなります。

エンジニアの働き方の条件を相談したいとき

任せる仕事の切り分けから、在宅の頻度や勤務時間の条件の整理までご相談いただけます。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf)。出典:アンケート調査の実施概要(個人向けは調査会社のモニターから現在の職種系統がIT・デジタル関連部署の管理的職業または専門的・技術的職業の2,000人、2023年9月15日〜19日。企業向けは2,132社に依頼し158社が回答、回答率約7.4%、2023年9月7日〜10月9日)、回答者の属性(年齢)、第3章(兼業・副業の実施有無、5年以内にIT・デジタル職種に転職した者の16%)、別添5 個人アンケート単純集計Q7(兼業・副業の実施状況、N=2000)・Q8(働くうえで重視していること、複数選択、N=2000)・Q16(直近の転職の主な理由、複数選択、N=342)、別添6 企業アンケート単純集計(7)(IT・デジタル人材の雇用、N=158)・(14)(多様な働き方を実現するため導入している制度、複数選択、N=120)を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)第5条の3第2項(求人者による労働条件等の明示)、第5条の8(求職者の能力に適合する職業の紹介等)を参照(2026年10月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第9 職業紹介事業の運営(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001681217.pdf)。出典:同要領 第9の2(労働条件等の明示)のうち、明示すべき事項のホ(就業の場所に関する事項、変更の範囲を含む)とヘ(始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項)を参照(2026年10月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf)。出典:同ガイドライン 5(3)(労働条件の明示)を参照。掲載ページは https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html(2026年10月確認)




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