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2026.09.19 採用支援コラム

エンジニアのスキル評価|書類から始める面接官の評価のそろえ方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

木の机を真上から見た写真。複数のノートパソコンとノート、外付けの記憶装置が並び、写っているのは手元だけ

この記事の結論

  • エンジニアのスキル評価で最も多く使われる方法は履歴書のプロジェクト情報で、中途採用84社のうち61件、72.6%でした。
  • 公開された成果物を見る「GitHub・Kaggle等のプラットフォーム」を挙げたのは、3件、3.6%にとどまります。
  • 書類で工程・規模・役割を読み、資格の扱いと社内の基準を先に決めてから、面接で掘り下げます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニアのスキル評価とは、応募者が任せたい仕事をこなせる技術を持っているかを、書類、資格、公開された成果物、面接などの材料から確かめることです。厚生労働省の調査では、中途採用でITスキルのレベルを把握する方法として最も多く挙がったのは「履歴書に記載されているプロジェクト情報」で、84社のうち61件、72.6%でした。*1 書類で何を読み、資格をどう扱い、面接で何を掘り下げるのか——。決めきれないまま選考に入ると、選考の段階ごと、担当者ごとに見るところがばらばらになりがちです。

スキル評価の方法を決めるときの手がかりになるのが、ほかの会社が何を使っているかです。ただし万能ではなく、多く使われている方法が自社の募集に合うとは限りません。本記事では、開発の現場で採用に関わるマネージャーに向けて、スキル評価の9つの方法、書類で見るところ、資格とスキル標準の扱い、選考の段階ごとの確かめ方、そして外部の人材を選ぶときに確認したい点を整理します。

エンジニアのスキル評価の方法

厚生労働省が令和6年3月に公表した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」の報告書は、IT・デジタル人材を中途採用している84社に、ITスキルのレベルをどう把握しているかを聞いています。*1 9つの選択肢から、当てはまるものをすべて選ぶ形です。調査は企業2,132社に送られ、158社が回答しました。割合は、この設問に答えた84社を分母にした値です。

中途採用する際のITスキルレベルの把握方法(複数回答。IT・デジタル人材を中途採用している84社が回答。件数の多い順に並べ替え、同じ件数のものは資料の並び順のままにした)(出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書令和6年3月、別添6 企業アンケート単純集計 (9)-1-5。選択肢の文言は調査票のとおり。割合は資料に示された値で、件数を84で割った値と一致する。この表は示された数値をもとにこの記事で作成した)
把握方法 件数 割合
履歴書に記載されているプロジェクト情報 61件 72.6%
各種資格や能力証明(オープンバッジ、ITベンダー発行のもの含む) 38件 45.2%
公的なスキル標準(ITスキル標準等) 31件 36.9%
社内の独自基準 29件 34.5%
Facebook、TwitterなどのSNS 3件 3.6%
GitHub・Kaggle等のプラットフォーム 3件 3.6%
その他 3件 3.6%
LinkedInやWantedlyなどの個人プロフィール型SNS 2件 2.4%
特になし 2件 2.4%

最も多いのは「履歴書に記載されているプロジェクト情報」で61件、84社の72.6%でした。2番目が「各種資格や能力証明」38件で45.2%、3番目が「公的なスキル標準」(ITスキル標準など、公的な機関が定めた技術者の段階分け)31件で36.9%、4番目が「社内の独自基準」29件で34.5%と続きます。*1 9つを材料の出どころで分けると、応募者が出す書類、第三者が出した資格や公的な基準、自社で作った基準、インターネット上で公開された情報の4つです。上位の4つは、どれも書類選考から面接までの間に、自社の側で読み取る材料です。

書類で見るところ

多くの企業が手がかりにしているのは、応募者が出した履歴書に書かれたプロジェクトの内容です。報告書には企業への聞き取りの結果も載っていて、「履歴書に記載されたプロジェクト内容を面接時に深く掘り下げることで、ITスキルのレベル等を正確に把握することを心掛けている」という人事担当者の話が紹介されています。*1 書類だけで合否を決めるのではなく、書類を読んで、面接で尋ねることを決める使い方です。

書類で読むところは、プロジェクトごとに3つ決めておくと進めやすくなります。担当した工程(要件定義、設計、実装、テストといった開発の段階)、プロジェクトの規模(関わった人数と期間)、そのなかでの役割です。使った言語や製品の名前が並んでいても、どの工程でどんな役割を担ったかが書かれていなければ、任せたい仕事に近い経験かどうかを書類だけで決めるのは難しくなります。書かれていない項目は、そのまま面接で最初に尋ねる質問になります。

別の企業では、現場担当者が一次面接などで候補者を社内の人材と照らし合わせることで、ITスキルのレベルを把握しようとしている、という話も出ています。*1 社内の誰と、何を比べるのかまでは書かれていません。これは5社への聞き取りの結果なので、すべての企業がこうしているという意味ではありません。それでも、書類を読む人と面接で尋ねる人が同じ3点を見ていれば、選考の段階が変わっても話がつながります。

資格とスキル標準の扱い

2番目に多かった「各種資格や能力証明」には、オープンバッジ(合格や修了をネット上で示す電子証明)や、ITベンダー発行のもの、つまり製品を提供する事業者が独自に出している認定も含まれます。*1 資格は第三者が一定の知識を確かめた結果なので、書類の段階で比べやすい材料です。ただし、資格を持っていることと、その知識を使って任せたい仕事をしたことがあるかは別の話です。資格は、面接で尋ねる経験の手がかりとして読みます。

会社の規模による違いも出ています。「各種資格や能力証明」を挙げたのは、従業員300人以上で51%、300人未満で37%でした。*1 資料も、300人未満より300人以上のほうがこの方法を用いる傾向がある、と述べています。一方、「履歴書に記載されているプロジェクト情報」は、従業員300人以上で71%、300人未満で74%、情報通信業で73%、非情報通信業で72%と、どの区分でも最も多い方法でした。*1

自社では、資格やスキル標準を必須にするのか、参考にとどめるのかを、募集を出す前に決めておきます。この扱いが決まっていないと、書類選考では資格の有無で通した応募者を、面接では実務の経験だけで判断する、というように選考の段階ごとに重みづけが変わってしまいます。必須にするなら募集の条件に書き、参考にとどめるなら、資格の欄は面接で尋ねる話題を選ぶために使います。

公開された成果物を見る企業は少ない

「GitHub・Kaggle等のプラットフォーム」を挙げたのは3件で3.6%でした。*1 GitHubは書いたプログラムを公開して共有する場、Kaggleはデータ分析の腕を競う場です。どちらも本人が作ったものをそのまま見られる場所ですが、これを選んだのは3件にとどまります。「LinkedInやWantedlyなどの個人プロフィール型SNS」も2件、2.4%です。*1

多くの企業は、候補者が作ったものや外部に公開している情報を見に行くのではなく、提出された書類を手がかりにしています。なぜそうなるのかについて、今回参照した調査に説明はありません。公開された成果物をスキル評価に使うなら、応募者全員に求めるのではなく、応募者が示した場合に面接で尋ねる材料の一つとする形が取りやすいでしょう。仕事で書いたプログラムは勤務先のものなので、公開できない応募者もいるためです。

選考の段階ごとの確かめ方

ここまでの方法を、選考の段階に当てはめます。書類選考では、履歴書のプロジェクト情報から工程・規模・役割を読み、資格やスキル標準は決めておいた扱いで確かめます。面接では、書類で読みきれなかった工程や役割を尋ね、そのプロジェクトで本人が判断したことを説明してもらいます。図の3つは調査が述べていることではなく、把握方法の並びから組み立てたものです。

エンジニアのスキル評価で、選考の前に決めておくことを3つの箱で示した図。1つ目は履歴書のどこを掘り下げるかを先に決めること。担当した工程の範囲、プロジェクトの規模、そのなかでの役割の3つを聞くと決めておく。2つ目は資格やスキル標準を必須にするのか参考にとどめるのかを決めること。3つ目は社内の独自基準を作るなら文章にしておくこと。この3つは厚生労働省の調査が述べているものではなく、把握方法の並びからこの記事で組み立てたもの。

コーディングテストのような課題は、この調査の選択肢にありません。使っている会社がどれくらいあるかは公表されていません。課題を出すなら、任せる仕事に近い作業を選び、何ができていれば合格とするかを、課題を出す前に決めておきます。「社内の独自基準」を挙げたのは29件、34.5%でした。*1 自社で基準を作るなら、文章にしておけばあとから見直せます。頭の中にあるだけだと、面接官ごとにずれます。

面接で使う評価シートの項目と合格の水準は「技術面接の評価項目、厚生労働省job tagのスキルから選ぶ」で、技術がわからない人が面接を担当するときの質問の型は「技術面接で人事が見極める5つの質問」で扱っています。本記事は、面接の手前の書類と資格の扱いまで含めた、選考全体での確かめ方に絞りました。

外部の人材を選ぶときに確認しておきたい点

工程・規模・役割の3点は、業務委託で開発に加わる人を選ぶときにも使えます。雇うかどうかにかかわらず、同じように聞けるためです。ただし、外部に頼むときは確かめる深さが変わります。先に作業と期間を決めてから、その作業にあたる経験があるかを確かめる形になります。採用のように将来の伸びしろまで見る必要はありません。

正社員を採用するのか、外部の人材に頼むのかを決めるときも、同じ3点を同じ順番で聞いておけば、どちらの候補がその作業に近いのかを並べて見られます。入ってもらう人のスキルの確かめ方は「外部エンジニアのスキル確認、4つの軸で評価する」で、採用以外で人を確保するやり方は「欠員補充はエンジニア中途採用だけ?選択肢は9つ」で扱っています。

まとめ:エンジニアのスキル評価で確かめておきたい3つの点

エンジニアのスキル評価を選考に組み込むうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、厚生労働省の調査で最も多かった方法は履歴書のプロジェクト情報で、書類から工程・規模・役割を読み、面接で掘り下げること。第二に、資格やスキル標準は、必須にするのか参考にとどめるのかを、募集を出す前に決めておくこと。第三に、社内の独自基準や課題の合格の水準は、文章にして面接官の間でそろえておくことです。この3点を踏まえておけば、「書類選考と面接で見ているものが違い、誰を通すか決められない」という事態を避けやすくなります。エンジニアのスキル評価の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

スキル評価で見る3点が決まったあとは、実際に作業する人を探す段階です。担当した工程の範囲、プロジェクトの規模、そのなかでの役割——この3つを聞く形が決まっていれば、外部の要員を選ぶときにも同じ質問が使えます。雇って育てるのか、作業を決めて頼むのかで、確かめる深さが変わるだけです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

エンジニアのスキル評価では、まず何を見ればよいですか

履歴書や職務経歴書に書かれたプロジェクトの内容です。担当した工程、関わった人数と期間、そのなかでの役割を読み、書かれていないことを面接で尋ねます。厚生労働省の調査でも、中途採用でITスキルのレベルを把握する方法として最も多かったのは履歴書のプロジェクト情報でした。*1

職務経歴書に技術の名前しか書かれていないときは、どうすればよいですか

書類の段階で不合格にせず、面接でその技術を使ったプロジェクトを1つ挙げてもらいます。そのうえで、担当した工程と役割、関わった人数と期間を尋ねます。書類の書き方は人によって差が大きいので、書かれていないことと経験がないことは分けて扱います。

会社の規模で違いはありますか

履歴書のプロジェクト情報はどの区分でも最も多い方法でした。差が出たのは「各種資格や能力証明」で、従業員300人以上が51%、300人未満が37%です。*1

スキル評価は誰が担当すればよいですか

書類の読み取りと面接での掘り下げには、任せる仕事を知っている現場の技術者が加わると進めやすくなります。報告書の聞き取りでも、現場担当者が一次面接などで候補者を社内の人材と照らし合わせている企業が紹介されています。*1 人事担当者は、評価の基準と記録の形をそろえる役を受け持つと分担しやすくなります。

スキル評価で見る3点が決まったら相談

「担当した工程の範囲、プロジェクトの規模、そのなかでの役割を見る」という形で確かめ方が決まっていれば、そのままご相談いただけます。まだ何を見るか決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、正社員として採る候補の見極めも、作業を決めて頼む要員の見極めも、作業と期間を決めたうえでお手伝いできます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf)。出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)。別添6「企業アンケート_単純集計」(9)-1-5「IT・デジタル人材を中途採用する際のITスキルレベルの把握方法」(複数回答、N=84)の件数と割合、本編の従業員規模別・業種別の集計、企業ヒアリングの結果、および調査の実施概要の一次情報として(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省「雇用・労働」の政策ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/index.html)。報告書の公表元である厚生労働省の雇用政策の分野ページとして(2026年10月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/index.html)。公表元の確認として(2026年10月確認)




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