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エンジニア採用の採用チャネルの違い|情報通信業は広告32.7%
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 産業の表と職業の表が別にある:雇用動向調査は入職経路別の入職者数を、産業別の第16表と職業別の第18-1表という別々の表で出しています。*1*2 産業別の表には、転職入職者だけを取り出した欄もあります。*1
- 民営職業紹介所はどちらも産業計より高い:産業計7.7%に対し、情報通信業14.8%、専門的・技術的職業従事者10.1%でした。この調査にエンジニアの区分はなく、どちらもエンジニア以外を含みます。構成比はこの記事の割り算です。
- 2つの切り口の差は広告がいちばん大きい:広告は情報通信業32.7%、専門的・技術的職業従事者21.3%で11.4ポイント開きました。次に大きいのは職業安定所の5.6ポイント、その次が学校の5.5ポイントです。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
エンジニア採用の採用チャネルを公的統計で見たいとき、厚生労働省の雇用動向調査が入口になります。入職者を入職経路別に数えた表があるからです。*1 ただしこの表で分かるのは、入った人がどの経路を通ったかの構成だけで、どの経路が効いたかは分かりません。
ただしこの調査に「エンジニア」という区分はありません。近いのは、産業で切った情報通信業と、職業で切った専門的・技術的職業従事者の2つです。産業で切るとは勤め先の業種で分けること、職業で切るとは本人の仕事の種類で分けることで、どちらもエンジニア以外を含みます。
この調査は、全国の主要産業の事業所を対象に入職と離職の状況を調べたものです。*1 この記事では、産業で切った情報通信業と職業で切った専門的・技術的職業従事者を産業計と並べ、構成がどう違うかを見ます。実数は調査の数字、構成比はこの記事の割り算です。
目次
雇用動向調査は入職経路を9つに分けている
使うのは令和7年の年計、つまり1年分を合わせた数字です。*1 入職経路は、職業安定所、ハローワークインターネットサービス、民営職業紹介所、学校、広告、その他、縁故、出向、出向先からの復帰の9区分です。*1
名前を置き換えておきます。職業安定所はハローワークの窓口、民営職業紹介所は民間の人材紹介、縁故は知人や社員のつてです。産業計は全産業を合わせた値です。この言い換えはこの記事のものです。
数え方を先に書いておきます。この9つを足すと入職者数の計になります。産業計では9つの合計が7526.8千人で、計の7526.8千人と同じでした。この足し算はこの記事で行いました。
表には「うち前の会社」という欄も並んでいますが、これは出向の内訳なので9つには数えていません。*1 この記事の構成比は、9つそれぞれを計で割ったものです。この記事の表に載せるのは計と構成比だけで、経路ごとの実数は調査の表のほうにあります。*1
単位は千人で、表の数字は小数点以下1桁までです。*1 そのため9つを足した値が計と0.1から0.2ずれる集団があります。情報通信業では9つの合計が254.0千人、計は253.8千人でした。この記事の構成比も同じ理由で、9つを足すと100.1%や99.9%になる列があります。どちらも四捨五入によるもの、というのがこの記事の読み方です。
産業計と比べると、2つの切り口は同じ側に動く
3つの集団を並べます。産業計、情報通信業、専門的・技術的職業従事者です。*1*2
| 入職経路 | 産業計 | 情報通信業 | 専門的・技術的職業従事者 |
|---|---|---|---|
| 計(千人) | 7526.8 | 253.8 | 1435.5 |
| 職業安定所 | 12.2% | 3.4% | 9.0% |
| ハローワークインターネットサービス | 3.1% | 1.9% | 2.0% |
| 民営職業紹介所 | 7.7% | 14.8% | 10.1% |
| 学校 | 6.2% | 9.3% | 14.8% |
| 広告 | 32.3% | 32.7% | 21.3% |
| その他 | 14.4% | 13.1% | 17.0% |
| 縁故 | 21.4% | 18.3% | 21.8% |
| 出向 | 2.1% | 5.1% | 2.6% |
| 出向先からの復帰 | 0.7% | 1.4% | 1.3% |
まず9つの経路を、2つの切り口がそろって産業計より高いか低いかで数えます。小数点以下1桁の値をそのまま比べる、という線引きです。そろうのは6つ、食い違うのは3つでした。この数えと線引きはこの記事のものです。
ただし食い違う3つのうち2つは、産業計との差がごく小さいところで分かれています。広告は産業計32.3%に対して情報通信業32.7%、縁故は産業計21.4%に対して専門的・技術的職業従事者21.8%で、どちらも0.4ポイントです。構成比は小数点以下1桁なので丸めの幅は±0.05ポイントほどで、0.4ポイントはそれより大きい差ですが、上か下かで分ける線としては細いところにあります。この見方はこの記事のものです。
そろって産業計より高いのは民営職業紹介所、学校、出向、出向先からの復帰の4つ。そろって低いのは職業安定所とハローワークインターネットサービスの2つです。食い違うのは広告、その他、縁故の3つでした。
ただし高い4つのうち、出向と出向先からの復帰はグループ内の異動、学校は主に新卒の経路です。中途採用で動かせるのは民営職業紹介所で、低い2つは公的な窓口です。この読み分けはこの記事のものです。
差の大きいところを見ます。民営職業紹介所は産業計7.7%に対して情報通信業14.8%、専門的・技術的職業従事者10.1%。職業安定所はその逆で、産業計12.2%に対して3.4%と9.0%です。公的な窓口の2つを足すと産業計15.3%に対して5.3%と11.0%で、こちらもそろって低い値でした。
入った人が民間の紹介を通った割合は産業計より高く、公的な窓口を通った割合は低い。この形は産業で切っても職業で切っても変わりませんでした。これはこの記事の読み方です。
ここまでは新卒で入った人も含めた全体です。第16表は、すでに働いていた人が入った分、つまり転職入職者だけを取り出した欄も持っています。*1 中途採用に近いのはこちらです。
転職入職者は産業計5061.8千人、情報通信業175.3千人でした。*1 この2つが、ここから先の構成比の分母です。民営職業紹介所は産業計9.3%に対して情報通信業16.2%で、全体で見たとき(7.7%と14.8%)よりどちらも上がります。
職業別の第18-1表にも転職入職者を取り出す欄はありますが、この記事では取っていません。ここで比べるのは産業計と情報通信業の2つです。学校は産業計6.2%から1.2%、情報通信業9.3%から1.0%まで落ちます。新卒が外れるので当然ですが、全体の数字を中途採用に使うと、この5.0ポイントと8.3ポイントの分だけずれることになります。これはこの記事の読み方です。
2つの切り口の差がいちばん大きいのは広告
いちばん差が大きいのは広告です。情報通信業32.7%に対して専門的・技術的職業従事者21.3%で、11.4ポイント開きました。産業計は32.3%なので、情報通信業は産業計とほぼ同じ、専門的・技術的職業従事者だけが低い形です。
残る2つは幅が小さいところです。その他は産業計14.4%に対して13.1%と17.0%、縁故は産業計21.4%に対して18.3%と21.8%でした。産業計をはさんで上下に分かれますが、幅は広告ほどではありません。
2つの切り口の差そのものを大きい順に見ると、広告11.4ポイント、職業安定所5.6ポイント、学校5.5ポイントと続きます。この引き算はこの記事で行いました。
職業安定所と学校は、産業計との上下でいえばそろっている側です。職業安定所は産業計12.2%に対して3.4%と9.0%でどちらも低く、学校は産業計6.2%に対して9.3%と14.8%でどちらも高い。それでも2つの切り口の間では5ポイント以上開くので、同じ側でも読み替えはできません。これはこの記事の読み方です。
2つの集団は重なっていますが同じではありません。情報通信業には営業職や事務職が入り、専門的・技術的職業従事者には医療や教育や建築の技術者も入ります。どれだけ含むかは、この2つの表からは分かりません。この説明はこの記事のものです。
出向も同じ側ですが高さが違います。産業計2.1%に対して情報通信業5.1%、専門的・技術的職業従事者2.6%で、産業で切ったときのほうが高く出ています。
自社のチャネル構成と比べるときに確かめる点
自社の採用チャネルと比べる前に、確かめる点を4つ挙げます。並べ方はこの記事のものです。
1つめは、どちらの切り口と比べるかです。自社が情報通信業なら産業の列、採る職種が技術職なら職業の列が近くなります。両方に当てはまるなら、比べる相手は1つの値ではなく2つの列の値になります。自社がその間に入るとは限りません。なお中途採用に絞った数字は産業の列にしかないので、新卒を外して比べたいときは産業の列を使います。
2つめは、この表が入職者を数えたものだという点です。募集や応募の数ではなく、実際に入った人の経路です。*1 分母にはグループ内の異動である出向と出向先からの復帰も入っていて、情報通信業ではこの2つで6.5%を占めます。自社の採用実績と並べるなら、この分を外すかどうかを先に決めることになります。
3つめは、経路の名前が実務の呼び方と一致しないことです。求人サイトや自社サイトが広告に入るのかその他に入るのかは、区分名だけでは決まりません。当てはめる前に区分の定義を確かめることになります。
4つめは、縁故が2割前後あることです。産業計21.4%、情報通信業18.3%、専門的・技術的職業従事者21.8%で、どの切り口でも上位です。知人や社員のつてで入った人を採用の実績に数えていない会社は、縁故の割合が自社側だけ低く出ます。
入った人と辞めた人の差し引きで情報通信業を見る話は、記事「情報通信業の入職超過率3.2ポイントを自社と比べる手順」で扱っています。
まとめ:産業計より民営紹介は高く、公的窓口は低い
エンジニア採用の採用チャネルを公的統計で見るとき、雇用動向調査の入職経路が使えます。読み取れることは3つです。第一に、この調査にエンジニアという区分はなく、近いのは産業で切った情報通信業と、職業で切った専門的・技術的職業従事者の2つで、どちらもエンジニア以外を含みます。*1*2 第二に、民営職業紹介所は産業計7.7%に対して14.8%と10.1%、職業安定所は産業計12.2%に対して3.4%と9.0%で、2つの切り口で同じ側に動いています。第三に、9つの経路のうち、産業計より上か下かが2つの切り口でそろうのは6つ、食い違うのは広告、その他、縁故の3つでした。ただし広告と縁故は産業計との差が0.4ポイントで、上下を分ける線としては細いところにあります。2つの切り口の間の差がいちばん大きいのは広告で、32.7%と21.3%の11.4ポイントです。なお転職入職者に絞ると、民営職業紹介所は産業計9.3%、情報通信業16.2%とどちらも上がりました。以上から、自社と比べる前に確かめるのは、どちらの切り口と比べるか、入職者を数えた表で分母に出向も入っていること、経路の区分名の定義、縁故が2割前後あることの4つです。構成比はこの記事の割り算で、これはこの記事の読み方です。
よくある質問
エンジニアだけの数字はありますか
雇用動向調査にエンジニアという区分はありません。近いのは産業で切った情報通信業と、職業で切った専門的・技術的職業従事者で、*1*2 どちらもエンジニア以外を含みます。
求人サイトはどの経路に入りますか
この記事では分かりません。区分名は9つありますが、*1 広告に入るのかその他に入るのかは、区分名だけでは決まらず、この記事では調査の定義を確かめていません。
中途採用だけの数字はありますか
第16表には転職入職者だけを取り出した欄があります。*1 そこでは民営職業紹介所が産業計9.3%、情報通信業16.2%で、新卒を含めた全体(7.7%と14.8%)よりどちらも高くなります。
採用チャネルの見直しから相談したいときは
自社の集計がそろっていない段階でもご相談ください。
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出典
- *1 参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」第16表(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&cycle=7&year=20250&toukei=00450073&tstat=000001012468&stat_infid=000040489957)。出典:厚生労働省「雇用動向調査」令和7年年計 第16表 産業(中分類)、企業規模(GT、E)、性、職歴、就業形態、雇用形態、入職経路別入職者数。入職経路の9区分、産業計および情報通信業の入職者数と経路別内訳、転職入職者(既就業者)に絞った内訳、「うち前の会社」が出向の内訳であることの一次情報として(2026年9月確認)
- *2 参考:厚生労働省「令和7年雇用動向調査」第18-1表(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&cycle=7&year=20250&toukei=00450073&tstat=000001012468&stat_infid=000040490116)。出典:厚生労働省「雇用動向調査」令和7年年計 第18-1表 職業(大分類)、性、職歴、就業形態、雇用形態、年齢階級、入職経路別入職者数。専門的・技術的職業従事者の入職者数と経路別内訳の一次情報として(2026年9月確認)