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スキル確認の4つの軸|外部の要員も含めて評価する
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 要員スキルは4つの軸で記録する:業務分野の経験、分析・設計経験、言語・ツール利用経験、開発プラットフォームの使用経験です。*1
- 外部委託要員も含めて評価する:4項目すべてに同じ補足説明が付いています。*1
- PMだけは規模で測る:ピーク時10人未満、又は年間契約金額1億円未満がレベル4の目安です。*1
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
外部エンジニアの経歴書を見ても、何を聞けば実力が分かるのか決めきれない。あるいは、面談で「経験あり」と返ってきたが、どの程度なのかを確かめる言葉が出てこなかった——。スキル確認の場面では、多くの現場が「何を物差しにするか」に突き当たります。手がかりになるのが、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開している「ソフトウェア開発分析データ集」です。開発案件の実績を集めるために、要員のスキルをどう記録するかが決められています。*1
この項目をそのまま使えば、面談で聞くことと、返ってきた答えをどう扱うかが同時に決まります。ただし万能ではなく、記録の欄であって見極めの手順ではありませんし、どの段階なら任せてよいかまでは書かれていません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、IPAが記録している項目、PMスキルと要員スキルの違い、なぜ外部の要員も同じ物差しで測るのか、どう確認するのか、つまずきやすい点、そして外注の勘所を整理します。
目次
IPAが記録している要員のスキル
IPAの「ソフトウェア開発分析データ集2022」は、企業から提供された開発案件の実績を集計した資料です。発行は社会基盤センターで、案件ごとに集める項目が1つずつ定義されています。*1 そのなかに「要員等スキル」という節があり、5つの項目が並んでいます。*1
1つ目がPMスキルで、残る4つが要員スキルです。要員スキルの4つは、業務分野の経験、分析・設計経験、言語・ツール利用経験、開発プラットフォームの使用経験です。*1 経歴書に並ぶ技術名を、この4つに振り分けて読むだけでも聞くことが決まります。
4つに共通する選択肢も決まっています。a:全員が十分な経験、b:半数が十分な経験、残り半数はいくらかの経験、c:半数がいくらかの経験、残り半数は経験なし、d:全員が経験なし、の4段階です。*1 「全員」「半数」という言い方から分かるとおり、この欄は1人ではなくプロジェクトのメンバー全体について答えます。
PMスキルと要員スキルの違い
PMスキルだけは測り方が違います。資料は「ITスキル標準(V2.0以降)の職種『プロジェクトマネジメント』で評価する」と定め、選択肢をa:レベル6、レベル7/b:レベル5/c:レベル4/d:レベル3としています。*1 要員スキルのような「全員か半数か」ではなく、1人のレベルを聞く欄です。
そのレベルには規模の目安が付いています。資料の参考表では、レベル5が「管理する要員数がピーク時10人以上50人未満、又は年間契約金額1億円以上5億円未満」、レベル4が「管理する要員数がピーク時10人未満、又は年間契約金額1億円未満」です。*1
| 旧定義(v1.0まで) | 定義(v2.0以降) | サイズ指標(ITスキル標準v3.0) |
|---|---|---|
| a:多数の中・大規模で複雑なプロジェクトの管理を経験 | a:レベル6、レベル7 | 管理する要員数がピーク時500人以上、又は年間契約金額10億円以上 |
| (同じa。複雑性要件により対応レベルが変わる) | a:レベル6、レベル7 | 管理する要員数がピーク時50人以上、または年間契約金額5億円以上 |
| b:少数の中・大規模で複雑なプロジェクトの管理を経験 | b:レベル5 | 管理する要員数がピーク時10人以上50人未満、又は年間契約金額1億円以上5億円未満 |
| c:小・中規模プロジェクトの管理しか経験していない | c:レベル4 | 管理する要員数がピーク時10人未満、又は年間契約金額1億円未満 |
| d:プロジェクト管理の経験なし | d:レベル3 | 特定せず |
つまり「PM経験あり」という答えは、この資料の物差しでは情報になりません。何人規模を、いくらの契約で、何件動かしたか。ここまで聞いて初めてレベルが決まります。なお、レベル6とレベル7には2つの目安が併記されており、資料は「複雑性要件により対応レベルが変わる」と注記しています。*1
なぜ外部の要員も同じ物差しで測るのか
要員スキルの4項目には、同じ補足説明が付いています。「外部委託部分がある場合、外部委託要員を含めて評価する」。*1 社内の要員と外部の要員を、別の物差しで見ないということです。
この一文があると、面談で聞くことが素直に決まります。外部の要員だけを特別に厳しく見る必要も、逆に社内より甘く見る理由もありません。同じ4つの軸で、同じ4段階に当てはめれば済みます。
ここは資料が理由まで述べているわけではありません。案件の実績を集めるうえで、担い手が社内か社外かで分けると集計が揃わないから、という事情は想像がつきます。ただ、現場で使うぶんには理由よりも、物差しを分けないという決め方のほうが効いてきます。
どう確認するのか
確認の仕方は、いま埋めたい作業を4つの軸のどれに当てるかを決めるところから始めます。現行の業務を読み解く作業なら業務分野の経験、設計の判断を任せるなら分析・設計経験、決まった仕様を作るなら言語・ツール利用経験、クラウドや実行環境を触るなら開発プラットフォームの使用経験です。
次に、その軸について、いまのチームがどの段階かを先に書き出します。全員が十分な経験なのか、半数なのか、経験なしなのか。ここが決まっていないと、社外から1人入ってもらったあとにどの段階へ動くのかも決められません。
PMを探しているなら、規模の目安で聞いてください。「ピーク時に何人を管理したか」「年間契約金額はいくらだったか」の2つで足ります。経歴書に書かれていなければ、面談で確かめられる質問です。
つまずきやすい難所
一つめは、この4段階を1人の評価として使うことです。選択肢が「全員」「半数」で書かれているとおり、この欄はプロジェクトのメンバー全体について答えるものです。
二つめは、レベルの高さをそのまま適性と読むことです。サイズ指標は管理した規模の目安であって、自社の案件に合うかどうかは別の話になります。10人未満の案件にレベル6の経験者が要るとは限りません。
三つめは、この資料に見極めの手順を求めることです。定義されているのは記録の欄と選択肢までで、どう質問すればよいかや、どの段階なら任せてよいかは含まれていません。
外注時に確認しておきたい点
面談の前に、任せる作業と期間を書き出しておいてください。「受注管理の現行調査を3か月」といった粒度で構いません。作業が決まっていれば、4つの軸のどれを聞けばよいかも決まります。
聞く順番は、軸を1つに絞ってからのほうが速く進みます。4つ全部を均等に聞くと、どれも浅いまま時間が終わります。外部の要員(フリーランスを含む業務委託)は、求める経験がはっきりしているほど合わせやすい調達の仕方になります。
一方、任せてよい段階かどうかの判断は社内に残してください。ここを紹介元や相手に委ねると、受け入れたあとで期待と違ったときに戻すところがなくなります。正社員の採用と外部の要員のどちらを選ぶかも、この判断が社内にあるかで変わります。
チーム全体に経験がどう残っているかは引き取りに関わる4つの経験、業務分野は25.1%が下端で集計を扱っています。
社内の誰が何をできるかの把握はスキルマップの整備の違い、未対応42.8%と整備済み33.7%にあります。
テストの体制を4つに分ける話は外部エンジニアのテスト体制、IPAが定める4つの区分で扱っています。同じ資料の別の項目です。
どの仕事に業界の知識が要るのかは業界知識はどこで要る?上流の不足60.1%と実装44.9%で整理しました。
まとめ:スキル確認で押さえる3つの視点
スキル確認は、聞く軸を決めるところから始まります。押さえておきたい視点は3つに整理できます。第一に、IPAは要員のスキルを業務分野の経験、分析・設計経験、言語・ツール利用経験、開発プラットフォームの使用経験の4つで記録しており、まずどの軸の話なのかを決めること。*1 第二に、4項目すべてに「外部委託部分がある場合、外部委託要員を含めて評価する」という補足説明が付いており、社内と外部で物差しを分けないこと。*1 第三に、PMスキルだけはITスキル標準のレベルで測り、その目安が管理した要員数と年間契約金額という規模で書かれていることです。*1 この3点を踏まえておけば、「面談で経験ありと返ってきたが、どの程度なのかを確かめられなかった」という事態を避けやすくなります。任せる作業を4つの軸のどれかに当て、いまのチームがどの段階かを書き出すところまでは社内でできます。その先、必要な経験を持つ人が社内にいなければ、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。
よくある質問
IPAは要員のスキルを何で記録していますか
「ソフトウェア開発分析データ集2022」のA5.2.7「要員等スキル」では、PMスキルに加えて、業務分野の経験、分析・設計経験、言語・ツール利用経験、開発プラットフォームの使用経験の4項目が定義されています。*1 確認日は2026年9月18日です。
外部の要員も同じ基準で見てよいのですか
要員スキルの4項目には「外部委託部分がある場合、外部委託要員を含めて評価する」という補足説明が付いています。*1 社内と外部で物差しを分けない書き方です。確認日は2026年9月18日です。
選択肢はどう分かれていますか
a:全員が十分な経験、b:半数が十分な経験、残り半数はいくらかの経験、c:半数がいくらかの経験、残り半数は経験なし、d:全員が経験なし、の4段階です。*1 1人ではなくプロジェクトのメンバー全体について答える形です。確認日は2026年9月18日です。
PM経験はどう聞けばよいですか
資料はITスキル標準の職種「プロジェクトマネジメント」で評価すると定めており、レベル5の目安は管理する要員数がピーク時10人以上50人未満、又は年間契約金額1億円以上5億円未満です。*1 ピーク時の人数と契約金額を聞けば当てはめられます。確認日は2026年9月18日です。
どの段階なら任せてよいと書かれていますか
今回参照した資料に記載はありません。定義されているのは記録の欄と選択肢までで、見極めの手順や合否の基準は含まれていないためです。確認日は2026年9月18日です。
聞く軸が決まったら相談
「受注管理の現行調査を3か月」といった形で作業と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。まだ4つの軸のどれを重く見るか決めきれていない段階でも構いません。
Remoguとリラシクなら、業務分野の経験がある要員も、言語とフレームワークで選ぶ要員も、作業と期間を決めたうえでお探しいただけます。
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出典
- *1 参考:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」(PDF)(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/metrics/hjuojm000000c6it-att/000102171.pdf)。出典:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」。独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター発行。A5.2.7「要員等スキル」のデータ項目601_PMスキル(定義・選択肢・ITスキル標準のサイズ指標との対応表)、602_要員スキル_業務分野の経験、603_要員スキル_分析・設計経験、604_要員スキル_言語・ツール利用経験、605_要員スキル_開発プラットフォームの使用経験(定義・選択肢・補足説明)の一次情報として。本書の著作権はIPAが保有し無断の改変や公衆送信などは禁じられているため、この記事は示された定義を引用し、図と表は定義をもとに筆者が作成した。資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
- *2 参考:IPA「ITスキル標準(ITSS)」(https://www.ipa.go.jp/archive/jinzai/skill-standard/itss/)。資料が601_PMスキルの評価基準として参照しているITスキル標準の職種「プロジェクトマネジメント」の確認として(2026年9月確認)
- *3 参考:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」(公開ページ)(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/metrics/metrics2022.html)。本編と業種編・サマリー版という構成と、収録されている指標の範囲の確認として(2026年9月確認)