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2026.09.19 採用支援コラム

外部人材活用と内製化の進め方|自社で高めたい機能は3つ




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 企業のIT部門がこれから伸ばしたい機能の上位は開発ではない:情報セキュリティ対応35.6%、ITを用いた既存業務の改善35.2%、IT人材の採用・育成34.0%の順です。*1
  • これから伸ばす先に開発を選んだ企業は少数:設計とプログラミングを指す2つの項目は、1.4%と5.5%にとどまりました。*1
  • どの機能を選ぶべきかという答えは資料にない:954社が選んだ結果を集めた調査であって、おすすめを示したものではありません。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

内製化(外部に頼んでいた仕事を自社の社員でやるようにすること)を進めたい。しかし人は足りない。だから外部人材活用も続ける——この2つを同時に抱えているなら、決めかねるのはどの機能を自社の社員でやり、どの機能を外部に頼むかという分け方でしょう。本記事ではこれを線引きと呼びます。

手がかりになる調査があります。JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会。企業の情報システム部門が集まってつくっている団体)の「企業IT動向調査報告書2026」です。*1 この調査は、IT組織の機能・能力を17項目に分けたうえで、「今後重視したい、または高めていきたい」ものを3つ選ばせています。*1

選べるのは3つなので、企業がこれから力を入れようとしている機能がはっきり出ます。本記事は、開発の現場を回しているマネージャに向けたものです。前半で調査結果の中身を見て、後半で自社の線引きの決め方、つまずきやすい点、外部に頼むときの確認事項を整理します。なお、この結果が外部人材活用の正解を示しているわけではありません。調査は各社が選んだ結果を集めたものです。

ガラスの間仕切り越しに見える会議室。数人がノートパソコンを開いて打ち合わせをしており、手前は暗い通路になっている

JUASが954社に聞いた「今後高めたい機能」

JUASの「企業IT動向調査報告書2026」は、企業の情報システム部門を対象にした調査をまとめた資料です。*1 そのなかに、IT組織の機能・能力を17項目に分け、今後重視したい、または高めていきたいものを3つ選ばせた設問があります。*1 2025年度の回答企業は954社です。*1

今後重視・高めていきたいIT組織の機能・能力(17項目から3つを選択。2025年度、回答企業954社。割合の高い順に並べ替えた)(出典:JUAS「企業IT動向調査報告書2026」図表6-3-6。この表は示された数値をもとにこの記事で作成した。資料の図そのものを写したものではない)
IT組織の機能・能力 選んだ企業の割合
情報セキュリティ対応 35.6%
ITを用いた既存業務の改善 35.2%
IT人材の採用・育成 34.0%
データ活用・データマネジメント 29.9%
ITを用いた新たなサービスやビジネスモデルの検討 26.8%
プロジェクト管理(計画、およびコスト・納期・品質の管理) 20.4%
経営・事業部門との関係構築 18.8%
ITコスト低減に向けた企画・推進 15.3%
上流工程設計能力(業務分析・システム要件定義) 13.1%
新技術の探索・評価 12.3%
システム運用管理(安定化、運用状況管理) 12.3%
組織内の風土醸成 12.1%
ITアーキテクチャ標準化、IT基盤整備 8.1%
ベンダーマネジメント・関係構築 6.0%
アプリケーション設計・開発(アジャイル型) 5.5%
ITの活用面での外部の企業との連携 4.6%
アプリケーション設計・開発(ウォーターフォール型) 1.4%

上位3つは、情報セキュリティ対応が35.6%、ITを用いた既存業務の改善が35.2%、IT人材の採用・育成が34.0%でした。*1 この順位は2024年度と変わっていません。*1

4番目はデータ活用・データマネジメント(社内にたまったデータを使えるように整えて役立てること)で29.9%です。*1 資料は、この項目が伸びた背景として、データサイエンスや生成AIへの注目の高さが表れているとも考えられる、と述べています。*1

表の17項目を合計すると291.4%になります。1社あたり平均2.9項目を選んだ計算です。3つ選ぶ設問なので、おおむね計算が合っていることの確認になります。

下位に並んだのは開発そのものだった。ただし読み方に注意

目を引くのは、下位に何が並んでいるかです。アプリケーション設計・開発(ウォーターフォール型。要件定義から順に工程を進めるやり方)は1.4%、アプリケーション設計・開発(アジャイル型。短い期間で作って確かめることを繰り返すやり方)は5.5%。*1 17項目のうち、最も低いのがウォーターフォール型の開発です。*1

ここで気をつけたいのは、この設問が聞いているのは「これから重視したい、高めていきたい機能」だということです。*1 低い項目が、その会社に要らない機能だという意味ではありません。足りているから選ばなかったのか、そもそも自社では持たない機能だから選ばなかったのか。どちらなのかは、この調査からは分かりません。

それでも、954社の回答を集めると、これから力を入れる先として開発そのものを選んだ企業は少数でした。*1 内製化という言葉から思い浮かべるのは自社のエンジニアがコードを書く姿かもしれませんが、企業がこれから伸ばしたいと答えた機能はそこではありません。

上位4つは、情報セキュリティ対応、ITを用いた既存業務の改善、IT人材の採用・育成、データ活用・データマネジメントでした。*1 なぜこの4つが上位に来たのかについて、今回参照した資料に説明はありません。

もう一つ気になるのが、ベンダーマネジメント・関係構築が6.0%にとどまっていることです。*1 外部に頼む相手を選び、関係を保つ仕事です。外部人材活用を続けるなら要る能力ですが、これから高めたい3つには選ばれにくい結果でした。*1 選んだ企業が少ないからといって、外部人材活用を続ける会社にこの能力が要らないわけではありません。ただし、なぜ選ばれにくいのかについて、今回参照した資料に説明はありません。

自社の線引きをどう決めるか

この設問の形は、自社の線引きを決めるときにも使えます。まず、17項目のうち自社で高めたいものを3つ選びます。3つというのはこの調査の決まりです。*1 ただ、自社で考えるときにも数を絞ると、何を選ばなかったかまではっきりします。

内製化と外部人材活用の線引きを決める順番を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は17項目から自社で高めたい機能を3つ選ぶこと。2つ目は選ばなかった14項目のうち、いま自社の人手でまかなっているものを書き出すこと。3つ目はその候補を作業と期間に分けて書くこと(受注管理システムの改修を6か月間、など)。4つ目は3つに入っている機能は人を採って自社に残し、入っていない機能は外部の要員に頼むこと。17項目と3つという設問の形はJUAS「企業IT動向調査報告書2026」図表6-3-6による。

次に、選ばなかった14項目のうち、いま自社の人手でまかなっているものを書き出します。高めたいとは思っていないのに自社の人手を使っている仕事が、外部人材活用を検討する候補になります。

最後に、その候補を作業と期間に分けて書きます。「受注管理システムの改修を6か月間」「テストケース(どんな条件で動かして何を確かめるかを書いた一覧)を全件そろえる作業を3か月間」といった形です。ここまで書ければ、外部に頼むのか、採用するのか、いまのまま続けるのかを選べます。

この順番は資料に書かれているものではなく、17項目と3つという設問の形から、この記事で組み立てたものです。

つまずきやすい難所

一つめは、内製化を「開発を全部自社でやること」と考えることです。調査では、これから開発そのものを高めたいと答えた企業はウォーターフォール型で1.4%、アジャイル型で5.5%でした。*1 内製化の中身は会社ごとに違います。

二つめは、この調査結果を自社の答えとして使うことです。954社が選んだ結果であって、*1 どの会社も同じ3つを選ぶべきだという話ではありません。業種も規模も違えば、自社に置きたい機能も変わります。

三つめは、割合の低い項目を「要らない機能」と読むことです。この設問が聞いているのは、これから重視したい機能です。*1 すでに足りている機能は選ばれません。たとえばベンダーマネジメント・関係構築は6.0%ですが、*1 外部人材活用を続ける会社にとって要らない能力だとは読めません。

外注時に確認しておきたい点

外部に頼むときは、選ばなかった機能を頼むのだと決めておいてください。自社で高めたい3つに入れた機能まで外部に頼むと、その仕事の経験が社内の人につきません。

頼む内容は、機能の名前ではなく作業と期間で書きます。「アプリケーション設計・開発をお願いします」では範囲が決まりません。「受注管理システムの改修を6か月間」であれば、外部の要員(自社で雇わず、作業ごとに契約して働いてもらう人。個人のフリーランスのほか、開発を請け負う会社に所属している人も含みます)に頼むときも、社内で採用するときも、同じ文書が使えます。

正社員を採用するのか、外部の要員に頼むのかは、自社で高めたい3つに入っているかどうかで分けられます。3つに入っている機能は、人を採って社内で経験を積ませる。入っていない機能は、作業と期間を決めて外部に頼む。この分け方なら、正社員を採用するのか外部の要員に頼むのかを、機能ごとに決められます。

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入ってもらう人のスキルの確かめ方は外部エンジニアのスキル確認、4つの軸で評価するにまとめました。

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契約が終わったあとの引き継ぎは業務委託の契約終了時、アクセス権と成果物の扱いにあります。

まとめ:線引きを決める前に知っておく3つのこと

内製化と外部人材活用をどう組み合わせるかは、自社で高めたい機能を決めるところから始まります。知っておきたいことは3つです。第一に、JUASの調査で企業がこれから重視したいと答えた上位は、情報セキュリティ対応35.6%、ITを用いた既存業務の改善35.2%、IT人材の採用・育成34.0%でした。*1 第二に、これから伸ばす先として開発そのものを選んだ企業は少数で、ウォーターフォール型は1.4%、アジャイル型は5.5%です。*1 ただし、割合が低いことと、その機能が要らないこととは別です。第三に、どの機能を自社に置くべきかという答えは、今回参照した資料には書かれていません。この3点を踏まえて、自社で高めたい機能を3つ書き出し、それ以外で自社の人手を使っている仕事を書き出してみてください。そこが、外部の要員に頼むかどうかを考える出発点になります。

LASSICに相談するメリット

外部に頼む範囲が決まったあとは、実際に作業する人を探す段階です。受注管理システムの改修を6か月間、テストケースを全件そろえる作業を3か月間——このくらい具体的に書けていれば、求める経験の条件も決まります。自社で高めたい機能に入っているかどうかで、採用するのか外部に頼むのかが変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

JUASの調査はどんな設問ですか

「企業IT動向調査報告書2026」で、IT組織の機能・能力を17項目に分け、今後重視したい、または高めていきたいものを3つ選ばせています。*1 2025年度の回答企業は954社です。*1 確認日は2026年9月19日です。

企業が最も高めたい機能は何ですか

情報セキュリティ対応で35.6%でした。*1 次がITを用いた既存業務の改善35.2%、IT人材の採用・育成34.0%と続きます。*1 確認日は2026年9月19日です。

開発の能力は選ばれていますか

これから重視したい機能としては、ほとんど選ばれていません。アプリケーション設計・開発(ウォーターフォール型)が1.4%で17項目のうち最も低く、アジャイル型も5.5%です。*1 ただし、すでに足りているから選ばなかった会社もあるはずで、その理由は書かれていません。確認日は2026年9月19日です。

どの機能を自社に置けばよいですか

今回参照した資料に答えはありません。調査は954社が選んだ結果を集めたもので、*1 どの会社も同じ3つを選ぶべきだという話ではないためです。確認日は2026年9月19日です。

外部に頼む範囲はどう決めますか

自社で高めたい3つに入っていない機能のうち、いま自社の人手でまかなっているものが候補になります。この決め方は資料に書かれているものではなく、17項目と3つという設問の形から組み立てたものです。確認日は2026年9月19日です。

外部に頼む範囲が決まったら相談

「自社で高めたいのはセキュリティと人材育成。開発は外に頼みたい」という形で線引きができていれば、そのままご相談いただけます。まだどれを自社に置くか決めきれていない段階でも構いません。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査報告書2026」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。出典:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2026」。図表6-3-6「今後重視・高めていきたいIT組織の機能・能力(上位3つの合計)」の2025年度(回答企業954社)の数値と、6.3節の本文の一次情報として。この記事の表と図は示された数値をもとに作成したもので、資料の図そのものは写していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」の案内ページ(https://juas.or.jp/library/research_rpt/)。調査が毎年実施され報告書として公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行団体の確認として(2026年9月確認)




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