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2026.09.19 採用支援コラム

エンジニア中途採用の採用スケジュールと候補者に聞いた11項目




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 転職した人の最も多い答えは「苦労したことは特にない」:厚生労働省の調査で、直近5年以内に転職した342人のうち110人、32.2%がこう答えています。*1
  • 2番目から4番目まではほぼ横並び:「応募書類の作成」36人、「面接対策」35人、「求人情報の収集」33人と並びます。*1
  • 選考にかける日数の基準は調査にない:この調査が集めたのは、苦労した点を1つ選んだ結果までです。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニア中途採用の採用スケジュールは、たいてい自社の都合で引かれます。面接官の空き、稟議の日程、部門長の出張。しかし、そのスケジュールの向こう側にいる候補者が何に苦労しているのかは、あまり見えません。

これを調べた公的な調査があります。厚生労働省が公表している「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」の調査報告書です。*1 IT・デジタル職種で働く2,000人に聞いた調査で、*1 そのうち直近5年以内に転職した342人に、転職のときに苦労したことを1つだけ選ばせています。*1

結果を見ると、採用スケジュールについての思い込みが1つ崩れます。本記事は、開発の現場を回しているマネージャに向けたものです。前半で調査結果の中身を見て、後半で自社の日程の組み立て方、つまずきやすい点、外部に頼むときの確認事項を整理します。

方眼のノートに、四角いチェック欄を並べた箇条書きを書き込んでいる手元。書かれた文字はぼやけていて読み取れない

厚生労働省が342人に聞いた「転職で苦労したこと」

この調査は厚生労働省が令和6年3月に公表した報告書です。*1 IT・デジタル関連の部署で働く個人2,000人にインターネットで聞いたもので、調査期間は2023年9月15日から9月19日までです。*1

そのうち、直近5年以内に転職した342人が答えたのが、「直近の転職時に苦労したこと」という設問です。*1 11の選択肢から1つだけ選ぶ形になっています。*1

直近の転職時に苦労したこと(単一回答。直近5年以内に転職したIT・デジタル職種の342人が回答。件数の多い順に並べ替えた)(出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書令和6年3月、別添5 個人アンケート単純集計 Q21。選択肢の文言は資料のとおり。割合は資料に示された値で、件数を342で割った値と一致する。この表は示された数値をもとにこの記事で作成した)
苦労したこと 件数 割合
苦労したことは特にない 110人 32.2%
応募書類の作成 36人 10.5%
面接対策 35人 10.2%
求人情報の収集 33人 9.6%
面接等のスケジュール調整 32人 9.4%
自分が向いている会社や仕事がわからないこと 25人 7.3%
転職活動に充てる時間がないこと 24人 7.0%
内定後の条件交渉 19人 5.6%
前職からの引き留め 16人 4.7%
家族等の同意 10人 2.9%
その他 2人 0.6%

最も多かったのは「苦労したことは特にない」で、342人のうち110人、32.2%でした。*1 およそ3人に1人が、転職のときに特に苦労しなかったと答えています。

採用する側の日程が直接かかわるのは何割か

2番目から4番目までは、ほとんど横並びです。2番目に多い「応募書類の作成」が36人で10.5%、3番目の「面接対策」が35人で10.2%、4番目の「求人情報の収集」が33人で9.6%。*1 2番目から4番目までの差は、1ポイントもありません。

採用スケジュールを組む側から見ると、ここが肝心です。ここから読み取れるのは、転職する側にとって、全員に共通する大きな山があるわけではない、ということです。ただし、なぜこう散らばるのかについて、今回参照した調査に説明はありません。

そのうえで、採用する側の日程運びが直接かかわる項目を見ます。「面接等のスケジュール調整」が32人、「内定後の条件交渉」が19人。*1 合わせて51人で、342人の14.9%にあたります。この14.9%という数字は、資料に書かれているものではなく、2つの項目の件数を足して342で割ったものです。

ここで気をつけたいのは、この設問が1つだけ選ばせる形だということです。*1 9.4%という数字は、日程の調整を「いちばん苦労したこと」として選んだ人の割合であって、日程で苦労した人の割合ではありません。ほかを選んだ人が日程で苦労していなかったという意味にはなりません。

自社で先に決めておけること

では、採用スケジュールを組むときに、自社で先に決めておけることは何か。ここからの3つは、調査が述べていることではなく、この設問に並んだ項目のうち採用する側が手を動かせるものを取り出して、この記事で組み立てたものです。

採用スケジュールのうち自社で先に決めておけることを3つの箱で示した図。1つ目は面接の枠を先に空けておくこと。毎週決まった曜日と時間を面接に使うと決めておけば、候補者は枠を選ぶだけで済む。2つ目は内定後に交渉になる項目を先に書き出すこと。報酬、入社日、勤務地、リモートワークの可否のうち、どこまで社内で決められるかを整理しておく。3つ目は提出してもらう書類を減らすこと。この3つは厚生労働省の調査が述べているものではなく、調査の項目からこの記事で組み立てたもの。

1つめは、面接の枠を先に空けておくことです。候補者が出てきてから面接官の予定を押さえると、調整に日数がかかります。毎週この曜日のこの時間は面接に使う、と決めておけば、候補者は枠を選ぶだけで済みます。

2つめは、内定後に交渉になる項目を先に書き出しておくことです。報酬、入社日、勤務地、リモートワークの可否。どこまでなら社内で決められて、どこからは稟議が要るのかを先に整理しておけば、内定を出してから社内で止まる時間を減らせます。

3つめは、提出してもらう書類を減らすことです。2番目に多かったのは「応募書類の作成」36人でした。*1 これは日程そのものではありませんが、書く量を決めているのは採用する側です。書類が多ければ、応募そのものが後回しになります。この読み取りも調査が述べていることではありません。

つまずきやすい難所

一つめは、採用スケジュールを詰めれば採用できると考えることです。調査で最も多かった答えは「苦労したことは特にない」32.2%でした。*1 日程の調整を「いちばん苦労したこと」として選んだ人は9.4%でした。*1 日程が最も重い問題だと答えた人は、回答者のなかで多数を占めていません。

二つめは、この調査を自社の答えとして使うことです。342人が答えた結果であって、*1 自社に応募してくる人が同じ答えをするとは限りません。職種も、規模も、募集の出し方も違います。

三つめは、選考にかける日数の基準をこの調査から取ろうとすることです。選考にどれだけ日数をかけるべきかという基準は、今回参照した調査にはありません。この調査が集めたのは、苦労した点を1つ選んだ結果までです。

外注時に確認しておきたい点

エンジニア中途採用と並行して外部に頼むときは、2つの日程を分けて考えてください。採用の日程は、候補者の都合と社内の決裁に左右されます。外部の要員(自社の社員ではなく、作業を委託して働いてもらう人。個人のフリーランスのほか、開発を請け負う会社に所属している人も含みます)に頼む日程は、作業と期間が決まっていれば、そこからさかのぼって引けます。

採用が決まるまでのあいだ、手が足りない工程だけを外部に頼むという組み方もできます。その場合も、作業と期間を先に書いておくことが前提です。「受注管理システムの改修を6か月間」という形であれば、採用の日程とは別に動かせます。

正社員を採用するのか、外部の要員に頼むのかを決めるときは、いつまでに人が要るのかを先に書き出してください。その日付が決まっていないと、どちらの日程が間に合うのかを比べられません。

案件の技術条件をどこまで必須と書くかはエンジニア人材紹介で紹介されない|条件は規模の大きい順に絞るで扱っています。

採用以外で人を確保するやり方は欠員補充はエンジニア中途採用だけ?選択肢は9つにまとめました。

外部に頼む範囲そのものの決め方は外部人材活用と内製化の進め方|自社で高めたい機能は3つで整理しています。

入ってもらう人のスキルの確かめ方は外部エンジニアのスキル確認、4つの軸で評価するにあります。

まとめ:日程を引く前に知っておく3つのこと

エンジニア中途採用の採用スケジュールを引くときに、知っておきたいことは3つです。第一に、厚生労働省の調査で最も多かった答えは「苦労したことは特にない」で、342人のうち110人、32.2%でした。*1 第二に、2番目から4番目まではほぼ横並びで、「応募書類の作成」36人、「面接対策」35人、「求人情報の収集」33人と続きます。*1 全員に当てはまる1か所があるわけではありません。第三に、採用する側の日程が直接かかわる「面接等のスケジュール調整」と「内定後の条件交渉」をいちばんの苦労として選んだ人は、合わせて51人でした。*1 この3点を踏まえたうえで、面接の枠と内定後に決める項目を先に用意しておくと、自社の側の日程は動かしやすくなります。ただしこれは調査が述べていることではなく、設問に並んだ項目からこの記事で組み立てたものです。なお、選考にどれだけ日数をかけるべきかという基準は、今回参照した調査にはありません。

LASSICに相談するメリット

採用の日程と並行して、手が足りない工程を外部に頼むこともできます。受注管理システムの改修を6か月間、テスト計画とレビューまで含めて3か月間——このくらい具体的に書けていれば、求める経験の条件も決まります。採用が決まるまでの期間だけ頼むのか、工程ごと任せるのかで、声をかける相手が変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

この調査はどんな調査ですか

厚生労働省が令和6年3月に公表した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」の調査報告書です。*1 IT・デジタル関連の部署で働く個人2,000人にインターネットで聞いたもので、調査期間は2023年9月15日から9月19日までです。*1 確認日は2026年9月19日です。

転職で最も多い苦労は何ですか

「苦労したことは特にない」です。直近5年以内に転職した342人のうち110人、32.2%がこう答えています。*1 確認日は2026年9月19日です。

面接の日程調整で苦労した人はどれくらいですか

「面接等のスケジュール調整」を選んだのは32人、9.4%でした。*1 「内定後の条件交渉」は19人、5.6%です。*1 確認日は2026年9月19日です。

選考にかける日数の目安はありますか

今回参照した調査にはありません。この調査が集めたのは、直近の転職で苦労した点を1つ選んだ結果までです。確認日は2026年9月19日です。

この結果を自社にそのまま当てはめてよいですか

当てはめないほうがよいでしょう。342人が答えた結果であって、*1 職種も規模も募集の出し方も違えば、答えも変わります。確認日は2026年9月19日です。

人が要る日付が決まったら相談

「4月までに1人、それまでは改修だけ外に頼みたい」という形で日付が決まっていれば、そのままご相談いただけます。まだ採用と外部依頼のどちらにするか決めきれていない段階でも構いません。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf)。出典:厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(令和6年3月)。別添5「個人アンケート_単純集計」Q21「直近の転職時に苦労したこと」(単一回答、N=342)の件数と割合、および調査の実施概要の一次情報として(2026年9月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省「雇用・労働」の政策ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/index.html)。報告書の公表元である厚生労働省の雇用政策の分野ページとして(2026年9月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/index.html)。公表元の確認として(2026年9月確認)




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