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2026.09.19 採用支援コラム

リモート採用のオンボーディング|厚労省が挙げる6か所




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 勤務先に制度がある人は34.1%:国土交通省の調査で、勤務先にテレワーク制度等が導入されていると答えた雇用型就業者(会社などに雇われて働いている人)の割合です。*2
  • 受け入れに関わる記述は6か所:厚生労働省のテレワークガイドラインの、対象者の決め方と人材育成のところにあります。*1 この6か所はこの記事で拾いました。
  • 拾った6か所のうち義務は1か所:社内教育や研修制度の定めを置く場合の、就業規則への規定だけです。*1 常時10人以上の労働者を使用する場合が対象です。*3

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

リモートで働く前提でエンジニアを採用したあと、受け入れをどう回すか。オンボーディング(入った人を受け入れて、仕事を始められる状態にするまでの一連の段取り)をリモートで行うとき、何を決めておけばよいのかを整理します。

手がかりになる公的な文書が2つあります。1つは厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」*1 です。もう1つは国土交通省の「令和7年度テレワーク人口実態調査」*2 で、勤務先にテレワークの制度があるかどうかを聞いています。

本記事は、開発の現場を回しているマネージャに向けたものです。前半はこの2つの読み解き、後半は決めることの整理です。

白い吹き抜けの建物の内側を見上げた写真。手すりの向こうに人が小さく写っているが顔は判別できない

勤務先に制度等がある人は34.1%、うち64.8%が経験あり

まず、勤務先にテレワークの制度があるかどうかの数字を見ます。国土交通省の調査は、雇用型就業者36,391人に勤務先のテレワーク制度等の有無を聞いています。*2 雇用型就業者とは、会社や官公庁などに雇われて働いている人のことです。*2 この調査でいうテレワーカーは、「現在の主な仕事でこれまで、テレワークをしたことがあると回答した人」です。*2 制度等が導入されていると答えたのは34.1%で、そのうちテレワークを実施したことがある人は64.8%でした。*2 これは制度等の有無を聞いた数字で、リモート前提で働けるかを聞いたものではありません。資料は「テレワーク制度等」と書くだけで、何を含むかは示していません。

資料は別の集計も示しています。「雇用型就業者全体のうち、勤務先にテレワーク制度等が導入されている雇用型テレワーカーの割合」が22.1%(8,038人)です。*2 制度等のない雇用型テレワーカーは3.1%(1,140人)です。*2 資料はこの2つと、雇用型テレワーカー全体の25.2%(9,178人)も示しています。*2 分母はいずれも雇用型就業者36,391人です。34.1%と64.8%を掛けると22.1%になり、資料の値と合います。この掛け算はこの記事で行ったものです。

採る側から見ると、テレワークをしたことがある雇用型就業者は全体の25.2%です。*2 そのうち8,038人は勤務先に制度等がある人、1,140人は制度等がない人です。*2 制度等のない勤務先から来る人にリモートの経験を期待しにくいと、この人数の差からは読めます。ただし資料は、制度等のない側の中での経験率を示していません。この読み取りはこの記事のものです。

ガイドラインが受け入れについて書いている6か所

では、受け入れる側は何をすればよいのか。厚生労働省のガイドラインから、入った人の受け入れに当てはまる書き方をしている箇所を、対象者の決め方(3(3))と人材育成(4(3)・4(4))から拾うと6か所です。*1 他の節は労働時間や安全衛生など別の論点でした。*1 この選び方と数え方はこの記事のものです。

ガイドラインが受け入れについて書いている箇所と、その言い方(出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」3(3)・4(3)・4(4)。項番と節の名前は資料の表記のまま。「書かれていること」は資料の文を縮めたもの。「言い方」は資料の文末の言い方を短くしたもので、資料は「有効である」「有用である」と書いている。6か所と数えたのはこの記事で、資料は数を書いていない)
箇所 書かれていること 言い方
3(3) テレワークの対象者等 新入社員、中途採用の社員及び異動直後の社員には、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮 望ましい
4(3) テレワーク状況下における人材育成 社内教育等についてもオンラインで実施 有効
4(3) 同 導入した初期あるいは機材を新規導入したときなどに必要な研修等 有用
4(3) 同 社内教育や研修制度に関する定めをする場合は就業規則に規定 しなければならない
4(4) テレワークを効果的に実施するための人材育成 各労働者が自律的に業務を遂行できるよう人材の育成に取り組む 望ましい
4(4) 同 管理職のマネジメント能力向上に取り組む 望ましい

入った人を名指ししているのは、表の3(3)の行だけです。資料はこう書いています。「特に、新入社員、中途採用の社員及び異動直後の社員は、業務について上司や同僚等に聞きたいことが多く、不安が大きい場合がある。このため、業務を円滑に進める観点から、テレワークの実施に当たっては、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましい」。*1 何をすれば特段の配慮になるのかは書かれていません。残る5か所はテレワーク全般の人材育成についての記述で、受け入れにも当てはまるとこの記事では読みました。

6か所のうち5か所は「望ましい」「有効」「有用」という言い方で終わっています。ガイドラインはこの5か所を義務としては書いていません。残る1か所だけ「しなければならない」です。

「しなければならない」は定めを置いた場合の就業規則だけ

違うのは、表の4(3)にある就業規則の行です。「テレワークを行う労働者について、社内教育や研修制度に関する定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定しなければならない」。*1 根拠として労働基準法第89条第7号が挙がっています。*1

条文を見ると、第89条は「常時十人以上の労働者を使用する使用者」に就業規則の作成と届出を義務づけており、第7号は「職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項」です。*3 ガイドラインが社内教育や研修制度と呼んでいるものが条文の職業訓練に当たると、この記事では読みました。ガイドラインは第89条第7号を根拠として挙げるところまでです。*1 「常時十人以上」の数え方も、条文には書かれていません。

順番に注意が要ります。義務が生じるのは、社内教育や研修制度の定めを置いた場合です。*3 定めを置かなければ、就業規則に規定する義務も生じません。また常時10人以上の労働者を使用していない場合は、就業規則の作成自体が義務ではありません。*3

リモート採用のオンボーディングで決める3つ

ここからは、リモート採用のオンボーディングで決めておくことを3つ挙げます。ガイドラインがこの決め方を示しているわけではなく、6か所の書かれ方からこの記事で組み立てたものです。

リモート採用のオンボーディングで決める3つを箱で示した図。1つ目は聞ける相手と時間を先に決めること。2つ目は道具の研修を受け入れの中に入れること。3つ目はその研修を制度として置くかどうかを決めること。この3つはガイドラインが示したものではなく、6か所の書かれ方からこの記事で組み立てたもの。

1つめは、聞ける相手と時間を先に決めることです。ガイドラインが挙げているのは、聞きたいことが多く不安が大きい場合があることと、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることでした。*1 誰にいつ聞けるのかが決まっていなければ、配慮は形になりません。

2つめは、道具の研修をするかどうかを決めることです。ガイドラインは、新たな機器やオンライン会議ツール等を使用する場合に一定のスキルの習得が必要となる場合があるとし、導入した初期などには必要な研修等を行うことも有用だとしています。*1 ただし資料が研修を挙げているのは会社が導入した初期の話で、入った人の入社直後についてではありません。入社直後にも同じことが要るかどうかは、資料からは分かりません。

3つめは、その研修を制度として置くかどうかを決めることです。制度として置けば、就業規則への規定が要ります。*1 これは常時10人以上の労働者を使用する場合の話です。*3 都度の説明にとどめるか、制度として置くかで、就業規則に書き足すかどうかが変わります。これもこの記事での見方です。

つまずきやすい難所

一つめのつまずきは、この6か所を守るべき規則として読むことです。5か所は義務としては書かれていません。ガイドラインには、テレワークを行う場合も労働基準関係法令が適用されると書いた箇所もあります。*1 そこは守るべき規則の話です。

二つめは、制度の有無だけを確かめて終わることです。調査はどの範囲で使えるかまでは聞いていません。*2 自社の制度が入ったばかりの人にも適用されるのかは、別に確かめます。

三つめは、6か所という数をガイドラインが示していると読むことです。数えたのはこの記事です。

外注時に確認しておきたい点

ここまでは自社で採る人の話でした。外部の要員(自社の社員ではなく、作業を委託して働いてもらう人)に入ってもらうときは、自社の就業規則をそのまま当てはめる話ではなくなります。条文は「常時十人以上の労働者を使用する使用者は…就業規則を作成し」と書くところまでです。*3 自ら使用する労働者について作るものだと、この記事では読んでいます。それでも、聞ける相手と時間を決めることと、道具の研修を受け入れに入れることは同じように使えると、この記事では考えています。

正社員として採るか外部に委託するかで変わるのは、自社の就業規則が及ぶ範囲です。委託先に所属している人の研修をどちらが行うかは、委託の取り決めで決まります。

中途で入った人が早く辞める理由はなぜ中途エンジニアは早期に離職するのかで扱っています。オンラインでの社内教育もそちらにあります。

入ってもらう人のスキルの確かめ方は外部エンジニアのスキル確認、4つの軸で評価するにまとめました。

委託先の会社に何を求めるかはSESパートナー選定の注意点|経産省の基準が挙げる26項目で扱っています。

まとめ:配慮を形にするのは相手と時間を決めること

読み取れることは3つです。第一に、勤務先にテレワーク制度等が導入されていると答えた雇用型就業者は34.1%で、そのうち実施したことがある人は64.8%でした。*2 第二に、厚生労働省のガイドラインは、対象者の決め方と人材育成のところで受け入れに関わることを書いています。*1 この記事で拾うと6か所、うち入った人を名指しするのは1か所です。*1 新入社員、中途採用の社員及び異動直後の社員にはコミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましい、とされています。*1 第三に、6か所のうち「しなければならない」は、社内教育や研修制度の定めを置く場合の就業規則への規定だけです。*1 これは常時10人以上の労働者を使用する場合の話です。*3 なお、何をすれば特段の配慮になるのかはガイドラインに書かれていません。

LASSICに相談するメリット

受け入れの段取りが決まっていれば、求人票や依頼書に書く条件もそこから決まります。誰にいつ聞けるのかが決まっていれば、一人で進められる範囲と、相談しながら進める範囲を分けて書けます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

ガイドラインは中途採用の社員について何と書いていますか

新入社員、中途採用の社員及び異動直後の社員は、聞きたいことが多く不安が大きい場合があるとし、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましいとしています。*1 確認日は2026年9月19日です。

ガイドラインに書かれていることは義務ですか

この記事が数えた6か所のうち5か所は「望ましい」「有効」「有用」という言い方で、義務としては書かれていません。*1 残る1か所は、社内教育や研修制度の定めを置く場合に就業規則へ規定しなければならない、というものです。*1 確認日は2026年9月19日です。

就業規則への規定はどの会社にも要りますか

労働基準法第89条は、常時十人以上の労働者を使用する使用者に就業規則の作成と届出を義務づけています。*3 それに満たない場合は、作成自体が義務ではありません。*3 社内教育や研修制度の定めを置かない場合は、規定する義務も生じません。*3 確認日は2026年9月19日です。

勤務先にテレワーク制度がある人はどのくらいですか

国土交通省の令和7年度調査で34.1%です。*2 そのうちテレワークをしたことがある人は64.8%でした。*2 分母は雇用型就業者36,391人です。*2 確認日は2026年9月19日です。

何をすれば特段の配慮になりますか

今回参照した資料に記載はありません。ガイドラインはコミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましい、と書くところまでです。確認日は2026年9月19日です。

受け入れの段取りが決まったら相談

聞ける相手と時間が決まっていれば、その前提でご相談いただけます。まだ決めていない段階でも承ります。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf)。出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」。3(3) テレワークの対象者等(新入社員、中途採用の社員及び異動直後の社員への特段の配慮)、4(3) テレワーク状況下における人材育成(オンラインでの社内教育、導入初期や機材の新規導入時の研修、就業規則への規定)、4(4) テレワークを効果的に実施するための人材育成(自律的な業務遂行、管理職のマネジメント能力向上)、5(1) 労働基準関係法令の適用の一次情報として。引用は本文の表記に従い、改行のみ省いた(2026年9月確認)
  2. *2 参考:国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査 -調査結果-」(PDF)(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001989216.pdf)。出典:国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査」(令和8年3月)。WEB調査、2025年10月24日から11月4日、有効サンプル40,000人(雇用型36,391人・自営型3,609人)。2-3 勤務先のテレワーク制度等の導入割合(34.1%・64.8%)、2-4 テレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合(22.1%=8,038人、3.1%=1,140人、25.2%=9,178人、74.8%=27,213人)の一次情報として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:労働基準法(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)。第89条(作成及び届出の義務)の本文と第7号(職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項)の一次情報として(2026年9月確認)




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