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外部人材活用と兼務|副業のみのフリーランス48.0万人
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 調査は本業と副業を分けて数えている:フリーランス257.4万人のうち、本業がフリーランスは209.4万人、「副業のみ」は48.0万人です。*1
- 副業のみは18.6%:257.4万人に対する48.0万人の割合です。「本業及び副業」6.4万人も副業がフリーランスだと読むなら54.4万人・21.1%ですが、この読み方は区分の名前からの推測です。割り算はこの記事で行いました。
- 割合は若いほど高く、人数は30代後半から40代:13の年齢階級すべてで「副業のみ」の割合を出すと、25〜49歳では20%以上です。ただし人数が多いのは35〜49歳です。この計算はこの記事のものです。
- 産業別は本業の側だけ:産業大分類、つまり建設業や情報通信業といった大くくりの区分で並べた表は本業がフリーランスの数だけで、情報通信業は15.3万人、5.2%でした。*1 本人の本業の産業なので、発注側から見た人数ではありません。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。
業務委託で外部人材に来てもらうとき、その仕事が相手の本業なのか、別に本業があって副業として受けているのかは、声をかける前には分かりません。この記事では後者、つまり別に本業を持ちながら副業として仕事を受けている状態を兼務と呼びます。社内で複数の職務を兼ねる意味で使うことが多い語ですが、この記事ではこの意味です。相手が兼務なら動ける時間帯は本業の側に左右されるので、契約の条件を決める前に知っておきたい。
この分かれ方を数えた公的統計があります。総務省の令和4年就業構造基本調査です。*1 この調査はフリーランスを、本業がフリーランスの人と「副業のみ」の人に分けて集計しています。*1
この記事では、その内訳と産業別の数字を見ます。外部人材活用を考える側から見て、兼務の人がどれくらいいるのかを知るための数字です。人数は調査の数字で、調査に載っていない割合はこの記事の割り算です。
目次
調査がいうフリーランスは契約の形ではない
先に言葉を押さえます。この調査はフリーランスを「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者」としています。*2 有業者、つまり仕事をしている人の中からこの条件で切り出したものです。*2
自営業主は、調査では個人経営の商店主や開業医など自分で事業を営んでいる者とされています。*2 雇人とは雇っている人のことです。つまり店舗を構えず、人を雇わず、自分で事業を営んでいるか一人だけの会社の社長である人です。
この条件に業務委託契約かどうかは入っていません。*2 自社が業務委託で迎える相手が、この調査のフリーランスに当たるとは限りません。
副業のほうも定義があります。調査は副業を「主な仕事以外に就いている仕事」とし、副業を2つ以上持っている場合はそのうち主なものを把握している、と集計の仕方を書いています。*2
257.4万人は本業209.4万人と副業のみ48.0万人に分かれる
2022年の数字です。フリーランスは総数257.4万人、内訳は本業がフリーランスの人209.4万人、「副業のみ」48.0万人でした。*1
| 区分 | 人数(万人) | 有業者に占める割合 |
|---|---|---|
| フリーランス総数 | 257.4 | 3.8% |
| 本業がフリーランス | 209.4 | 3.1% |
| うち本業のみ | 202.9 | 3.0% |
| うち本業及び副業 | 6.4 | 0.1% |
| 副業のみ | 48.0 | 0.7% |
209.4万人と48.0万人の合計は257.4万人で、総数と一致します。本業の内訳は本業のみ202.9万人と本業及び副業6.4万人で、*1 足すと209.3万人と本業の計より0.1万人少ない。人数が小数点以下1桁までの表なので四捨五入によるずれです。
総数に対する「副業のみ」の割合を出すと、48.0÷257.4で18.6%になります。分母はフリーランス総数です。この割り算はこの記事で行いました。
区分の名前を確かめておきます。調査の表は「本業のみ」「本業及び副業」「副業のみ」の3つに分けていて、48.0万人が入るのは「副業のみ」です。*1 「本業がフリーランス」209.4万人は、このうち「本業のみ」と「本業及び副業」を合わせたものです。*1
この3つが何を指すかの定義は、用語の解説にはありません。表の表題が「フリーランスの本業・副業の別」なので、フリーランスに当たるのが本業だけか、本業と副業の両方か、副業だけかで分けたもの、と読みました。以下で「本業及び副業」を副業の側に数えるのは、この推測に立っています。
調査が区分として載せているのはここまでです。ここから先は、副業がフリーランスの人を数えるとどうなるかの話です。上の推測に立てば「本業及び副業」の6.4万人も副業がフリーランスなので、48.0万人に足して54.4万人、総数に対しては21.1%になります。6.4万人だけならフリーランス総数の2.5%です。この足し算と割り算はこの記事で行いました。
「本業及び副業」の人も、別に本業を持ちながら副業も持つという意味では兼務です。ただし本業もフリーランスなので、動ける時間が勤め先の都合で決まるとは限りません。
副業のみの割合は若い階級ほど高い
年齢階級の行もあります。本業がフリーランスの人は45〜49歳の24.5万人が最も多く、40代後半から50代に厚みがあります。*1 なお総数から副業のみを引いた値は、四捨五入のため本業の列と0.1万人食い違う行があります。
外部人材に声をかける側が知りたいのは、むしろ副業の側の割合です。13ある年齢階級のすべてについて、副業のみの人数をその階級のフリーランス総数で割りました。25〜29歳なら3.6万人を11.2万人で割って32.1%です。この割り算はこの記事で行いました。
| 年齢階級 | フリーランス総数(万人) | うち副業のみ(万人) | 副業のみの割合 |
|---|---|---|---|
| 15〜19歳 | 0.3 | 0.1 | 33.3% |
| 20〜24歳 | 4.6 | 1.5 | 32.6% |
| 25〜29歳 | 11.2 | 3.6 | 32.1% |
| 30〜34歳 | 16.5 | 4.6 | 27.9% |
| 35〜39歳 | 23.5 | 6.3 | 26.8% |
| 40〜44歳 | 25.5 | 6.1 | 23.9% |
| 45〜49歳 | 30.5 | 6.1 | 20.0% |
| 50〜54歳 | 29.3 | 5.0 | 17.1% |
| 55〜59歳 | 26.5 | 4.0 | 15.1% |
| 60〜64歳 | 23.8 | 3.8 | 16.0% |
| 65〜69歳 | 24.4 | 3.6 | 14.8% |
| 70〜74歳 | 22.5 | 2.2 | 9.8% |
| 75歳以上 | 19.0 | 1.3 | 6.8% |
| 総数 | 257.4 | 48.0 | 18.6% |
若い階級ほど割合が高い形ですが、一本調子ではありません。若いほうから順に見ていくと、1つ上の階級で比率が上がるのは55〜59歳の15.1%から60〜64歳の16.0%への1か所だけで、ほかはすべて下がります。
ただし人数と割合は分けて見る必要があります。割合が高いのは若い階級ですが、人数では35〜39歳の6.3万人、40〜44歳と45〜49歳の6.1万人が並び、25〜29歳の3.6万人より多い。*1 兼務の割合が高いのは若い人でも、兼務の人そのものが多いのは30代後半から40代です。これはこの記事の読み方です。
ここから先の話につながるのは、この割合のほうです。声をかける相手のおよそ5人に1人は、その仕事を副業として受けている計算になります。稼働できる時間を聞くことを、例外の確認ではなく毎回の手順に入れる。この表から言えるのはそこまでです。これはこの記事の読み方です。
産業別の表は本業の側しか載っていない
産業ごとの数字もあります。ただしこちらは本業がフリーランスの人だけを、産業大分類、つまり建設業や情報通信業といった大くくりの区分で並べた表です。*1 この表で分かるのは、フリーランスという働き方がどの産業に偏っているかまでです。
「副業のみ」の人の産業別は結果の概要にありません。*1 主な結果をまとめた資料なので、そこに無いというだけでは調査に無いとは言えません。
産業計は209.4万人で、有業者に占める割合は3.1%です。*1 人数でいちばん多いのは「建設業」の49.7万人、次が「学術研究,専門・技術サービス業」の36.7万人、情報通信業は15.3万人でした。*1 以下の割合はその産業の有業者を分母にした値です。*1
割合で見ると情報通信業は5.2%で、産業計3.1%より高い値です。*1 ただしいちばん高いのは「学術研究,専門・技術サービス業」の13.5%、次が「建設業」と「不動産業,物品賃貸業」の10.7%で、*1 情報通信業はその下です。
低いほうも見ておきます。「製造業」は1.5%、「医療,福祉」は0.4%で、いちばん低いのは郵便局や協同組合が入る「複合サービス事業」で、人数も割合も0.0です。*1 小数点以下1桁までの表なので、該当者がいないとは限りません。これはこの記事の読み方です。
この産業は、フリーランス本人の本業の産業で、*1 発注する側の産業ではありません。情報通信業の15.3万人は、その産業で本業のフリーランスをしている人の数です。
外部人材に声をかける前に確かめておきたい点
自社の外部人材活用で確かめる点を4つ挙げます。
1つめは、相手にとって本業かどうかを直接聞くことです。目の前の相手が兼務かどうかは統計からは分かりません。外部人材活用の条件を詰める前に、ここを先に聞くことになります。
2つめは、兼務の場合に主な仕事が何かを聞くことです。調査は副業を主な仕事以外の仕事と定めています。*2 主な仕事の側にどれだけ時間が取られるかは相手ごとに違うので、動ける曜日や時間帯はそちらを聞かないと分かりません。これはこの記事の読み方です。
3つめは、産業の数字が使えるのは相手の見当をつけるところまでだという点です。情報通信業の15.3万人に「副業のみ」は含まれていません。*1 声をかけられる人数として読むと外れます。
4つめは、統計のフリーランスと自社の契約相手を同じものとして扱わないことです。調査の条件に契約の形は入っていません。*2
ここまでは業務委託の話でした。雇用で迎えるなら、本業の会社と自社の労働時間を足して考える話など別の論点が出ます。記事「副業人材の受け入れ、後から契約する側の違い」で扱っています。
まとめ:フリーランス257.4万人のうち副業のみは48.0万人
外部人材が本業でやっているのか副業なのかを、公的統計で見るとどうなるか。読み取れることは4つです。第一に、令和4年就業構造基本調査はフリーランス257.4万人を、本業がフリーランスの209.4万人と「副業のみ」48.0万人に分けています。*1 第二に、「副業のみ」は総数の18.6%です。「本業及び副業」6.4万人も加えれば54.4万人、21.1%ですが、3つの区分の定義は用語の解説になく、加えてよいかは区分の名前からの推測です。第三に、13の年齢階級すべてで「副業のみ」の割合を計算すると、25〜29歳32.1%に対して75歳以上は6.8%と若い階級ほど高く、上がるのは55〜59歳から60〜64歳への1か所だけです。人数が多いのは30代後半から40代でした。この計算もこの記事のものです。第四に、産業大分類別の表は本業がフリーランスの人だけで、情報通信業は15.3万人、5.2%でした。*1 産業計3.1%より高いものの「学術研究,専門・技術サービス業」の13.5%より低く、*1 本人の本業の産業なので声をかけられる人数には使えません。以上から、相手のおよそ5人に1人は兼務だという前提に立ち、本業かどうかと、副業なら主な仕事は何かを、声をかけるたびに聞くことになります。これはこの記事の読み方です。
よくある質問
調査のフリーランスは業務委託のことですか
違います。調査の条件は、実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者です。*2 契約の形は条件に入っていないので、自社が業務委託で迎える相手がこれに当たるとは限りません。
副業のフリーランスは何人ですか
調査が区分として載せている「副業のみ」は48.0万人です。*1 フリーランス総数257.4万人に対しては18.6%にあたります。「本業及び副業」6.4万人も副業がフリーランスだと読むなら54.4万人、21.1%になりますが、この3つの区分の定義は用語の解説にありません。割り算はこの記事で行いました。
情報通信業の副業フリーランスは何人ですか
結果の概要からは分かりません。産業大分類別の表は本業がフリーランスの人だけだからです。*1 結果の概要は主な結果をまとめた資料なので、必要なら調査の統計表に当たることになります。
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出典
- *1 参考:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」(PDF)(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kgaiyou.pdf)。出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」結果の概要。6 フリーランスの数(表6-1 年齢階級、フリーランスの本業・副業の別別フリーランスの数及び有業者に占める割合の総数の行、表6-2 産業大分類別本業がフリーランスの数及び有業者に占める割合)、同表6-1の年齢階級13行すべての一次情報として(2026年9月確認)
- *2 参考:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 用語の解説」(PDF)(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/yougo.pdf)。出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」用語の解説。フリーランスを実店舗がなく雇人もいない自営業主又は一人社長であってその仕事で収入を得る者としたこと、自営業主を自分で事業を営んでいる者としたこと、副業を主な仕事以外に就いている仕事とし2つ以上ある場合は主なものを把握していることの一次情報として(2026年9月確認)