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2026.09.19 採用支援コラム

外部人材活用で相手の兼務を確かめる方法|返事が遅いときの対処

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

オフィスの窓際に置かれた灰色の布張りの椅子に、斜めに日が差している写真。人も文字も写っていない

この記事の結論

  • 総務省の調査では、フリーランス257.4万人のうち48.0万人が、その仕事を副業としてだけ行っています。
  • フリーランスの仕事を副業としてだけ行う人の割合は若い年齢ほど高く、人数では30代後半から40代が多くなります。
  • 依頼する相手にとって自社の仕事が本業か副業かは統計では分からないため、依頼のたびに本人に確かめます。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

業務委託で来てもらった人に連絡しても、返事がなかなか来ない。任せたい作業の量に対して、作業に使える時間が思っていたより少なかった——。外部人材活用では、こうした見込み違いが起こりがちです。総務省の2022年の調査から計算すると、フリーランスのおよそ5人に1人は、その仕事を副業として受けています。*1 ここでいう兼務とは、別に本業を持ちながら、自社の仕事を副業として受けている状態を指します。

相手が兼務かどうかを先に知っておけば、作業できる時間や連絡の取り方を、契約の前に話し合えます。ただし統計で分かるのは全体の傾向までで、目の前の相手がどちらなのかは本人に聞くしかありません。本記事では、外部人材を業務委託で迎える実務担当者に向けて、調査のいうフリーランスの意味、本業と副業の内訳、年齢と産業で見た違い、そして声をかける前に確認したい点を整理します。

外部人材活用でいう兼務とは

兼務は、社内で複数の職務を兼ねる意味で使われることの多い語です。本記事では、外部人材の側から見た兼務を扱います。会社に勤めながら、別に開発の仕事を受けている人がその典型です。フリーランスを本業としながら、さらに別の仕事を持っている人もいます。どちらも、自社の仕事のほかに時間を使う仕事を抱えている点は同じです。

兼務の人と契約するときに気にしたいのは、作業できる時間が本業の予定に左右されることです。本業の会議や締め切りと重なる時間には、自社の作業は進みません。打ち合わせの時間帯や、1週間に頼む作業の分量は、この事情を踏まえて決めることになります。

調査がいうフリーランスとは

兼務の人がどれくらいいるかを数えた公的統計に、総務省の令和4年就業構造基本調査があります。この調査はフリーランスを「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者」と定めています。*2 自営業主は自分で事業を営んでいる人、雇人は自分が雇っている従業員のことです。店舗を構えず、従業員を雇わずに、個人で事業をするか一人だけで会社を経営している人と言い換えられます。

この条件に、業務委託契約かどうかは入っていません。*2 自社が業務委託で迎える相手と、調査のフリーランスは同じものではありません。副業にも定義があり、調査は副業を「主な仕事以外に就いている仕事」とし、副業を2つ以上持つ人は主な副業1つだけを数えています。*2

本業と副業のみの内訳

2022年の調査では、フリーランスは257.4万人で、有業者(仕事をしている人)の3.8%でした。*1 調査はこれを「本業のみ」「本業及び副業」「副業のみ」の3つに分けています。本業がフリーランスの人は、本業のみの202.9万人と本業及び副業の6.4万人を合わせた209.4万人です。残る「副業のみ」は48.0万人で、兼務の人の多くはここに入ります。

就業構造基本調査のフリーランス257.4万人の内訳を示した図。本業がフリーランスは209.4万人で、その内訳は本業のみ202.9万人と本業及び副業6.4万人。「副業のみ」は48.0万人。合計は257.4万人で一致する。実数は調査の数字で、割合の割り算はこの記事。

フリーランスの本業・副業の別(総務省 令和4年就業構造基本調査 結果の概要 表6-1の総数の行。割合の分母は有業者)
区分 人数(万人) 有業者に占める割合
フリーランス総数 257.4 3.8%
本業がフリーランス 209.4 3.1%
うち本業のみ 202.9 3.0%
うち本業及び副業 6.4 0.1%
副業のみ 48.0 0.7%

副業のみの48.0万人をフリーランス総数の257.4万人で割ると18.6%です。フリーランスのおよそ5人に1人は、その仕事を副業として受けている計算になります。

「本業及び副業」の6.4万人は、区分の名前からすると、フリーランスを本業としながら副業も持つ人です。別に仕事を持つという点では兼務ですが、本業も自営なので、勤め先の勤務時間に合わせて働く人とは事情が違います。本記事では「副業のみ」の48.0万人を、兼務の人として扱います。

年齢で見た副業のみの割合

外部人材に声をかける側にとって参考になるのは、年齢ごとの割合です。調査は年齢を13の区分に分けています。区分ごとに、副業のみの人数をその区分のフリーランス総数で割ると、次の表のようになります。たとえば25〜29歳では、3.6万人を11.2万人で割って32.1%です。

年齢階級別のフリーランス総数と「副業のみ」(総務省 令和4年就業構造基本調査 結果の概要 表6-1。人数は調査の数字、割合は副業のみを総数で割って算出)
年齢階級 フリーランス総数(万人) うち副業のみ(万人) 副業のみの割合
15〜19歳 0.3 0.1 33.3%
20〜24歳 4.6 1.5 32.6%
25〜29歳 11.2 3.6 32.1%
30〜34歳 16.5 4.6 27.9%
35〜39歳 23.5 6.3 26.8%
40〜44歳 25.5 6.1 23.9%
45〜49歳 30.5 6.1 20.0%
50〜54歳 29.3 5.0 17.1%
55〜59歳 26.5 4.0 15.1%
60〜64歳 23.8 3.8 16.0%
65〜69歳 24.4 3.6 14.8%
70〜74歳 22.5 2.2 9.8%
75歳以上 19.0 1.3 6.8%
総数 257.4 48.0 18.6%

割合は若い人ほど高く、20〜24歳は32.6%、25〜29歳は32.1%です。一方で75歳以上は6.8%にとどまります。年齢が上がるほど割合は下がり、例外は55〜59歳の15.1%から60〜64歳の16.0%に上がる1か所だけです。

ただし、割合と人数は分けて見ます。副業のみの人数がいちばん多いのは35〜39歳の6.3万人で、40〜44歳と45〜49歳の6.1万人が続きます。*1 いずれも25〜29歳の3.6万人より多くなっています。割合が高いのは若い人でも、兼務の人そのものが多いのは30代後半から40代です。声をかける相手の年齢で、兼務かどうかを決めつけないほうがよいでしょう。

産業別の数字で分かること

産業ごとの数字もありますが、調査の主な結果をまとめた「結果の概要」に載っているのは、本業がフリーランスの人だけです。*1 産業大分類(建設業や情報通信業といった大きな区分)ごとに並べた表で、合計は209.4万人、有業者に占める割合は3.1%です。人数がいちばん多いのは建設業の49.7万人、次が「学術研究,専門・技術サービス業」の36.7万人で、情報通信業は15.3万人でした。*1

その産業の有業者に占める割合で見ると、情報通信業は5.2%で、産業計の3.1%より高い値です。ただし最も高いのは「学術研究,専門・技術サービス業」の13.5%で、建設業と「不動産業,物品賃貸業」の10.7%が続きます。低いほうでは、製造業が1.5%、医療,福祉が0.4%でした。*1

ここでいう産業は、フリーランス本人が本業としている仕事の産業で、発注する側の産業ではありません。情報通信業の15.3万人には「副業のみ」の人が含まれていないので、開発の仕事で声をかけられる人数として使うと実際とずれます。この表から分かるのは、フリーランスという働き方がどの産業に多いかまでです。

声をかける前に確認しておきたい点

外部人材活用で条件を詰める前に、次の3つを本人に確かめておくと進めやすくなります。

  • 自社の仕事が、相手にとって本業か副業か
  • 兼務なら、主な仕事は何か(会社勤めか、別の自営か)
  • 作業できる曜日と時間帯、連絡がつく時間

1つめを最初に聞くのは、答えによってその後の話が変わるからです。調査は副業を主な仕事以外の仕事と定めています。*2 兼務の人が作業に使える時間は、主な仕事の予定に左右されます。主な仕事にどれだけ時間を取られるかは人によって違うので、主な仕事が何かを聞いておくと、作業できる曜日や時間帯の見当がつけやすくなります。

なお、業務委託ではなく雇用契約で迎える場合は、本業の会社と自社の労働時間をあわせて考えるなど、別の論点が出てきます。この点は「副業人材の受け入れ、後から契約する側の違い」で扱っています。

まとめ:外部人材活用で確かめておきたい3つの点

外部人材活用で兼務の相手を迎えるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、調査のフリーランスのうち副業のみは48.0万人で、およそ5人に1人は副業として仕事を受けていると見込んでおくこと。第二に、その割合は若い人ほど高い一方、人数が多いのは30代後半から40代だと知っておくこと。第三に、相手が兼務かどうかと、兼務なら主な仕事が何かを、声をかけるたびに本人に聞くことです。この3点を踏まえておけば、「契約してから、思ったほど作業の時間が取れないと分かった」という事態を避けやすくなります。兼務の人との条件の詰め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

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よくある質問

「本業及び副業」の6.4万人も兼務に数えてよいですか

区分の名前からすると、フリーランスを本業としながら副業も持つ人なので、兼務に含める考え方もあります。副業のみの48.0万人と合わせると54.4万人で、フリーランス総数の21.1%です。ただし3つの区分の定義は用語の解説に書かれておらず、名前から判断することになります。*1

情報通信業で、副業のみのフリーランスは何人ですか

結果の概要には載っていません。産業大分類別の表は、本業がフリーランスの人だけを数えたものです。*1 結果の概要は主な結果をまとめた資料なので、細かい数字が必要なときは調査の統計表で確かめます。

兼務の人に業務委託で頼むとき、契約の前に決めておくとよいことはありますか

作業できる曜日と時間帯、連絡がつく時間、本業の都合で予定が変わったときの伝え方を決めておくと進めやすくなります。本業の予定が先に入る前提で、納期にゆとりを持たせておくのも一つの方法です。

兼務の外部人材との条件の詰め方を相談したいとき

本業か副業かで作業できる時間がどう変わるかを含めて、条件の詰め方からご相談いただけます。

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出典

  1. *1 参考:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」(PDF)(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kgaiyou.pdf)。出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」結果の概要。6 フリーランスの数(表6-1 年齢階級、フリーランスの本業・副業の別別フリーランスの数及び有業者に占める割合、表6-2 産業大分類別本業がフリーランスの数及び有業者に占める割合)を参照。年齢階級別の副業のみの割合、総数に対する副業のみの割合は、表6-1の人数から算出(2026年9月確認)
  2. *2 参考:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 用語の解説」(PDF)(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/yougo.pdf)。出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」用語の解説。フリーランス、自営業主、副業の定義を参照(2026年9月確認)




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