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2026.09.24 採用支援コラム

エンジニア人材紹介の求人依頼とは、ソフトウェア開発で求人数7割増




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • ソフトウェア開発の常用求人数は1年で71.8%増:厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」では、有料職業紹介(手数料や報酬を受ける職業紹介)の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)の常用求人数が、令和5年度の75万2,416人から令和6年度(2024年度)の129万2,806人に増えています。対前年度増減率は71.8%です。*1 同じ区分の常用就職件数は3万9,780件で、11.4%増です。*1 常用は、4か月以上の期間を定めた雇用か、期間の定めのない雇用です。*1 求人数は、募集している人の数と読めます。
  • 求人数には重複があり、就職に結びついた割合は読めない:報告書は「求人者及び求職者は複数の職業紹介事業者を利用する場合があるため、新規求職申込件数及び求人数は重複計上がある」としています。*1 そのため、求人のうちどれだけが就職に結びついたかも、71.8%増のうち求人を出す会社の数や募集する人数が増えた分と、重複が増えた分がどれだけかも、今回参照した資料からは読めません。
  • 求人依頼の前に確かめる3点:同じ人が別々の紹介会社から紹介されたときの扱い、依頼先の就職実績、依頼先の手数料表の3つを、依頼の前に確かめます。これはこの記事の読み方です。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

エンジニアの採用で人材紹介会社に求人依頼を出すとき、紹介会社全体にはどれだけのエンジニアの求人が集まり、そのうちどれだけが就職に結びついているのか。国の統計でどこまで確かめられるかを見ていきます。

厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」は、職業紹介事業者が事業所ごとに出す報告書を集計したもので、職業の区分ごとに求人数と就職件数を載せています。*1 公表は令和8年(2026年)3月31日で、数字は令和6年度(2024年度)のものです。*1

今回参照したのは、この報告書の概要と集計表、それに職業安定法と同法の施行規則の条文です。施行規則は、職業安定法の条ごとに細かい事項を定めた省令です。この記事でいう今回参照した資料は、この範囲を指します。

青い壁の前に置かれた、青い布張りの椅子を写した写真。人も文字も写っていない

求人依頼は、報告書では常用と臨時日雇に分けて数えられる

職業安定法第4条第1項は、職業紹介を、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることと定めています。*2 この記事でいう求人依頼は、この求人の申込みのことです。同条は、名目を問わず手数料や報酬を受けないで行う職業紹介を無料の職業紹介、それ以外を有料の職業紹介としています。*2 手数料を受け取る人材紹介会社は、有料の職業紹介を行う事業者に当たります。

報告書の求人数は、常用求人と臨時日雇求人に分かれています。*1 常用とは、4か月以上の期間を定めて雇用されるもの又は期間の定めなく雇用されるものをいう、とされています。*1 4か月より短い期間を定めた求人依頼は、常用求人には入らないことになります。常用の求人数の単位は人、就職件数の単位は件で、臨時日雇は求人も就職も人日という単位の延数で数えられています。*1 人日は、人数に日数を掛けた延べの数え方と読めます。単位が違うので、この記事では求人と就職の両方について常用の数字だけを見ます。常用求人数は、求人の件数ではなく募集している人の数と読めます。

報告書の区分は職業ごとで、エンジニアという名前の区分はありません。近いのは「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)」と「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」の2つの区分です。*1 それぞれにどの職種が入るかの説明は、報告書にはありません。この記事では前者を中心に、後者も並べます。無料職業紹介の数字は、この記事では扱いません。

ソフトウェア開発の常用求人数は71.8%増えた

有料職業紹介の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)の常用求人数は、令和5年度の75万2,416人から、令和6年度の129万2,806人に増えています。*1 対前年度増減率は71.8%です。*1 ソフトウェア開発を除く区分は、55万8,328人から75万4,162人で、増減率は35.1%です。*1 2つの区分を足すと、131万744人から204万6,968人で、56.2%の増加です。

有料職業紹介の情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)の常用求人数と常用就職件数を、令和5年度と令和6年度で比べた横棒グラフ。常用求人数は752,416人から1,292,806人へ71.8%増、常用就職件数は35,709件から39,780件へ11.4%増。出典は厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」。求人数には重複計上がある。

有料職業紹介の情報処理・通信技術者の常用求人数と常用就職件数(厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」。2026年9月24日確認)
区分 項目 令和5年度 令和6年度 対前年度増減率
ソフトウェア開発 常用求人数 752,416人 1,292,806人 71.8%
ソフトウェア開発 常用就職件数 35,709件 39,780件 11.4%
ソフトウェア開発を除く 常用求人数 558,328人 754,162人 35.1%
ソフトウェア開発を除く 常用就職件数 24,102件 26,882件 11.5%

求人数には、複数の紹介会社に出した分の重複がある

報告書は概要の注記で「求人者及び求職者は複数の職業紹介事業者を利用する場合があるため、新規求職申込件数及び求人数は重複計上がある」としています。*1 重複計上は、同じものを重ねて数えることです。同じ求人を3社の紹介会社に出せば、3社の事業所それぞれの報告に数えられるということです。これはこの記事の読み方です。

そのため、常用求人数の71.8%増のうち、求人を出す会社の数や募集する人数が増えた分と、同じ求人を複数の紹介会社に出したことによる重複が増えた分は、今回参照した資料からは分けられません。重複を除いた求人数は、今回参照した資料には載っていません。この区分の数字は2年分しか表にないので、例年と比べてどうかも分かりません。

同じ注記は、求職者の側も複数の職業紹介事業者を利用する場合があるとしています。*1 同じ人が複数の紹介会社に登録していれば、同じ求人を出した別々の紹介会社から、同じ人が紹介されることもあり得ます。これはこの記事の読み方です。

常用就職件数は11.4%増えた

同じソフトウェア開発の区分の常用就職件数は、令和5年度の3万5,709件から令和6年度の3万9,780件で、増減率は11.4%です。*1 ソフトウェア開発を除く区分の常用就職件数は、2万4,102件から2万6,882件で、増減率は11.5%です。*1

就職件数の伸びは、どちらの区分でも求人数の伸びより小さくなっています。ただし、前の節の注記が重複計上があるとしているのは新規求職申込件数と求人数で、就職件数は挙がっていません。そのため、求人数と就職件数は、同じ条件で数えた数とは言えません。就職件数の伸びが小さいことを、就職に結びつかなかった求人が増えた分と読むことはできず、就職件数を求人数で割った数も、募集した人のうち就職した人の割合とは読めません。

エンジニア人材紹介に求人依頼を出す前に確かめる3点

ここからは、エンジニア人材紹介への求人依頼に当てはめた、この記事の読み方です。1つめは、同じ人が別々の紹介会社から紹介されたときの扱いです。依頼先を増やすほど、同じ人の紹介が重なることもあり得ます。手数料を受け取るのは紹介をした紹介会社なので、どちらの紹介として扱うかで、手数料を支払う相手が変わり得ます。依頼先ごとに、同じ人がほかの紹介会社から先に紹介されていたときの扱いを尋ねておくことになります。

2つめは、依頼先の就職実績です。令和6年度に事業報告を提出した有料職業紹介事業所は3万561事業所で、そのうち就職実績のあった事業所は1万3,946事業所です。*1 割合にすると45.6%で、半分を下回ります。この事業所数は、職業の区分も、常用と臨時日雇の別も分けない数字です。職業安定法第32条の16第1項は、事業報告書を事業所ごとに作成して提出するよう定めています。*2 1社が複数の事業所を持っていれば、この数は紹介会社の数とは一致しません。それでも、事業所の半分以上に令和6年度の就職実績がなかったことは、依頼先の実績を確かめる理由になります。

職業安定法施行規則第24条の8第3項は、有料職業紹介事業者に、紹介により就職した者の数など5つの号の事項を、インターネットを利用して提供するよう定めています。*3 同項で取扱職種(扱う職種)ごととされているのは、第4号の手数料に関する事項です。*3 第1号の就職した者の数は、職種ごととはされていません。そのため、ソフトウェア開発の職種での就職実績は、依頼先に尋ねて確かめることになります。同項が挙げる就職者の数や離職者の数の読み方は、記事「エンジニア人材紹介の乗り換え、離職者数はなぜ2通りで数えるのか」で扱っています。

3つめは、依頼先の手数料表です。職業安定法第32条の3第1項は、有料職業紹介事業者が手数料を受け取れる場合を2つに限っています。*2 1つは厚生労働省令で定める種類及び額の手数料、もう1つはあらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づく手数料です。*2 施行規則の別表は前者の種類と額を定め(第20条第1項)、受付手数料や紹介手数料といった種類ごとに額の上限を置いています。*3 後者の手数料表は、施行規則第20条第5項が届出制手数料届出書で届け出るとしています。*3 報告書の上限制手数料は前者、届出制手数料は後者に当たると読めます。

令和6年度のソフトウェア開発の区分の手数料合計598億7,928万6千円のうち、届出制手数料が596億6,495万9千円、上限制手数料が2億1,432万7千円です。*1 金額で見ると99.6%が届出制手数料で、額は紹介会社ごとの手数料表で決まる部分がほとんどです。報告書の手数料徴収状況の表は常用と臨時日雇を分けていないので、常用就職件数で割っても1件あたりの手数料にはなりません。施行規則第24条の5第4項は、有料職業紹介事業者に、手数料表を事業所内の掲示やインターネットの利用などで情報提供するよう定めています。*3 求人依頼の前に、依頼先の手数料表を確かめることになります。手数料の見比べ方は、記事「人材紹介会社の選び方」で扱っています。

まとめ:ソフトウェア開発の求人数は7割増、就職件数は1割増、求人数には重複

今回参照した資料で答えられるのは次の範囲です。令和6年度の有料職業紹介では、情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)の常用求人数は129万2,806人で、前年度から71.8%増えています。*1 ソフトウェア開発を除く区分と足すと204万6,968人です。ソフトウェア開発の区分の常用就職件数は3万9,780件で、11.4%増です。*1 ただし報告書は、求人数には重複計上があるとしています。*1 そのため、求人のうちどれだけが就職に結びついたかの割合は読めず、求人数の伸びのうち、求人を出す会社の数や募集する人数が増えた分と重複が増えた分も分けられません。求人依頼の前に確かめる点として、この記事は、同じ人が別々の紹介会社から紹介されたときの扱い、依頼先の就職実績、依頼先の手数料表の3つを挙げました。

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よくある質問

エンジニアの求人は、紹介会社全体でどれくらい出ていますか

令和6年度の有料職業紹介の常用求人数は、情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)が129万2,806人、ソフトウェア開発を除く情報処理・通信技術者が75万4,162人です。*1 足すと204万6,968人で、募集している人の数と読めます。2つの区分にどの職種が入るかの説明は、報告書にはありません。報告書は、求人数には重複計上があるとしています。*1 重複を除いた数は、今回参照した資料には載っていません。

同じ求人を複数の紹介会社に出すと、統計ではどう数えられますか

報告書は、求人者及び求職者が複数の職業紹介事業者を利用する場合があるため、求人数には重複計上があるとしています。*1 事業所ごとの報告を集計しているので、同じ求人がそれぞれの紹介会社の事業所で数えられるという読み方になります。

エンジニアの紹介手数料は1件いくらですか

今回参照した資料からは、ソフトウェア開発の区分の1件あたりの額は出せません。報告書の手数料徴収状況の表が、常用と臨時日雇を分けていないためです。施行規則第24条の8第3項第4号は、取扱職種ごとの常用就職1件当たりの平均手数料率の実績を、インターネットで提供する事項に含めています。*3 平均手数料率は、法第32条の3第1項の2つの号の手数料の合算額を、就職した人の業務について1年間に支払われる見込みの賃金額で割ったものの、就職1件当たりの平均とされています。*3 依頼先が示すのは額ではなく率です。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf)。出典:厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)。概要(重複計上の注記、常用の定義、事業報告を提出した事業所数)、常用求人数(有料・無料)、常用就職件数(有料・無料)、臨時日雇求人延数と臨時日雇就職延数の単位、手数料徴収状況(令和6年度)の一次情報として参照(2026年9月確認)
  2. *2 参考:職業安定法(昭和22年法律第141号)(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)。第4条第1項から第3項(職業紹介、無料の職業紹介、有料の職業紹介)、第32条の3第1項(手数料)、第32条の16第1項(事業報告書)の一次情報として参照(2026年9月確認)
  3. *3 参考:職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012)。出典:職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)。第20条第1項・第5項と別表(手数料の種類と額、届出制手数料届出書)、第24条の5第4項(手数料表の情報提供)、第24条の8第3項(インターネットによる情報提供、平均手数料率)の一次情報として参照(2026年9月確認)




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