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2026.09.24 採用支援コラム

内製化のためのエンジニア採用、3つの職種と規模で給与の目安を出す




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 統計表のどの職種の数字(行)を使うかは、職種の解説の例と、社員に担ってもらう仕事で選ぶ:厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の職種の解説は、情報処理・通信技術者を、システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者に分けています。*3 残業代込みの月額(きまって支給する現金給与額。令和7年6月分で、賞与は含まない)は、10人以上の企業全体の平均で、システムコンサルタント・設計者542.1千円(約54万円)、ソフトウェア作成者390.8千円(約39万円)、その他の情報処理・通信技術者415.8千円(約42万円)です。*1 社内システムエンジニアは、解説がソフトウェア作成者の例に挙げているので、この記事ではその行を基本にします。運用や保守が主なら、仕事の近いその他の情報処理・通信技術者の行も並べ、システム全体の構成の企画やプロジェクト全体の管理が主の人は、システムコンサルタント・設計者の行で見ます。
  • 企業規模の行は、自社の規模と候補者の勤め先の規模の2つを並べる:1,000人以上と10〜99人の企業で、残業代込みの月額は、システムコンサルタント・設計者が589.2千円と384.3千円、ソフトウェア作成者が418.6千円と360.6千円、所定内給与額(残業代などを除いた額)は、同じ順に548.0千円と357.3千円、370.4千円と344.8千円です。*1 この記事では、候補者のいまの給与を候補者の勤め先の規模の行と、自社が提示する額を自社の規模の行と比べ、平均より上か下か、どれだけ離れているかを確かめます。表の数字は、業種や年齢を問わず、正社員以外も含む平均です。同じ職種・規模の中で1人ひとりの額がどれだけ違うか(散らばり)はこの表からは分からないので、離れていても高すぎ・安すぎとは言えません。残業代などの額は会社の残業の多さで変わるので、残業代込みの月額と所定内給与額の両方で比べます。
  • 年間の給与は、残業代込みの月額の12か月分と賞与で見積もる:残業代込みの月額の12か月分に年間賞与その他特別給与額(調査した年の前年、令和6年1年間の賞与など)を足すと、ソフトウェア作成者は、10人以上の企業全体の平均で5,784.7千円(約578万円)、企業規模別の平均では約518万〜641万円です(1人ひとりの給与の範囲ではありません)。これはこの記事の計算で、いま働いている人の平均から出した給与の目安です。計算に使った規模の会社で働く人の平均の残業代などと賞与が入っているので、自社で払う額にするときは、この2つを自社の見込みに置き換えます。会社が負担する社会保険料などは入っていません。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

システムの開発や運用を外部の会社に頼んできたが、エンジニアを社員として採用し、自社で担う形に変えたい。ただ、1人を雇うと、給与だけで年にどれくらいになるのかが分からない——。内製化のためのエンジニア採用を考えるとき、知りたいことの一つがこの額です。この記事でいう内製化は、外部に頼んできた開発や運用を、自社の社員が担う形へ移していくことで、一部の仕事から段階的に移す場合も含みます。

国の統計では、厚生労働省の賃金構造基本統計調査が、職種ごと、企業規模ごとの賃金を公表しています。*1 ただし統計の数字は、いま働いている人の平均で、採用するときに提示する額とは違います。この記事で出すのは給与の目安で、社会保険料の会社負担などを含めた人件費の全体は計算していません。本記事では、内製化のためのエンジニア採用を進める担当者に向けて、職種と企業規模で給与の目安を出す手順と、目安を使うときの注意を整理します。

今回参照したのは、令和7年賃金構造基本統計調査の職種第1表(職種ごとの賃金の表。政府統計の総合窓口e-Statで2026年3月24日公開)、同調査の結果の概況(以下、概況)、同調査の役職及び職種解説です。

赤い手帳の上に、電卓とペンが置かれている写真。人は写っていない

賃金構造基本統計調査が調べている範囲

令和7年の賃金構造基本統計調査は、令和7(2025)年6月分の賃金などを調べたもので、賞与などの特別給与額は、原則として令和6(2024)年1月から12月までの1年間の分です。*2 職種第1表は、すべての産業を合わせた(産業計)一般労働者の数字で、10人以上の企業全体(企業規模計)のほか、1,000人以上、100〜999人、10〜99人の3つの規模に分けて載せています。*1 10人未満の企業の数字はこの表にないので、10人未満の会社は10〜99人の行を参考にするしかありませんが、10人未満の会社の給与が10〜99人の行と同じ水準だとは言えません。

一般労働者は、短時間労働者に当たらない、通常の労働時間・日数で働く人です。*2 企業規模は、調査した労働者が属する企業の常用労働者の数による区分で、常用労働者は、期間を定めずに雇われている人か、1か月以上の期間を定めて雇われている人です。*2

きまって支給する現金給与額は、労働契約などであらかじめ定められている支給条件と算定方法で、6月分として支給された現金給与額です。*2 所定内給与額は、そこから時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日出勤手当などの超過労働給与額を差し引いた額で、所得税などを控除する前の額です。*2 この記事では、きまって支給する現金給与額を「残業代込みの月額」と呼びます。残業代などの超過労働給与額を含み、賞与は含みません。残業代込みの月額も、控除する前の所定内給与額に超過労働給与額を足した額なので、手取りの額ではありません。

情報処理・通信技術者の3つの職種の違い

職種の解説は、情報処理・通信技術に関する仕事をする人を、システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者と、その2つに含まれない仕事をするその他の情報処理・通信技術者に分けています。*3

解説によれば、システムコンサルタント・設計者は、①顧客の業務内容を分析し、問題に合わせた情報システムの案を作って提言する仕事、②ハードウェアとソフトウェアの両方を含めて、必要なシステム全体の構成を企画することを主とする仕事、③システム開発プロジェクトの責任者としてプロジェクト全体を管理する仕事、などをする人です。*3 ソフトウェア作成者は、ソフトウェアを作るための仕様決定(ソフトウェアに何をさせるかを決めること)、設計、プログラミングの仕事をする人で、プログラマーや社内システムエンジニアが例に挙がっています。*3 社内システムエンジニアが具体的にどんな仕事をする人かは、解説に書かれていません。その他の情報処理・通信技術者は、構築されたシステムの維持・管理・保守の仕事をする人や、通信設備の技術的な仕事をする人などで、システム保守技術者、サーバー管理者、情報セキュリティ技術者などが例です。*3 この記事では、職種名の「設計者」を②のシステム全体の構成を企画する人と読み、ソフトウェア作成者の仕事にある設計は、ソフトウェアを作るための設計と読みます。

解説は、主にシステム全体の構成を企画する仕事をする人をソフトウェア作成者から除き、ソフトウェア作成者に含まれない例に情報処理プロジェクトマネージャを挙げています。*3 解説は、その他の情報処理・通信技術者に含まれない例に、社内システムエンジニアも挙げています。*3

この記事では、内製化で雇う人について、表のどの職種の行を見るかを次のように決めます。呼び名が解説の例にあれば、その職種の行を見ます。解説がソフトウェア作成者から除いているのは、システム全体の構成の企画を主とする人(たとえば、どのサーバーやソフトウェアを組み合わせてシステムを作るかを決める人)と、情報処理プロジェクトマネージャです。社内システムエンジニアでも、この2つ(システム全体の構成の企画、③のプロジェクト全体の管理)が主ならシステムコンサルタント・設計者の行を見ます。それ以外(①の情報システムの案づくりが主の人を含む)の社内システムエンジニアは、解説がソフトウェア作成者の例に挙げ、その他の情報処理・通信技術者から除いているので、調査ではソフトウェア作成者として数えられていると読めます。そのためソフトウェア作成者の行を基本にし、構築されたシステムの維持・管理・保守が主なら、仕事の近いその他の情報処理・通信技術者の行も参考に並べます。呼び名が例にない人は、担う仕事で選びます。情報システムの案づくりやシステム全体の構成の企画、プロジェクト管理が主ならシステムコンサルタント・設計者、ソフトウェアの設計やプログラミングが主ならソフトウェア作成者、構築されたシステムの維持・管理・保守が主ならその他の情報処理・通信技術者の行です。呼び名が例にない人は仕事の中身で選ぶので、①の案づくりが主ならシステムコンサルタント・設計者の行になります。2つの行を並べるときは、2つの行の額を、目安の下限と上限として幅で見ます。2つの職種の仕事をあわせて担う人も同じです。

職種と企業規模による残業代込みの月額の差

10人以上の企業全体の平均では、残業代込みの月額はシステムコンサルタント・設計者が542.1千円でいちばん高く、その他の情報処理・通信技術者が415.8千円、ソフトウェア作成者が390.8千円で、ソフトウェア作成者がいちばん低くなっています。*1 年間賞与その他特別給与額は、同じ順に2,385.2千円、1,108.0千円、1,095.1千円です。*1

情報処理・通信技術者の3つの職種の賃金(一般労働者・男女計・産業計)(出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第1表。単位は千円。2026年9月24日確認)
職種 企業規模 きまって支給する現金給与額(残業代込みの月額) 所定内給与額 年間賞与その他特別給与額
システムコンサルタント・設計者 企業規模計(10人以上) 542.1 506.8 2,385.2
システムコンサルタント・設計者 1,000人以上 589.2 548.0 3,034.0
システムコンサルタント・設計者 100〜999人 560.5 532.5 1,817.1
システムコンサルタント・設計者 10〜99人 384.3 357.3 1,239.8
ソフトウェア作成者 企業規模計(10人以上) 390.8 356.8 1,095.1
ソフトウェア作成者 1,000人以上 418.6 370.4 1,385.9
ソフトウェア作成者 100〜999人 383.3 350.7 950.3
ソフトウェア作成者 10〜99人 360.6 344.8 855.1
その他の情報処理・通信技術者 企業規模計(10人以上) 415.8 379.1 1,108.0
その他の情報処理・通信技術者 1,000人以上 414.5 369.5 1,420.3
その他の情報処理・通信技術者 100〜999人 433.5 399.7 1,012.4
その他の情報処理・通信技術者 10〜99人 373.9 345.6 745.5

表の残業代込みの月額で、いちばん高い職種といちばん低い職種の差を規模ごとに計算すると、1,000人以上の企業で174.7千円、100〜999人で177.2千円とほぼ同じですが、10〜99人では23.7千円と小さくなります。1,000人以上では、その他の情報処理・通信技術者(414.5千円)がソフトウェア作成者(418.6千円)をわずかに下回り、いちばん低い職種になります。*1 10〜99人で差が小さいのは、主にシステムコンサルタント・設計者の10〜99人の月額(384.3千円)が、100〜999人(560.5千円)より176.2千円(約18万円)低いためです。システムコンサルタント・設計者の平均年齢(職種第1表の、上の表に載せていない欄)は、10〜99人が35.4歳、100〜999人が39.5歳です。*1 10〜99人のシステムコンサルタント・設計者の月額が、100〜999人より低い理由は、この表からは分かりません。4.1歳の年齢の差でどこまで説明できるかも分かりません。10〜99人の会社が自社の規模の行だけを見ると、職種による差は小さく見えます。しかし1,000人以上と100〜999人の行では、システムコンサルタント・設計者とほかの2つの職種の差が127.0〜177.2千円あるので、候補者のいまの給与をそうした規模の行と比べるときに、システムコンサルタント・設計者の行とほかの2つの行を取り違えると、比べる相手の額が大きくずれます。

1,000人以上と10〜99人を比べると、残業代込みの月額の差の内訳は職種で違います。ソフトウェア作成者の所定内給与額は、1,000人以上で370.4千円、10〜99人で344.8千円です。*1 月額の差58.0千円(約6万円)のうち所定内給与額の差は25.6千円で、差の半分以上は残業代などの超過労働給与額の差です。ソフトウェア作成者の6月分の超過実労働時間数(残業などの時間。上の表に載せていない欄)も、1,000人以上の16時間に対して10〜99人は6時間です。*1 システムコンサルタント・設計者では逆に、月額の差204.9千円(約20万円)のうち190.7千円が所定内給与額の差です。残業代などの額は会社の残業の多さで変わるので、比べるときは、残業代込みの月額と所定内給与額の両方を使います(比べる組は次の節に書きます)。

情報処理・通信技術者の3つの職種の残業代込みの月額(きまって支給する現金給与額)を、企業規模別に比べた横棒グラフ。システムコンサルタント・設計者は1,000人以上589.2千円、100〜999人560.5千円、10〜99人384.3千円。ソフトウェア作成者は418.6千円、383.3千円、360.6千円。その他の情報処理・通信技術者は414.5千円、433.5千円、373.9千円。10〜99人の企業では、いちばん高い職種といちばん低い職種の差は23.7千円。出典は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第1表。

年間の給与をどう見積もるのか

目安を出す手順は、次の5つです。1つめに、社員に担ってもらう仕事を決めます。2つめに、その仕事に当たる職種の行を選びます(選び方は、職種の違いの節に書いたとおりです)。3つめに、自社の企業規模の行と、候補者のいまの勤め先の企業規模の行を選びます(使い分けは、この節の後半に書きます)。4つめに、残業代込みの月額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足します。5つめに、自社で払う額にするときは、残業代などと賞与を自社の見込みに置き換えます。この記事の計算では、4つめの手順までで出した年間の給与(5つめの置き換えをする前の額)は次のとおりです。

残業代込みの月額の12か月分と年間賞与その他特別給与額を足した年間の給与(この記事の計算。もとの数字は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第1表。単位は千円)
職種 企業規模計(10人以上) 1,000人以上 100〜999人 10〜99人
システムコンサルタント・設計者 8,890.4 10,104.4 8,543.1 5,851.4
ソフトウェア作成者 5,784.7 6,409.1 5,549.9 5,182.3
その他の情報処理・通信技術者 6,097.6 6,394.3 6,214.4 5,232.3

10人以上の企業全体の平均では、システムコンサルタント・設計者が約889万円、その他の情報処理・通信技術者が約610万円、ソフトウェア作成者が約578万円です。その他の情報処理・通信技術者は、残業代込みの月額では100〜999人が1,000人以上を上回りますが、賞与を足した年間の給与では、3つの職種とも規模が大きいほど高くなります。

3つめの手順で選ぶ2つの行は、使い道が違います。自社の規模の行は、業種を問わず自社と同じ規模の会社で同じ職種の人がいまどれくらい受け取っているかの平均を示すので、提示する額がその平均より上か下か、どれだけ離れているかを確かめるのに使います。候補者のいまの勤め先の規模の行は、候補者のいまの給与が分からない段階では、その規模の会社で働く人の給与の見当として使い、候補者のいまの給与が分かったら、その額が平均より上か下かを確かめるのに使います。比べる組は3つです。①提示する額と自社の規模の行、②候補者のいまの給与と候補者の勤め先の規模の行を、それぞれ残業代込みの月額と所定内給与額で比べます。③提示する額と候補者のいまの給与も、所定内給与額どうしで比べます。表の数字は、どれも年齢を問わず、正社員以外も含む平均です。散らばりはこの表からは分からないので、離れていても高すぎ・安すぎとは言えません。平均より上か下かを確かめるのは、提示する額が同じ規模の会社の平均からどれだけ離れているかを、社内で説明できるようにするためです。候補者の勤め先がまだ分からない予算づくりの段階では、3つの規模の行を並べて、幅で見ておきます。たとえば10〜99人の会社が、1,000人以上の会社で働くシステムコンサルタント・設計者を採ろうとするなら、残業代込みの月額は自社の規模の行で384.3千円、候補者の勤め先の規模の行で589.2千円で、差は204.9千円です。年間の給与では5,851.4千円(約585万円)と10,104.4千円(約1,010万円)で、差は約425万円になります。ソフトウェア作成者なら、月額の差は58.0千円です。2つの行がこれだけ離れているとき、提示する額をどちらに近づけるかは、統計からは決められません。社内で同じ役割を担う社員の給与と並べて、自社で決めます。同じ役割の社員がいなければ、責任の重さや等級が近い社員の給与と並べます。候補者のいまの給与を聞くときは、税や社会保険料を引く前の額で、残業代などは除き、ほかの手当は含めた毎月の額(表の所定内給与額と同じ中身)も聞いておくと、所定内給与額どうしで比べられます。

この計算には、4つの前提があります。1つめは、6月分の残業代込みの月額が12か月続くとみなしていることで、6月の残業が1年の平均より多ければ高めに、少なければ低めに出ます。2つめは、賞与が調査した年の前年(令和6年)1年間の分であることです。*2 令和7年の賞与と比べてどちらにずれるかは、この表からは分かりません。3つめは、いま働いている人の平均だということです。企業規模計の平均年齢は、システムコンサルタント・設計者38.3歳、その他の情報処理・通信技術者42.2歳、ソフトウェア作成者37.1歳です。*1 年齢別の額はこの表にないので、採る人の年齢の違いで目安がどれだけ変わるかは分からず、この表では補正もできません。4つめは、年間の給与に、その規模の会社の平均の残業代などが12か月分入っていることです。ソフトウェア作成者の年間の給与に入っている12か月分の残業代などは、この記事の計算で、1,000人以上で578.4千円(約58万円)、10〜99人で189.6千円(約19万円)です。賞与の部分も、その規模の会社の平均の年間賞与その他特別給与額です。自社で払う額を見積もるときは、残業代などを自社の残業の見込みに、賞与を自社の賞与の決め方に置き換えます。

概況が挙げる調査事項のうち、給与にかかわるものは、きまって支給する現金給与額、超過労働給与額と、前年1年間の賞与などの特別給与額です。*2 会社が負担する社会保険料は、調査事項に入っていません。また、職種第1表は一般労働者全体の平均で、正社員とそれ以外に分けていません。概況は、産業も職種も分けない一般労働者全体の賃金(所定内給与額)について、正社員・正職員を100としたときの正社員・正職員以外を67.4としています。*2 この全体の数字だけを根拠にすると、3つの職種でも正社員だけの平均ならこの表の額より高くなると考えられますが、どの程度高くなるかはこの表からは分かりません。同じ職種の中で額がどれだけ散らばっているかも分からないので、目安は提示する額そのものではなく、額を考えるときの出発点として使います。

社員が担う仕事と、外部に頼む仕事

内製化は、すべての仕事を一度に社員へ移す形だけではありません。情報システムの企画とプロジェクト管理、開発、システムの運用と保守のうち、どれを社員が担うかを先に決めておくと、「情報処理・通信技術者の3つの職種の違い」の節で示した選び方で、見る職種の行を選べます。社員が担わない仕事や、社員が入社するまでの間の開発や運用は、いま頼んでいる外部の会社に続けて頼むほか、個人の専門人材と、雇用ではなく業務委託の契約を結んで頼む方法もあります(人材サービスを通して探すこともできます)。頼むときは、どの仕事を、いつからいつまで頼むかを、社員が引き継ぐ時期とあわせて最初に決めておきます。

エンジニアの年収の統計の読み方は エンジニアの年収レンジと公的統計の使い方 で扱っています。

内製化を工程ごとに進める考え方は 工程別の内製化 にまとめました。

まとめ:内製化のためのエンジニア採用で確かめる3つのこと

内製化のためのエンジニア採用で、給与の目安を出すときに確かめたいことは3つです。第一に、職種の解説の例と、社員に担ってもらう仕事から、見る職種の行を決めること。社内システムエンジニアはソフトウェア作成者の行を基本にし、運用や保守が主なら仕事の近いその他の情報処理・通信技術者の行も並べ、システム全体の構成の企画やプロジェクト全体の管理が主の人はシステムコンサルタント・設計者の行で見ます。第二に、自社の規模の行と候補者の勤め先の規模の行を並べ、提示する額と候補者のいまの給与が、それぞれの平均からどれだけ離れているかを、残業代込みの月額と所定内給与額の両方で確かめること。10〜99人の会社が1,000人以上の会社で働く人を採るなら、2つの行の差は、システムコンサルタント・設計者で残業代込みの月額204.9千円・所定内給与額190.7千円、ソフトウェア作成者で58.0千円・25.6千円です。第三に、残業代込みの月額の12か月分と賞与で年間の給与を見積もり、自社で払う額にするときは残業代などと賞与を自社の見込みに置き換えることです。この3点を押さえておくと、職種と規模をそろえた給与の目安を、規模ごとの平均の幅(1人ひとりの給与の範囲ではない)として社内に示せます。社員が担わない仕事を業務委託で頼むときの体制づくりに迷いがあれば、外部に相談するのも一つの選択肢です。

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よくある質問

社内システムエンジニアは、どの職種に入りますか

ソフトウェア作成者に入ります。ただし解説は、システム全体の構成の企画が主の人と情報処理プロジェクトマネージャを、ソフトウェア作成者から除いています。賃金構造基本統計調査の職種の解説は、社内システムエンジニアを、ソフトウェア作成者に含まれる例に挙げ、その他の情報処理・通信技術者に含まれない例にも挙げています。*3 同じ解説は、主にシステム全体の構成を企画する仕事をする人をソフトウェア作成者から除き、ソフトウェア作成者に含まれない例に情報処理プロジェクトマネージャを挙げています。*3 解説は、システムコンサルタント・設計者の仕事に、システム全体の構成の企画とプロジェクト全体の管理を挙げています。*3 解説に従えば、システム全体の構成の企画やプロジェクト管理が主の人を除き、運用や保守が主でも、社内システムエンジニアはソフトウェア作成者として数えられていると読めます。そのうえでこの記事では、運用や保守が主なら、仕事の近いその他の情報処理・通信技術者の行も参考に並べ、システム全体の構成の企画やプロジェクト全体の管理が主の人はシステムコンサルタント・設計者の行で見ます。

ソフトウェア作成者の年間の給与は、いま働いている人の平均でどれくらいですか

職種第1表に年間の給与の欄はありません。この記事の計算では、残業代込みの月額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足すと、10人以上の企業全体の平均で5,784.7千円(約578万円)、1,000人以上で6,409.1千円(約641万円)、100〜999人で5,549.9千円(約555万円)、10〜99人で5,182.3千円(約518万円)です。その規模の会社の平均の残業代などと賞与が入っているので、自社で払う額にするときは、この2つを自社の見込みに置き換えます。会社が負担する社会保険料などは入っていません。

企業規模で、給与はどれくらい違いますか

残業代込みの月額は、1,000人以上と10〜99人で、システムコンサルタント・設計者が589.2千円と384.3千円、ソフトウェア作成者が418.6千円と360.6千円、その他の情報処理・通信技術者が414.5千円と373.9千円です。*1 差はこの記事の計算で、それぞれ204.9千円、58.0千円、40.6千円です。その他の情報処理・通信技術者の月額は、100〜999人(433.5千円)が1,000人以上を上回ります。*1 賞与を足した年間の給与では、この記事の計算で、3つの職種とも規模が大きいほど高くなります。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421116&fileKind=4)。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(政府統計の総合窓口e-Stat、2026年3月24日公開)。男女計の、システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者について、企業規模計(10人以上)と3つの規模の年齢、超過実労働時間数、きまって支給する現金給与額、所定内給与額、年間賞与その他特別給与額を参照(2026年9月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html)。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」。調査事項、調査の時期、主な用語の定義(常用労働者、きまって支給する現金給与額、超過労働給与額、所定内給与額、企業規模、就業形態)、雇用形態別にみた賃金(雇用形態間賃金格差)を参照(2026年9月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 役職及び職種解説」(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040465352&fileKind=2)。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」調査の説明「役職及び職種解説」。システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者の、含まれる職種の例、含まれない職種の例、仕事の概要、除外を参照(2026年9月確認)




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