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2026.11.02 AXコラム

PDF編集を外注すると何が違うか

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

担当者が左手の人差し指で注文書の紙の一行を押さえたまま、ノートパソコンの画面へ目を移して見比べる

この記事の結論

  • 外注が合うのは、量が多く繰り返し、スキャンの書類が多く、情報の扱いを契約で決められる作業です。
  • 少量なら自分で、文字を写せるPDFの決まった作業なら自動化が候補になります。
  • 1か月のPDFの作業を種類ごとに書き出し、自分で・自動化・外注に仕分けて上長に出します。

※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

PDF編集を外注するかは、作業の量と山、PDFが文字を写せるものかスキャンか、扱う情報の重さで決まります。次の締めの繁忙の前、または委託先に見積もりを頼む前までに、1か月の件数・PDFの種類・情報の重さを書き出し、自分で・自動化・外注のどれが合うかを仕分けてから頼むのが近道です。

本記事では、請求書や申込書のPDFの転記・結合・差し替え・データ化に追われる担当者に向けて、3つの進め方の分け方と、書類を委託先に渡す前に確かめることを整理します。前半で分け方の基準と仕分けの場面を、後半で比較・費用・上長への材料・契約の確認点・頼むまでの手順を示します。

PDFの手作業に、毎月どれだけ時間を取られているか

請求書や申込書のPDFから金額や宛名を表計算に写す、複数の書類を1つにまとめる、古いページを差し替える。1件は数分で終わっても、締めの時期に件数が重なると、残業と写し間違いが増えます。担当者が1人で抱えていると、その人が休んだ月に作業が止まります。

悩みごとに先に読む章
悩み 読む章
自分でやるのと外注で何が違うか 自分で・自動化・外注の比較
外注の費用と補助の対象か知りたい 費用対効果と補助の確かめ方
取引先の書類を委託先に預けてよいか 情報の扱いと契約で確かめる点

外注するかを決める前に、1か月のPDFの作業を種類ごとに数えます。次の図は書き込み用の表の案です。数字は自社で測って入れてください。

1か月のPDFの作業を書き出す表の案。行は転記・結合・差し替え・文字の読み取りの4種類。列は締めの月の件数、平常の月の件数、1件の時間、PDFの種類(文字を写せるかスキャンか)、取引先や個人の情報を含むか。どの欄も空欄で、自社で測って書き込む。

  • 作業は「転記」「結合」「差し替え」「文字の読み取り」のように種類で分けて数える
  • 件数は締めの月と平常の月の両方を書く(山の高さが、頼み方を決める材料になる)
  • 1件の時間には、見直しと、写し間違いに気づいて直した時間も含める
  • PDFが文字を写せるものか、紙をスキャンしたものかを1件ずつ印を付ける

書き出した表は、後の章の仕分けと、上長に出す判断の材料にそのまま使います。

外注が合うかを分けるのは、量より書類の種類と決まり

同じ「PDF編集」でも、PDFが文字を写せるものか、紙をスキャンした画像かで、使える手段が変わります。文字を写せるPDFは文字を選んでコピーでき、自動化の道具で文字や表を取り出しやすい形です。スキャンしたPDFは、見た目は文字でも中身は画像のため、文字を読み取る手順を挟まないと転記の手間が残ります。

見分け方は簡単です。PDFを開いて文字を選べるか、検索で語が見つかるかを試します。選べない、見つからないなら、スキャンした画像のPDFです。

もう一つの分かれ目は決まりです。取引先や個人の情報を含む書類は、社外へ持ち出す決まりと委託先との取り決めがないと、量が多くても頼めません。次の3つに答えられるかを確かめてください。

  • 扱うPDFを、文字を写せるものとスキャンしたものに分けられるか
  • 1か月の件数と、締めの時期の山が分かるか
  • 取引先や個人の情報を含む書類を社外に持ち出す決まりがあるか

後半では、自分で・自動化・外注の比較、費用対効果と補助の確かめ方、上長に示す判断の材料、情報の扱いと契約の確認点、頼むまでの手順を確かめられます。作業の種類と件数を書き出したところで、どの作業を自動化し、どれを委託するかを一緒に整理したい場合は、次の窓口をご利用ください。

書類の作業の仕分けを相談する

1か月のPDFの作業の種類と件数の目安を書き出していただければ、自動化と委託をどう組み合わせるかをご相談いただけます。

無料相談はこちら

自分で・自動化・外注を分ける4つの基準

自分で続けるか、自動化するか、外注するかは、次の4つの基準を同じ表に並べて決めます。1つの基準だけで決めると、量は多いのに情報の決まりがなくて頼めない、といった行き違いが起きます。

自分で・自動化・外注を分ける基準と目安
基準 目安
作業の量と山 1か月の件数と締めの時期の集中を見る。少量で単発なら自分で済む
PDFの種類 文字を写せるPDFは自動化に向き、スキャンが多いと読み取りの手間が残る
情報の重さ 取引先や個人の情報を含むかで、委託の契約と受け渡しの方法が変わる
戻りの速さ 何日で返ってくれば締めに間に合うかを先に決める

迷ったときは、情報の重さを先に見ます。社外へ持ち出せない書類は、件数が多くても自分でか自動化で進める前提になり、外注の候補から外れます。戻りの速さは「締めの何日前に返ってくれば間に合うか」を日数で書いておくと、委託先に見積もりを頼むときにそのまま伝えられます。

月末の請求書の転記を仕分ける場面

月末に取引先から届く請求書のPDFを表計算に転記している担当者を例に、4つの基準で仕分けて、上長に案を出すまでの判断の流れを示します。

人物Aが左手の数枚の紙を中央の山に置き、人物Bが左手の人差し指で自分の前の山を指してAに話しかける

月末の請求書の転記を仕分ける判断の流れ
判断の順 見ること 仕分け
1. 件数を数える 締めの月と平常の月の件数 件数の少ない平常の月の分は自分で続ける
2. PDFの種類を分ける 文字を選べるか、検索で語が見つかるか 文字を写せる分を自動化の候補にする
3. 情報の重さを見る 口座や個人名が入るか、社外へ持ち出す決まりがあるか 決まりのある書類のうち、スキャンの分を外注の候補にする
4. 戻りの期限を決める 締めの何日前に返ってくれば間に合うか 期限を書き添えて、仕分けの案を上長に出す

この流れで分けると、外注するのはスキャンの書類のうち社外へ持ち出せる分に限られ、見積もりの条件をはっきり書けます。文字を写せる分は自動化で減らし、残りを自分で続ける、3段の案になります。

自分で・自動化・外注の比較

少量で単発なら自分で、決まった形の繰り返しなら自動化、量が多くスキャンの書類が多いなら外注が候補になります。3つの違いを表にまとめます。

自分で・自動化・外注の比較
観点 自分で 自動化 外注
向く作業 少量・単発の転記や差し替え 決まった形の書類の繰り返し 量が多く、締めに集中する作業
向くPDF どちらでもよい 文字を写せるPDF スキャンのPDFが多い書類
先に要る準備 手順のメモ 書類の形をそろえ、取り出す項目を決める 完成の見本と、戻りの期限
情報の扱い 社内の決まりの範囲で行う 道具がどこで動くかを確かめる 守秘と返却・消去を契約で結ぶ
担当者に残る仕事 作業そのもの 結果の見直しと例外の処理 依頼・受け取り・見直し

自動化の道具の公式の解説を見ると、PDFから画像・文字・表を取り出したり、ページを選んで新しいPDFを作ったりできると説明されています。*1一方で同じ解説は、表を取り出す機能が光学式文字認識(OCR、画像の文字を読み取る技術)を使わないため、スキャンしたPDFからコピーできない文字は取り出せないとしています。*1

スキャンの書類を自動化で扱うなら、文字を読み取る手順を別に挟み、読み取りの精度と見直しの手間を少量で試して確かめます。見直しの手間が転記の手間と変わらないなら、その書類は外注の候補に戻します。

3つのどれでもない道もあります。PDFを直す作業そのものを減らす方法です。

  • 取引先に、文字を写せるPDFや表計算のファイルで送ってもらえないかを頼む
  • 元のWordや表計算のファイルで直し、必要なときだけPDFにする
  • 読み取りや転記の下準備をAIにさせ、担当者は元の書類と突き合わせて確かめる役に回る

こうした方法は、1人の工夫で終わらせず、手順と確かめ方を部署で共有すると続きます。部署で回せる形まで組み立てたい場合は、業務の流れの見直しから相談するのも一つの手です。

社内で自分で直す場合に、無料の道具で足りるかどうかは、編集の種類とファイルの送り先で見分けます。見分け方は業務のPDF編集は、無料の道具で足りるかで整理しています。

費用対効果と補助の確かめ方

1件あたりの社内の手間と委託の単価を、同じ月で比べます。業者の導入の支援が補助の対象になるかは、事務局の制度の概要で確かめます。

1件あたりの費用を同じ月で比べる項目
比べる項目 自分で 自動化 外注
出し方 担当者の時間×件数 道具の利用料+設定と見直しの時間 委託の単価×件数+依頼と見直しの時間
締めの月 残業の時間も含める 例外の処理の時間も含める 急ぎの料金があるかを見る
平常の月 同じ出し方で計算する 利用料は件数が少なくてもかかる 最低の料金があるかを見る

比べる月は、締めの月と平常の月の両方にします。締めの月だけで比べると外注が有利に見え、平常の月だけで比べると自分でが有利に見えるためです。3つを組み合わせる案なら、作業の種類ごとに安い方法を選んだ合計も並べます。

補助については、デジタル化・AI導入補助金の制度概要が、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツールの導入を支援する補助金だと説明しています。*4確かめる点は次のとおりです。

  • 対象となるITツールは、事前に事務局の審査を受け、補助金のホームページに公開(登録)されているもの*4
  • 相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象に含まれる(複数者連携デジタル化・AI導入枠を除く)*4
  • 使いたい自動化の道具や導入の支援が、登録されたITツールに当たるか

外注の見積もりの内訳や、社内で有料の道具を使う場合の年額との比べ方は、PDF編集を外注する費用は何で決まるかで詳しく整理しています。

上長に示す判断の材料

作業の種類ごとの件数・時間・仕分けの案・費用の見込みを1枚で示します。前半で書き出した表と、前の章の比べ方をそのまま使えます。

上長に出す1枚に入れる項目
項目 書くこと
作業の種類と件数 転記・結合・差し替え・文字の読み取りごとの、締めの月と平常の月の件数
かかっている時間 1件の時間と1か月の合計。見直しと直しを含める
仕分けの案 作業の種類ごとに、自分で・自動化・外注のどれにするか
費用の見込み 同じ月で比べた3つの費用と、組み合わせた案の合計
情報の扱い 社外へ持ち出す書類の範囲と、委託先と結ぶ取り決め
試しに頼む範囲 最初の1か月に試す書類の種類と件数

上長が決めやすいのは、比べる案が並び、決めてほしいことが絞られている資料です。1枚の最後に、決めてほしいことを書き添えます。

  • 試しに頼む範囲と期間
  • 費用の上限
  • 書類の受け渡しを承認する人

情報の扱いと契約で確かめる点

IPAのモデル取引・契約書を手がかりに、責任の分担・守秘・書類の受け渡しと返却・消去の決まりを確かめます。

IPAの「情報システム・モデル取引・契約書」は、情報システムの開発の取引について、各開発段階で担うべき責務等の解説と、契約書のひな型を提供しています。*3システム開発向けの資料ですが、段階ごとに誰が何を担うかを先に書き分ける考え方は、書類の作業を委託するときの取り決めにも使えます。

個人の情報を含む書類なら、法令の決まりも関わります。個人情報保護委員会のガイドラインは、個人データの取扱いの委託について、契約の形態・種類を問わず、個人データの入力、編集、分析、出力等の処理を行うことを委託すること等が想定されると説明しています。*2そのうえで、委託する場合は委託先に対し必要かつ適切な監督をしなければならないとしています。*2

書類の作業を委託するときに段階ごとに決めること
段階 決めること
渡す前 渡す書類の範囲と、渡さない項目。完成の見本
受け渡し 渡す方法、受け取る人、受け渡しの記録の付け方
作業の間 守秘の範囲、別の会社に作業を回すか、作業する場所
返すとき 成果物の形、写し間違いが見つかったときの直し方
終わった後 原本の返却と、預けたデータの消去の方法と報告

表の「誰が担うか」を、委託先と自社の両方の名前で埋めてから契約に進みます。空欄が残る段階は、作業が始まってから行き違いが起きやすいところです。

頼むまでの手順と期間の決め方

作業を書き出す、仕分ける、少量で試しに頼む、締めの日から逆算して戻りの期限を決める、の順で進めます。

担当者が空になった書類のトレーを机の脇へ置き終え、左手をトレーの縁に残したまま、ノートパソコンの画面を見ている

PDFの作業を頼むまでの手順
手順 すること
1. 書き出す 1か月のPDFの作業を種類ごとに、件数と時間で書き出す
2. 仕分ける 4つの基準で、自分で・自動化・外注に分ける
3. 試しに頼む 外注の候補のうち1種類を、少ない件数で頼む
4. 期限を決める 締めの日から逆算して、戻りの期限を決める
5. 広げる 試しの結果を見て、頼む量と種類を広げる

戻りの期限は、締めの日から、社内の見直しと直しにかかる日数を引き、さらに余裕の日を引いた日にします。委託先には、この日付と件数を先に示して見積もりを取ります。

試しに頼んだら、次の点を記録して、広げるかを決めます。

  • 写し間違いや抜けの数
  • 頼んでから戻ってくるまでの日数
  • 戻ってきた後の見直しにかかった時間
  • 受け渡しと返却・消去の手順が決めたとおりに守られたか

まとめ:量と書類の種類と情報の重さで分ける

PDF編集を外注するかは、作業の量と山、PDFが文字を写せるものかスキャンか、情報の重さ、戻りの速さで決まります。少量なら自分で、文字を写せるPDFの決まった作業なら自動化、量が多くスキャンの書類が多い作業は外注が候補です。取引先や個人の情報を含む書類は、守秘と返却・消去の決まりを契約で結んでから渡します。今日からできるのは、1か月のPDFの作業を種類ごとに書き出し、4つの基準の表で仕分けることです。

LASSICに相談するメリット

PDFの作業のうち、どれを自動化し、どれを委託するかが決まったら、作業の仕分けからご相談いただけます。作業の種類と件数が分かっていれば、話を具体的に進められます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

PDFの編集は無料の道具で足りませんか

少量で単発なら足りることが多く、量が多い・繰り返す・スキャンが多いときに外注や自動化を考えます。まず1か月の件数と、締めの時期の山を書き出してみてください。

スキャンしたPDFも自動化できますか

文字の読み取りの手順を挟めば扱える場合がありますが、読み取りの精度と確認の手間を試して確かめます。見直しの手間が転記と変わらないなら、その書類は外注の候補に戻します。

外注の費用は補助金の対象になりますか

制度の対象は年度ごとに変わるため、事務局の制度の概要で対象の経費を確かめます。使いたい道具や支援が、事務局に登録されたITツールに当たるかを早めに調べておきます。

取引先の書類を委託先に預けてもよいですか

社内の決まりと取引先との約束を確かめ、委託先と守秘と返却・消去の決まりを結んでから渡します。渡す書類の範囲と、渡さない項目も先に決めておきます。

頼んでから何日で返ってきますか

量と種類で変わるため、締めの日から逆算した戻りの期限を先に示して見積もりを取ります。少ない件数で試しに頼み、戻るまでの日数を記録してから量を広げます。

書類の作業の進め方の相談

1か月のPDFの作業の種類と件数の目安、取引先や個人の情報を社外へ持ち出すときの社内規程をお手元にご用意いただければ、具体的にご相談いただけます。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:Microsoft Learn「PDF を使用したアクションについての参考情報 – Power Automate」(https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/desktop-flows/actions-reference/pdf)。出典:冒頭の説明と、PDF からテーブルを抽出する(注記)を参照(確認日2026年10月30日)(2026年11月確認)
  2. *2 参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/)。出典:3-4-4(委託先の監督)の本文と※1を参照(確認日2026年10月30日)(2026年11月確認)
  3. *3 参考:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報システム・モデル取引・契約書」(https://www.ipa.go.jp/digital/model/index.html)。出典:ページ冒頭の説明を参照(確認日2026年10月30日)(2026年11月確認)
  4. *4 参考:デジタル化・AI導入補助金事務局(独立行政法人中小企業基盤整備機構の採択事業)「デジタル化・AI導入補助金制度概要」(https://it-shien.smrj.go.jp/about/)。出典:「デジタル化・AI導入補助金のしくみ」を参照(確認日2026年10月30日)(2026年11月確認)




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