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2026.09.19 採用支援コラム

業務委託エンジニアとクラウド移行の進め方|調査は9項目を外した




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • クラウドの3項目が調査項目から外れた:多くの企業に普及したとして、25年度調査でクラウドの3項目を含む9項目が外されました。*1
  • 25年度に聞いた22項目の1位はRPAの66.8%:回答した952社(東証上場企業とそれに準じる企業)のうち、導入済みと試験導入中・導入準備中を足した割合です。*1
  • 伸び幅の上位4つは生成AI:導入済みと試験導入中・導入準備中を足した値は、画像および動画系生成AI、言語系生成AI、コード系生成AI、その他の生成AIの順に大きく伸びました。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

クラウド移行を業務委託エンジニアに頼むとき、何をどこまで任せるかで迷うことがあります。まず、クラウドへの移行が企業ITの調査でいまどう扱われているのかから確かめます。

手がかりになる資料があります。JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)*3 の「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)です。*1 この調査は毎年実施され、報告書が公開されています。*2 報告書の名前は2026ですが、調査は2025年の秋に行われた25年度調査です。*1 この記事では、前年に行われたものを24年度調査と書きます。その25年度の調査で、クラウドの3項目が調査項目から外れました。*1

本記事は、開発の現場を回しているマネージャに向けたものです。前半で資料を読み、後半で決めごとを整理します。

打ちっぱなしの壁と大きな窓のある室内に、ソファとテーブルが置かれている写真。人は写っていない

25年度の調査でクラウドの3項目が外れた

まず、調査の中身です。アンケートは2025年9月5日から10月24日にかけて実施され、調査対象は東証上場企業とそれに準じる企業の計4,500社。*1 回収数(回答数)は957社で、資料はこれを有効回答率21.3%としています。*1 この記事が使うのは資料の第8章で、答えたのは952社です。*1 「それに準じる企業」の範囲は資料に書かれていません。

資料はこう書いています。25年度調査では、24年度までの調査結果を踏まえ、多くの企業に普及した9項目を調査項目から外した。*1 外れたのは「プライベート・クラウド」「パブリック・クラウド(IaaS、PaaS)」「パブリック・クラウド(SaaS)」「モバイルデバイスマネジメント」「ビッグデータ」「ビジネスチャット」「SDx(SDN、SDSなど)」「5Gの活用」「モバイルアプリケーション」です。*1 あわせて「AIエージェント」を新たに追加しています。*1

クラウドの3項目は、自社専用のプライベート・クラウドが1つと、事業者が多くの利用者に共通で提供するパブリック・クラウドが2つです。IaaS、PaaS、SaaSは事業者がどこまで用意するかの違い、SDxは通信や保存の設備をソフトウェアで制御する方式をまとめた呼び方です。モバイルデバイスマネジメントは、社員の端末を会社側でまとめて管理する仕組みです。

クラウドの3項目が外れた理由として資料が挙げているのは「多くの企業に普及した」ことです。*1 クラウドが外れたのは25年度からで、どの程度普及したのかという数字は25年度の資料にはありません。この記事は25年度の報告書を一次情報にしています。分かるのは、毎年数える対象ではなくなったという扱いの変化だけです。

25年度に聞いた22項目の上位はRPAと生成AI

では、25年度の22項目では何が上に来ているのか。22項目は、9項目を外して「AIエージェント」を足したあとの数です。*1 24年度に何項目あったかは25年度の資料に書かれていません。「導入済み」と「試験導入中・導入準備中」を足した値の大きい順に、上位10項目を並べます。1位のRPA(パソコン上の定型作業をソフトウェアに代行させる仕組み)と、3位のノーコード・ローコード(プログラムをほとんど書かずにアプリを作る仕組み)です。

新規テクノロジーの導入状況の上位10項目(出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)図表8-1-1。分母はこの設問に答えた952社で、単位は%。資料は本文でRPA・言語系生成AI・ノーコード・ローコード・画像および動画系生成AI・コード系生成AIの合計値と順位を挙げており、その5項目の合計は資料の値。残る5項目の合計と、10項目をこの並びにしたのはこの記事。項目名は資料の表記のまま。この表は資料の図を写したものではない)
項目 導入済み 試験導入中・導入準備中 合計
RPA 55.1% 11.7% 66.8%
言語系生成AI 33.9% 19.5% 53.4%
ノーコード・ローコード 34.0% 13.8% 47.8%
タレントマネジメント 24.6% 10.5% 35.1%
アジャイル開発 21.8% 12.8% 34.6%
画像および動画系生成AI 17.0% 17.2% 34.2%
マイクロサービス・API連携 21.8% 11.0% 32.8%
コード系生成AI 15.3% 17.3% 32.6%
ゼロトラストセキュリティ 18.5% 13.6% 32.1%
IoT 20.8% 10.3% 31.1%

合計でいちばん大きいのはRPAの66.8%、次が言語系生成AIの53.4%、3番目がノーコード・ローコードの47.8%です。*1 資料も本文で、この3つを1位から3位として同じ数字で挙げています。*1 ただし表の「導入済み」だけで見ると、ノーコード・ローコードの34.0%が言語系生成AIの33.9%を上回り、2番目と3番目が入れ替わります。数字は資料のものですが、*1 この見比べはこの記事で行ったものです。なお25年度に加わった「AIエージェント」は21.0%で、上位10項目には入りません。*1

24年度から合計値が増えたのは10項目だったと資料は書いています。*1 その伸び幅は、大きいほうから画像および動画系生成AIが12.4ポイント、言語系生成AIが12.3ポイント、コード系生成AIが11.9ポイント、その他の生成AIが10.0ポイントです。*1 ポイントとは割合どうしの差のことです。増えた10項目のうち、伸び幅の上位4つはいずれも生成AIでした。*1 5位はゼロトラストセキュリティの3.8ポイントで、上位4つとは開きがあります。*1 「その他の生成AI」は、音声のみなど特定の分野に特化したサービスだと資料が定義しています。*1

ただし画像および動画系生成AIは、25年度の合計34.2%のうち17.2%が試験導入中・導入準備中です。*1 伸び幅の内訳は資料にありません。

クラウドが表にないのは順位が下がったからではなく、調査項目から外れたからです。*1 表に無いことを、使われなくなったことの根拠には使えません。

クラウド移行を頼むときの3つの決めごと

クラウドが新しい技術として数える対象から外れたのなら、依頼書でも移すこと自体は目新しい仕事ではなくなります。そう考えて決めごとを3つ挙げます。資料がこの決め方を示しているわけではありません。

クラウド移行を業務委託エンジニアに頼むときの3つを箱で示した図。1つ目は移行そのものと移行後を分けて書くこと。2つ目は移行後に載せるものを名前で書くこと。3つ目は調査から外れた9項目を確認の対象にすること。この3つは資料が示したものではなく、調査項目の入れ替わりからこの記事で組み立てたもの。

1つめは、移行そのものと移行後を分けて書くことです。依頼書で「クラウドへ移す」だけで区切らず、移したあとに何を載せて何を運用するのかまで先に書き出します。「載せる」は、移したクラウドの上でどのソフトウェアやサービスを動かすか、という意味です。

2つめは、移行後に載せるものを名前で書くことです。RPAなのか、生成AIのサービスなのか、マイクロサービス・API連携(機能を小さな単位に分けて、決められた手順でつなぐ作り方)なのか。種類の名前があれば、求める経験は書き出せます。何を載せるかは自社で決めることで、表の上位がそのまま自社の予定になるわけではありません。

3つめは、外れた9項目を確認の対象にすることです。資料が外した理由に挙げたのは普及したことです。*1 外れた以上、25年度の調査には9項目の数字がありません。モバイルデバイスマネジメントやビジネスチャットが自社にあるのか、移行の対象に入るのかは、依頼の前に社内で確かめます。

つまずきやすい難所

一つめのつまずきは、外れた9項目を「もう不要なもの」と読むことです。資料が書いているのは、普及したので外した、ということだけです。*1 不要になったとも、全社が導入したとも書かれていません。

二つめは、上位の割合を自社の予定と取り違えることです。RPAの66.8%は、回答した952社のうち導入済みか試験導入中・導入準備中だと答えた企業の割合です。*1 自社が何を載せるかを決める数字ではありません。

三つめは、答えた企業の顔ぶれの見落としです。分母の952社は東証上場企業とそれに準じる企業で、*1 中小の会社を含めた全体の姿ではありません。

外注時に確認しておきたい点

外部の要員(自社の社員ではなく、作業を委託して働いてもらう人。個人のフリーランスのほか、開発を請け負う会社に所属している人も含みます)に頼むときは、移行の範囲を工程ではなく対象で区切ります。「設計から運用まで」のような工程だけの区切りでは、どのシステムが含まれるか読み取れないためです。たとえば「人事と勤怠の2つのシステムを移す。会計は移さない」と書きます。この区切り方はこの記事での考え方で、資料が示した形ではありません。

正社員として採るのか外部の要員に頼むのかは、移行が終わったあとに誰が運用するのかで決まります。運用まで含めて任せるなら関わる期間は長くなり、移行だけなら短くなります。

工程のどこを自社に残すかは内製化支援の選定|完全外部委託でも企画の内製は45.4%で扱っています。表題の45.4%の意味もそこにあります。

移す対象の大きさをどう数えるかは業務委託エンジニアとシステム連携、機能とデータの数え方の違いにあります。

入ってもらう人のスキルの確かめ方は外部エンジニアのスキル確認、4つの軸で評価するにまとめました。

テストをどこまで測るかは外部エンジニアのテスト体制とテスト設計、どこまで測る?で扱っています。

まとめ:移行そのものより移行後を先に書き出す

読み取れることは3つです。第一に、25年度調査でクラウドの3項目を含む9項目が、多くの企業に普及したとして調査項目から外れました。*1 第二に、25年度に聞いた22項目のうち導入済みと試験導入中・導入準備中を足した値が大きいのは、RPA66.8%、言語系生成AI53.4%、ノーコード・ローコード47.8%です。*1 第三に、24年度から合計値が増えたのは10項目で、伸び幅の上位4つはいずれも生成AIでした。*1 頼むときは、移したあとに何を載せるのかまで書き出してから任せます。なお、この調査は東証上場企業とそれに準じる企業が対象で、外れた9項目の普及の度合いを示す数字は25年度の資料にありません。

LASSICに相談するメリット

移行の対象と載せるものが決まったら、次は作業する人を探す段階です。移行だけを任せるのか運用まで任せるのかで、求める経験も期間も変わります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

クラウドが調査項目から外れたのはなぜですか

資料は、多くの企業に普及したため25年度調査で外したと書いています。*1 外れたのはクラウドの3項目を含む9項目です。*1 確認日は2026年9月19日です。

合計がいちばん大きいのはどの項目ですか

RPAです。導入済み55.1%と試験導入中・導入準備中11.7%を足すと66.8%です。*1 次が言語系生成AIの53.4%、ノーコード・ローコードの47.8%で、資料もこの3つを1位から3位として挙げています。*1 ただし「導入済み」だけなら、ノーコード・ローコードの34.0%が言語系生成AIの33.9%を上回ります。*1 確認日は2026年9月19日です。

生成AIはどのくらい伸びましたか

24年度から合計値が増えたのは10項目で、その伸び幅は画像および動画系生成AIが12.4ポイント、言語系生成AIが12.3ポイント、コード系生成AIが11.9ポイント、その他の生成AIが10.0ポイントでした。*1 上位4つはいずれも生成AIです。*1 確認日は2026年9月19日です。

この割合は何を分母にしていますか

この設問に答えた952社です。*1 回収数は957社で、対象は東証上場企業とそれに準じる企業の計4,500社です。*1 確認日は2026年9月19日です。

外れた9項目はもう気にしなくてよいのですか

資料が書いているのは、普及したので外した、ということだけです。*1 不要になったとは書かれていません。自社にあるかは社内で確かめます。確認日は2026年9月19日です。

移行の対象と移行後が決まったら相談

「このシステムを移して、移行後はRPAを載せる」と決まっていればそのままご相談いただけますし、切り分けを決めきれていない段階でも承ります。

Remoguとリラシクなら、移行だけを担う要員も運用まで見る要員も、対象と期間を決めてお探しいただけます。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とそれに準じる企業の計4,500社、回収数957社・有効回答率21.3%。図表8-1-1(新規テクノロジーやフレームワーク等の導入状況、n=952)、図表8-1-2(24年度から合計値が増加した10項目の伸び幅)、および8.1節の本文(9項目を外しAIエージェントを追加した記述、1位から3位と6位・8位の合計値、25年度は10項目が増加という記述、各生成AIの定義)の一次情報として。この記事は資料に示された数値をもとに表と図を作成した。資料の図表そのものは写していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され、報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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