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2026.09.29 採用支援コラム

外部人材活用のリモートとハイブリッド、契約前に決める3つのこと




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 出社してもらう場面は作業の名前で書き出し、回数と日の決め方を契約の前に専門人材と合意しておきます。
  • 出社の交通費と移動にかかる時間は、経費として払うのか報酬に含めるのかを契約条件に書いておきます。
  • オフィスと自宅の間で持ち運んでよい情報と紙の資料の扱い、仕事が終わったあとの消去を先に決めます。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

「週に何日かは来てほしいが、業務委託の人にどこまで頼んでよいのか分からない」「出社の交通費を誰が持つのか、契約のときに決めていなかった」——。外部人材活用をリモートで始めた開発の現場では、出社を組み合わせる段階になって、こうした迷いが出てきがちです。ここでいうハイブリッドとは、業務委託で加わる専門人材とふだんはリモートで作業を進め、決めた場面だけオフィスに来てもらう働き方を指します。

顔を合わせる日を作れるので、立ち上げの説明や社内でしか触れない機器を使う作業を進めやすくなります。ただし万能ではなく、出社のたびに費用と移動の時間がかかり、オフィスと自宅の間を資料が行き来します。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、専門人材がふだんどこで働いているか、出社してもらう場面、リモートで進める作業、出社の費用と移動時間、情報の持ち出し、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

タイル張りの壁に挟まれた薄暗い通路で、明るい出口へ向かって2本のエスカレーターが並んで上っている。人は写っていない

外部人材とのハイブリッドとは

出社の組み合わせ方には、大きく3つの形があります。決めた曜日に定例で来てもらう形、立ち上げやリリース前のような節目だけ来てもらう形、そして必要になったときにその都度呼ぶ形です。業務委託の専門人材と進めるとき扱いにくいのは3つめで、何回来てもらうのかが契約の時点で見えません。

厚生労働省の「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」は、自営型テレワークを、注文者から委託を受け、情報通信機器を使って主に自宅や自宅に準じた自分で選んだ場所で、成果物の作成や役務の提供を行う働き方と定めています。*4 ハイブリッドにするとは、この「自分で選んだ場所」での作業に、注文者の側で働く日を足すことです。

業務委託の専門人材の出社は、就業規則ではなく契約の条件として双方で決めるものです。社員の出社頻度はリモート採用の勤務条件で出社頻度を決める手順と書き方で扱っています。

専門人材はふだんどこで働いているのか

国土交通省の「令和6年度テレワーク人口実態調査」は、直近1年間にテレワークをした雇用型と自営型の6,490人に、どこでテレワークをしているかを聞いています。自宅で働く在宅型が97.0%で、共同利用型のオフィスなどで働くサテライト型が24.9%、喫茶店や移動中の電車内などで働くモバイル型が21.5%でした。*1 自宅だけで働く人は67.1%で、残りの多くは自宅と別の場所を組み合わせています。

自営業・自由業を本業とする人(自営型)に限ると、「令和7年度テレワーク人口実態調査」で、テレワークをしたことがある人の割合は全国で30.7%、住んでいる地域別では首都圏が41.4%、地方都市圏が25.3%で、首都圏は前年度の37.7%から上がっています。*2

自営型テレワーカーの割合(居住地域別。出典:国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査 -調査結果-」2-2。R6は同資料に載っている前年度の値。この表は資料に示された数値をもとに筆者が作成したもので、資料の図表そのものを複製したものではない)
居住地域 R7 R6 R7の回答者数
首都圏 41.4% 37.7% 989人
近畿圏 31.7% 29.2% 479人
中京圏 27.1% 25.8% 269人
地方都市圏 25.3% 22.6% 1,872人
全国 30.7% 27.9% 3,609人

働く場所を自分で選べることを重く見る人も少なくありません。内閣官房が2020年2月から3月に行った「フリーランス実態調査」では、フリーランスという働き方を選んだ理由として、7,478人の39.7%が「働く時間や場所を自由にするため」を挙げています。*3 出社の回数を増やすほど、声をかけられる相手は通える範囲に住む人に寄っていきます。来てもらう日は、必要な場面に絞って示したほうが話を進めやすくなります。

出社してもらう場面

出社の日は、曜日ではなく作業の名前で決めると、専門人材にも理由が伝わります。挙げやすいのは次の4つです。

業務委託の専門人材とハイブリッドで働くときの分け方を示した図。左の箱は出社してもらう場面で、立ち上げで成果物と完了の条件を説明する、社内でしか触れない検証機や実機を使う、関係部署を集めてレビューする、リリースの切り替えに立ち会う、の4つ。右の箱はリモートで進める作業で、仕様が決まった実装とテストコード、コードレビューと指摘への対応、設計書の下書きと技術調査、社内の返事を待たずに進む作業、の4つ。下の帯は契約の前に決めておく3つのことで、出社の回数と日の決め方(作業の名前で書き出して合意する)、交通費と移動の時間の扱い(経費か報酬のどちらに入れるか)、持ち出してよい情報(紙の資料と終了後の消去も含む)。

一つめは立ち上げの説明です。自営型テレワークのガイドラインは、注文者に対し、成果物のイメージをできる限り具体的に共有し、求める成果物の内容を具体的に説明するよう求めています。*4 画面や既存のシステムを一緒に見ながら完了の条件をすり合わせる日は、対面にしておくと食い違いを減らしやすくなります。

二つめは、社内のネットワークの中でしか触れない検証機や実機を使う作業です。三つめは、関係する部署を集めてレビューをする日です。四つめは、リリースの切り替えのように、社内の担当者と同じ場所で手順を追いたい作業です。

同じガイドラインは、仕事をするうえで必要な打合せに注文者が応じるなど、契約の内容を果たすための協力を行うことが望ましいとしています。出社の日は、社内の側が打合せの場と説明の担当者を用意する日でもあります。

リモートで進める作業

残りの作業はリモートで進めます。仕様が決まった実装とテストコード、コードレビューと指摘への対応、設計書の下書き、ライブラリや製品の技術調査などは、社内の返事を待たずに進みやすい作業です。途中で社内の判断が要る作業は、オンラインの打合せを先に入れておきます。

リモートで進められる範囲は、社内のシステムにどうつなぐかで変わります。総務省の「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」は、社内のネットワークにつながず、あらかじめ端末に保存したデータで作業するスタンドアロン方式について、作業が事前に保存したデータを使うものに限られ、処理したデータを社内のネットワークに反映することもできないため、オフィスから長期間離れて作業する形には適合しないと書いています。*5

この方式で進める場合、出社の日は、作業したデータを社内に戻す日にもなります。どのデータをいつ戻すのかを決めておかないと、最新の版がどれか分からなくなります。社内のシステムに離れた場所からつなぐ方式を用意できれば、出社の日を説明やレビューに使えます。

週に数日だけ加わってもらう場合の作業の切り分け方は業務委託エンジニアの稼働日数、週2日で任せやすい仕事と連絡にまとめています。

出社の費用と移動時間の扱い

ハイブリッドで最ももめやすいのが、出社にかかる費用です。自営型テレワークのガイドラインは、注文者が契約条件を明らかにした文書を交付するときの事項の1つに「注文した仕事に係る諸経費の取扱い」を挙げ、注文者が負担する経費があるなら、あらかじめその範囲を明確にしておくよう求めています。*4 出社の交通費を払うのか、払うならどの区間までかを、ここに書いておきます。

ガイドラインは、自営型テレワーカーが業務に要する費用の例として材料費・交通費・通信費を挙げ、注文者が法律上の業務委託事業者に当たる場合、その費用を負担するなら、費用を含めた総額が分かるように報酬の額を示す義務があるとしています。*4

移動にかかる時間の扱いも同じ時点で決めます。業務委託では、これは報酬の決め方の問題です。作業した時間で報酬を計算する契約なら、移動の時間を含めるかどうかを書きます。成果物で払う契約なら、出社の回数が増えるほど作業に使える時間が減るので、出社の回数の上限を書いておきます。

ガイドラインは、作業が長時間に及んで健康を害さないよう納期を設定し、1日8時間を作業時間の上限の目安とするよう求めています。*4 移動のある日は作業の時間が短くなる前提で、納期を見積もっておきます。

支払った交通費を経理でどう処理するかは外部人材活用の経理処理、外注費と給与の違いと源泉徴収の確認で扱っています。

情報の持ち出し

出社とリモートを行き来すると、オフィスと自宅の間を資料が動きます。総務省のガイドラインは、情報の取扱方法を電子データだけでなく紙についても定める必要があるとし、例として、自宅などで印刷してよいかどうか、紙の文書を持ち出すことや電子化することの制限を挙げています。*5 会議で配った紙を持ち帰ってよいかも、ここで決めます。

紙の書類を持ち帰って作業するやり方について、ガイドラインは、紙ではデータを暗号化できず、なくしたり盗まれたりしたときに所在を追えないため、情報が漏れる危険があると書いています。*5 USBメモリなどを介して個人の端末との間でデータをやり取りする場合は、オフィスへデータを持ち帰る際に記録媒体のマルウェアの検査を行う必要があり、記録媒体の管理や暗号化も要るとしています。*5 持ち出すデータは必要最低限に絞ることが大事だとも述べています。

自宅とオフィスの間で立ち寄るコワーキングスペースにも注意が要ります。ガイドラインは、コワーキングスペースなどで紙資料を使って作業や打合せをすると、オフィスに近い環境なので気が緩み、紙資料を置き忘れる例があると注意を促しています。

契約の側でも決めておくことがあります。自営型テレワークのガイドラインは、専門人材が守るべき個人情報や機密情報の取扱い(契約の範囲外で使わないこと、保管のしかた、仕事が終わったあとの消去など)を、あらかじめ明らかにしておくよう求めています。*4 漏れたときの責任の範囲(上限額など)も示しておくことが望ましいとしています。端末の貸し出しや個人の端末を使うときの決め方は外部人材活用をフルリモートで進める手順、作業と環境で人を選ぶで扱っています。

つまずきやすい点

一つめは、社員の出社日が決まったあとで、専門人材にも同じ日に来てもらうよう頼むことです。専門人材は別の取引先の予定を入れているかもしれません。回数と日の決め方は、契約の前に合意しておきます。

二つめは、交通費を口頭で済ませることです。「実費で払います」と伝えただけでは、どの区間の運賃か、月の上限はあるか、報酬と一緒に払うのかが決まりません。三つめは、出社の日に使った紙の資料をそのまま持ち帰ってもらうことです。紙の扱いを決めていないと、どの資料が社外にあるのか分からなくなります。

四つめは、出社の日の相手がいないことです。自営型テレワークのガイドラインは、問い合わせや苦情に対応する担当者をあらかじめ明らかにしておくことが望ましいとしています。出社の日に誰が説明し、誰が入館の手続きをするのかまで決めておきます。

外部に委託するときに確認しておきたい点

ハイブリッドで専門人材を探すなら、出社してもらう場面と回数の見込み、オフィスの場所、交通費の扱いを、声をかける前に書き出しておきます。「立ち上げの2日と、月1回のレビューだけ出社」のように書けていれば、通えるかどうかを相手がその場で判断できます。

候補者には、ふだん作業する場所と、社内のシステムにつなぐ環境を確かめます。外部人材活用をリモートとハイブリッドのどちらで進めるにしても、どの作業を社内に残すかの判断は社内で持っておきます。

自営型と雇用型でテレワークの経験がどれだけ違うかは外部人材活用とリモート|自営型30.7%と雇用型25.2%、受け入れのときの権限の付け方は業務委託エンジニアの受け入れ時の権限管理、付与から削除までの手順にあります。

まとめ:ハイブリッドで確かめておきたい3つの点

業務委託の専門人材とハイブリッドで働くうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、出社してもらう場面を作業の名前で書き出し、回数と日の決め方を契約の前に合意すること。第二に、出社の交通費と移動にかかる時間を、経費として払うのか報酬に含めるのかを契約条件に書くこと。第三に、オフィスと自宅の間で持ち運んでよい情報と紙の資料の扱い、仕事が終わったあとの消去を先に決めることです。この3点を踏まえておけば、「来てもらう日を後から増やしたら、交通費と納期でもめた」という事態を避けやすくなります。出社の場面と条件を書き出すところまでは社内でできます。その条件で来てもらえる人が見つからないなど、人選に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

出社してもらう場面と回数、交通費の扱いが決まったあとは、その条件で通える担い手を探す段階です。立ち上げの2日と月1回のレビューだけ出社、残りはリモートで実装とテスト——このくらいまで書けていれば、住んでいる地域や、社内のシステムにつなぐ環境の条件も決まります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

途中で出社の回数を増やしたいときはどうしますか

契約条件の変更として、専門人材と話し合って決め直します。自営型テレワークのガイドラインは、契約の内容を変えるときは変更の内容を文書などで示して合意し、それまでの作業の報酬の扱いも双方で十分に協議するよう求めています。

契約条件を書いた文書はどれくらい保存しますか

自営型テレワークのガイドラインは、契約条件をめぐる紛争を防ぐため、注文者が契約条件を書いた文書や電子メールなどを3年間保存するよう求めています。*4 出社の回数や交通費の扱いを書いた文書も、あわせて保存しておきます。

自宅での作業環境や健康について、注文者の側ですることはありますか

ガイドラインは、情報機器作業の適正なやり方や腰痛を防ぐ方法など、健康を確保するための情報を注文者が専門人材に提供することが望ましいとしています。 健康に関する相談を受けたときは、作業の進み具合に応じて配慮するよう努めることも求めています。

出社の場面と条件が決まったら相談

「立ち上げの2日と月1回のレビューだけ出社、残りはリモート」といった形で出社の場面と回数が書けていれば、そのままご相談いただけます。交通費の扱いをまだ決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。出社の場面と回数を決めたうえで、その条件で通える人を探すこともできます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査 -調査結果-」(PDF)(https://www.mlit.go.jp/toshi/kankyo/content/001879091.pdf)。令和7年3月。WEB調査(2024年10月15日〜21日)、有効サンプル40,000人。2-5 テレワークの実施場所(設問対象は直近1年間にテレワークをした雇用型・自営型のテレワーカー6,490人)の一次情報として。サテライト型・モバイル型はR3年度に定義が変わっている(2026年9月確認)
  2. *2 参考:国土交通省「令和7年度テレワーク人口実態調査 -調査結果-」(PDF)(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001989216.pdf)。令和8年3月。2-2 居住地域別テレワーカーの割合(自営型)の一次情報として。自営型はR3年度にテレワークの定義が変わっているため、それ以前とは直接比べられない(2026年9月確認)
  3. *3 参考:内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」(PDF)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/freelance/dai1/siryou13.pdf)。令和2年5月。インターネット調査(2020年2月10日〜3月6日)、本調査に最後まで回答したフリーランス7,478人。フリーランスという働き方を選択した理由(複数回答・上位6項目)の一次情報として(2026年9月確認)
  4. *4 参考:厚生労働省「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/001618743.pdf)。令和8年7月一部改正版。第2(1) 定義、第3(2)イ⑤⑫・ハ 契約条件の文書明示と保存、(3)イ④⑤⑥⑨・ロ 契約条件の適正化、(4)ハ 注文者の協力・ホ 健康確保措置・ト 担当者の明確化を参照(2026年9月確認)
  5. *5 参考:厚生労働省「情報通信機器を利用して自宅などで仕事をしている方へ(自営型テレワーク)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index.html)。ガイドラインの掲載ページ。改正日の確認として(2026年9月確認)
  6. *6 参考:総務省「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」(PDF)(https://www.soumu.go.jp/main_content/000752925.pdf)。令和3年5月。第3章2(7) スタンドアロン方式、第5章5 データ保護(情報の分類と取扱方針・管理者E-1)、第2章のコワーキングスペースでの紙資料の置き忘れの注意を参照(2026年9月確認)




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