LASSIC Media らしくメディア

2026.09.29 採用支援コラム

副業エンジニアの稼働時間、依頼の前に決める3つのこと




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 副業で働く時間は週10時間未満の人が49.9%で、副業エンジニアの稼働時間は週10時間前後と見込むのが目安です。
  • 本業が正社員の副業者は、本業と副業を合わせて週平均54.9時間働いており、時間を増やす余地は大きくありません。
  • 作業の見積もりを週の稼働時間で割って必要な週数を出し、本業の忙しい週を見込んで納期と中間の確認日を決めます。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

週に何時間なら作業してもらえるのか、本人に聞いても「平日の夜と週末なら」という答えしか返ってこない。週10時間と見込んで納期を決めたのに、本業が忙しい月には作業がほとんど進まなかった——。副業エンジニアに開発を頼む現場では、こうした見込み違いが起こりがちです。副業エンジニアの稼働時間とは、本業を持つエンジニアが、1週間のうちに自社から頼まれた作業に使う時間のことです。

稼働時間を先に見込んでおくと、頼む作業の量と納期を決めやすくなります。ただし万能ではなく、時間を見込んでも、何を頼むかが決まっていなければ作業は終わりません。本記事では、副業エンジニアに業務委託で開発を頼むマネージャーに向けて、公的な調査に見る副業の労働時間、働く頻度と時間の関係、本業と合わせた負担、週の時間から納期を組む手順、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

夜の部屋で、木の支柱のスタンドの笠が内側から明るく灯っている写真

副業エンジニアの稼働時間とは

稼働時間は「週10時間」のように1週間の時間で表すことが多く、「月40時間」のように月の時間で表すこともあります。契約の段階で決めるのは見込みの時間で、実際に作業した時間は週ごとや月ごとの報告で確かめます。副業の場合、作業は本業の勤務時間の外で行われるため、使える時間は本業の予定しだいで週ごとに変わります。

見込みを立てる手がかりになるのが、労働政策研究・研修機構(JILPT)の「副業者の就労に関する調査」です。2022年10月のインターネット調査で、仕事をしている18〜64歳の18万8,980人のうち、仕事が2つ以上あると答えた1万1,358人を副業者として集計しています。*1 エンジニアだけを集計した調査ではないため、職種別の値がある箇所は「専門的・技術的職業」の値を見ていきます。調査票では、この職種の例に情報処理技術者やプログラマーが挙がっています。*1

副業の数は「1つ」が78.0%、「2つ」が17.6%です。*1 報告書は、収入の最も多い副業を「主な副業」として集計しています。本業が正社員の人の主な副業は、パート・アルバイトが39.6%で最も多く、自由業・フリーランス・個人請負が21.7%で続きます。*1 業務委託で開発を頼む相手は、この「雇われずに請け負う形」で副業をしている人に当たります。

副業で働く時間は週に何時間か

すべての副業を合わせた1週間の実労働時間は、「5時間以上10時間未満」が27.6%で最も多く、「10時間以上20時間未満」26.7%、「5時間未満」22.3%と続きます。10時間未満を合わせると49.9%で、副業者のほぼ半数です。平均は14.3時間ですが、中央値(少ない順に並べたときの真ん中の値)は10時間でした。*1

副業での1週間あたりの実労働時間(本業の就業形態別。出典:労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」図表2-4-14。単位は%、平均と中央値は時間。括弧内は回答者数。示された数値をもとに筆者が作成した)
本業の就業形態 5時間未満 5〜10時間未満 10〜20時間未満 20時間以上 平均 中央値
副業者全体(11,358人) 22.3 27.6 26.7 23.5 14.3 10
本業が正社員(4,327人) 24.8 29.7 26.9 18.7 12.9 8
本業が非正社員(4,657人) 22.0 28.8 27.8 21.4 13.7 9
本業が雇われない形(2,374人) 18.5 21.3 24.2 36.0 18.2 12

表の「20時間以上」は、資料の「20時間以上30時間未満」「30時間以上40時間未満」「40時間以上」の3つを筆者が合わせた値です。本業が正社員の人に限ると、平均は12.9時間、中央値は8時間まで下がり、10時間未満が54.5%になります。本業の職種別の平均では、専門的・技術的職業は13.6時間でした。*1

報告書によると、この設問は副業をしなかった週も含めた1週間の平均を尋ねましたが、副業をした週だけの平均で答えたとみられる回答も一定数ありました。*1 月に数日しか作業しない人が作業した週の時間だけを答えていれば、作業しない週も含めた実際の平均は表の値より短くなります。本業が正社員の副業エンジニアに頼むなら、まずは週8〜10時間を目安にしておくと、見込み違いを小さくできます。

働く頻度と時間の関係

主な副業で働く頻度は、「週の1〜2日程度」が31.4%で最も多く、「週の半分程度」18.6%、「月に数日程度」16.7%、「週末など本業が休みの日」13.2%、「ほぼ毎日」12.5%、不定期7.7%の順です。本業が正社員で、主な副業が雇われずに請け負う形の1,388人では、「月に数日程度」が21.2%、不定期が12.1%と、副業者全体より多くなっています。*1

主な副業で働く頻度を、副業者全体と、本業が正社員で主な副業が雇われずに請け負う形の人とで比べた横棒グラフ。副業者全体(1万1,358人)は、ほぼ毎日12.5%、週の半分程度18.6%、週の1〜2日程度31.4%、週末など本業が休みの日13.2%、月に数日程度16.7%、不定期7.7%。本業が正社員で主な副業が雇われない形の人(1,388人)は、ほぼ毎日12.5%、週の半分程度13.4%、週の1〜2日程度24.6%、週末など本業が休みの日16.1%、月に数日程度21.2%、不定期12.1%。出典は労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」図表2-4-13と図表2-6-14。

頻度と時間を組み合わせて見ると、使える時間の目安がつかみやすくなります。「週の1〜2日程度」の人は「5時間以上10時間未満」が34.2%で最も多く、「月に数日程度」の人は「5時間未満」が44.6%でした。一方、「ほぼ毎日」と「週の半分程度」の人は、10時間以上がどちらも7割を超えています。*1

同じ週10時間でも、土曜日にまとめて作業する人と、平日の夜に2時間ずつ作業する人とでは、進み方が違います。前者に平日に質問を送ると、返事は次の土曜日になりがちです。後者は1回の作業が短いので、大きな作業は2時間ほどで終わる大きさに分けて渡す必要があります。そのため、稼働時間を聞くときは、週の時間に加えて、作業する曜日と1回あたりの時間も一緒に聞いておきます。

本業と合わせた労働時間

調査は、本業と副業を合わせた1週間の実労働時間も集計しています。副業者全体の平均は47.7時間で、本業が正社員の人では平均54.9時間、中央値52時間でした。本業が正社員の人のうち、合わせて60時間以上働いている人は32.5%です。*1

報告書は、この総計の平均を「本業の平均+副業の平均」として計算しています。*1 そのため、総計の平均から副業の平均を引けば、本業だけの平均が分かります。本業が正社員の人では、54.9時間から12.9時間を引いて、本業の平均は42.0時間です。本業だけで週40時間を超えて働いている人に、さらに副業の時間を増やしてもらう余地は大きくありません。見込みより作業が遅れたとき、「今週だけ時間を増やしてほしい」と頼んでも、引き受けてもらえない場合があると考えておきます。

本業の会社で副業がどう扱われているかは、会社ごとに違います。届け出や時間の報告が要るかどうかは本人に確かめてもらい、依頼する側では、本業の繁忙期に稼働時間が減る前提で見込みを立てます。

週の時間から納期を組む

納期は、作業の見積もりを週の稼働時間で割って組みます。まず頼む作業を書き出し、作業ごとに何時間かかるかを見積もります。次に、定例の打ち合わせやレビューに使う時間を週の稼働時間から引き、作業に使える時間を出します。最後に、見積もりをその時間で割って週数を出し、本業の都合で作業できない週を見込んで納期を決めます。

週の稼働時間から納期を組む例(筆者が作成した計算例)
項目 例の値
作業の見積もり 画面の改修 30時間
週の稼働時間 10時間
打ち合わせとレビュー 週1時間
作業に使える時間 週9時間
作業に要る週数 30÷9で3.3週、切り上げて4週
作業できない週の見込み 1週
納期 依頼から5週後

打ち合わせの時間を入れずに30÷10で3週と見込むと、作業がほぼ1週遅れる計算です。作業できない週の見込みは、本人に本業の繁忙期や休みの予定を聞いて決めます。聞いても分からないときは、4週に1週ほど作業できない週があるものとして組んでおくと、途中で納期を決め直さずに済みます。

中間の確認日は週単位で置きます。上の例なら、2週目の終わりに作業の半分が終わっているかを見ます。遅れが見えたときに、頼む作業を減らすのか、納期を延ばすのかを依頼の段階で決めておくと、その場で慌てずに済みます。

連絡の時間帯と作業の場所

副業先を選ぶときに重視する情報を尋ねた設問では、「副業・兼業先の賃金」40.2%に次いで、「副業・兼業先の労働時間帯」が30.3%、「副業・兼業先の労働日」が28.6%でした(複数回答)。*1 募集や依頼の段階で、作業してほしい曜日と時間帯を示しておくと、相手も引き受けられるかどうかを判断しやすくなります。

作業の場所も時間に関わります。主な副業が専門的・技術的職業の人のうち、副業でテレワークができると答えた人は44.2%で、副業者全体の24.5%より高い値です。*1 在宅で作業してもらうなら、相手が作業する時間帯のうち、社内の担当者も返事ができる時間が週に何時間あるかを確かめておきます。そうした時間がほとんど無い場合は、質問を書き込むチャットや課題管理の場所を決め、社内の担当者が翌日の何時までに返事をするかも決めておきます。質問への返事の決め方は「業務委託エンジニアの稼働日数、作業量と連絡の頻度から決める」でも扱っています。

つまずきやすい点

一つ目は、平均の14.3時間を目安にしてしまうことです。40時間以上働く人が7.8%いるため、平均は長く働く一部の人の分だけ高くなります。*1 頼む相手の多くに当てはまるのは、中央値の10時間のほうです。

二つ目は、毎週同じ時間を使ってもらえると考えることです。月に数日や不定期で働く人も少なくありません。週の時間と一緒に、作業できない週がいつ来るかを聞いておきます。

三つ目は、ほかの副業を聞かずに見込むことです。副業が2つ以上ある人は2割を超えます。*1 ほかの副業にも時間を使っている人について、自社の作業だけを見て稼働時間を見込むと、ほかの副業の締め切りと自社の締め切りが同じ週に来たときに、自社の作業が止まります。

外部に委託するときに確認しておきたい点

副業エンジニアを探す段階では、次の点を候補者に確かめておくと、契約の後で稼働時間の見込みが崩れにくくなります。

  • 週に使える時間と、作業する曜日、1回あたりの時間
  • 本業の繁忙期と、休みを取る予定の時期
  • ほかの副業の有無と、その締め切りが重なりやすい時期
  • 社内の担当者と連絡がつく時間帯と、返事にかかる時間の目安
  • 見込みを超えそうなとき、何日前までに相談すればよいか

候補者が複数いるときは、週の時間の長さだけで比べないようにします。週15時間でも週末にまとめて作業する人と、週8時間でも平日の夜に連絡がつく人とでは、頼む作業によって向いている人が違います。本業の会社との約束や、契約の前に本人と確かめる事項は「副業エンジニアと契約する前に本人と確かめる5つのこと」にまとめました。

本業と副業それぞれで働く人の数は「外部人材活用で兼務する人の本業と副業の割合」で、自社で雇って副業人材を受け入れる場合の労働時間の扱いは「副業人材の受け入れ、後から契約する側の違い」で扱っています。

まとめ:稼働時間で確かめておきたい3つの点

副業エンジニアの稼働時間を見込むうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、平均ではなく中央値の週10時間前後を目安にし、本業が正社員の人ならさらに短く見込むこと。第二に、週の時間に加えて、作業する曜日、1回あたりの時間、作業できない週を聞いておくこと。第三に、打ち合わせの時間を引いた作業の時間で週数を出し、作業できない週を見込んで納期と中間の確認日を決めることです。この3点を踏まえておけば、「週10時間で頼んだのに、本業が忙しい月に作業が止まり、納期に間に合わなかった」という事態を避けやすくなります。稼働時間や納期の見込みに迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

週の稼働時間から納期を組んでみると、副業の人の時間だけでは納期に間に合わない作業が見えてくることがあります。その作業を、業務委託で開発に加わる専門人材に任せる方法も、選択肢に入れておけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

週5時間ほどしか取れない人にも開発を頼めますか

頼む作業によります。すぐに返事が要る問い合わせ対応より、設計書の確認やテストケースの作成のように、決まった手順で区切って進められる作業のほうが向いています。1回の作業で終わる大きさに分けて渡すと、進み具合も確かめやすくなります。

稼働時間は契約書にどう書けばよいですか

週あたりの見込みの時間と、見込みを超えそうなときに何日前までに相談するかを書いておくと、後で食い違いにくくなります。あわせて、作業した時間と進み具合をいつ、どの形で報告してもらうかも決めておきます。

作業した時間の実績はどう確かめればよいですか

週ごとに、作業した時間と終わった作業を一緒に報告してもらうのがおすすめです。時間だけの報告では、見積もりどおりに進んでいるかが分かりにくいためです。2〜3週分がそろったところで見込みと比べ、納期を見直すかどうかを決めます。

稼働時間と納期の見込みを相談したいとき

頼みたい作業と見積もりの時間、希望の納期が分かっていれば、そのままご相談いただけます。週に何時間の人が必要か、まだ決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。作業と納期を決めたうえでお探しいただけます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

無料相談はこちら

出典

  1. *1 参考:労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」(JILPT調査シリーズNo.245・PDF)(https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/documents/0245.pdf)。出典:労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」(JILPT調査シリーズNo.245、2024年7月)。調査は2022年10月3日〜13日のインターネット調査、18〜64歳の有効回答18万8,980人のうち副業者1万1,358人を集計。図表2-3-29(副業・兼業を行うに際して重視する情報)、図表2-4-1(副業の数)、図表2-4-2(主な副業の就業形態)、図表2-4-13(主な副業の頻度)、図表2-4-14・2-4-15・2-4-16(副業での1週間あたりの実労働時間)、図表2-4-18・2-4-19(本業と副業の労働時間の総計)、図表2-4-30(主な副業でのテレワークの状況)、図表2-6-14(本業および主な副業の就業形態別の副業の頻度)を参照。表と図は資料に示された数値をもとに筆者が作成した(2026年9月確認)
  2. *2 参考:労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.245 副業者の就労に関する調査」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/245.html)。報告書の概要と公表時期の確認として(2026年9月確認)




View