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2026.09.01 採用支援コラム

営業秘密の秘密管理措置と情報漏えい対策の違い




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 要件は3つ:秘密管理性・有用性・非公知性を全部満たす必要があります*1*2。
  • 物差しは認識可能性:鉄壁の管理は求められていません*2。
  • 漏えい対策とは別:セキュリティの水準に達していなくても認められ得ます*2。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

入社の手続で誓約書を配りながら、これで自社の情報が守れているのか判断できない、という声を聞きます*2。判断の物差しは営業秘密の要件にあります*1。

根拠は不正競争防止法第2条第6項です*1。営業秘密を、秘密として管理されている事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものと定義しています*1。

考え方を示す文書が更新されました*2。経済産業省の営業秘密管理指針は、令和7年3月31日に一部が改訂されています*2。

本記事では、3つの要件、秘密管理措置の程度、媒体ごとの管理方法、情報漏えい対策との切り分け、書面の使い分けを確かめます*1*2*3。

入社時に取る書面そのものは身元保証書はなぜ極度額がないと無効になるのかでも扱いました*1。

白い収納と木の天板のカウンターが続く無人の執務室の写真

営業秘密は3つの要件で決まる

まず定義からです。

営業秘密の要件と秘密管理措置を整理した図。不正競争防止法第2条第6項が営業秘密を秘密として管理されていること・事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること・公然と知られていないことの3要件で定義していること、営業秘密管理指針が秘密管理性の趣旨を従業員等の予見可能性の確保と説明し秘密管理意思の認識可能性が確保されているかで判断するとしていること、紙媒体ではマル秘表示や施錠キャビネット、電子媒体ではファイル名やヘッダーへの付記やパスワードの設定、クラウドでは階層制限に基づくアクセス制御が例として挙げられていること、秘密管理措置と情報漏えい対策や情報セキュリティが別のものとして整理されていること、競業避止義務契約の有効性の判断ポイントが6項目であることをまとめた図

第2条第6項が定義です*1。営業秘密を、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものをいうとしています*1。

経済産業省はこれを3つに分解しています*2。秘密として管理されている秘密管理性、事業活動に有用な有用性、公然と知られていない非公知性です*2。

そして全部そろう必要があるとしています*2。この三要件すべてを満たすことが、法に基づく保護を受けるために必要になるとしています*2。

保護の中身は法の別の条にあります*1。第2条第1項第4号以下が、不正の手段により営業秘密を取得する行為や、示された営業秘密を不正の利益を得る目的で使用または開示する行為を不正競争として並べています*1。

指針の性格も明記されています*2。経済産業省が一つの考え方を示すものであり、法的拘束力を持つものではなく、個別事案の解決は最終的には裁判所において判断されるとしています*2。

そのうえで水準が示されています*2。営業秘密が不正取得等された場合に、事後的救済として法によって差止め等の保護を受けるために必要となる最低限の水準の対策を示すものだとしています*2。

実務で問題になりやすいのは1つ目です*2。有用性と非公知性は情報の性質で決まりますが、秘密管理性は会社の作業で決まります*2。

次に、その物差しを見ます*2。

秘密管理性の物差しは従業員の認識可能性

ここが指針の中心です。

趣旨が示されています*2。企業が秘密として管理しようとする対象が従業員や役員、取引相手先などに対して明確化されることによって、これらの人の予見可能性、ひいては経済活動の安定性を確保することにあるとしています*2。

裏返せば嫌疑の防止です*2。営業秘密に接した者が事後に不測の嫌疑を受けることを防止するためだとしています*2。

判断の形も書かれています*2。保有者の秘密管理意思が具体的状況に応じた経済合理的な秘密管理措置によって従業員に明確に示され、結果として従業員がその意思を容易に認識できる状態が必要だとしています*2。

主観だけでは足りません*2。保有者が当該情報を秘密であると単に主観的に認識しているだけでは不十分だとしています*2。

逆に過大な要求も否定されています*2。ある情報について相当高度な秘密管理を網羅的に行った場合にはじめて法的保護が与えられるべきだと考えることは適切ではないとしています*2。

理由の一つは中小企業です*2。これらの企業に「鉄壁の」秘密管理を求めることは現実的ではなく、求めれば結局は保護対象から外れてイノベーションを阻害しかねないとしています*2。

対象者の範囲も広めに置かれています*2。当該情報に合法的に、かつ、現実に接することができる従業員等であり、職務の範囲内か否かが明確でなくても合法的に接することができる者も含まれるとしています*2。

例も挙げられています*2。部署間で情報の配達を行う従業員や、無施錠の書庫を閲覧できる他部署の従業員です*2。

個々の認識で左右されないとも書かれています*2。秘密管理性は従業員全体の認識可能性も含めて客観的な観点から定めるべきものだとしています*2。

次に、具体的な措置を媒体で分けます*2。

措置は媒体ごとに書き分ける

指針は媒体別に例を出しています。

紙媒体は表示が基本です*2。秘密情報が記載された文書に「マル秘」など秘密であることを表示することにより、秘密管理意思に対する従業員の認識可能性は確保されると考えられるとしています*2。

保管でも成り立ちます*2。施錠可能なキャビネットや金庫等に保管する方法も、認識可能性を確保する手段として考えられるとしています*2。

電子媒体は選択肢が並びます*2。記録媒体へのマル秘表示の貼付、電子ファイル名やフォルダ名へのマル秘の付記、ファイルを開いた場合に画面上に表示されるようヘッダーへ付記すること、ファイルやフォルダの閲覧に要するパスワードの設定などです*2。

表示を付けられない媒体にも道があります*2。記録媒体そのものに表示を付すことができない場合は、保管するケースや箱にマル秘表示を貼付するとしています*2。

表1:媒体ごとの典型的な管理方法(営業秘密管理指針の例)
媒体 指針が挙げる典型的な方法
紙媒体 文書への「マル秘」などの表示、施錠可能なキャビネットや金庫等への保管
電子媒体 ファイル名・フォルダ名やヘッダーへのマル秘の付記、閲覧パスワードの設定、記録媒体やケースへの表示の貼付
外部のクラウド 階層制限に基づくアクセス制御など。秘密として管理されていれば秘密管理性は失われない
媒体を使わない場合 接しうる従業員が少数のときは、口頭で確認している等の措置で足りる場合もある

経済産業省「営業秘密管理指針」(令和7年3月31日改訂)より作成(確認日2026年9月1日)*2。

クラウドも同じ枠です*2。外部のクラウドを利用して営業秘密を保管・管理する場合も、秘密として管理されていれば秘密管理性が失われるわけではないとしています*2。

重要性が明らかなら軽い措置でも成り立つ場合があります*2。保有者にとって重要な情報であることが明らかな場合は、クラウドにアクセスするためのIDやパスワードが設定されている程度の技術的な管理措置や、就業規則や誓約書で漏えいを禁止しているといった規範的な管理措置で足りる場合もあるとしています*2。

アクセス権の絞り方にも幅があります*2。従業員ごとに厳密に業務の必要性を考慮して限定することまでは求められず、業務上の必要性等から特定の部署で広くアクセス権限が付与されていても、特定の従業員に限定されていたことに変わりはないと考えられるとしています*2。

次に、混同されやすい切り分けです*2。

秘密管理措置と情報漏えい対策は別のもの

指針はこの2つを分けています。

追加的な措置の位置づけが書かれています*2。紙媒体のコピーやスキャンの禁止、コピー部数の管理、配布コピーの回収、キャビネットの施錠、自宅持ち帰りの禁止などによって秘密管理意思の明示がより確固としたものになることは想定されるとしています*2。

ただし必須ではないとしています*2。通常の状況においては、これらの措置は情報漏えい対策上有効であるとしても、秘密管理性を充足するための必須のものではないとしています*2。

電子媒体でも同じ整理です*2。人事異動や退職ごとのパスワード変更、私用メールへの転送制限、物理的にUSBやスマートフォンを接続できないようにすることなども、必須のものではないとしています*2。

情報セキュリティとの関係も明記されています*2。情報セキュリティで求められる措置の程度と秘密管理措置の程度は異なってもよく、セキュリティで求められる程度に達していなくとも秘密管理措置は認められ得るとしています*2。

漏えい防止対策の中身も区別されています*2。意識啓発や漏えいの検知などは通例含まれるものの、秘密管理措置とは必ずしも一致しないとしています*2。

逆向きの注意もあります*2。措置がその実効性を失い「形骸化」したともいいうる状況で、従業員が企業の秘密管理意思を認識できない場合は、適切な秘密管理措置とはいえないとしています*2。

形骸化の例も挙げられています*2。「職務上知り得た情報全て」「事務所内の資料全て」といった形で秘密表示等を行っているにもかかわらず、内容から当然に一般情報だと従業員が認識する情報が著しく多く含まれる場合です*2。

個人情報は事情が違います*2。個人情報保護法で漏えい対策を含む安全管理義務が課され、それが従業員にとっても明らかで一般情報との区別も外見上明確であることから、その他の情報に比べて秘密管理性が認められる可能性が高いとしています*2。

採用の場面で扱う個人情報の範囲は応募者の個人情報で収集してはいけない3つの事項で整理しました*2。

次に、令和7年3月の改訂です*2。

令和7年3月の改訂は働き方の変化を受けた

改訂の理由が書かれています。

1つ目は勤務場所です*2。従来は労働の場が企業の施設内に限られることが多かったものの、多くの企業でテレワーク勤務が実施されるに至るなど施設外における労働の機会が増え、自宅等において営業秘密に触れる機会が増えているとしています*2。

2つ目は兼業と副業です*2。労働形態の多様化の流れの中で兼業・副業の動きも見られ、兼業先や副業先の営業秘密に接する機会が生じているとしています*2。

受け入れる側の整理は副業人材の受け入れ、後から契約する側の違いで扱いました*2。

3つ目は情報管理の手法です*2。クラウド技術・環境を前提とした管理が進むなど、企業における情報管理のあり方も変化しているとしています*2。

これらを踏まえた改訂だと明記されています*2。これらの動きを踏まえ、修辞上の修正とともに令和7年3月に指針の一部が改訂されたとしています*2。

法律の側にも直前の動きがあります*2。令和6年4月には、限定提供データの保護対象について営業秘密を除外するとする令和5年に改正された不正競争防止法が施行されているとしています*2。

条文でも確認できます*1。第2条第7項が限定提供データを、業として特定の者に提供する情報として電磁的方法により相当量蓄積され、および管理されている技術上または営業上の情報(営業秘密を除く)と定義しています*1。

使い分けは保護の入口が違うということです*1*2。同じデータを両方の枠で二重に守るのではなく、営業秘密として管理するのか、限定提供データとして扱うのかを先に決める形になります*1*2。

改訂履歴も公開されています*2。平成15年1月30日の策定から数えて令和7年3月31日が最新の改訂です(確認日2026年9月1日)*2。この日付は動くため、参照する前に現在の版を確かめてください*2。

次に、書面の使い分けです*2*3。

誓約書と就業規則はどちらも役割がある

書面は措置の一部として挙げられています。

従業員と役員に向けた措置の中に入っています*2。媒体の選択や表示、接触する者の限定、営業秘密と他の情報との分別管理、種類・類型のリスト化、就業規則や秘密保持契約(あるいは誓約書)などで守秘義務を明らかにすること、従業員への研修・啓発が想定されるとしています*2。

ねらいも書かれています*2。当該情報が秘密であって一般情報とは取扱いが異なるべきという規範意識が生じる程度の取組であることがポイントになるとしています*2。

取引相手先は扱いが違います*2。従業員および役員に向けた措置に加えて、当該取引相手先と秘密保持契約を締結した上で秘密情報を提供したかどうかがポイントになるとしています*2。

退職後の競業については別の資料があります*3。秘密情報の保護ハンドブックの参考資料5が、競業避止義務契約の有効性について判例をもとにした整理を示しています*3。

判断のポイントは6つに整理されています*3。守るべき企業の利益があるかどうか、従業員の地位、地域的な限定があるか、存続期間、禁止される競業行為の範囲、代償措置が講じられているかです*3。

企業側の利益の範囲も示されています*3。企業側の守るべき利益は不正競争防止法上の営業秘密に限定されず、営業秘密に準じるほどの価値を有する営業方法や指導方法等に係る独自のノウハウについては、競業避止によって守るべき利益があると判断されやすい傾向があるとしています*3。

就業規則との関係にも触れています*3。就業規則に規定を設けたうえで異なる内容の個別の誓約書を結ぶ場合は、就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める契約の効果を無効とする労働契約法第12条との関係が問題になるとしています*3。

実務上の書き方の例も示されています*3。就業規則に原則的な規定を設け、加えて会社が個別に契約を締結した場合は当該契約によるものとする旨を規定しておけば、同条の問題は生じないと考えられるとしています*3。

この資料の性格には注意が必要です*3。参考資料5は平成24年度の委託調査の報告書から抜粋されたものであり、個別の判断は裁判所によるものです*3。就業規則で労働条件を変える場面は労働条件の変更は合意が原則、就業規則で変える場合との違いで整理しました*3。

最後に、採用実務で押さえる点を挙げます*2*3。

採用実務で押さえる3点

入社と退職の前後に作業が集まります。

第1に、何が秘密なのかを先に決めることです*2。指針が挙げる営業秘密たる情報の種類・類型のリスト化は、誓約書を配る前に済ませておく作業です*2。

リストがないと表示もできません*2。文書にマル秘を表示する、ファイル名に付記するといった措置は、対象が決まっていなければ実行できません*2。

第2に、書面と表示を両方そろえることです*2。就業規則や誓約書の規範的な措置と、表示やパスワードの技術的な措置は、指針の中で並んで挙げられています*2。

判断は個別です*2。指針は情報の性質や従業員の多寡、執務室の状況その他の事情によって必要な程度が異なるとしています*2。

第3に、退職の前後で確認を残すことです*2*3。退職時の書面は、参考資料5が挙げる競業避止義務契約の形態としても整理されています*3。

退職時に会社側で発生する届出や書類は退職時に会社が行う届出と、請求されたら出す書類で整理しました*3。

採用計画の側にも影響があります*2。テレワークや副業を前提に人を集めるなら、自宅や副業先で営業秘密に触れる前提で措置を組み直す必要があります*2。

とはいえ、規程を整える手と人を採る手は同じ担当に集まりがちです。どちらも止められないときは、優先順位を決めるところから始まります。

職種によっては、期間を区切って外部の実務経験者に任せる選択肢もあります。秘密保持契約を結んだうえで委託する形は、指針の中でも取引相手先向けの措置として整理されています*2。

制度の側は指針とハンドブックで確かめられます*1*2*3。社内の側は、何を秘密として扱うかを一覧にするところから整理してください*2。

まとめ:営業秘密の管理の要点

第一に、要件です。不正競争防止法第2条第6項は営業秘密を、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものと定義しており、経済産業省は秘密管理性、有用性、非公知性の三要件すべてを満たすことが必要だとしています。第二に、秘密管理性の物差しです。営業秘密管理指針は、趣旨を従業員等の予見可能性と経済活動の安定性の確保に置き、保有者の秘密管理意思が経済合理的な秘密管理措置によって示され、従業員がそれを容易に認識できる状態が必要だとしています。相当高度な秘密管理を網羅的に行った場合にはじめて保護されるという考え方は適切ではないとされ、対象者には職務の範囲が明確でなくても合法的に情報へ接することができる者が含まれます。第三に、媒体ごとの方法です。紙媒体では「マル秘」などの表示や施錠可能なキャビネット等への保管、電子媒体ではファイル名やヘッダーへの付記や閲覧パスワードの設定、外部のクラウドでは階層制限に基づくアクセス制御が例として挙げられています。第四に、情報漏えい対策との切り分けです。コピー禁止や転送制限などの追加的措置は漏えい対策として有効でも秘密管理性の必須のものではなく、情報セキュリティで求められる程度に達していなくとも秘密管理措置は認められ得るとされています。ただし措置が形骸化した状態は適切ではありません。第五に、書面です。指針は就業規則や秘密保持契約(あるいは誓約書)で守秘義務を明らかにすることを措置として挙げ、取引相手先については秘密保持契約の締結がポイントだとしています。退職後の競業については、参考資料5が守るべき企業の利益、従業員の地位、地域的な限定、存続期間、禁止行為の範囲、代償措置の6項目を判断のポイントとしています。

LASSICに相談するメリット

株式会社LASSICは、リモートワークを前提としたITプロ人材のサービスを運営しています。「在宅やクラウド前提で人を増やしたいが、情報の扱いを決めきれない」というご相談をいただくことがあり、担当が対話を重ねて、どの職責をどの体制で任せるかを一緒に整理できます。誓約書や就業規則の文面は各社の労務担当と専門家の領域ですが、体制と人員計画については判断の材料としてお役に立てるはずです。勤務地の条件に縛られず全国の実務経験者にあたれる体制もご活用ください。

よくある質問

営業秘密として保護されるための要件は何ですか。

不正競争防止法第2条第6項は営業秘密を、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものと定義しています。経済産業省の営業秘密管理指針は、これを秘密管理性、有用性、非公知性の三要件として整理し、すべてを満たすことが法に基づく保護を受けるために必要になるとしています。指針は法的拘束力を持つものではなく、個別事案は最終的に裁判所において判断されるとされています。

どこまで管理すれば秘密管理性を満たしますか。

営業秘密管理指針は、保有者の秘密管理意思が具体的状況に応じた経済合理的な秘密管理措置によって従業員に明確に示され、従業員がその意思を容易に認識できる状態が必要だとしています。相当高度な秘密管理を網羅的に行った場合にはじめて法的保護が与えられるという考え方は適切ではないとされ、必要な内容や程度は企業の規模、業態、従業員等の職務、情報の性質その他の事情によって異なるとされています。

電子ファイルはどのように管理すればよいですか。

指針は、記録媒体へのマル秘表示の貼付、電子ファイル名やフォルダ名へのマル秘の付記、ファイルを開いた場合に画面上に表示されるようヘッダーへ付記すること、ファイルやフォルダの閲覧に要するパスワードの設定などを典型的な方法として挙げています。外部のクラウドを利用する場合も、階層制限に基づくアクセス制御などにより秘密として管理されていれば秘密管理性が失われるわけではないとしています。

情報セキュリティ対策と秘密管理措置は同じものですか。

指針は別のものとして整理しています。情報セキュリティで求められる措置の程度と秘密管理措置の程度は異なってもよく、セキュリティで求められる程度に達していなくとも秘密管理措置は認められ得るとしています。コピーの禁止や私用メールへの転送制限などの追加的な措置は、情報漏えい対策上有効であるとしても、秘密管理性を充足するための必須のものではないとされています。

退職後の競業避止はどのように判断されますか。

経済産業省の秘密情報の保護ハンドブックの参考資料5は、判例をもとに、守るべき企業の利益があるかどうか、従業員の地位、地域的な限定があるか、存続期間、禁止される競業行為の範囲、代償措置が講じられているかの6項目を判断のポイントとして整理しています。同資料は平成24年度の委託調査の報告書から抜粋されたものであり、個別の判断は裁判所によるとされています(確認日2026年9月1日)。

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出典

  1. *1 参考:e-Gov法令検索「不正競争防止法」(平成五年法律第四十七号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000047)。第2条第6項(営業秘密の定義)、第2条第7項(限定提供データの定義から営業秘密を除くこと)、第2条第1項第4号以下(営業秘密不正取得行為や示された営業秘密の不正な使用・開示)の一次情報として(2026年9月確認)
  2. *2 参考:経済産業省「営業秘密管理指針」(平成15年1月30日・最終改訂令和7年3月31日/確認日2026年9月1日)(https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/guideline/r7ts.pdf)。三要件と指針の性格、秘密管理性の趣旨が従業員等の予見可能性の確保にあること、鉄壁の秘密管理を求めない考え方、対象者の範囲、媒体ごとの典型的な管理方法、クラウドの扱い、秘密管理措置と情報漏えい対策・情報セキュリティの切り分け、形骸化の注意、個人情報の扱い、就業規則や誓約書と取引相手先の秘密保持契約、令和7年3月改訂の理由(テレワーク・兼業副業・クラウド)と令和6年4月の改正法施行の一次情報として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」参考資料5「競業避止義務契約の有効性について」(確認日2026年9月1日)(https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/handbook/reference5.pdf)。有効性判断の6つのポイント、企業側の守るべき利益が営業秘密に限定されないこと、労働契約法第12条との関係と個別合意を優先する規定例、同資料が平成24年度の委託調査の報告書から抜粋されたものであることの一次情報として(2026年9月確認)




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