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2026.09.17 採用支援コラム

システム開発の外部委託|設計・実装・テストで63.4%




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 下流は外部委託が63.4%:設計・実装・テストは、外部委託が多いとほぼ外部委託の合計が63.4%を占めます。
  • 上流は内製が70.9%:システム企画は、ほぼ内製と内製が多いの合計が70.9%を占めます。
  • 運用・保守は4.1ポイント差:システム運用・保守は内製の合計42.4%、外部委託の合計38.3%で拮抗しています。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

既存システムの改修で手が回らなくなり、どこかを外部に委託することを考え始めた。あるいは、見積りを取ろうとして、要件を固めるところから任せるのか、設計から下だけを任せるのかで手が止まった——。システム開発の外部委託では、多くの現場がこの分け方に突き当たります。目安になるのが、JUASが毎年公表している「企業IT動向調査」です。システム開発を5つの工程に分けたうえで、それぞれ内製と外部委託のどちらが多いかを企業に聞いています。*1

他社の分け方が分かれば、自社で迷っている工程がどちら寄りなのかを先に確かめられます。ただし万能ではなく、工程の中のどこまでを任せているかや、その割合を選んだ理由までは書かれていません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、他社はどこで分けているのか、機能要件定義と非機能要件定義の違い、どちらにも寄っていない工程、どう決めるのか、つまずきやすい点、そして外注の勘所を整理します。

青空の下に枝を大きく広げた一本の木を写したもの

工程ごとの内製と外部委託——他社はどこで分けているか

JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社を対象に、2025年9月5日から10月24日にかけて実施されました。回収数は957社、有効回答率は21.3%です。*1 このうち工程ごとの分担に答えたのは、工程によって886件から903件です。*1 同じ企業が全工程に答えたとは限らないため、工程どうしを1社単位で比べることはできません。

工程ごとの内製と外部委託の割合(出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)図表7-2-3。内製の合計は「ほぼ内製」と「内製が多い」の合計、外部委託の合計は「外部委託が多い」と「ほぼ外部委託」の合計で、どちらも筆者が計算した値。残りは「同程度」。回答数は工程ごとに違う。この表は資料に示された数値をもとに筆者が作成したものであり、資料の図表そのものを複製したものではない)
工程 内製の合計 外部委託の合計 回答数
システム企画(システム化構想策定) 70.9% 17.6% 886件
機能要件定義 46.1% 31.5% 884件
非機能要件定義 37.6% 41.2% 871件
設計・実装・テスト 18.5% 63.4% 884件
システム運用・保守 42.4% 38.3% 903件

外部委託がいちばん多いのは設計・実装・テストでした。「外部委託が多い」と「ほぼ外部委託」を合わせると63.4%になります。反対に内製がいちばん多いのはシステム企画で、「ほぼ内製」と「内製が多い」の合計は70.9%です。手を動かす工程は外へ、何を作るかを決める工程は社内へ。なお、この2つの合計はいずれも資料が印字した値ではなく、示された割合から筆者が足し合わせました。

内製の割合が高い順に並べると、システム企画が70.9%、機能要件定義が46.1%、システム運用・保守が42.4%、非機能要件定義が37.6%、設計・実装・テストが18.5%です。上端と下端の開きは52.4ポイントあります。上流ほど社内、下流ほど外部という並びだと読めます。

機能要件定義と非機能要件定義の違い

要件定義という名前でひとまとめにすると、読み違えます。機能要件定義は内製の合計が46.1%で、外部委託の31.5%を14.6ポイント上回りました。*1 ところが非機能要件定義は外部委託の合計が41.2%で、内製の37.6%を3.6ポイント上回っています。*1 同じ要件定義でも、多数派は反対でした。

差の大きさも違います。機能要件定義の14.6ポイントに対して、非機能要件定義は3.6ポイントしかありません。どちらが多数派かはかろうじて読めますが、僅差なので「非機能は外部に委託するものだ」とまでは言えません。なお14.6ポイントと3.6ポイントは、示された割合から筆者が算出した値です。

要件定義をまとめて社内に残すと決めてしまうと、他社が外部に委託している非機能の側まで社内で抱えることになります。機能と非機能を分けて考えるだけで、任せられる範囲が一つ増えます。

どちらにも寄っていない工程

システム運用・保守だけは、内製の合計が42.4%、外部委託の合計が38.3%で、開きが4.1ポイントしかありません。*1 回答した903件のうち、どちらに寄せている企業も同じくらいいることになります。

この工程については、他社の多数派が答えになりません。設計・実装・テストなら外部に委託するのが多数派だと言えますが、運用・保守は自社の事情で決めるしかない工程です。24時間の当番が要るのか、障害の一次受けを社内と社外のどちらが担うのか——といった条件は企業ごとに違うためです。

全体の方針としては、内製と外部委託の混成を選ぶ企業が44.0%でいちばん多い結果でした。*1 これに「内製を増やす」と「外部委託を増やす」を加えると70.2%になります。*1 どちらか一方に振り切る企業は少数派です。

どう決めるのか

決め方は、いま手が足りない工程を1つだけ選ぶところから始めます。複数をまとめて外部に委託しようとすると、依頼の範囲が広がって相手を決められません。直近の案件で止まっている作業がどの工程に当たるかを、先に当てはめてください。

外部に委託する工程を1つ決める手順を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目はいま手が足りない工程を1つ選ぶこと、2つ目はその1つの工程について内製と外部委託の割合を調査の数値と照らすこと(設計・実装・テストは外部委託の合計が63.4%、システム企画は内製の合計が70.9%)、3つ目は委託する範囲と期間を区切ること、4つ目は外部の要員に任せ、上流工程と方針の決めは社内に残すこと。数値はJUAS「企業IT動向調査2026」図表7-2-3による。回答は工程ごとに886件から903件。

次に、選んだ工程の割合を調査の数値と照らします。設計・実装・テストのように外部委託が63.4%の工程なら、任せた実績を持つ相手を見つけやすい範囲です。システム企画のように内製が70.9%の工程なら、引き受けられる相手は少ないと見込んで探し始めてください。

工程が定まったら、その仕事の範囲と期間を書き出します。どこまでの成果物を渡してもらうのか、いつまでの契約にするのか。外部の要員(フリーランスを含む業務委託)は、範囲と期間が決まっているほど合わせやすい調達の仕方になります。

つまずきやすい難所

一つめは、工程どうしを1社単位で比べることです。回答数は工程によって886件から903件と違い、同じ企業が全工程に答えたとは限りません。*1

二つめは、工程の中身まで読もうとすることです。設計・実装・テストを外部に委託しているとして、設計から任せているのか実装だけなのかは集計されていません。企業がその割合を選んだ理由も、今回参照した資料には書かれていませんでした。

三つめは、他社の多数派をそのまま自社の答えにすることです。運用・保守のように4.1ポイントしか違わない工程では、多数派という言い方自体が成り立ちません。

外注時に確認しておきたい点

任せる工程が決まったら、設計から任せるのか、渡した仕様どおりに作ってもらうのかを分けます。前者なら設計の判断ができる経験が要りますし、後者なら手数を出せる人で足ります。この区別を曖昧にしたまま「開発を手伝ってほしい」と伝えると、着任してから範囲を詰め直すことになり、社内の確認工数がかえって増えます。

一方、何を作るかを決める工程は社内に残してください。システム企画は内製の合計が70.9%で、5つの工程のうち最も社内に残されています。*1 ここを社外に渡すと、受け取った成果物を評価する基準が社内からなくなります。

正社員の採用と外部の要員では、向く場面が違います。工程そのものを自社の機能として持ちたいなら採用、特定の期間だけ人手と判断を加えたいなら外部の要員でしょう。どちらにしても、出す工程を1つに決めてからのほうが条件を書きやすくなります。

品質が崩れた要因の切り分けはシステム開発の品質はなぜ崩れる?ベンダーのスキル不足が過半数にあります。同じ調査の品質の側を扱っています。

遅れの理由を人数とスキルに分ける話は開発遅延の要因は社員のスキル不足が46.5%を占めるにあります。

テストの人手不足の分け方は外部エンジニアのテスト体制、IPAが定める4つの区分で別の資料を扱っています。

要員が足りずに止まる話はレガシー刷新を止めるのは理解不足ではなく要員の不足にあります。

まとめ:外部に委託する工程で押さえる3つの視点

システム開発の外部委託は、工程ごとに多数派が違います。押さえておきたい視点は3つに整理できます。第一に、設計・実装・テストは外部委託の合計が63.4%で、5つの工程のうち最も外部に委託されている工程であること。*1 第二に、システム企画は内製の合計が70.9%で反対に社内へ残されており、上流ほど社内、下流ほど外部という並びになること。*1 第三に、システム運用・保守は内製42.4%と外部委託38.3%で4.1ポイントしか違わず、他社の多数派が答えにならないことです。*1 この3点を踏まえておけば、「開発を手伝ってほしいと伝えたのに、着任してから範囲を詰め直すことになった」という事態を避けやすくなります。手が足りない工程を1つ選び、範囲と期間を書き出すところまでは社内でできます。その先、担い手の当てがなければ、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

外部に委託する工程が1つ決まったあとは、担い手を探す段階です。設計・実装・テストを来月末まで、非機能要件定義を2か月——このくらいまで書けていれば、求める経験の条件も決まります。設計から任せるのか、渡した仕様どおりに作ってもらうのかで、声をかける相手が変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材ニーズの発生から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で稼働まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

外部委託がいちばん多い工程はどれですか

JUAS「企業IT動向調査2026」では、設計・実装・テストで「外部委託が多い」と「ほぼ外部委託」の合計が63.4%でした。*1 5つの工程のうちいちばん高い値になります。確認日は2026年9月18日です。

内製がいちばん多い工程はどれですか

システム企画で、「ほぼ内製」と「内製が多い」の合計が70.9%です。*1 設計・実装・テストの内製18.5%とは52.4ポイントの開きがありました。確認日は2026年9月18日です。

システム運用・保守はどちらに寄っていますか

内製の合計が42.4%、外部委託の合計が38.3%で、4.1ポイントしか違いません。*1 他社の平均が答えにならない工程だと読めます。確認日は2026年9月18日です。

要件定義は社内に残すものですか

機能要件定義は内製の合計が46.1%で外部委託の31.5%を上回りますが、非機能要件定義は外部委託41.2%が内製37.6%を上回りました。*1 同じ要件定義でも多数派は反対です。確認日は2026年9月18日です。

工程ごとに何を任せているかは分かりますか

今回参照した資料に記載はありません。設計から任せているのか実装だけなのかまでは集計されていないためです。回答数も工程ごとに886件から903件と違います。*1 確認日は2026年9月18日です。

委託する工程が決まったら相談

設計・実装・テストを来月末まで、といった形で工程と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。まだどの工程を委託するか絞れていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、設計から任せる要員も、渡した仕様どおりに作る要員も、工程と期間を決めたうえでお探しいただけます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とその子会社、25年度の回収数957社・有効回答率21.3%、図表7-2-1(システム開発の内製/外部委託方針)、図表7-2-3(工程別の内製/外部委託度合い)の一次情報として。この記事は資料に示された数値をもとに図と表を筆者が作成した。資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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