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2026.09.18 採用支援コラム

開発遅延の要因は社員のスキル不足が46.5%を占める




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 社員のスキル不足が46.5%:工期が予定どおりにならなかった企業のうち、社員のスキル不足を挙げたのは46.5%でした。*1
  • 人数の不足は5.2ポイント減:手が足りないという回答は4年で5.2ポイント下がり、25年度は29.3%にとどまりました。
  • 工期と予算で14.7ポイント差:社員のスキル不足は工期で46.5%、予算で31.8%でした。*1

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。

週次の進捗会で、消化予定だったタスクがまた翌週に回る。あるいは、人を増やしたのに、その週はかえって進みが落ちた——。開発遅延が続くと、多くの現場が「増員では戻らない」という壁に突き当たります。手がかりになるのが、JUASが毎年公表している「企業IT動向調査」です。工期が予定どおりにならなかったと答えた企業だけに、その要因を選んでもらった設問が置かれています。*1

他社が何を挙げたかが分かれば、増員で足りるのかどうかを先に確かめられます。ただし万能ではなく、要因の順位が分かるだけで、どの技術がどの工程で足りなかったのかまでは書かれていません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャに向けて、何が挙がっているのか、スキルの不足と人数の不足の違い、なぜ増員では戻らないのか、どう仕分けるのか、つまずきやすい点、そして外注の勘所を整理します。

霧のかかった緑の丘陵地帯を一本の道が曲がりながら抜けていく夜明けの風景

工期の遅れで何が挙がっているのか

JUAS(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)の「企業IT動向調査2026」は、東証上場企業とその子会社を対象に、2025年9月5日から10月24日にかけて実施されました。回収数は957社、有効回答率は21.3%です。*1 このうち工期が予定どおりにならなかったと答えた297社が、要因の設問に回答しています。*1

システム開発の工期が予定どおりにならなかった要因(出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)図表7-1-8。複数回答。回答したのは工期が予定どおりにならなかったと答えた企業だけで、25年度は297社、22年度は284社。増減は筆者が計算した値。この表は資料に示された数値をもとに筆者が作成したものであり、資料の図表そのものを複製したものではない)
要因 25年度 22年度 増減
計画時の考慮不足 52.5% 51.8% 0.7ポイント増
想定以上の現行業務・システムの複雑さ 48.8% 47.9% 0.9ポイント増
社員のスキル不足 46.5% 36.6% 9.9ポイント増
仕様変更の多発 42.4% 41.2% 1.2ポイント増
ベンダーのスキル不足 37.0% 32.0% 5.0ポイント増
開発体制のリソース不足 29.3% 34.5% 5.2ポイント減
想定外の外的要因 20.9% 18.3% 2.6ポイント増
その他 2.0% 3.2% 1.2ポイント減

297社がいちばん多く挙げたのは計画時の考慮不足で52.5%、次いで想定以上の現行業務・システムの複雑さが48.8%でした。*1 ここまでは着手前の見積りと、既存システムの読みにくさの話です。目を引くのは3番目で、社員のスキル不足が46.5%と、仕様変更の多発の42.4%を4.1ポイント上回っています。*1 持ち込まれる仕様変更より、社内で確かめ方を決められないことのほうが多く挙がりました。

この設問は複数回答なので、1社がいくつ選んだかは示されておらず、合計は100%になりません。読めるのは、何を挙げた企業が多いかまでです。

スキルの不足と人数の不足の違い

4年分を並べると、この2つは反対に動いています。社員のスキル不足は22年度の36.6%から9.9ポイント上がって46.5%になりました。8つの要因のなかでいちばん大きい動きです。一方、開発体制のリソース不足は34.5%から5.2ポイント下がって29.3%にとどまりました。手が足りないという回答が減り、できる人がいないという回答が増えています。

社内とベンダーのどちらの技量かも分かれます。社員のスキル不足の46.5%に対して、ベンダーのスキル不足は37.0%でした。*1 9.5ポイント社内側のほうが高く、委託先を替えるだけでは届かない部分が残ります。

同じ社員のスキル不足でも、予算の超過を答えた企業では31.8%にとどまります。*1 工期の46.5%とは14.7ポイントの開きがあります。技量の不足は、費用より先に日程に出るということです。なお4.1ポイント、9.9ポイント、5.2ポイント、9.5ポイント、14.7ポイントは、いずれも資料が印字した値ではなく、示された割合から筆者が算出しました。

なぜ増員では戻らないのか

人を増やして進むのは、やることが決まっている作業だけです。手順が書かれたタスクが積み上がっているなら、担い手が増えた分だけ消化できます。

ところが、現行の仕様を読み解いて設計の当たりを付ける作業はそうなりません。入ったばかりの人に仕様の背景を説明する時間が要りますし、説明が終わっても、既存のコードのどこを触ってよいかの判断は元の担当者に戻ります。手は増えても、決められる人は増えていません。

ここは調査が述べていることではなく、調査の数字と合う説明の一つです。回答のうえで増えたのは技量の不足、減ったのは人手の不足でした。増員で取り返すという前提は、他社でも成り立ちにくくなっていると読めます。

どう仕分けるのか

仕分けは、工期が予定どおりにならなかった案件を1件だけ選ぶところから始めます。複数をまとめて振り返ると理由が混ざり、どちらとも決められなくなります。直近で送りが出た案件を選んでください。

遅れの理由を人数とスキルに仕分ける手順を、左から右へ4つの箱で示した図。1つ目は工期が予定どおりにならなかった案件を1件選ぶこと、2つ目はその案件の理由をスキルの不足と人数の不足に分けること(社員のスキル不足は46.5%、開発体制のリソース不足は29.3%)、3つ目はスキルの側だけ範囲と期間を区切ること、4つ目は外部の要員で埋め、仕分けの判断は社内に残すこと。数値はJUAS「企業IT動向調査2026」図表7-1-8による。回答は297社。

次に、その案件で止まっている作業を見て、人数の不足かスキルの不足かを決めます。手順が書かれた作業が積み上がっているなら人数、どう進めるかが決まらずに止まっているならスキルです。他社の回答では社員のスキル不足が46.5%、開発体制のリソース不足が29.3%でした。*1 ここまでは社内の記録と週次の議事録で判断できます。

スキルだと決まったら、その作業と期間を書き出します。「結合テストの設計を来月末まで」といった粒度で構いません。外部の要員(フリーランスを含む業務委託)は、作業と期間が決まっているほど合わせやすい調達の仕方になります。

つまずきやすい難所

一つめは、要因の順位を日程への影響の大きさと取り違えることです。この設問は複数回答なので、挙げた企業が多い要因が、遅れを大きくした要因とは限りません。

二つめは、スキル不足の中身まで読もうとすることです。どの技術が足りなかったのか、どの工程で足りなかったのかは調査に含まれていません。

三つめは、外部の要員を入れた場合にどうなるかを読み取ろうとすることです。この集計は社内の要員か外部の要員かを区別していませんし、25年度の回答も297社にとどまります。*1

外注時に確認しておきたい点

書き出したら、設計の判断まで任せるのか、渡した仕様どおりに作ってもらうのかを分けます。前者なら現行の仕様を読み解ける経験が要りますし、後者なら手数を出せる人で足ります。この区別を曖昧にしたまま声をかけると、着任してから作業を詰め直すことになり、社内の確認工数がかえって増えます。

一方、人数とスキルのどちらかに決める判断は社内に残してください。ここを社外に委ねると、案件が変わるたびに同じ確認をやり直すことになります。

正社員の採用と外部の要員では、向く場面が違います。その技術を自社に残したいなら採用、特定の期間だけ判断できる人に加わってほしいなら外部の要員でしょう。どちらにしても、理由を1つに決めてからのほうが条件を書けます。

品質が崩れた要因の切り分けはシステム開発の品質はなぜ崩れる?ベンダーのスキル不足が過半数にあります。同じ調査の品質の側を扱っています。

テストの人手不足をスキルと人数に分ける話は外部エンジニアのテスト体制、IPAが定める4つの区分にあります。

止まっている理由を1つに絞る手前の段階は開発の遅延の原因、変更管理ができているのは51.9%で整理しました。

誰が何をできるかを社内で把握する話はスキルマップの整備の違い、未対応42.8%と整備済み33.7%にあります。

まとめ:開発遅延の仕分けで押さえる3つの視点

開発遅延の理由は、人数の不足と技量の不足に分かれます。押さえておきたい視点は3つに整理できます。第一に、工期が予定どおりにならなかった297社のうち46.5%が社員のスキル不足を挙げ、仕様変更の多発の42.4%を上回っていること。*1 第二に、4年で社員のスキル不足が9.9ポイント上がり、開発体制のリソース不足は5.2ポイント下がっていること。*1 第三に、社員のスキル不足はベンダーのスキル不足の37.0%より9.5ポイント高く、委託先を替えるだけでは届かない部分が残ることです。*1 この3点を踏まえておけば、「人を増やしたのに、その週はかえって進みが落ちた」という事態を避けやすくなります。案件を1件選び、人数とスキルのどちらかに決めるところまでは社内でできます。その先、その技術を持つ人が社内にいなければ、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

理由がスキル側だと決まったあとは、担い手を探す段階です。結合テストの設計を来月末まで、現行仕様の読み解きを2か月——このくらいまで書けていれば、求める経験の条件も決まります。設計の判断まで任せるのか、渡した仕様どおりに作ってもらうのかで、声をかける相手が変わるためです。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材ニーズの発生から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で稼働まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

開発遅延でいちばん多く挙がる要因は何ですか

JUAS「企業IT動向調査2026」では、計画時の考慮不足が52.5%で最も多い結果でした。*1 社員のスキル不足は46.5%で3番目に挙がっています。*1 確認日は2026年9月18日です。

社員のスキル不足はどのくらい増えていますか

22年度の36.6%から25年度の46.5%まで上がりました。上げ幅は9.9ポイントで、筆者が計算した値です。8つの要因のなかでいちばん大きい動きになります。確認日は2026年9月18日です。

人数の不足は減っているのですか

手が足りないという回答は22年度の34.5%から25年度の29.3%まで下がりました。下げ幅は5.2ポイントで、筆者が計算した値です。確認日は2026年9月18日です。

工期と予算で違いはありますか

社員のスキル不足は、工期の遅れでは46.5%、予算の超過では31.8%でした。*1 開きは14.7ポイントで、筆者が計算しています。確認日は2026年9月18日です。

外部の要員を入れると変わりますか

今回参照した資料に記載はありません。社内の要員か外部の要員かを、この集計では区別していないためです。25年度の回答は297社にとどまります。*1 確認日は2026年9月18日です。

遅れの理由が決まったら相談

「結合テストの設計を来月末まで」といった形で作業と期間が書けていれば、そのままご相談いただけます。まだ人数とスキルのどちらか決めきれていない段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、設計の判断まで任せる要員も、渡した仕様どおりに実装する要員も、作業と期間を決めたうえでお探しいただけます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)報告書(PDF)(https://juas.or.jp/cms/media/2026/04/JUAS_IT2026.pdf)。出典:JUAS「企業IT動向調査2026」(2025年度調査)。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会発行。調査期間2025年9月5日から10月24日、調査対象は東証上場企業とその子会社、25年度の回収数957社・有効回答率21.3%、図表7-1-8(工期が予定どおりにならなかった要因)、図表7-1-7(予算が予定どおりにならなかった要因)の一次情報として。この記事は資料に示された数値をもとに図と表を筆者が作成した。資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:JUAS「企業IT動向調査」(https://juas.or.jp/library/research_rpt/it_trend/)。調査が毎年実施され報告書が公開されていることの確認として(2026年9月確認)
  3. *3 参考:JUAS 一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(https://juas.or.jp/)。発行元の確認として(2026年9月確認)




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