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2026.10.27 採用支援コラム

外国人との業務委託契約|在留資格と在留カードのよくある質問10選

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

広い執務フロアの奥の窓際のテーブルで契約書を前に向き合う2人

この記事の結論

  • 永住者など別表第二の在留資格は活動の制限がなく、就労資格や留学の人には範囲外の仕事に資格外活動の許可が要ります。
  • 契約の前に在留カードの就労制限の有無と資格外活動許可欄を見て、読取アプリと失効情報照会で真偽を確かめます。
  • 源泉徴収の要否は国籍ではなく居住者かどうかと報酬の種類で決まり、雇用とみなされない取り決め方も合わせて決めます。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

日本に住む外国籍のエンジニアに、業務委託で開発を手伝ってもらいたい。エンジニアの確保が難しいなか、国籍を問わず候補を探す企業も増えています。ところが、いざ外国人と業務委託契約を結ぼうとすると、在留資格で業務委託を受けてよいのか、在留カードの何を確かめればよいのか、契約書は何語で作るのかと、迷う点が次々に出てきます。

本記事では、発注する企業の担当者が迷いやすい10の問いを、出入国在留管理庁、国税庁、厚生労働省の資料と法令をもとにQ&Aの形で整理します。各問いには、答えの要点と判断の根拠にした一次情報を添えています。

日本に住む外国人との業務委託で迷う点

日本に住む外国籍のエンジニアに、業務委託で開発に加わってもらう。社員として採用するより早く、必要な期間だけ力を借りられる形です。ただ、相手が外国籍だと、国内の外注では考えなかった問いが出てきます。在留資格で業務委託を受けてよいのか、在留カードの何を見ればよいのか、といった点です。

迷う点は、在留資格、在留カード、契約書、報酬、働き方の5つに分かれます。次の表で、自社の疑問がどの問いに当たるかを確かめてから、該当するQ&Aを読んでください。

日本に住む外国人との業務委託契約で迷う問いの種類
問いの種類 主な疑問 答えの決め手 Q&A
在留資格 この人に業務委託で仕事を頼めるか 在留資格の種類と資格外活動の許可 Q1〜Q3
在留カード カードのどこを見て、本物かをどう確かめるか 就労制限の有無の欄と、ICチップの読み取り Q4・Q5
会社の責任 確かめずに頼んだら会社はどうなるか 入管法の不法就労助長の規定 Q6
契約書 契約書は日本語で作るべきか 取引条件を明示する義務 Q7
報酬 報酬から源泉徴収をするか 居住者かどうかと、報酬の種類 Q8・Q9
働き方 雇用とみなされない頼み方か 使用従属性の判断基準 Q10

本記事は、日本に住んでいる外国人(税法でいう居住者)との業務委託契約に絞ります。海外に住むエンジニアとの契約は海外在住エンジニアとの業務委託契約で、社員として雇う場合の在留資格と採用の手順は外国人ITエンジニアの採用と活用で扱っています。

在留資格と資格外活動のQ&A

最初に確かめるのは、相手の在留資格です。日本に住む外国人は、入管法の別表第一か別表第二に定められた在留資格で在留しています。別表第一の在留資格は、日本で行う活動に応じて許可されるため、報酬を受けてよい活動の範囲が在留資格ごとに決まっています。*1

自宅の机で方眼のノートに作業時間を鉛筆で書き足す手元

Q1. 永住者や日本人の配偶者に業務委託で頼めますか

  • 答えの要点:別表第二の在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)は、就労活動に制限がなく、資格外活動許可の対象ではありません。業務委託で仕事を頼む場合も、在留資格による活動の制限はかかりません。
  • 判断の根拠:出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」、入管法 別表第二*2

Q2. 就労の在留資格を持つ人に副業で頼めますか

  • 答えの要点:技術・人文知識・国際業務などの就労の在留資格では、その在留資格の活動に属しない、報酬を受ける活動はできません。業務委託で受ける仕事が範囲の外なら、あらかじめ資格外活動の許可が要ります。本業の勤め先など契約先の機関が同意していることも、許可の要件の1つです。
  • 判断の根拠:入管法 第19条第1項第1号・第2項*2、出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」の許可の要件(一般原則)*3

Q3. 留学生に業務委託で頼めますか

  • 答えの要点:留学の在留資格では、許可を受けなければ報酬を受ける活動ができません。包括許可は原則1週28時間以内が条件です。業務委託契約や請負契約で、標準的に従事する時間が明確でない場合は、個別許可が必要とされています。
  • 判断の根拠:入管法 第19条第1項第2号*2、出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」*4

頼みたい仕事が、相手の今の在留資格の活動に入るかどうかは、在留資格と仕事の中身の組み合わせで変わります。判断に迷う場合は、地方出入国在留管理官署や外国人在留総合インフォメーションセンター、入管の手続きを扱う行政書士に、契約の前に確かめてください。

在留カードの確かめ方のQ&A

在留資格と働ける範囲は、中長期に在留する外国人が持つ在留カードで確かめます。業務委託でも、契約の前に本人の同意を得て在留カードを見せてもらい、券面とICチップの両方を確かめておきます。

Q4. 在留カードのどこを見ればよいですか

  • 答えの要点:まず表面の「就労制限の有無」欄を見ます。「就労制限なし」なら就労の内容に制限はありません。「在留資格に基づく就労活動のみ可」などの記載なら、制限の中身を確かめます。「就労不可」でも、裏面の「資格外活動許可欄」に記載があれば、その範囲で働けます。
  • 判断の根拠:出入国在留管理庁 リーフレット「外国人の適正な雇用にご協力ください」*5
  • 令和8年6月14日以降に発行された在留カードは、在留期間などが券面に記載されません。在留期間は読取アプリで確かめます。

Q5. 在留カードが本物かはどう確かめますか

  • 答えの要点:出入国在留管理庁が無料で配布する在留カード等読取アプリケーションで、ICチップに記録された情報を読み取り、券面と見比べます。あわせて在留カード等番号失効情報照会で、カードが失効していないかを確かめます。
  • 判断の根拠:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」*6

在留カードを見るときの順番は、次の図のように整理できます。

在留カードで業務委託を頼めるかを確かめる順番の図。表面の就労制限の有無の欄を見る。就労制限なしなら就労の内容に制限はない。在留資格に基づく就労活動のみ可なら、頼む仕事がその在留資格の活動に入るかを確かめ、入らなければ資格外活動の許可が要る。就労不可なら裏面の資格外活動許可欄を見て、許可の範囲内でだけ頼める。どの場合も読取アプリと失効情報照会でカードの真偽を確かめる。

Q6. 確かめずに頼んだら会社は責任を問われますか

  • 答えの要点:入管法は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者を3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科もある)としています。活動が在留資格の範囲外であることなどを知らなかったことを理由に、処罰を免れることはできません。ただし、過失がないときは除かれます。
  • 判断の根拠:入管法 第73条の2*2、出入国在留管理庁 リーフレット「外国人の適正な雇用にご協力ください」
  • リーフレットは、令和9年4月1日以降は5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金に引き上げられると案内しています。

契約書と報酬・働き方のQ&A

在留資格の確認が済んだら、契約書と支払いの準備に移ります。ここで迷いやすいのが、契約書の言語、報酬からの源泉徴収、そして業務委託のつもりが雇用とみなされないかの3つです。

経理担当が契約書と請求書を並べ蛍光ペンで行を照らし合わせる

Q7. 契約書は日本語で作らないといけませんか

  • 答えの要点:従業員を使わない個人に業務委託をしたときは、給付の内容、報酬の額、支払期日などを、直ちに書面か電磁的方法で明示する義務があります。条文が定めるのは明示する事項と方法で、使う言語は定めていません。相手が読める言語の版を添え、食い違ったときにどちらの版を正とするかを契約書に書いておくと、読み違いを防げます。
  • 判断の根拠:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法) 第2条・第3条*7

Q8. 外国籍の人は税法上の非居住者になりますか

  • 答えの要点:なりません。居住者は、国内に住所があるか、現在まで引き続き1年以上の居所がある人で、区分は国籍では決まりません。国内に住むことになった人が、国内で継続して1年以上住むことを通常必要とする職業に就いている場合は、国内に住所がある者と推定されます。
  • 判断の根拠:国税庁 タックスアンサー No.2875「居住者と非居住者の区分」*8、所得税法施行令 第14条*9

Q9. 業務委託の報酬から源泉徴収は要りますか

  • 答えの要点:居住者の個人に払う報酬で源泉徴収が要るのは、原稿料や講演料など、法令で決まった報酬・料金等に当たるものです。国税庁は、原稿料や講演料、弁護士など特定の資格を持つ人への報酬などの8つを代表例に挙げています。相手が外国籍でも、居住者であれば日本人に払う場合と同じ物差しで確かめます。
  • 判断の根拠:国税庁 タックスアンサー No.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」*10
  • 当たる場合、原稿料や講演料の税額は支払金額100万円以下の部分が10.21%、100万円を超える部分が20.42%です(国税庁 No.2795*11)。

Q10. 雇用とみなされないためには何に気をつけますか

  • 答えの要点:労働者に当たるかどうかは、請負契約や委任契約といった契約の形式や名称にかかわらず、契約の内容、働き方、報酬などから個別に総合判断されます。仕事の依頼を断る自由があるか、仕事の進め方に指揮監督を受けるか、勤務の場所と時間に拘束されるかなどが判断の要素です。
  • 判断の根拠:厚生労働省「労働者とは」(労働基準法研究会報告の判断基準)*12

業務委託で頼むなら、作業の時間や場所を細かく指定するのではなく、成果物と納期、確認の方法で取り決めます。実態が雇用に近い場合は、外国人雇用状況の届出など、雇う場合の手続きも関わってきます。

外部人材に頼むときに確認しておきたい点

日本に住む外国籍のエンジニアと直接、業務委託契約を結ぶ場合は、ここまでの確認を自社で行い、契約書と支払いの手順に落とし込む必要があります。相談の前に、次の点を書き出しておくと話が早く進みます。

  • 範囲:頼む開発の中身と成果物、成果物の権利を譲り受けるか
  • 期間:契約の期間と、相手の在留期間の満了日との関係
  • 体制:社内で指示と受け入れを受け持つ人、使う言語と連絡の時間帯
  • 費用の決まり方:報酬を成果物ごとに払うか月ごとに払うか、源泉徴収の要否を誰が確かめるか
  • 引き継ぎ:契約の終わりに成果物と資料をどう受け取るか

報酬の経理処理は外部人材活用の経理処理でも整理しています。外国籍の人に直接頼むか、国籍を問わず業務委託の人材やリモートで働く社員の候補も含めて比べるかは、頼みたい開発の範囲と期間を書き出してから決めても遅くありません。

まとめ:外国人との業務委託契約で確かめる点

日本に住む外国籍のエンジニアと業務委託契約を結ぶときに確かめたい点は3つです。第一に、相手の在留資格を確かめ、就労資格や留学の人なら頼む仕事が在留資格の活動に入るか、入らなければ資格外活動の許可があるかを見ること。第二に、契約の前に本人の同意を得て在留カードを見せてもらい、就労制限の有無と資格外活動許可欄を見たうえで、読取アプリと失効情報照会で真偽を確かめること。第三に、取引条件を相手が読める形で明示し、源泉徴収の要否を居住者かどうかと報酬の種類で確かめ、雇用とみなされない取り決め方にしておくことです。

LASSICに相談するメリット

頼みたい開発の範囲と期間が書き出せたら、条件に合う人材を探す段階です。外国籍の人に直接頼むか、国籍を問わず業務委託の人材やリモートで働く社員も含めて比べるかを決めきれていなくても、候補を並べて比べられます。

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よくある質問

契約の途中で相手の在留期間が切れそうなときはどうなりますか

在留期間の満了日までに更新や変更の申請をした場合は、その旨が在留カードの裏面に記載され、申請への処分がされない限り、満了日から2か月を経過する日まで在留カードが有効になります。契約期間と満了日を並べて把握し、更新の予定を早めに知らせてもらいます。

特別永住者にも在留カードの確認は要りますか

特別永住者には在留カードではなく特別永住者証明書が交付されます。特別永住者証明書の番号が失効していないかも、在留カード等番号失効情報照会で確かめられます。

海外に住む外国人と契約するときも同じですか

海外に住み国外で作業する人は、税法上の非居住者として扱いが変わります。源泉徴収の範囲や租税条約の届出書などは、海外在住エンジニアとの業務委託契約の記事で整理しています。

国籍を問わず開発に加わる専門人材を探す

頼みたい開発の範囲と期間が決まっていれば、そのままご相談いただけます。外国籍の人に直接頼むか、国内のほかの人材も含めて比べるかを決めきれていない段階でも構いません。

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出典

  1. *1 参考:出入国在留管理庁「資格外活動の許可(入管法第19条)」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/shikakugai_00001.html)。出典:別表第1の在留資格の活動の範囲、別表第2の在留資格は資格外活動許可の対象ではないこと、在留カード裏面の許可の要旨を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(昭和26年政令第319号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319)。出典:第19条(活動の範囲)、第73条の2(不法就労助長)、別表第二を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  3. *3 参考:出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html)。出典:資格外活動許可の要件(一般原則)の(7)(契約先の機関の同意)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  4. *4 参考:出入国在留管理庁「『留学』の在留資格に係る資格外活動許可について」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00003.html)。出典:1(包括許可・1週28時間以内)、3(2)(業務委託契約や請負契約等を結んで稼働する場合)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  5. *5 参考:出入国在留管理庁 リーフレット「外国人の適正な雇用にご協力ください」(PDF)(https://www.moj.go.jp/isa/content/001462230.pdf)。出典:在留カードの見方(就労制限の有無・資格外活動許可欄)、不法就労助長罪の厳罰化(令和9年4月1日以降)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  6. *6 参考:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html)。出典:アプリの概要、新様式の在留カード(令和8年6月14日以降)、失効情報照会を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  7. *7 参考:e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(令和5年法律第25号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025)。出典:第2条(定義)、第3条(特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示等)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  8. *8 参考:国税庁 タックスアンサー No.2875「居住者と非居住者の区分」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875.htm)。出典:国内法による取扱い(居住者・非居住者の定義)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  9. *9 参考:e-Gov法令検索「所得税法施行令」(昭和40年政令第96号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096)。出典:第14条(国内に住所を有する者と推定する場合)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  10. *10 参考:国税庁 タックスアンサー No.2792「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm)。出典:報酬・料金等の支払を受ける者が居住者である場合の源泉徴収の対象となる範囲を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  11. *11 参考:国税庁 タックスアンサー No.2795「原稿料や講演料等を支払ったとき」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm)。出典:計算方法・計算式を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  12. *12 参考:厚生労働省「労働者とは」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/index02.html)。出典:労働者に該当するかどうかの判断基準(使用従属性、労働基準法研究会報告 昭和60年12月19日)を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)
  13. *13 参考:出入国在留管理庁「『在留カード』の主な記載内容」(PDF)(https://www.moj.go.jp/isa/content/930001733.pdf)。出典:在留カードの有効期間(更新・変更の申請中の扱い)、特別永住者証明書と失効情報照会を参照(確認日2026年10月26日)(2026年10月確認)




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