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2026.10.06 採用支援コラム

外部人材活用のリモートで初期出社の日数と中身を決める手順

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

白い壁の広いオフィスの共用スペースに、黒い椅子に囲まれた丸テーブルが2つと白いソファが置かれている。左手の窓から光が入り、人は写っていない

この記事の結論

  • 初期出社は、使う環境・説明の量・関係する人の3つから、来てもらう理由を作業の名前で言えるときに設けます。
  • 日数は当日の作業から逆算し、日程は別の取引先の予定も抱える専門人材の都合を先に聞いて決めます。
  • 当日は顔合わせ、作業の説明、端末と接続の確認、連絡の決まりの共有を済ませ、リモートからログインできる状態にします。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

リモートで参画してもらう外部の専門人材に、最初の何日かだけでもオフィスへ来てもらうべきか。来てもらうなら何日にして、その日に何をすればよいのか——。外部人材活用をリモートで始めるとき、こうした迷いは参画の直前になって表に出がちです。本記事でいう初期出社とは、ふだんはリモートで作業する専門人材に、参画の初めの時期に限ってオフィスへ来てもらうことを指します。

初期出社は、決めずに始めても作業は進みます。ただ、社内の側の準備がないまま来てもらうと、席に座ってアカウントの発行を待つだけの1日になりかねません。本記事では、開発の現場を預かるマネージャーに向けて、初期出社が要るかどうかの見分け方、日数と日程の決め方、その日にすること、個人の端末で参画するときの確認、リモートに切り替えたあとの連絡、つまずきやすい点を整理します。

外部人材の初期出社とは

初期出社は、毎週決まった曜日に来てもらう定例の出社とは分けて考えます。目的は、リモートでは時間のかかる最初の段取りを、対面でまとめて済ませることです。顔合わせ、任せる作業の説明、端末と接続の確認、連絡の決まりの共有がその中身になります。済んだあとは、リモートでの作業に切り替えます。

外部人材活用で業務委託の専門人材に来てもらう日は、社員の出社日のように就業規則で決まるものではなく、契約の条件として双方で合意するものです。初期出社をお願いするなら、日数と目的を契約の前に伝えておきます。

定例の出社や節目ごとの出社を組み合わせる形は外部人材活用のリモートとハイブリッド、契約前に決める3つのことで、社員の出社頻度はリモート採用の勤務条件で出社頻度を決める手順と書き方で扱っています。

初期出社が要るかどうかの見分け方

初期出社は、どの参画にも要るわけではありません。判断の材料になるのは、次の3つです。

初期出社を考える材料(筆者作成)
材料 出社を考えたい場合 リモートで足りる場合
使う環境 社内のネットワークの中にしかない検証機や実機を触る クラウド上の環境だけで作業が完結する
説明の量 既存のシステムが大きく、画面や資料を一緒に見ながら説明したいことが多い 仕様書と課題の一覧で作業の範囲が伝わる
関係する人 複数の部署の担当者と顔を合わせておきたい やりとりする相手が1〜2人に限られる

3つとも右側に当てはまるなら、初期出社を設けずにオンラインの打ち合わせで始めても構いません。どれか1つでも左側に当てはまるなら、その項目のために来てもらう日を考えます。理由を作業の名前で言えない初期出社は、専門人材から見ると移動の時間だけがかかる日になります。

端末の形も材料になります。総務省の「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」(第3版)は、テレワークの方式を、端末が会社支給か個人所有かでまず分けています。個人所有の端末については、VPN/リモートデスクトップ方式、クラウドサービス方式、スタンドアロン方式、セキュアブラウザ方式の4つ(方式⑤〜⑧)を挙げています。*1 専門人材が自分の端末で社内のシステムにつなぐなら、接続の設定を一緒に確かめる時間があると、後の問い合わせが減ります。

日数と日程の決め方

日数は、初期出社でしたい作業を並べ、それぞれにかかる時間を足して決めます。顔合わせと作業の説明で半日、端末と接続の確認で半日という見積もりなら、1日に収まります。検証機の操作を覚えてもらう作業が加わるなら、2日目を考えます。決まった日数があるわけではないので、作業から逆算するのが近道です。

日程は、専門人材の側の予定から先に聞きます。内閣官房の「フリーランス実態調査」(2020年)は、事業者から業務委託を受けて働くフリーランス3,234人に、直近1年間の取引先の数を聞いています。1社だけと答えた人は40.4%で、2社以上と答えた人は合わせて59.6%でした。*2 参画の初日に、別の取引先の予定がすでに入っていることもあります。

そこで、初期出社の日を参画の初日に固定せず、初めの1〜2週間のうちで双方の都合の合う日を選ぶ形にしておくと、調整しやすくなります。2日に分けるなら、続けて置くより間を空けたほうが、1日目に出た疑問を2日目に持ち込めます。

出社にかかる交通費と移動の時間の扱いも、日数とあわせて契約の前に決めておく項目です。決め方は、先に挙げたハイブリッドの記事で扱っています。

初期出社の日にすること

当日の流れは、事前に専門人材へ送っておきます。おおまかには次の4つです。

初期出社の日に済ませる4つのことを示した図。1つ目は顔合わせで、作業を頼む人、質問を受ける人、レビューをする人、アカウントを発行する人に会っておいてもらう。2つ目は任せる作業の説明で、既存の画面やシステムを一緒に動かし、今回の範囲と何ができたら完了とみなすかを確かめる。3つ目は端末と接続の確認で、使う端末を決めて台帳に載せ、初期パスワードを変えてもらい、多要素認証の登録もその場で済ませる。4つ目は連絡の決まりの共有で、ふだんの質問を書く場所、急ぎの連絡先、返事を待つ目安、事故が起きたときに伝える内容を決めておく。下の帯には、帰る前にリモートの環境から実際にログインし、最初の課題に手をつけられる状態かを確かめることが書かれている。総務省の中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)第3版をもとに作成。

1つ目は顔合わせです。作業を頼む担当者だけでなく、質問を受ける人、レビューをする人、アカウントを発行する人にも会っておいてもらいます。名前と顔が一致していれば、リモートに移ってからのやりとりで相手を取り違えにくくなります。手引きも、オンライン会議の主催者が、招いた参加者かどうかを名前や顔で確かめてから参加を許可するよう周知することを、対策の一つに挙げています。*1

2つ目は任せる作業の説明です。既存の画面やシステムを一緒に動かしながら、どこまでを今回の範囲にするのか、何ができたら完了とみなすのかを確かめます。リモートに切り替えたあとで範囲の解釈が分かれると、文字のやりとりだけでほどくのは手間がかかります。

3つ目は端末と接続の確認で、次の節で詳しく触れます。4つ目は連絡の決まりの共有です。ふだんの質問をどこに書くか、急ぎのときに誰へどう連絡するか、返事を待つ目安はどのくらいかを、その場で決めておきます。

当日の終わりには、専門人材がふだん作業する場所の環境から実際にログインし、最初の課題に手をつけられる状態になっているかを確かめます。ここまで済んでいれば、翌日からのリモートの作業に移りやすくなります。

個人の端末で参画するときの確認

手引きは従業員のテレワークを想定して書かれていますが、社外の人が自分の端末で社内のシステムにつなぐ場面でも、確認の項目として使えます。個人所有の端末でVPN(暗号化した通信で社内につなぐ仕組み)を使う方式⑤のチェックリストには、優先度の高い対策として次の項目があります。*1

個人所有の端末で確かめる項目の例(総務省 テレワークセキュリティの手引き 方式⑤のチェックリストのうち優先度の高い対策から抜粋し、対策の欄は要旨を記載)
番号 対策 初期出社の日にすること
1-1 テレワークには許可した端末のみを利用するよう周知し、テレワーク端末とその利用者を把握する。 作業に使う端末を決め、台帳に載せる
1-2 テレワークで利用しているシステムや取り扱う重要情報を把握する。 使ってもらうシステムと、触れる情報を一覧にする
9-2 テレワーク端末のログインパスワードや、テレワークで利用する各システムの初期パスワードを変更するよう設定する。 渡した初期パスワードを、その場で変えてもらう

多要素認証(パスワードに加えてスマートフォンなどでも本人を確かめる仕組み)は、チェックリストでは優先度を一段下げた側に入っていますが、各システムへのアクセスに多要素認証を求める設定が挙がっています。*1 認証用のアプリの登録は、本人の端末とスマートフォンが手元にあり、隣で手順を見られるときのほうが進めやすい作業です。初期出社の日にまとめて済ませておけば、リモートに戻ってから登録の手順を画面越しに説明する手間が省けます。

どこまでを個人の端末で認めるかは、扱う情報によって変わります。端末の条件の決め方は外部人材活用をフルリモートで進める手順、作業と環境で人を選ぶで、アカウントと権限の渡し方は業務委託エンジニアの受け入れ時の権限管理、付与から削除までの手順で扱っています。

リモートに切り替えたあとの連絡

初期出社で決めた連絡の決まりは、リモートに切り替えてからが本番です。最初の1〜2週間は短い定例の打ち合わせを置き、作業の進み方と困っていることを聞く時間にします。対面で会っていても、リモートに移ると質問をためこむ人はいます。

事故が起きたときの連絡も、初期出社の日に伝えておきます。手引きは、インシデント(セキュリティ上の事故)が起きたときに従業員が連絡すべき内容として、氏名・部署名、発生事象、直前に実施した作業内容などを挙げ、事前に周知しておく必要があるとしています。*1 社外の専門人材なら、部署名の代わりに所属する会社の名前を伝えてもらう形に置き換え、連絡先と一緒に、チャットの決まった場所に残しておきます。

切り替えのあとに改めて来てもらう日が要るかどうかは、最初の1か月ほどの様子を見て決めます。範囲の解釈がずれ始めたときに相談して来てもらう日を設ける形にしておけば、初期出社を長く取りすぎずに済みます。

つまずきやすい点

一つめは、出社の日にアカウントの発行が間に合っていないことです。来てもらったのに、ログインできるまで半日待ってもらうことになります。アカウントと接続の準備は、出社の日の前に済ませておきます。

二つめは、初期出社の日数だけを決めて中身を決めないことです。「最初の3日は出社で」と伝えても、何をするのかが決まっていなければ、作業の説明が終わったあとは席で仕様書を読んでもらうだけになります。日数は作業から逆算します。

三つめは、社員向けの入社の手続きをそのまま当てはめることです。社員の研修や社内の制度の説明に、業務委託の専門人材が丸1日つきあう必要はありません。社員向けのオンボーディングとは分けて、作業に要る説明だけを集めます。

四つめは、初期出社のあとに来てもらう日を、なし崩しに増やすことです。追加で来てもらいたい理由ができたら、そのたびに目的と日数を伝え、合意してから日を決めます。

外部に委託するときに確認しておきたい点

外部人材活用で初期出社を設けるなら、その有無と日数は、専門人材を探す前の段階で決めておくと、候補者に伝える条件がそろいます。参画のはじめに来てもらう日数、オフィスの場所、その日にしてもらいたい作業の3つが書けていれば、オフィスまで来られる範囲に住む人かどうかも、最初の段階で確かめられます。

受け入れの手続き全体は業務委託エンジニアの受け入れで決める5つの手続きで扱っています。

まとめ:初期出社で確かめておきたい3つの点

外部人材活用をリモートで進めるとき、初期出社で確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、使う環境・説明の量・関係する人の3つから、来てもらう理由を作業の名前で言えるかを確かめること。第二に、日数は作業から逆算し、日程は専門人材の側の予定を先に聞いて決めること。第三に、当日は顔合わせ、作業の説明、端末と接続の確認、連絡の決まりの共有を済ませ、その日のうちにリモートからログインできる状態にすることです。この3点を踏まえておけば、「来てもらったのに、アカウントの発行を待つだけで1日が終わった」という事態を避けやすくなります。任せる作業に合う人の探し方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

初期出社の日数と、その日にしてもらいたい作業が書き出せたら、次はその条件に合う人を探す段階です。来てもらう回数とオフィスの場所が決まっていれば、移動できる範囲に住む人か、リモートだけで進められる作業かを最初に確かめられ、候補者を絞り込みやすくなります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

初期出社に応じられない専門人材は、候補から外すべきですか

外す前に、出社でしたかった作業をオンラインで置き換えられるかを考えます。顔合わせと作業の説明は、画面の共有でも進められます。社内のネットワークの中にしかない検証機を触ってもらう必要があるなら、出社が条件になるので、募集の段階でそう伝えておきます。

初期出社は、参画の何日目に置くのがよいですか

参画の初日に合わせる必要はありません。アカウントと接続の準備が終わっていることが前提なので、準備の進み具合と専門人材の予定を見て、初めの1〜2週間の中で選びます。初日はオンラインで顔合わせをし、出社はその数日後にする形もとれます。

個人の端末ではなく、こちらで端末を貸したほうがよいですか

扱う情報の重さで決めます。手引きは、端末が会社支給か個人所有かで方式を分け、それぞれのチェックリストを示しています。*1 貸す場合は、初期出社の日に手渡しで受け渡せば、発送の手配が要りません。貸与の段取りはリモート採用のオンボーディング、貸与PCの発送から返却までの手順が参考になります。

初期出社の条件が決まったら相談

参画のはじめに来てもらう日数と、その日にしてもらいたい作業が分かっていれば、そのままご相談いただけます。出社を設けるかどうか迷っている段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:総務省「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)(第3版)」(PDF)(https://www.soumu.go.jp/main_content/000816096.pdf)。出典:総務省(令和4年5月)。第1部3 テレワーク方式の全体概要(会社支給の端末/個人所有の端末、方式⑤〜⑧)、第2部 方式⑤のチェックリスト(1-1・1-2・9-2・3-3・9-4)、参考3 各種連絡体制(インシデント発生時)を参照(確認日2026年10月6日)(2026年10月確認)
  2. *2 参考:内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」(PDF)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/freelance/dai1/siryou13.pdf)。出典:令和2年5月。インターネット調査(2020年2月10日〜3月6日)。取引社数(事業者から業務委託を受けて仕事を行うフリーランス3,234人、直近1年間の取引先の数・単一回答)を参照(確認日2026年10月6日)(2026年10月確認)




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