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DXの必要性は64%、活発に取り組んでいるのは37%
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 必要性が高いは64%:上側2区分の合計です*2。
- 活発に取り組むは37%:差は27ポイントです*2。
- 製造分野向けは51%と30%:差は21ポイントです*2。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
やったほうがいいのは分かっている。ただ、着手できていない案件が積まれている。よくある詰まり方です。
止まっている理由は反対意見ではありません。手が空かないだけということが多くあります。
手がかりは、DXの必要性と取り組みの活発さを同じ調査の中で聞いた設問です。
IPAの資料では、必要性が高いとした企業が64%でした*2。上側2区分を足した値です*2。
一方で取り組みが活発とした企業は37%です*2。同じ設問群の中で27ポイント開いています*2。
目次
必要だと分かっている案件が、着手されないまま積まれる
止まっている案件には、たいてい合意があります。やる方向で話は付いています。
それでも動かないのは、手が別の案件に乗っているからです。合意と着手は別の問題です。
この2つを同じ調査で聞いた資料があります*1。IPAの「2022年度組込み/IoT産業の動向把握等に関する調査」です*1。
調査の規模も示されています*1。配布数は7,864件で、回答数は1,214件でした*1。
今回見るのはQ11です*2。DXの動きによる事業への影響等として、必要性と取り組み状況を並べて聞いた設問です*2。
利用の条件も資料に書かれています*1。政府標準利用規約に準拠する形で、出典の記載と、編集や加工を行った場合はその旨の記載が求められています*1。
ですからこの記事では出典を明示し、示された値を用いて図と表を作成する編集・加工を筆者が行ったことを記しています*1。
集計対象も示されています*2。ユーザー企業、メーカー企業、サブシステム提供企業、サービス提供企業、その他の全類型が対象です*2。
系列も2つに分かれています*2。「DX全般」と「製造分野向けDX」で別に集計されています*2。
回答数は系列ごとに違う
先に母数を確かめます*2。今回引く4つの系列は、回答数がそれぞれ違います*2。
必要性の側はこうです*2。DX全般が1,128、製造分野向けDXが1,077です*2。
取り組み状況の側も示されています*2。DX全般が1,131、製造分野向けDXが1,081です*2。
ですから比べ方を決めます*2。同じ系列の中で必要性と取り組みを並べ、回答数の違いは本文と図に書いておきます*2。
選択肢の形も確かめます*2。いずれも単一回答で、5区分の合計が100になります*2。
資料の表示も断ります*2。この設問の値は整数の百分率で示されているため、小数点以下は資料にありません*2。
もう1つ断ります*2。同じ設問群には「事業への影響」の系列もありますが、その値は別の記事で扱っているためここでは取り上げません*2。
必要性が高いは64%、DX全般の内訳
必要性から見ます*2。DX全般では「非常に高い」が20%、「高い」が44%でした*2。
上側2区分を足します*2。20%と44%を足すと64%になります*2。この足し算はこの記事で行ったものです*2。
下側も示されています*2。「低い」が21%、「全くない」が4%です*2。
判断できない側もあります*2。「わからない」は11%でした*2。
実務に引き寄せます。必要性については、3社に2社近くが高い側に寄っています*2。反対されて止まっているわけではありません*2。
ただし資料からは、必要性の中身は読めません*2。何のために必要かは、この設問では聞かれていません*2。
取り組みが活発は37%、あまり活発ではないが40%
取り組みの側を見ます*2。DX全般では「非常に活発」が7%、「活発」が30%でした*2。
上側2区分を足します*2。7%と30%を足すと37%になります*2。この足し算もこの記事で行ったものです*2。
下側のほうが大きい形です*2。「あまり活発ではない」が40%で、区分の中では上端になります*2。
着手していない側も示されています*2。「取り組んでいない」が14%です*2。
判断できない側もあります*2。「わからない」は9%でした*2。
実務での意味はこうです。止まっているのではなく、動きが鈍い状態が最も多いという形です*2。着手済みで進みが遅い案件が中心になります*2。
ただし資料からは、活発でない理由は読めません*2。理由を尋ねた設問ではないためです*2。
差は27ポイント、倍率は約1.73倍
2つを並べます*2。必要性の高い側64%から取り組みの活発な側37%を引くと27ポイントです*2。この引き算はこの記事で行ったものです*2。
倍率も出しておきます*2。64を37で割ると約1.73倍です*2。これもこの記事で計算した値です*2。
読み方を決めます*2。同じ企業群に対して必要性と取り組みを聞いた結果の開きです*2。
ここで止めます*2。単一回答の別の設問なので、必要性が高いと答えた企業のうち何割が活発かは分かりません*2。
実務に引き寄せます。必要性で合意が取れているのに動きが鈍いという状態は、判断の問題ではなく手の問題として扱えます。
ただし資料からは、必要性が高いから取り組むという向きも読めません*2。2つの設問の関係を尋ねたものではないためです*2。
製造分野向けDXは51%と30%、開きは21ポイント
もう1つの系列も見ます*2。製造分野向けDXでは必要性が「非常に高い」16%、「高い」35%でした*2。
上側2区分を足します*2。16%と35%を足すと51%になります*2。
取り組みの側も示されています*2。「非常に活発」6%、「活発」24%で、足すと30%です*2。
差を計算します*2。51%から30%を引くと21ポイント、割ると1.70倍です*2。いずれもこの記事で計算した値です*2。
並びを確かめます*2。差で見るとDX全般27ポイント、製造分野向けDX21ポイントです*2。
倍率でも同じ並びです*2。DX全般が約1.73倍、製造分野向けDXが1.70倍で、順位は入れ替わりません*2。
別の区分にも違いが出ています*2。「取り組んでいない」はDX全般14%に対して製造分野向けDXが22%で、8ポイント高い形です*2。
判断できない側も高めです*2。「わからない」は必要性で16%、取り組み状況で13%でした*2。
必要性の下側も示されています*2。製造分野向けDXでは「低い」が22%、「全くない」が11%でした*2。
DX全般と並べます*2。「低い」は21%と22%で1ポイントしか違わないため、どちらが上かは論じません*2。
違いが出るのは「全くない」です*2。DX全般の4%に対して製造分野向けDXは11%で、7ポイント高い形になります*2。この引き算はこの記事で行ったものです*2。
合計も確かめておきます*2。必要性のDX全般は20%・44%・21%・4%・11%で、足すと100になります*2。
他の系列も同じです*2。製造分野向けDXの必要性、取り組み状況の2系列も5区分を足すと100になります*2。
ですから配分として読めます*2。複数回答ではないため、区分どうしの足し引きができる形です*2。
調査の構成も添えておきます*4。この調査は2018年度から2022年度まで年度ごとに公開されています*4。
経年比較を並べない理由
この設問には経年の集計もあります*2。ただしこの記事では並べません*2。
理由は集計対象です*2。経年の集計はメーカー企業、サブシステム提供企業、サービス提供企業に絞られています*2。
もう1つ理由があります*2。2018年度から2019年度の集計は対象の定義が違うと注記されています*2。
ですから今回は2022年度の全類型の集計だけを扱います*2。母集団が違う値を並べて増減を語ることはしません*2。
実務での扱いも同じです。他年度の数字を持ち出す前に、対象がどこまで含まれているかを確かめます。
この集計から読めないこと
使う前に、限界を並べておきます*2。
第一に、活発でない理由が分かりません*2。理由を尋ねた設問ではありません*2。
第二に、企業ごとの組み合わせが読めません*2。必要性が高いと答えた企業のうち何割が活発かは示されていません*2。
第三に、因果が読めません*2。必要性が高いから取り組むのか、取り組んだから必要性を感じるのかは示されていません*2。
第四に、取り組みの中身が分かりません*2。活発さの度合いであって、何をやっているかは聞かれていません*2。
第五に、規模の情報がありません*2。この集計は類型を全部合わせたもので、従業員規模別の値は別の集計です*2。
第六に、小数点以下が取れません*2。資料は整数の百分率で示しています*2。
第七に、経年の比較ができません*2。経年の集計は対象が3類型に絞られ、古い年度は定義も違います*2。
第八に、時期の範囲があります*1。2022年度の調査であり、それより後の傾向は読めません*1。
着手を1つ動かす4段
ここまでの分布を、自社の手順に落とします*2。
| 項目 | DX全般 | 製造分野向けDX |
|---|---|---|
| 必要性が高い(上側2区分の合計・筆者計算) | 64% | 51% |
| 必要性の内訳:非常に高い/高い | 20%/44% | 16%/35% |
| 取り組みが活発(上側2区分の合計・筆者計算) | 37% | 30% |
| 内訳:非常に活発/活発 | 7%/30% | 6%/24% |
| あまり活発ではない | 40% | 35% |
| 取り組んでいない | 14% | 22% |
| わからない(必要性/取り組み状況) | 11%/9% | 16%/13% |
| 必要性と取り組みの差/倍率(筆者計算) | 27ポイント/約1.73倍 | 21ポイント/1.70倍 |
1段目は、必要と言っている案件を1つ選ぶことです。合意はあるのに動いていない1件に絞ります。
2段目は、活発でない理由を作業と決めに分けて書くことです。手が足りないのか、決めが返らないのかを分けます。
3段目は、決める作業を社内に残すことです。何をやらないかの線は外に出しません。
4段目は、作業の側を期間で区切って外へ出すことです。作業量が読める部分から動かします。
2段目で分けて書く理由は、分布に出ています*2。「あまり活発ではない」が40%で区分の上端であり、着手済みで進みが鈍い状態が中心です*2。
1段目を1件に絞る理由も分布にあります*2。必要性の高い側は64%で合意は広いため、対象を全部にすると手が分散します*2。
4段目を外に出す理由はここです。必要性で合意が取れていても、手が空くまでは着手が動きません。手を足すほうが着手は早くなります。
実務では、3段目と4段目が外部要員の枠になります。フリーランスを含む業務委託は、この枠と相性があります。範囲と期間を区切って渡し、片づいたら戻せるためです。
同じ設問群の事業への影響はDXの効果は生産効率で49%|わからないは33%で扱っています。
進め方の分布はDXの全社展開は26%、一部でのみ実施42%との違いで同じ調査の別の設問を出しています。
規模による取組率の差はDXの取組の違い、規模で98.7%と41.6%に分かれるで別の調査を整理しています。
目標の置き方は、DXの目標とは、13項目中で業務効率化だけが46%で同じ調査の設問を扱っています。
最後に範囲を添えておきます*1。この調査は2022年度のもので、配布数7,864件・回答数1,214件です*1。
まとめ:合意ではなく手の問題として、1件から外に出す
第一に、資料です。IPAの「2022年度組込み/IoT産業の動向把握等に関する調査」で、配布数は7,864件、回答数は1,214件でした。利用の条件として政府標準利用規約に準拠する形で出典の記載と編集・加工の旨の記載が求められているため、出典を明示し、示された値を用いて図と表を作成する編集・加工を筆者が行ったことを記しています。第二に、集計対象です。ユーザー企業・メーカー企業・サブシステム提供企業・サービス提供企業・その他の全類型が対象で、回答数は必要性がDX全般1,128/製造分野向けDX1,077、取り組み状況がDX全般1,131/製造分野向けDX1,081と系列ごとに違います。第三に、必要性です。DX全般では「非常に高い」20%と「高い」44%で、上側2区分を足すと64%でした。「低い」は21%、「全くない」は4%、「わからない」は11%です。第四に、取り組み状況です。「非常に活発」7%と「活発」30%で、足すと37%でした。「あまり活発ではない」が40%で区分の上端、「取り組んでいない」が14%、「わからない」が9%です。第五に、開きです。必要性の高い側64%と取り組みの活発な側37%の差は27ポイント、倍率は約1.73倍でした。第六に、製造分野向けDXです。必要性は16%と35%で足すと51%、取り組みは6%と24%で足すと30%、差は21ポイント、倍率は1.70倍です。差で見ても倍率で見ても並びは同じで、順位は入れ替わりません。「取り組んでいない」はDX全般14%に対して22%で8ポイント高い形でした。第七に、限界です。活発でない理由も、必要性と取り組みの因果も、企業ごとの組み合わせも資料にありません。
よくある質問
DXの必要性が高いとした企業はどれくらいですか。
IPAの2022年度組込み/IoTに関する動向調査では、DX全般について「非常に高い」が20%、「高い」が44%で、上側2区分を足すと64%でした。回答数は1,128です。この足し算は掲載値から行ったもので、資料に書かれた値ではありません(確認日2026年9月9日)。
取り組みが活発な企業はどれくらいですか。
「非常に活発」が7%、「活発」が30%で、足すと37%でした。回答数は1,131です。区分の上端は「あまり活発ではない」の40%で、「取り組んでいない」は14%です。
必要性と取り組みの差はどれくらいですか。
DX全般では64%と37%で27ポイント、倍率は約1.73倍です。製造分野向けDXでは51%と30%で21ポイント、倍率は1.70倍でした。差で見ても倍率で見ても並びは同じで、順位は入れ替わりません。
必要性が高い企業ほど取り組みも活発なのですか。
そこまでは書けません。この2つは単一回答の別の設問で、必要性が高いと答えた企業のうち何割が活発かは示されていません。因果も示されていないため、どちらが先かは扱えません。
経年で比べることはできますか。
この記事では並べていません。経年の集計は集計対象がメーカー企業・サブシステム提供企業・サービス提供企業に絞られており、2018年度から2019年度は対象の定義も違うと注記されているためです。
出典
- *1 参考:IPA「2022年度組込み/IoT産業の動向把握等に関する調査」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/kumikomi/kumikomi-iot2022.html)。配布数7,864件・回答数1,214件と利用の条件(政府標準利用規約に準拠する形での出典の記載と編集・加工の旨の記載)の一次情報として(2026年9月確認)
- *2 参考:IPA「組込み/IoTに関する動向調査」調査結果(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/kumikomi/ps6vr7000001tewn-att/kumikomi-iot2022.pdf)。Q11のDXの必要性とDXの取り組み状況の比率・回答数・集計対象の全類型・5つの選択肢、および経年の集計の対象と注記の一次情報として。示された値を用いた図表の作成という編集・加工を筆者が実施(2026年9月確認)
- *3 参考:IPA「アンケート調査票」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/kumikomi/ps6vr7000001tewn-att/kumikomi-iot2022-chousahyou.xlsx)。Q11の設問の並びと選択肢の確認として(2026年9月確認)
- *4 参考:IPA「組込み/IoT産業の動向把握等に関する調査」一覧(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/kumikomi/index.html)。2018年度から2022年度まで年度ごとに調査が公開されているという構成の確認として(2026年9月確認)