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マナビDX Quest|修了者1229名と366名は別の段階
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 修了には2つの段階がある:令和7年度は1229名と366名です*3。
- 実施しているのは事業者:今年度はPBLが2事業者、協働が6事業者です*1*4。
- ケーススタディの修了率は59%:参加2093名のうち1229名です*3。
※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
応募書類に「マナビDX Quest 修了」と書かれていたら、何を確かめるでしょうか*1。
マナビDX Questは経済産業省のデジタル推進人材育成プログラムです*1。2026年度の受講生募集が2026年6月2日に公表されました*1。
中身は2本立てです*1。ケーススタディ教育プログラムと、地域企業協働プログラムに分かれています*1。
令和7年度の修了者は前者が1229名、後者が366名でした*3。段階が違えば取り組んだ内容も期間も違います*3。
制度の作りと、修了の読み方を一次情報で確かめます*1*3。
目次
マナビDX Questは2本立てのプログラム
先に全体の形を確かめます。
実施主体と目的が明記されています*1。経済産業省が、地域企業・産業のAX/DXの実現に向け、ビジネスの現場における課題解決の実践を通じた能力を磨くために実施するプログラムです*1。
AX/DXの読み方も示されています*1。AIトランスフォーメーションとデジタルトランスフォーメーションを指すと書かれています*1。
構成は2つです*1。企業データに基づく実践的なケーススタディ教育プログラムと、地域の中小企業との協働による、デジタル技術を活用した協働プログラムからなります*1。
対象も広く取られています*1。学生・社会人等が対象で、2026年度の受講生募集が2026年6月2日に公表されました*1。
提供の形も決まっています*1。すべてのプログラムがオンラインで提供され、自身の都合の良い時間で受講できると案内されています*1。
経済産業省側の説明も同じ形です*2。企業データに基づく実践的なケーススタディ教育プログラム及び、地域企業と協働したオンライン研修プログラムから構成されるデジタル推進人材育成プログラムとされています*2。
得られるものも書かれています*2。企業におけるDXを推進する変革の考え方やプロセスを学び、志を同じくする幅広いデジタル人材とのつながりを構築できるとされています*2。
単位を押さえておきます*3。数えるのは参加者と修了者の人数、そして協働企業の社数です*3。資格試験の合格者数ではありません*3。
次に、2つのプログラムの違いを見ます*1。
ケーススタディ教育と地域企業協働は別物
期間も進め方も違います。
1つ目はケーススタディ教育プログラムです*1。2026年度は7月下旬開始予定で、PBLと呼ばれるプロジェクト型学習を中心に据えたプログラムです*1。
中身も具体的に書かれています*1。約3か月間のPBLで、AIによる需要予測やデータ分析による収益改善等の実際の企業課題をテーマにした複数のケーススタディ教材から選択し、ビジネス課題からデジタル課題までを一気通貫で学習できるとされています*1。
参加者同士の学び方も示されています*1。参加者が情報交換して学び合い、教え合いながら、与えられた課題を解決していく形です*1。
2つ目は地域企業協働プログラムです*1。2026年度は秋以降開始予定で、約2か月から3か月間、地域の中小企業の課題にチームで取り組みます*1。
ここで学ぶ内容も別に書かれています*1。中小企業の経営者・担当者との協働を通じて、ケーススタディ教育プログラムで学んだスキルを用いて、実際に現場でAX/DXを推進する際の難しさやポイントを学ぶとされています*1。
2つの関係にも注記があります*1。参加要件はプログラムにより異なるものの、ケーススタディ教育プログラムの修了を参加要件とするプログラムがあると書かれています*1。
その修了は過年度のものも含みます*1。注記には「過年度を含む」と明示されています*1。前年度までにケーススタディを修了した人が、翌年度に協働プログラムへ進む形もあります*1。
実績の側でも同じ構図が確認できます*3。令和7年度の報告では、原則としてPBLを修了した受講生が10のプログラムに参加し、チームを組んで取り組んだとされています*3。
採用側の確認事項が1つ決まります*1*3。「修了」と書かれていたら、どちらのプログラムかを聞きます*1*3。片方だけの修了と、両方の修了は別の経験です*1*3。
応募の時期も違います*1。2026年度はケーススタディ教育の応募締切が7月中旬の予定で、定員に達し次第早期に締め切る場合があるとされ、協働プログラムは6月後半以降の募集開始予定でした*1。
次に、誰が実施しているのかを見ます*1*4。
実施しているのは国ではなく事業者
ここが読み違えやすい部分です。
実施の形が注記されています*1。ケーススタディ教育プログラムは、令和8年度地域デジタル人材育成・確保推進事業費の補助金に係る交付決定事業者により実施すると書かれています*1。
時期も一律ではありません*1。実施時期等は事業者により異なるため、詳細はマナビDX Questのホームページで確認するよう案内されています*1。
2026年度の提供数も公表されています*1*4。ケーススタディ教育プログラムは2事業者、地域企業協働プログラムは6事業者が提供すると案内されています*1*4。
公式サイトの側にも同じ説明があります*4。今年度はさまざまなプログラムから選べる形になっており、希望に沿って選ぶよう案内されています*4。
募集の動きも個別です*4。事業者ごとに募集開始や詳細情報の公開が別の日付で告知され、募集期間が延長された事業者もありました*4。
協働プログラムの側も同じです*3*4。令和7年度は10団体が主体的に設計・運営を実施したと報告されています*3。
この構図が「修了」の意味に効きます*1*3。同じ名前のプログラムでも、提供元ごとに設計や実施時期が違います*1*3。
採用側の2つ目の確認事項になります*1*4。どの事業者や団体のプログラムだったかを聞きます*1*4。名称だけでは中身が特定できません*1*4。
報告書の位置づけも押さえます*3。令和7年度の実績は、地域デジタル人材育成・確保推進事業のうちデジタル人材育成プラットフォーム運営事業の事業報告書(公開版)にまとめられています*3。
学びの入口の側は別に整備されています*2。講座を探す仕組みはDX推進パスポートとは、3試験の合格数で決まる7種類のバッジで触れたデジタル人材育成プラットフォームの側にあります*2。
次に、令和7年度の実績を見ます*3。
ケーススタディ教育の修了率は59%
実数が公表されています。
参加者数が出ています*3。令和7年度のケーススタディ教育プログラムの参加者は2093名でした*3。
修了の側も出ています*3。修了率は59%で、修了者数は1229名です*3。
| プログラム | 参加者・受講生 | 修了率 | 修了者数 |
|---|---|---|---|
| ケーススタディ教育プログラム | 2,093名 | 59% | 1,229名 |
| 地域企業協働プログラム | 393名 | 93% | 366名 |
割り算で確かめられます*3。1229名を2093名で割ると58.7%となり、公表されている59%と合います*3。
2つのプログラムの合計としても示されています*3。報告では2プログラム合計で修了生1229名を達成したと書かれています*3。
修了率の動きにも言及があります*3。有償であるにも関わらず、修了率は昨年度を下回る結果になったとされています*3。
その要因も挙げられています*3。事業者によってプログラムを前半・後半に分割しそれぞれ修了可能な設計としたこと、受講生の初学者割合が高まったこと、修了要件の追加等が影響したと考えられると書かれています*3。
これは推測として示された記述です*3。報告書自身が「考えられる」という書き方をしているため、断定された原因ではありません*3。
採用側の3つ目の確認事項になります*3。参加と修了は別です*3。参加者2093名に対して修了者は1229名で、4割ほどが修了に至っていません*3。
初学者の受け入れも明記されています*3。2つのプログラムとも、初学者と経験者の別なく取り組めるプログラムを実現したとされています*3。修了は前提知識の証明ではありません*3。
次に、協働プログラムの側を見ます*3。
地域企業協働の規模は366名
こちらは規模が小さくなります。
受講生数が出ています*3。令和7年度の地域企業協働プログラムの受講生は393名でした*3。
修了の側も公表されています*3。修了率は93%で、修了者数は366名です*3。
割り算も合います*3。366名を393名で割ると93.1%となり、公表されている93%と合います*3。
協働した企業数も出ています*3。協働企業は77社で、10団体が10のプログラムを設計・運営しました*3。
内訳には小さな差があります*3。393名から修了者366名を引くと27名ですが、報告書が挙げる最終的な辞退者は26名です*3。
報告書はその差にあたる事情も書いています*3。一部、ケーススタディ教育の修了を参加要件としている団体では、そこを修了できなかったことにより協働プログラムも未修了となる受講生も存在したとされています*3。
辞退の理由にも触れられています*3。特定の受講生によるトラブル起因の辞退も多かったと書かれています*3。
団体ごとのばらつきも明記されています*3。修了率は9割を超える団体がほとんどですが、一部、8割前後の団体も存在し、各社でばらつきが見られたとされています*3。
募集の状況も報告されています*3。受講生層の変化に伴いケーススタディ教育からの流入が減り、多くの団体が募集に苦戦し、目標数35名を未達の団体も存在したとされています*3。
規模の意味を押さえます*3。協働プログラムの修了者は年に366名です*3。母集団として当てにできる人数ではありません*3。
次に、受講料と満足度を見ます*3。
受講料は2万円、満足度は76%
費用と評価も公開されています。
ケーススタディ教育は有償です*3。今年度の受講料2万円は一定受容されたものと思われると書かれており、有償化による集客の苦戦もあったとされています*3。
満足度も出ています*3。プログラム全体の満足度は76%でした*3。
低い項目も示されています*3。マナビDX Questの特徴ごとの満足度では「一気通貫でのスキル学習」や「協働プログラムへステップアップできる実践的な学習」がやや低い結果になったとされています*3。
課題としても書かれています*3。一気通貫でのスキル学習の質の向上や、次の段階への接続は今後に向けた課題であることが分かったと報告されています*3。
受講料の受け止め方も数値で出ています*3。報告書は、満足度に対して「受講料が適切/安い」と感じた割合は72%と記しています*3。
内訳も添えられています*3。「受講料が適切」と感じた割合が5割強、「安い」が2割、「高い」と感じた割合が3割弱とされています*3。
協働プログラムの満足度は別に出ています*3。受講生が87%で昨年を上回った一方、協働企業は93%で昨年度を下回る結果になったとされています*3。
団体別の傾向にも記述があります*3。受講生の満足度が高い団体は協働ミーティングへの出席によりタイムリーなフォローが実現できていた傾向があり、低い団体は受講生間や受講生と企業の間でトラブルが発生したという点で共通していたとされています*3。
これらは受講者側の評価です*3。企業が採用の判断に使う指標として設計された数値ではありません*3。
参加企業の側の記録も公開されています*2。経済産業省のページでは、修了生・参加企業・修了生所属企業へのインタビューや、現場研修プログラムの事例集が年度ごとに公開されています*2。
次に、採用で読む手順を整理します*1*3。
採用で読む手順と、この資料で分からないこと
手順にすると3つです。
1つ目は、どちらのプログラムかを聞くことです*1*3。ケーススタディ教育だけの修了と、地域企業協働まで進んだ修了は別の経験です*1*3。後者は原則として前者の修了者が参加しています*3。
2つ目は、どの事業者や団体のプログラムかを聞くことです*1*4。今年度はケーススタディ教育が2事業者、地域企業協働が6事業者で、実施時期や設計が提供元ごとに異なります*1*4。
3つ目は、修了率を前提に読むことです*3。ケーススタディ教育の修了率は59%で、参加したが修了していない人も一定数います*3。逆に協働プログラムの修了率は93%です*3。
ここから分からないことも押さえます*3。事業者ごとの修了者数の内訳は、今回参照した報告書の公開版には示されていません*3。
到達したスキルの水準も分かりません*3。報告書にあるのは参加者数、修了率、満足度で、修了者個人の技能を測った数値ではありません*3。
職務経歴の裏取りも別の話です*3。報告書は全体の集計であり、応募者個人が修了したかどうかを確認する仕組みには触れていません*3。修了の事実は本人の提示物で確かめます*3。
試験の合格とも性格が違います*2。合格数に応じてバッジが出る仕組みとは別で、こちらは期間のあるプログラムへの参加と修了です*2。試験の側の読み方はDX推進パスポートとは、3試験の合格数で決まる7種類のバッジにまとめています。
講座の認定制度とも別です*2。企業が講座を認定してもらう仕組みは第四次産業革命スキル習得講座と資格の違いを採用で使い分けるで扱っており、個人が参加するプログラムとは対象が違います*2。
社内で育てる場合の設計も別に必要です*3。プログラムの修了は出発点で、配属後の育成は自社で組みます*3。育成側の論点はDX人材が育たない原因と育成の進め方にまとめています。
採るか育てるかの比較も先に済ませておきます*3。どちらに寄せるかで見る資格や経験が変わります*3。判断の材料はDX人材は採用か育成か、助成金を含めて比較するで扱っています。
橋渡しの役割を担う人がすぐに採れない場合は、範囲を切り出して業務委託で先に進める形もあります。修了の中身を確かめておくと、その切り出し方を決める材料になります*3。
まとめ:段階と提供元を確かめる
第一に、プログラムの形です。マナビDX Questは経済産業省のデジタル推進人材育成プログラムで、企業データに基づく実践的なケーススタディ教育プログラムと、地域の中小企業との協働による地域企業協働プログラムからなります。2026年度の受講生募集は2026年6月2日に公表され、対象は学生・社会人等、提供はオンラインです。第二に、2つの違いです。ケーススタディ教育は約3か月間のPBLで、2026年度は7月下旬開始予定でした。地域企業協働は約2か月から3か月間、地域の中小企業の課題にチームで取り組むもので、秋以降の開始予定です。参加要件はプログラムにより異なりますが、ケーススタディ教育の修了を過年度を含めて要件とするプログラムがあります。第三に、実施主体です。ケーススタディ教育は補助金の交付決定事業者により実施され、実施時期等は事業者により異なります。2026年度はケーススタディ教育が2事業者、地域企業協働が6事業者の提供です。第四に、実績です。令和7年度はケーススタディ教育の参加者が2093名で修了率59%、修了者1229名でした。地域企業協働は受講生393名で修了率93%、修了者366名、協働企業77社で、10団体が10のプログラムを設計・運営しました。第五に、検算です。1229名を2093名で割ると58.7%、366名を393名で割ると93.1%で、いずれも公表されている修了率と合います。第六に、費用と評価です。ケーススタディ教育の受講料は2万円で、プログラム全体の満足度は76%、報告書は満足度に対して受講料が適切または安いと感じた割合を72%と記しています。地域企業協働の満足度は受講生87%、協働企業93%で、団体別にばらつきがあります。第七に、限界です。事業者ごとの修了者数の内訳と、修了者が到達したスキルの水準は、今回参照した公開版の報告書には示されていません。
よくある質問
マナビDX Questとは何ですか。
経済産業省が実施するデジタル推進人材育成プログラムです。企業データに基づく実践的なケーススタディ教育プログラムと、地域の中小企業との協働による地域企業協働プログラムからなります。地域企業・産業のAX/DXの実現に向け、ビジネスの現場における課題解決の実践を通じた能力を磨くことを目的としています。対象は学生・社会人等で、提供はオンラインです(確認日2026年9月2日)。
2つのプログラムはどう違いますか。
ケーススタディ教育プログラムは約3か月間のPBLで、企業課題をテーマにした複数のケーススタディ教材から選択して学びます。地域企業協働プログラムは約2か月から3か月間、地域の中小企業の課題にチームで取り組みます。参加要件はプログラムにより異なりますが、ケーススタディ教育プログラムの修了を過年度を含めて参加要件とするプログラムがあります。
修了者は何人いますか。
令和7年度の事業報告書によると、ケーススタディ教育プログラムは参加者2093名に対して修了率59%、修了者1229名です。地域企業協働プログラムは受講生393名に対して修了率93%、修了者366名で、協働企業は77社でした。参加者数と修了者数から割り算すると58.7%と93.1%になり、公表されている修了率と合います。
実施しているのは国ですか。
ケーススタディ教育プログラムは、地域デジタル人材育成・確保推進事業費の補助金に係る交付決定事業者により実施されると案内されています。実施時期等は事業者により異なります。2026年度はケーススタディ教育が2事業者、地域企業協働が6事業者の提供です。令和7年度の地域企業協働では10団体が主体的に設計・運営を実施しました。
この資料から応募者のスキル水準は分かりますか。
分かりません。今回参照した公開版の報告書にあるのは参加者数、修了率、満足度で、修了者個人の技能を測った数値は示されていません。事業者ごとの修了者数の内訳も同様です。報告書は2つのプログラムとも初学者と経験者の別なく取り組めるプログラムを実現したとしており、修了は前提知識の証明ではありません。
出典
- *1 参考:経済産業省「デジタル推進人材育成プログラム「マナビDX(デラックス)Quest」の 2026年度受講生を募集します」(https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260602002/20260602002.html)。プログラム構成・期間・参加要件・応募時期・実施事業者の一次情報として(2026年9月確認)
- *2 参考:経済産業省「「マナビDX Quest」について」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/manabi-dx-quest.html)。制度の位置づけとインタビュー・事例集・報告書の所在として(2026年9月確認)
- *3 参考:経済産業省「令和7年度地域デジタル人材育成・確保推進事業(デジタル人材育成プラットフォーム運営事業)事業報告書(公開版)」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/MDXQuest2025_Report.pdf)。参加者数・修了率・修了者数・満足度・受講料の一次情報として(2026年9月確認)
- *4 参考:「マナビDX Quest」公式サイト(https://dxq.manabi-dx.ipa.go.jp/)。2026年度の提供事業者数と募集の告知として(2026年9月確認)