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2026.09.29 採用支援コラム

エンジニア中途採用の採用スケジュール|10月入社から逆算の順番




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 直前の勤め先が情報通信業だった転職者の81.8%は、在職中に転職活動を始めていました。
  • 10月入社の採用スケジュールは、入社日から退職日、退職の申し出の日、内定の日の順に後ろから組みます。
  • 入社日を動かすときは候補者と話し合って合意し、労働条件を示した書面も新しい日付で出し直します。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

10月から始まる下期の開発に合わせて、中途のエンジニアに入ってもらいたい。けれども、内定を出したあとで「いまの会社を辞められるのは11月です」と言われ、計画が崩れた——。エンジニア中途採用では、入社日を先に決めたのに、候補者が現職を離れる日があとから分かることが起こりがちです。10月入社の採用スケジュールとは、10月の入社日を起点に、候補者の退職日、退職を申し出る日、内定を出す日、面接の日を後ろから順に決めていく計画のことです。

10月入社は、4月から翌年3月を事業年度にする会社では下期の始まりにあたり、上期のうちに決めた増員を形にしやすい時期です。ただし万能ではなく、候補者の多くは在職中に転職活動をしていて、辞める日を決めるのは候補者とその勤め先です。本記事では、開発の現場を預かるマネージャーに向けて、候補者が転職活動を始める時期、退職から入社までの間、逆算する順番、本人に要る期間の確かめ方、入社日を動かすときの扱い、そしてつまずきやすい点を整理します。

色づいた木々のあいだを奥へまっすぐ延びる、黄色い中央線の引かれた舗装道路。路面に落ち葉が散り、人も文字も写っていない

10月入社の採用スケジュールとは

採用スケジュールに並ぶ日付は、誰が決めるかで3つに分けられます。面接の日、内定を出す日、パソコンやアカウントを用意する日は、自社が決めます。退職を申し出る日、最終出社日、退職日は、候補者とその勤め先が決めます。そして入社日は、自社と候補者が話し合って決めます。

10月入社を目標にしたとき、自社だけで動かせるのは1つ目のグループだけです。4月から翌年3月を事業年度にしている会社なら、10月は下期の始まりにあたり、下期の開発計画や予算に合わせて入社日を置きたくなります。ただ、入社日の前には候補者の退職日があり、その前には退職の申し出があります。後ろ2つのグループの日付が分からないまま面接の日程だけを組むと、内定のあとで入社日を動かす話し合いが必要になります。

下期に向けた増員の人数を上期のうちにどう固めるかは「外部人材活用の年度計画|下期増員に向けて上期に固めておくこと」で、4月入社に合わせる場合は「エンジニア中途採用の採用スケジュール、4月入社に合わせる組み方」で扱っています。この記事では、候補者の側で決まる日付をどう確かめ、10月の入社日から逆にたどるかに絞ります。

候補者が転職活動を始める時期

厚生労働省の令和7年転職者実態調査は、5人以上を雇う事業所で働く転職者に、転職活動をいつ始めたかを尋ねています。個人調査の有効回答は7,310人で、ここでいう転職者は、2024年10月1日から2025年9月30日までに雇われたフルタイムの労働者のうち、その前の1年間に別の企業で働いていた人です。*1

直前の勤め先が情報通信業だった転職者では、81.8%が在職中に転職活動を始めていました。離職したあとに始めた人は17.4%です。産業計では在職中が71.7%、離職後が25.4%なので、*2 情報通信業から移る人は、いまの会社に籍を置いたまま活動する割合が10.1ポイント高いことになります。

転職活動を始めた時期を、直前の勤め先が情報通信業の転職者と産業計で比べた横棒グラフ。全転職者を100とした割合で、情報通信業、産業計の順に、離職後に始めた17.4%と25.4%、離職前1か月未満13.0%と12.2%、離職前1か月以上3か月未満24.3%と27.3%、離職前3か月以上6か月未満25.1%と16.9%、離職前6か月以上9か月未満7.4%と6.5%、離職前9か月以上1年未満7.4%と4.6%、離職前1年以上2年未満2.6%と2.7%、離職前2年以上1.9%と1.6%。出典は厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人票の第26表。

在職中に始めた時期を見ると、情報通信業では「離職前3か月以上6か月未満」が25.1%で最も多く、「離職前1か月以上3か月未満」24.3%が続きます。産業計では「離職前1か月以上3か月未満」の27.3%が最も多い区分です。*2 離職の6か月以上前に始めた区分を合計すると、情報通信業は19.3%、産業計は15.4%でした。

エンジニア中途採用の面接に来る人の多くは、まだ現職で働いていて、退職も申し出ていないと考えておくのが自然です。そして、活動を始めてから辞めるまでの幅は人によって大きく違います。統計の区分から候補者一人ひとりの退職日は決まらないので、日付は本人に聞いて確かめることになります。

退職から入社までの間

同じ調査は、前の勤め先を辞めてから今の勤め先に勤めるまでに、空いた期間があったかどうかも集計しています。直前の勤め先が情報通信業だった転職者では、離職期間なしが36.4%、離職期間ありが60.7%でした。産業計では離職期間なしが24.0%、ありが72.8%です。*3

直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に勤めるまでの期間の有無(全転職者を100とした構成比、単位は%。出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人票 第28表をもとに作成)
直前の勤め先の産業 離職期間あり 離職期間なし 不明
産業計 72.8 24.0 3.3
情報通信業 60.7 36.4 2.8

離職期間なしの人は、前の会社の退職日と新しい会社の入社日がほぼ続いています。第26表でこの人たちが転職活動を始めた時期を見ると、93.4%が在職中に始めていました。*2 在職中に次の勤め先を決め、辞める日と入る日をつなげて移る形です。

10月入社で言えば、候補者の退職日が9月30日かその少し前に来る形です。このとき入社日を1日でも動かすと、候補者の退職日も動かす話になります。一方、離職期間がある人は、退職日と入社日の間に余白があります。どちらの形になるかは、面接の段階で本人に聞いておきます。辞めてから就職するまでの期間を別の年の調査で見た記事に「エンジニア中途採用の選考期間、入社時期と分けて日程を決める」があります。

逆算する順番

10月入社の採用スケジュールは、入社日から前へ、次の順番でたどると組みやすくなります。

  • 入社日の候補を決める(10月1日と、ずれた場合の第2候補の日)
  • 候補者の退職日と最終出社日を置く(入社日の前に現職を離れる日)
  • 候補者が退職を申し出る日を置く(本人の勤め先の就業規則と引き継ぎで決まる)
  • 内定と労働条件を示す日を置く(申し出の前に、本人が条件を確かめられるように)
  • 最終面接と、それより前の選考の日を置く
  • 求人を出す日を決める

要になるのは3つ目の、退職を申し出る日です。在職中の候補者は、内定と条件を受け取ってから現職に申し出る流れになるので、内定の日はこの申し出の日より前に置くことになります。つまり、面接の日程は申し出の日から逆に決まります。

各工程の間に何日を見込むかは、一般的な目安を借りずに決めます。自社の過去の採用で、求人を出してから最初の面接まで、最初の面接から内定までにかかった日数を拾い、候補者から聞いた申し出から退職までの日数とつなげます。雇用契約の解約の申し入れについて民法がどう定めているかは「エンジニア中途採用の内定辞退、民法は誰に予告を求めるか」にまとめています。

受け入れの準備は、この流れと並べて別の行に書きます。開発環境の権限、担当するシステムの資料、最初に任せる作業は、入社日が決まった時点から用意を始められます。準備の手順を「入社日の前日までに」のように入社日を起点に書いておくと、日付が動いても書き直さずに済みます。

本人に要る期間の確かめ方

候補者が現職を離れるまでに要る期間は、面接の終盤か内定の前に、いくつかの質問に分けて聞くと確かめやすくなります。まとめて「いつから来られますか」と聞くと、希望の日付だけが返ってきて、その日付が何に左右されるのかが分かりません。

一つ目は、勤め先の就業規則で、退職の申し出をいつまでにすると決まっているかです。二つ目は、担当している案件の区切りです。リリースや納品の日が9月の後半にあるなら、本人はその前に抜けにくいと考えているかもしれません。三つ目は、引き継ぐ相手が決まっているかどうかです。相手が決まっていないと、申し出てから引き継ぎを始めるまでに時間がかかります。

四つ目は、年次有給休暇の残りをどう使うつもりかです。有給休暇を使う日も現職に在籍している期間なので、最終出社日と退職日が離れます。ここは「最終出社日」と「退職日」を分けて聞いておくと、入社日との関係が見えます。

聞いた答えは、日付と理由を1枚のメモにしておきます。たとえば「申し出は内定の翌週の予定、就業規則の申し出期限は本人が確認済み、9月20日にリリースがあるので最終出社はその後」といった形です。内定の連絡をするときにこのメモを本人と見直し、変わった点があれば採用スケジュールに反映します。

入社日を動かすときの扱い

労働基準法第15条第1項は、使用者は「労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定めています。*4 同法の施行規則第5条は、書面などで示す事項として「労働契約の期間に関する事項」や「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」などを挙げています。*5

入社日を労働条件通知書に書いている場合、あとで入社日を動かすなら、書面も新しい日付で出し直しておくと食い違いを防げます。労働契約法第8条は、労働者と使用者は「その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」としています。*6 入社日を動かすときは、会社の都合で決めて伝えるのではなく、候補者と日付を話し合い、合意した日を書面に残す流れにしておきます。

動かす可能性に備えて、10月1日の案と、たとえば11月1日の案の2つを最初から持っておくと話し合いが短く済みます。第2案の日付を決めるときは、候補者の退職日が後ろにずれた場合に、下期の最初の作業を誰が担うかも決めておきます。社内で分担を見直すほか、業務委託で開発に加わる専門人材に、入社までの間だけ作業を任せる方法もあります。その場合は、任せる作業と期間、成果物を書き出しておくと、社員が入社したあとの引き継ぎも進めやすくなります。

つまずきやすい点

一つ目は、10月1日を動かせない日として扱うことです。面接の前に候補者から入社日の希望を聞かずに日付を決めると、内定のあとで退職日と合わないことが分かります。入社日は目標として置き、第2案と一緒に候補者に示します。

二つ目は、年の後半に入社する人の年末調整を見落とすことです。国税庁は、年の中途で就職し、年末まで勤務している人も年末調整の対象になるとしています。前の勤め先で受け取った給与も含めて計算するため、前の勤め先が出す源泉徴収票で金額を確かめます。*8 所得税法第226条第1項は、年の中途で退職した人の源泉徴収票を「その退職の日以後一月以内」に交付するよう定めています。*7 10月入社の人には、入社の手続きのときに、前の勤め先から源泉徴収票を受け取ったら提出してほしいと伝えておきます。

三つ目は、採用スケジュールを人事だけで持つことです。最終面接の担当者が9月の後半に予定を空けられないと、内定の日が後ろにずれ、候補者の申し出の日もずれます。面接官を務める開発の責任者の予定を、スケジュールを組む段階で押さえておきます。

まとめ:10月入社で確かめておきたい3つの点

エンジニア中途採用を10月入社に合わせるうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、候補者の多くは在職中に活動していて、退職の申し出はまだしていないと考え、面接の段階で申し出の予定と退職日を本人に聞くこと。第二に、採用スケジュールは入社日から退職日、申し出の日、内定の日、面接の日の順に後ろからたどり、各工程の日数は自社の記録と本人の答えで埋めること。第三に、入社日を動かすときは候補者と話し合って合意し、労働条件を示した書面も改めることです。この3点を踏まえておけば、「内定は出したのに、退職日が合わず10月に入社してもらえなかった」という事態を避けやすくなります。入社日がずれたときの開発の進め方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

10月の入社日に向けて社員の候補者を探すのと並行して、入社までの間に下期の最初の作業を誰に任せるかも相談できます。社員の採用と業務委託の両方の候補者を同じ窓口で探せるので、入社日が動いたときの第2案も立てやすくなります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

候補者から「10月には間に合わない」と言われたら、どうすればよいですか

まず、間に合わない理由が申し出の期限なのか、案件の区切りなのかを聞きます。そのうえで第2案の入社日を示し、合意できた日を労働条件の書面に書き直します。入社までの間の作業は、社内の分担か業務委託で埋められないかを確かめます。

現職で有給休暇を使い切ってから入社したいと言われたら、どう考えますか

有給休暇を使う日は現職に在籍している期間なので、退職日はそのぶん後ろになります。入社日は退職日の翌日以降になるので、最終出社日ではなく退職日を聞いて入社日を決めます。有給休暇の使い方は候補者と現職の間で決まる話です。

前の勤め先の源泉徴収票が年末調整に間に合わないときは、どうなりますか

国税庁は、前の勤め先の給与の額を源泉徴収票などで確認できないときは年末調整を行えず、本人が確定申告で精算することになるとしています。*8 入社の手続きの段階で、提出の時期を本人に伝えておくと慌てずに済みます。

転職者実態調査の「転職者」には、どんな人が含まれますか

雇用期間の定めがないか1年以上の期間で雇われているフルタイムの労働者のうち、雇われる前の1年間に別の企業で働いていた人です。*1 令和7年の調査では、2024年10月1日から2025年9月30日までに雇われた人が対象で、学生アルバイトや1か月未満の臨時の仕事だけの人は含みません。

10月入社に向けたエンジニアの採用を相談したいとき

入社日から逆にたどる採用スケジュールの組み立てと、入社までの間の作業の任せ方からご相談いただけます。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、入社日までの間に業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/6-18c-r07.html)。出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」。調査の概要(令和7年10月1日現在の状況、個人調査の有効回答数7,310人)と、主な用語の定義(転職者)を参照(2026年9月確認)
  2. *2 参考:e-Stat「令和7年転職者実態調査」個人票 第26表(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040505236&fileKind=4)。出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人票 第26表(直前の勤め先を離職する前の転職活動開始の有無、直前の勤め先を離職する前に転職活動を開始した時期階級別転職者割合)。直前の勤め先の産業計・情報通信業の行と、離職期間なしの行を参照(2026年9月確認)
  3. *3 参考:e-Stat「令和7年転職者実態調査」個人票 第28表(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040505238&fileKind=4)。出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人票 第28表(直前の勤め先を離職した後の現在の勤め先に勤務するまでの期間の有無別転職者割合)。直前の勤め先の産業計・情報通信業の行を参照(2026年9月確認)
  4. *4 参考:e-Gov法令検索「労働基準法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049)。出典:労働基準法(昭和22年法律第49号)第15条第1項(労働条件の明示)を参照(2026年9月確認)
  5. *5 参考:e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000100023)。出典:労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第5条(明示すべき労働条件と明示の方法)を参照(2026年9月確認)
  6. *6 参考:e-Gov法令検索「労働契約法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128)。出典:労働契約法(平成19年法律第128号)第8条(労働契約の内容の変更)を参照(2026年9月確認)
  7. *7 参考:e-Gov法令検索「所得税法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033)。出典:所得税法(昭和40年法律第33号)第226条第1項(給与所得の源泉徴収票の交付)を参照(2026年9月確認)
  8. *8 参考:国税庁 タックスアンサー「No.2674 中途就職者の年末調整」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2674.htm)。出典:国税庁 タックスアンサー No.2674(令和8年4月1日現在法令等)。年の中途で就職した人の年末調整と、前の勤め先の源泉徴収票による確認を参照(2026年9月確認)




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