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介護情報基盤への移行、事業所側の課題はどこか
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)
この記事の結論
- 段階的に立ち上がる:令和8年4月1日以降、標準化対応が完了した市町村から順次稼働します*2。
- 紙のやり取りが電子へ:分散していた要介護認定情報やケアプランを、本人同意の下で電子的に共有します*1。
- システムの勘どころ:自治体ごとに稼働時期が違う前提で、紙と電子が併存する期間を設計に含めます。
※ 本記事は2026年8月時点の公式情報(省庁・公的機関・ベンダー公式ドキュメント)に基づきます。
全国一斉に切り替わるのではなく、市町村ごとに時期がずれて立ち上がります。令和5年5月19日に公布された「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第31号)により介護保険法が改正され、自治体・利用者・介護事業所・医療機関等が介護情報等を電子的に閲覧できる情報基盤の整備が進められています*1。
スケジュールは段階的です。令和8年4月1日以降、介護情報基盤との連携を含めた標準化対応が完了した市町村から、順次、介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行と、介護情報基盤経由での情報共有が開始されます*2。令和10年4月1日までに全市町村において完了し、活用を開始することを目指すとされています*2。
本記事では、介護事業所・医療機関の情報システム担当と、自治体の介護保険システムに関わる立場、そしてその周辺の仕組みを受託する立場に向けて、移行の期間に何が起きるかを整理します。制度の解釈が要る部分は公式資料と保険者への確認を経て進めてください。
目次
何が共有されるのか——四つの情報
制度の骨格を、社会保障審議会介護保険部会の資料から整理します*1。
現状の課題として、利用者に関する介護情報等は各介護事業所や自治体等に分散していると整理されています*1。これを電子的に共有できるようにするのが基盤の目的です。
事業のイメージとして示されている情報は四つです*1。要介護認定情報、介護情報(レセプト)、LIFE情報(ADL等)、そしてケアプランです。これらの分散している介護情報等を収集・整理し、本人確認・本人同意の下、必要な情報を利用・提供する形とされています*1。ただし共有する情報の具体的な範囲や共有先については検討中とも記されています*1。
期待される効果は立場ごとに整理されています*1。自治体は、利用者が受けている自立支援・重度化防止の取組の状況等を把握し、地域の実情に応じた介護保険事業の運営に活用します。利用者は、自身の介護情報を閲覧できることで自立支援・重度化防止の取組の推進につながります。介護事業者・医療機関は、本人同意の下で介護情報等を適切に活用することで、提供する介護・医療サービスの質を向上させます*1。あわせて、紙でのやり取りが減り事務負担が軽減される効果も期待されるとされています*1。
目的の記述には、二段の狙いが書かれています*1。第一段は、これまで紙を使ってアナログにやりとりしていた情報を電子で共有することで業務の効率化(職員の負担軽減、情報共有の迅速化)を図ること。第二段は、今後、基盤に蓄積された情報を活用することにより、事業所間および多職種間の連携の強化、本人の状態に合った適切なケアの提供など介護サービスの質の向上を図ることです*1。
システムの観点で押さえたいのは、四つの情報の出どころがそれぞれ違うという点です。要介護認定情報は自治体、レセプトは請求の流れ、LIFE情報は事業所からの提出、ケアプランは居宅介護支援事業所。既に持っている情報を出す側と、新たに受け取る側の両方に立つことになります。介護記録の管理で扱うような、日々の記録を持つ仕組みが土台にあるかどうかで、出せるものが変わります。
実施主体は市町村——委託の構造を知っておく
誰が作り、誰が運営するのかは、連携の相手を決めるうえで重要です*1。
改正の概要では、被保険者、介護事業者その他の関係者が当該被保険者に係る介護情報等を共有・活用することを促進する事業を地域支援事業として位置づけるとされています*1。この情報基盤の整備を、保険者である市町村が実施主体であり、地域での自立した日常生活の支援を目的としている地域支援事業に位置づけるという整理です*1。
そのうえで、市町村は当該事業について、医療保険者等と共同して国保連・支払基金に委託できることとされています*1。施行期日は公布後4年以内の政令で定める日とされました*1。
実際の運営では、公益社団法人国民健康保険中央会が「介護情報基盤ポータル」を設置・運営しています*2。事業所側から見ると、窓口は市町村ではなくこのポータルと、そこから案内される仕組みになります。
この構造が意味するのは、接続の相手が一つに集約されるということです。市町村ごとに別々の接続先へつなぐのではなく、共同で委託された先へつなぐ形です。全国に事業所を持つ法人にとっては、接続の作業が市町村の数だけ増えるわけではないという意味で楽になります。
一方で、稼働の時期は市町村ごとに違います*2。接続先は一つでも、そこから見える情報がある市町村とない市町村が並ぶ期間が生じます。事業所のシステムとしては「この利用者の情報は基盤から取れるのか、まだ取れないのか」を扱う必要が出てきます。
自治体側のシステムから見ると、標準化対応と基盤への接続が同じ流れに乗ります*2。自治体システムの考え方で扱うような、標準仕様への準拠と移行の段取りが前提になります。介護保険システムから基盤へのデータ移行も含めて完了させる形とされているため*2、データ移行の進め方で扱う論点がそのまま関わってきます。
資格確認WEBサービス——入口が二つある
基盤の情報を見るための入口が用意されています。ここは事業所の現場に直接影響する部分です*1。
| 経路 | 本人確認の方法 | 情報の入力 |
|---|---|---|
| 介護被保険者証 | 被保険者証の確認 | 保険者番号・被保険者番号・カナ氏名・生年月日・性別を手入力 |
| マイナンバーカード | 本人目視とマイナンバーカードの読取 | 読取データから自動入力 |
| 災害時(特別措置として想定) | 被保険者証等を紛失等した場合の取扱い | 本人氏名や保険者名等を入力 |
マイナンバーカードを使う場合、事前に医療保険のマイナンバーカード保険証の利用登録をしていることが必要とされています*1。読取のためにはクライアント証明書とカードリーダーの導入が必要です*2。
示されている利用メリットも、立場ごとに整理されています*1。保険者にとっては、市町村への電話や窓口への確認、ケアプラン作成等に必要な要介護認定情報の窓口・郵送での提供が不要になり、業務負担やコストが軽減されます。事業者にとっては、要介護認定の進捗状況等の市町村への問合せや情報提供依頼、窓口・郵送の受取りが不要になり業務が効率化されます。利用者にとっては、書類等のやりとりが円滑になり、要介護認定に要する期間が短縮されます*1。
マイナンバーカードを使う場合の利点も挙げられています*1。事業者側では、PC・スマホ等の読取時に手間が少ないこと、資格確認等WEBサービス利用のための手入力が不要でミスがないこと、訪問系サービスについて携行しやすいスマホ等で読取可能なため訪問先で利用しやすいこと。利用者側では、マイナポータルにおいて自らの最新の介護情報の確認が可能になることです*1。
システムの観点で押さえたい点を挙げます。
第一に、二つの入口を両方扱う必要があることです。手入力の経路とカード読取の経路が並びます。利用者がカードの利用登録をしているかどうかで経路が変わるため、どちらか一方に寄せた画面にすると現場が回りません。
第二に、手入力の項目が決まっていることです。保険者番号、被保険者番号、カナ氏名、生年月日、性別の五つです*1。自社の利用者台帳にこれらが揃っているかを確認しておくと、入力の手間を減らせます。特にカナ氏名は、漢字だけを持っている台帳では出せません。
第三に、訪問系での利用です。スマホ等での読取が想定されています*1。事務所の端末だけを前提にした作りでは、訪問先で使えません。認証連携の仕組みで扱うような、端末をまたいで本人確認と権限を扱う設計が関わってきます。
被保険者証の扱いが変わる案が出ている
基盤ができることで、紙の証の扱いも見直しの対象になっています。資料では案として示されている段階です*1。
前提として、現在構築を進めている介護情報基盤には、被保険者証(負担割合証・負担限度額認定証)に記載されている被保険者番号等の最新情報が登録されるとされています*1。この情報にアクセスすることで、利便性の向上や事務負担の軽減を図るという整理です*1。
見直しの案は三つ示されています*1。
第一に、交付の時期です。現在は65歳到達時に全被保険者に対して交付していますが、要介護認定申請時に紛失しているケースがあるため、要介護認定申請時に交付する対応に変更してはどうかという案です*1。
第二に、証の情報の分け方です。現在は被保険者証に加え負担割合証と負担限度額認定証を別途発行しており、複数の証の管理が必要になっています。この点について、被保険者番号や氏名等の基本的に変更が行われない情報と、要介護度や負担割合、負担限度額等の定期的に変更がありうる情報を分ける方向で整理してはどうかという案です*1。定期的に変更がありうる情報についてはマイナポータルで最新の情報を確認することが可能になりますが、利用できない者もいることから、定期的に情報を確認できるものを配布してはどうかとも示されています*1。
第三に、サービス利用時の本人確認です。現在は介護サービスの利用において毎回被保険者証の確認を行うことを必要としています。この点について、初回(介護サービス利用開始時)は被保険者証やマイナンバーカードによる本人確認を必要とする一方、2回目以降については事業者および利用者の負担軽減を図るため簡素化することを可能としてはどうかという案です*1。
ペーパーレス化の方向性としては、65歳到達時の被保険者証の一斉送付、要介護認定手続等における送付・記載・返付、サービス利用時における複数の証の提示などを対象に、さらなる業務効率化や利便性向上を図るとされています*1。
これらは案の段階ですが、システムの設計に影響する性格を持ちます。とくに「初回と2回目以降で本人確認の扱いが変わる」という案は、記録の持ち方に関わります。初回かどうかを判定するには、その利用者について過去に本人確認を行ったかを持っている必要があります。回数を数えるのではなく「初回の本人確認をいつ、どの方法で行ったか」を記録として持つ形が素直でしょう。
また、変更されない情報と変更されうる情報を分けるという案は、台帳の設計に直結します。要介護度や負担割合を利用者の属性として一つの行に持っていると、変更のたびに上書きになります。時期ごとの値として持つ形にしておけば、案が実現したときにも「いつ時点の負担割合か」を扱えます。マスタデータの管理で扱うような、属性と履歴を分ける考え方が土台になります。
災害時モードという例外の扱い
平常時とは別の経路が検討されています。設計の初期に知っておくと、後の追加が軽くなります*1。
通常時は、サービス提供をする事業者が、本人のマイナンバーカードをカードリーダーで読み取るか、被保険者証の提示を受けて保険者番号・被保険者番号を含む本人の情報を介護保険資格確認等WEBサービスに入力するかの方法により本人確認を行うことで、基盤上の情報が閲覧できるようになります*1。
災害時においては、被保険者証等を携帯せずに避難する方がいることが想定されます*1。そのため、サービス提供をする事業者等による閲覧の必要性が高い場合には、特別措置として、災害の規模等に応じて介護事業所の範囲および期間を限定して、被保険者証等を紛失等した場合であっても本人氏名や保険者名等を入力することで閲覧を可能とすることが考えられるとされています*1。限定の想定として、災害救助法が適用されている地域に所在する介護事業所等において必要最小限の期間のみ閲覧可能とすることなどが挙げられています*1。詳細な事務フロー等については、災害時の事務の特性を踏まえ定めていくとされています*1。
想定される利用の場面も三つ示されています*1。被災地域において介護サービス利用者が避難先へ避難し、外部からの支援者が本人の情報を確認して生活支援や他施設等への紹介を行う場合。被災地域に所在する施設において、被災による影響が施設運営上問題ない際に、同じ被災地域の別の施設から利用者を直接受け入れる場合(このとき元の施設ではそれまで利用していたPCや資料が破損もしくは紛失していることが想定されています)。そして非被災地域に所在する施設において、被災地から利用者を受け入れる場合です*1。
参考として、オンライン資格確認等システムにおける「災害時医療情報閲覧機能」(災害時モード)が挙げられています*1。導入している被災地域の医療機関・薬局では、患者がマイナンバーカードを持参していない場合でも氏名、生年月日、性別、住所等で薬剤情報・診療情報・特定健診情報の閲覧ができるという仕組みです*1。
システムの観点では、次の点が論点になります。
通常経路と例外経路を同じ画面に混ぜないことです。災害時の閲覧は範囲と期間が限定されます*1。平常時の操作と同じ入口に置くと、限定の趣旨が形として表れません。
どの経路で閲覧したかを記録に残すことです。本人氏名と保険者名だけで閲覧した記録は、後から確認される可能性があります。閲覧の記録に経路の種別を含めておく設計が望ましいでしょう。医療情報システムの安全管理で扱うような、アクセスの記録に関する考え方が関わってきます。
詳細が後から定まる前提で作ることです。事務フロー等は今後定めていくとされています*1。画面や判定を作り込むより、経路の種別を持てる構造を先に用意しておくほうが手戻りが少なくなります。
移行の期間が長い——ここが実務の山になる
この案件の性格をひと言でいえば、切り替えの日が一つに決まらないことです。
令和8年4月1日以降、標準化対応が完了した市町村から順次データ移行と情報共有が開始され、令和10年4月1日までに全市町村での完了を目指すとされています*2。つまり約2年にわたって、稼働済みの市町村と未稼働の市町村が併存します。
複数の市町村にまたがってサービスを提供している事業所では、この期間の運用が難所になります。押さえたい点を挙げます。
第一に、市町村ごとの状態を持つことです。「この保険者は基盤から情報を取れる状態か」を持っていないと、毎回試して確かめることになります。保険者の台帳に稼働の状態を持ち、更新できる形にしておきます。
第二に、紙と電子が併存することです。未稼働の市町村については、従来どおり窓口や郵送でのやり取りが続きます。片方に寄せた業務手順にすると、もう片方が例外運用になります。両方が正規の手順である期間だと捉えて設計するほうが現実に合います。
第三に、同じ利用者の情報が二つの経路から来ることです。移行の前後で、同じ要介護認定情報が紙と電子の両方から届く場面が起こり得ます。どちらを正とするか、重複をどう扱うかを決めておかないと、台帳が二重になります。
医療との連携という文脈では、医療側の仕組みも同時期に動いています。電子カルテの標準化や電子処方箋への対応で扱う仕組みと、参照する情報の性格が近くなります。医療と介護の両方に関わる法人では、別々の案件として扱うのか一つの計画にまとめるのかを早めに決めておきたいところです。
着手の順序と、受託で進めるときの要点
優先順位をつけるなら、次の順になります。
第一に、自社が関わる保険者を洗い出すことです。どの市町村の利用者にサービスを提供しているか。稼働の時期がずれる前提で、確認すべき相手の一覧を作ります。
第二に、利用者台帳の項目を確かめることです。保険者番号、被保険者番号、カナ氏名、生年月日、性別*1。手入力の経路で必要になる五つが揃っているかを見ます。
第三に、読取の環境を確かめることです。クライアント証明書とカードリーダーの導入が必要です*2。訪問系サービスではスマホ等での読取が想定されているため*1、端末の構成も含めて検討します。
第四に、稼働の状態を持つ仕組みを用意することです。保険者ごとに「基盤から取れるか」を持ち、切り替わったら更新できる形にします。
受託で進める場合の要点も挙げます。
制度解釈の担い手を決めることです。共有する情報の範囲や本人同意の取り方は、制度と運用の判断です。共有する情報の具体的な範囲や共有先については検討中とされている部分もあります*1。開発側は決まった解釈を仕様として実装する役割に集中します。
案の段階のものを作り込まないことです。被保険者証の見直しは案として示されている段階です*1。案に沿った画面を先に作ると、確定した内容と違ったときに作り直しになります。属性と履歴を分けて持つといった、どちらに転んでも無駄にならない設計を先に入れるほうが確かです。
本人同意の記録を設計に含めることです。本人確認・本人同意の下で情報を利用・提供する仕組みです*1。同意をいつ誰から取ったかを記録として持てないと、閲覧の根拠を示せません。個人情報の取扱いという点では、個人情報保護法への対応で扱う枠組みが前提になります。
移行期間を計画に織り込むことです。令和8年4月から令和10年4月までという幅*2は、開発の計画としては長い期間です。一度作って終わりではなく、市町村の稼働に合わせて設定を変えていく運用が続きます。保守の体制まで含めて見積もる必要があります。
体制としては、介護の実務と保険の請求の両方を理解している要員が入れるかが分かれ目になります。要介護認定の流れ、負担割合証の扱い、ケアプランの作成の実務。これらは仕様書の項目名だけを見ていても判断できません。業務側と設計側が同じ場で話せる形を作れるかを、委託先を選ぶ観点に入れておくとよいでしょう。
まとめ:介護情報基盤への移行で押さえる3つの視点
令和5年5月19日に公布された令和5年法律第31号により介護保険法が改正され、自治体・利用者・介護事業所・医療機関等が介護情報等を電子的に閲覧できる介護情報基盤の整備が進められています。令和8年4月1日以降、標準化対応が完了した市町村から順次データ移行と情報共有が開始され、令和10年4月1日までに全市町村での完了を目指すとされています。押さえたい視点は三つです。第一に、共有される情報が四つ挙げられていること。要介護認定情報、介護情報(レセプト)、LIFE情報(ADL等)、ケアプランで、本人確認・本人同意の下で利用・提供されます。ただし具体的な範囲や共有先は検討中とされています。第二に、入口が二つあること。介護保険資格確認等WEBサービスでは、被保険者証を確認して保険者番号・被保険者番号・カナ氏名・生年月日・性別を手入力する経路と、マイナンバーカードを読み取って自動入力する経路が並びます。訪問系ではスマホ等での読取が想定されています。第三に、移行の期間が約2年に及ぶこと。稼働済みの市町村と未稼働の市町村が併存するため、紙と電子の両方が正規の手順である期間として設計する必要があります。まずは関わる保険者の洗い出しと、利用者台帳に五つの項目が揃っているかの確認から着手するのが堅実でしょう。
よくある質問
介護情報基盤ではどんな情報が共有されるのですか。
事業のイメージとして、要介護認定情報、介護情報(レセプト)、LIFE情報(ADL等)、ケアプランの四つが挙げられています。各介護事業所や自治体等に分散しているこれらの情報を収集・整理し、本人確認・本人同意の下で必要な情報を利用・提供する形です。ただし共有する情報の具体的な範囲や共有先については検討中とされているため、確定した範囲は公式資料で確かめる必要があります。
いつから使えるようになりますか。
令和8年4月1日以降、介護情報基盤との連携を含めた標準化対応が完了した市町村から、順次、介護保険システムから介護情報基盤へのデータ移行と基盤経由での情報共有が開始されます。令和10年4月1日までに全市町村において完了し活用を開始することを目指すとされています。全国一斉ではないため、稼働済みの市町村と未稼働の市町村が併存する期間があります。
事業所側には何の準備が必要ですか。
介護保険資格確認等WEBサービスの利用には、クライアント証明書とカードリーダーの導入が必要です。またマイナンバーカードで本人確認を行う場合、利用者側で事前に医療保険のマイナンバーカード保険証の利用登録をしていることが必要です。被保険者証による経路では、保険者番号・被保険者番号・カナ氏名・生年月日・性別の手入力が要るため、利用者台帳にこれらが揃っているかの確認も準備に含まれます。
被保険者証はなくなるのですか。
現時点では案として見直しの方向が示されている段階です。65歳到達時の一斉交付から要介護認定申請時の交付への変更、基本的に変更されない情報と定期的に変更がありうる情報を分ける整理、サービス利用時の本人確認を初回のみ必要として2回目以降は簡素化することを可能とする案が示されています。案の段階の内容を先に作り込むと、確定時に作り直しになる点に注意が要ります。
災害時の扱いは決まっていますか。
方向性が示されている段階です。災害時には被保険者証等を携帯せずに避難する方が想定されるため、特別措置として、災害の規模等に応じて介護事業所の範囲および期間を限定し、被保険者証等を紛失等した場合でも本人氏名や保険者名等の入力で閲覧を可能とすることが考えられるとされています。災害救助法が適用されている地域の事業所等で必要最小限の期間のみという限定が想定され、詳細な事務フロー等は今後定めていくとされています。
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出典
- *1 参考:厚生労働省老健局「介護情報基盤について」(社会保障審議会介護保険部会 第124回資料2、令和7年9月8日)(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001556761.pdf)。基盤整備の目的と二段の狙い、根拠法と公布日、改正の趣旨・概要、地域支援事業への位置づけと国保連・支払基金への委託、施行期日、共有される四つの情報と範囲が検討中である旨、立場ごとの効果、被保険者証の事務・運用の見直し案とペーパーレス化の方向性、介護保険資格確認等WEBサービスの利用方法とメリット、マイナンバーカードの利用メリット、災害時の特別措置と想定シーンの一次情報として(2026年8月確認)
- *2 参考:厚生労働省「介護情報基盤について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59231.html)。令和8年4月1日以降に標準化対応が完了した市町村から順次稼働すること、令和10年4月1日までに全市町村での完了を目指すこと、国民健康保険中央会による介護情報基盤ポータルの設置・運営、クライアント証明書とカードリーダーの導入が必要であることの確認として(2026年8月確認)