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2026.11.02 採用支援コラム

業務委託の求人票テンプレート|項目ごとの書き方と雇用との違い

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

会議机で開発リーダーが募集文の下書きをペン先で示し人事の担当者が書き込む

この記事の結論

  • 業務委託の求人票は、業務の内容・場所・期間・稼働の見込み・報酬・契約の解除など10の項目で組み立てます。
  • 雇用の求人票にある労働時間や社会保険の欄の代わりに、稼働の見込みと報酬の算定方法・支払期日を書きます。
  • フリーランス法第12条は募集情報の虚偽や誤解を生じさせる表示を禁じ、正確で最新の内容に保つよう求めています。

※ 本記事は2026年11月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

業務委託でエンジニアを募集しようとして、社員の求人票のひな形を開いたまま手が止まることがあります。始業時刻や社会保険の欄は埋まらないのに、報酬の決め方や契約の期間をどこに書けばよいのかは分かりません。

本記事は、フリーランスなどに開発を頼む企業の開発リーダーと人事の担当者に向けて、業務委託の求人票のテンプレートを、項目ごとの記入の例と雇用の求人票との違いで示します。あわせて、フリーランス法と厚生労働省の指針から、書いてはいけない表示と公開後の更新をまとめます。例の単価や社名は〇〇で伏せています。

業務委託の求人票とは

業務委託の求人票は、社員として雇う人ではなく、業務委託で仕事を受ける人を集めるために出す募集の文です。案件票や募集要項と呼ぶこともあります。従業員を使う企業が、従業員を使わない個人などに業務委託するための募集情報を広告等で出すとき、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、フリーランス法)第12条は、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じ、正確かつ最新の内容に保つよう求めています。*1

対象となる情報は、同法の施行令が次の5つの事項に限っています。*2 求人票の項目は、この5つを軸に組み立てます。

  • 業務の内容
  • 業務に従事する場所、期間又は時間に関する事項
  • 報酬に関する事項
  • 契約の解除(契約期間の満了後に更新しない場合を含む。)に関する事項
  • 特定受託事業者の募集を行う者に関する事項

厚生労働省の指針は、出し方の例として自社のホームページやクラウドソーシングサービス等のデジタルプラットフォームを挙げ、SNSのメッセージ機能等を使ったものも電子メール等に当たるとしています。*3 求人サイトに載せる文でも、個別に送るメッセージでも、同じ決まりの中で書きます。

業務委託の求人票テンプレート

業務委託の求人票は、次の10の項目で組み立てます。記入の例は、社内の業務システムの改修に加わるエンジニアを募集する場面を想定しています。右の列は、同じ項目を雇用の求人票で書くときとの違いです。

夕方の自席で開発リーダーが募集文の下書きに書き込む肩越しの場面

業務委託の求人票のテンプレート(〇〇は自社の内容に置き換える。項目の分け方は本記事の整理)
項目 書く中身 記入の例 雇用の求人票との違い
募集の形 業務委託の募集であることと契約の種類 業務委託(〇〇契約)での募集です。社員の募集ではありません 雇用では正社員・契約社員などの雇用形態を書く
案件名 受け持つ仕事が分かる名前 〇〇システムの改修(サーバ側の開発) 雇用では職種名と配属先。業務委託は案件の単位で名前を付ける
業務の内容 求める成果物か作業の内容、範囲、成果の確かめ方 〇〇の機能の設計からテストまで。成果は〇〇の形で確かめます 雇用では業務の変更の範囲も書く。業務委託は頼む範囲を先に区切る
求める技術・経験 業務に必要な能力や資格 〇〇(言語)での開発経験。〇〇(データベース)の設計経験があれば尚可 雇用は入社後に覚える技術も書ける。業務委託は始めから使う技術に絞る
場所 作業する場所と出社の有無 原則リモート。〇〇の打ち合わせのときだけ〇〇の事務所に来ていただきます 雇用では就業の場所と、その変更の範囲を書く
期間 契約の期間、開始の時期、納期 〇年〇月から〇か月。更新の有無は〇〇で決めます 雇用では労働契約の期間と試用期間を書く
稼働の見込み 作業に充てる日数や時間の見込み 週〇日程度、月〇時間程度を見込んでいます 雇用では始業・終業の時刻、休憩、休日を書く
報酬 額と算定方法、支払期日、支払い方法、経費の扱い 月額〇〇万円(〇時間を超えた分は〇〇で精算)。月末締め翌月〇日払い。交通費は〇〇 雇用では賃金と、健康保険などの社会保険の適用を書く
契約の解除 途中で解除するときと更新しないときの決まり 期間の途中で解除するときと更新しないときは、〇日前までにお知らせします 雇用では有期の契約を更新する基準を書く
募集する会社と時点 業務委託をする会社の名前と、情報がいつ時点か 株式会社〇〇(〇〇事業部)。〇年〇月〇日時点の情報です 雇用では雇う会社の名前。どちらも時点を書く

雇用の求人票について、職業安定法施行規則は明示する事項として、始業及び終業の時刻や休日、賃金の額、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用などを挙げています。*4 業務委託の求人票では、これらの欄の代わりに稼働の見込みと報酬の決め方を書きます。稼働の見込みの立て方は「業務委託エンジニアの稼働日数、作業量と連絡の頻度から決める」で扱っています。

指針は、施行令の5つの事項を可能な限り含めて募集情報を出すことが望ましいとしています。*3 双方の認識の齟齬を減らすと、合う人が応募しやすくなり、業務委託後のトラブルも防げるためです。報酬の額が決めきれないときも、算定方法と支払期日は書いておきます。

求人票で書いてはいけない表示

指針は、意図して募集情報と実際の就業に関する条件を異ならせた場合や、実際には存在しない業務の募集情報を出した場合を虚偽の表示に当たるとしています。*3 虚偽でなくとも、一般的・客観的に誤解を生じさせるような表示は、誤解を生じさせる表示に当たります。指針が挙げる例を、エンジニアの求人票に置き換えると次のとおりです。

業務委託の求人票で書いてはいけない表示の例(厚生労働省の指針が挙げる例を本記事でエンジニアの募集向けに言い換えた)
書いてはいけない例 当たるもの 直し方
実際に契約する会社とは別の会社の名前で募集する 虚偽の表示 契約の相手になる会社の名前を書く
期間を〇か月と書き、実際は大幅に違う期間を予定している 虚偽の表示 決まっている期間を書き、変わる可能性があればそのことも書く
報酬額を書き、実際はそれより低い額を予定している 虚偽の表示 実際に払う額の幅と算定方法を書く
業務委託をする予定のない募集を出す 虚偽の表示 募集を終えたら掲載を止める
グループ会社の名前を大きく出し、どこと契約するか分からない 誤解を生じさせる表示 業務委託をする予定の会社をはっきり書く
社員の募集と業務委託の募集を同じ文面で出す 誤解を生じさせる表示 募集の形を求人票の先頭に書く
一部の人の高い報酬を例に挙げ、全員の額のように書く 誤解を生じさせる表示 この案件で払う額の幅を書く
運用の監視が中心の仕事を開発の職種名で書く 誤解を生じさせる表示 受け持つ作業が分かる案件名にする

当事者間の合意に基づいて、募集情報から実際の契約条件を変えることになった場合は、虚偽の表示に当たらないとされています。*3 条件を変えたときは、話し合って決めた内容を契約の書面に書き残しておきます。社員の募集の表示のルールは「求人情報の的確な表示、企業に課される義務」で扱っています。

公開後の更新と契約のときの明示

フリーランス法第12条第2項は、広告等で出した募集情報を正確かつ最新の内容に保つよう求めています。*1 指針は、そのための措置として次の3つを挙げています。*3

  • 募集を終えたときや内容を変えたときは、情報の提供を速やかに終えるか、速やかに変える
  • 求人サイトなど他の事業者に掲載を頼んだときは、終了や変更を依頼し、そうなったかを確かめる
  • 情報を出すときは、その情報の時点を明らかにする

窓際で開発リーダーがタブレットを持つ人事の担当者に公開後の更新を相談する

指針は、募集に応じた人にも5つの事項を明示し、変えるときは変更の内容を明示することが望ましいとしています。*3 契約を結んだら、フリーランス法第3条により、給付の内容や報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示します。*1 募集から契約までの流れは次の図のとおりです。

業務委託の募集から契約までに示す情報を4段で示した図。1は求人票を出すで、虚偽や誤解を生じさせる表示をせず時点を書く。2は応募した人と話すで、5つの事項を示し、変えるときは変更の内容も示す。3は契約するで、給付の内容・報酬の額・支払期日などを直ちに示す。4は募集を終える・変えるで、掲載を速やかに止めるか内容を直す。

6か月以上の期間行う業務委託について、フリーランス法第16条は、契約を解除するときや期間の満了後に更新しないときに、少なくとも30日前までの予告を求めています。*1*2 求人票の契約の解除の欄は、この予告の扱いと合わせて書きます。契約書に入れる項目は「業務委託エンジニアの契約書に入れる7つの項目|初めての企業向け」にまとめています。個別の契約の書き方は、専門家に確かめてください。

求人票づくりで外部に頼める範囲

求人票の業務の内容と技術の欄は開発リーダーが書き、報酬・期間・解除の欄と表示の確認は人事の担当者が見る分担にすると埋めやすくなります。それでも、頼みたい作業の範囲が決めきれない、募集を出しても合う人が集まらない、社員で採るか業務委託で頼むかで迷う、というときは外部の人材サービスに相談する方法があります。相談の前に次の点を書き出しておくと話が早く進みます。

  • 範囲:業務委託で頼みたい作業と、社内に残す作業の分け目
  • 期間:作業を始めたい時期と、契約の期間の見込み
  • 体制:作業を頼み、成果を確かめる社内の窓口
  • 稼働と場所:週の稼働の見込みと、出社が要る場面
  • 報酬の決まり方:月額か時間単価か、見込みを超えた分の精算の方法
  • 引き継ぎ:作業の記録をどこに置き、終わるときに誰へ渡すか

業務委託の人を探す経路の選び方は「フリーランスエンジニアの探し方|企業が使える4つの経路の違い」で扱っています。

まとめ:業務委託の求人票の書き方

業務委託の求人票は、募集の形・案件名・業務の内容・求める技術・場所・期間・稼働の見込み・報酬・契約の解除・募集する会社と時点の10項目で組み立てます。雇用の求人票にある労働時間や社会保険の欄の代わりに、稼働の見込みと報酬の算定方法・支払期日を書きます。フリーランス法第12条は、業務の内容・場所や期間・報酬・契約の解除・募集する者の5つの事項について、虚偽や誤解を生じさせる表示を禁じています。社員の募集との混同、実際より高い報酬の見せ方、業務とかけ離れた職種名を避け、募集を終えたら掲載を速やかに止めます。

LASSICに相談するメリット

頼みたい作業の範囲と稼働の見込みを書き出していただければ、業務委託で加わる専門人材と、リモートワークで働く社員の候補者の両方から探す相談につなげられます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

業務委託の求人票に報酬の額を書かないといけませんか

指針は、報酬を含む5つの事項を可能な限り含めて募集情報を出すことが望ましいとしています。書く場合は、実際より高く見えない額の幅と算定方法、支払期日を書きます。

社員の募集と同じページに業務委託の募集を載せてもよいですか

指針は、業務委託の募集と労働者の募集が混同されないよう表示することを求めています。同じページに載せる場合も、募集ごとに募集の形を先頭に書き分けます。

求人サイトに掲載を頼んだ場合も自社で確かめる必要がありますか

指針は、他の事業者に募集を頼んだときに誤った表示に気づいたら訂正を依頼し、訂正されたかを確かめなければならないとしています。募集を終えたときも、終了を依頼して確かめます。

求人票の条件に合う専門人材を一緒に探す

頼みたい作業の範囲と期間が決まっていれば、そのままご相談いただけます。業務委託で頼むか社員で採るかを決めかねている段階でも構いません。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 第3条・第12条・第13条・第16条(https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。給付の内容その他の事項の明示、募集情報の的確な表示、継続的業務委託、解除等の予告を参照(確認日2026年10月28日)(2026年11月確認)
  2. *2 参考:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行令 第2条・第3条(https://laws.e-gov.go.jp/law/506CO0000000200)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。法第12条第1項の政令で定める5つの事項と、法第13条第1項の政令で定める期間(6月)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年11月確認)
  3. *3 参考:厚生労働省「特定業務委託事業者が募集情報の的確な表示、育児介護等に対する配慮及び業務委託に関して行われる言動に起因する問題に関して講ずべき措置等に関して適切に対処するための指針」(令和6年厚生労働省告示第212号)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/001318005.pdf)。出典:厚生労働省。令和8年厚生労働省告示第53号による改正後の版。第2(募集情報の的確な表示)の1〜5を参照(確認日2026年10月28日)(2026年11月確認)
  4. *4 参考:職業安定法施行規則 第4条の2(https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012)。出典:e-Gov法令検索(法令API)。第3項(職業安定法第5条の3第4項の厚生労働省令で定める明示の事項)を参照(確認日2026年10月28日)(2026年11月確認)




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