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2026.09.15 採用支援コラム

開発言語の比率から見るエンジニアの探し方|扱える人が少ない言語

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

暗がりに青く浮かぶ低木の葉を真上から写したもの

この記事の結論

  • 情報処理推進機構(IPA)の資料では、開発案件の主な言語はJavaが42.4%で最も多く、上位5つの言語で81.2%を占めます。
  • 一方で比率が1%に届かない言語が12個あり、こうした言語の案件は、社内で人が抜けたときに代わりを見つけにくくなります。
  • 体制を決めるときは、自社の案件の主な言語を書き出し、比率の低い言語の作業から、社内で担うか外部に委託するかを決めていきます。

※ 本記事は2026年9月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

新しく人を採用したいが、どの言語の経験者を探せばよいのか決めきれない。社内でその言語を扱えるのが1人だけで、その人が休むと改修が止まってしまう——。開発を担うチームでは、こうした悩みが起こりがちです。開発言語の比率とは、開発案件のうち、それぞれの言語が主に使われている案件がどれだけあるかを割合で示したものです。

自社の言語が多数派なのか少数派なのかが分かると、社内で担う言語と、外部の人に加わってもらう言語を分けて考えやすくなります。ただし比率も万能ではなく、数え方を知らずに使うと、必要な人数を見誤ることがあります。本記事では、採用や開発体制づくりを担う実務担当者に向けて、IPAの資料の数え方、比率の高い言語と低い言語、システムの構成の内訳、そして外部に頼むときに確認したい点を整理します。

開発言語の比率とは

ここで見るのは、IPA(情報処理推進機構)が公開している「ソフトウェア開発分析データ集2022」です。同機構が発行したもので、表紙には「5,546プロジェクトの定量データからソフトウェアの信頼性を中心に分析」と記されています。*1 分析の対象は2016年度から2021年度のプロジェクトで、2014年度から2019年度の結果と比べる形になっています。

このうち1.2節は「開発プロダクトの全般的な特徴」として、開発したソフトウェアの基本的な属性をまとめた節です。1.2.2が開発言語、1.2.3がアーキテクチャ(システムの基本的な構成)の内訳で、どちらもプロジェクトの件数と、全体に占める比率が示されています。*2 自社で扱っている言語が、この資料に集まった開発案件の中で多い側なのか少ない側なのかを確かめる手がかりになります。

数え方で気をつけたい点

表を見る前に、数え方を確かめておきます。開発言語の表もアーキテクチャの表も、第1回答だけを数えています。*2 案件ごとに1番目に挙げられたものだけを数える、という意味です。1つの案件で複数の言語を使っていても、数に入るのは主な言語の1つだけになります。たとえばJavaとJavaScriptの両方を使う案件でも、どちらか1つしか数えられません。

合計の件数も表ごとに違います。開発言語は1,476件、アーキテクチャは1,440件でした。*2 合計が違う表どうしなので、「Javaで書かれたメインフレームの案件が何件あるか」のように、2つの表を掛け合わせて件数を求めることはできません。以下では、それぞれの表を別々に見ていきます。

比率の高い言語

開発言語の比率がいちばん高いのはJavaで、626件、42.4%でした。*2 2番目はCOBOLで240件、16.3%です。3番目から5番目は、Visual Basic.NETが137件で9.3%、C#が112件で7.6%、Cが83件で5.6%と続きます。

IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」の1.2.2と1.2.3から作成した図。資料に示された数値を引用して作成したもので、資料の図表そのものを複製したものではない。発行は独立行政法人情報処理推進機構の社会基盤センターで、表紙に5,546プロジェクトの定量データと記されている。分析対象は2016年度から2021年度で、2014年度から2019年度と比較されている。どちらの表も第1回答で、1つの案件から1つしか数えられない。合計は開発言語1,476件、アーキテクチャ1,440件、案件の種別1,479件。開発言語の第1回答はJava626件42.4%、COBOL240件16.3%、Visual Basic.NET137件9.3%、C#112件7.6%、C83件5.6%、VB58件3.9%、その他58件3.9%、C++50件3.4%、PL/SQL30件2.0%、JavaScript28件1.9%。1%に届かない言語は12個で、件数から計算すると合わせて54件3.7%。上位5つで1,198件81.2%、JavaとCOBOLで866件58.7%、JavaはCOBOLの約2.61倍。アーキテクチャはイントラネット/インターネット700件48.6%、3階層クライアント/サーバ267件18.5%、メインフレーム184件12.8%、2階層クライアント/サーバ180件12.5%、その他60件4.2%、スタンドアロン49件3.4%。上位2つで967件67.2%、メインフレームと2階層クライアント/サーバの差は4件0.3ポイント。体制の言語構成を決める4段は、案件の主言語を1つずつ書き出す、上位5つの側か1%未満の側かを見分ける、比率の低い言語の作業を作業の中身と期間で書き出す、社内で担うか外部に委託するかを決める、の順。

件数から計算すると、上位5つの言語で1,198件、全体の81.2%になります。JavaとCOBOLの2つだけでも866件、58.7%で、Javaの件数はCOBOLの約2.61倍です。社員を採用するときも、業務委託で人に加わってもらうときも、この5つの言語の案件であれば、経験者を見つけやすくなります。

比率が1%に届かない言語

反対の端には、比率が1%に届かない言語が12個あります。*2 アセンブラ(1件)、PL/I(4件)、Pro*C(7件)、Python(2件)、PHP(11件)、Ruby(1件)、ABAP(3件)、Perl(5件)、Shellスクリプト(8件)、Delphi(5件)、HTML(5件)、XML(2件)で、件数から計算すると合わせても54件、3.7%です。

開発言語の第1回答(出典:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」表1-2-2。資料に示された数値をもとに作成)
開発言語 第1回答 比率
Java 626件 42.4%
COBOL 240件 16.3%
Visual Basic.NET 137件 9.3%
C# 112件 7.6%
C 83件 5.6%
VB 58件 3.9%
その他 58件 3.9%
C++ 50件 3.4%
PL/SQL 30件 2.0%
JavaScript 28件 1.9%
PHP 11件 0.7%
Shellスクリプト 8件 0.5%
Pro*C 7件 0.5%
Perl 5件 0.3%
Delphi 5件 0.3%
HTML 5件 0.3%
PL/I 4件 0.3%
ABAP 3件 0.2%
Python 2件 0.1%
XML 2件 0.1%
アセンブラ 1件 0.1%
Ruby 1件 0.1%

上位5つと1%未満の言語のあいだには、VBが58件で3.9%、その他が58件で3.9%、C++が50件で3.4%、PL/SQLが30件で2.0%、JavaScriptが28件で1.9%と続きます。*2 言語による差は大きく、COBOLの240件に対し、PL/Iは4件、ABAPは3件です。

比率が1%に届かない言語の案件では、社内で担当する人が抜けたとき、代わりの人を見つけにくくなります。社内にその言語を扱える人が1人しかいなければ、その人の異動や退職がそのまま改修の遅れにつながりかねません。自社の案件にこうした言語が含まれているかどうかは、体制を考えるときに先に確かめておきたい点です。

アーキテクチャの内訳

もう一つの表は、アーキテクチャの第1回答です。イントラネット/インターネット(社内網やインターネット経由で使う方式)が700件で48.6%と最も多く、3階層クライアント/サーバ(画面・処理・データを分ける方式)が267件で18.5%、メインフレーム(大型の汎用コンピュータ)が184件で12.8%、2階層クライアント/サーバ(端末とサーバの2層で処理する方式)が180件で12.5%でした。*2 残りは、その他が60件で4.2%、スタンドアロン(単独で動かす形)が49件で3.4%です。

件数から計算すると、上位2つで967件、67.2%になります。メインフレームと2階層クライアント/サーバを合わせると364件、25.3%です。人を探すときは、言語とあわせて、自社の案件がどのアーキテクチャで動いているかも書き出しておくと、求める経験を具体的に伝えやすくなります。

体制づくりにどう生かすのか

開発言語の比率は、社内で担う言語と、外部の人に加わってもらう言語を分けるときの目安になります。進め方は、次の4つの段階に分けられます。

  1. いま動いている案件ごとに、主な言語を1つずつ書き出す
  2. その言語が上位5つの側か、1%に届かない側かを見分ける
  3. 比率の低い言語の作業を、作業の中身と期間で書き出す
  4. 書き出した作業を、社内で担うか、外部に委託するかを決める

1段目で主な言語を1つに絞るのは、資料の数え方に合わせるためです。自社の案件も同じ条件で書き出しておくと、資料の比率と並べて比べられます。2段目で見分けるのは、両端の開きが大きいからです。上位5つで81.2%を占める一方、1%に届かない12個の言語は合わせても3.7%にとどまります。

3段目では、比率の低い言語の作業から先に書き出します。比率の高い言語は後回しで構いません。「PL/Iで書かれた月次の集計処理の改修を、次の四半期中に」のように、作業の中身と期間まで書いておくと、任せる相手を探しやすくなります。

4段目で委託する作業を決めても、1段目と2段目は社内で行います。どの言語を比率が低いと見なし、どの作業を委託するかは自社が決めることで、ここを委託先に任せると、その判断まで社外に委ねることになるためです。

つまずきやすい点

一つ目は、主な言語だけを見て必要な人を決めてしまうことです。資料は1つの案件から主な言語を1つしか数えていないため、1つの案件でいくつの言語が使われているかは分かりません。自社の案件でも、主な言語のほかに使っている言語があれば、それを扱える人が社内にいるかを別に確かめておきます。

二つ目は、小さな差を順位として受け取ることです。資料は、2014年度から2019年度と比べてメインフレームと2階層クライアント/サーバの順が入れ替わったとしながら、あまり差はないとも述べています。*2 実際に差は4件、0.3ポイントなので、2つはほぼ同じ件数と見ておくほうが無理がありません。

三つ目は、この比率を日本の開発案件全体の姿として受け取ることです。数えているのはIPAにデータを提供した企業のプロジェクトで、業界全体を代表するように選んだものではありません。*2 提供企業の一覧は資料の表1-1-2に載っています。比率はあくまで目安とし、自社の案件の書き出しと並べて使います。

外部に委託するときに確認しておきたい点

比率の低い言語の作業は、フリーランスを含む業務委託で任せやすい作業です。対象の言語を決めたうえで、既存のプログラムを読み解く作業や改修を、作業の中身と期間を決めて任せられるからです。委託する前には、少なくとも次の3点を書き出しておくと、相手と話が進めやすくなります。

  • 対象の言語と、その案件が動いているアーキテクチャ
  • 任せる作業の中身と期間(たとえば既存の処理の調査と、その後の改修を、それぞれいつまでに終えるか)
  • 作業が終わったあと、社内の誰が引き継ぐか

同じ資料のほかの節も、体制を考える材料になります。案件の種別の内訳は「開発案件の種別の比率」で、開発ツールの利用状況は「開発ツールの利用」で扱っています。体制の人数の目安は「月あたりの要員数」、外部に委託する工数の割合は「外部委託工数比率」で整理しています。

まとめ:開発言語の比率で確かめておきたい3つの点

開発言語の比率を体制づくりに生かすうえで、確かめておきたい点は3つに整理できます。第一に、資料は1つの案件から主な言語を1つだけ数えていると知っておくこと。第二に、自社の案件の主な言語が、上位5つの側か、1%に届かない側かを見分けること。第三に、比率の低い言語の作業を作業の中身と期間で書き出し、社内で担うか外部に委託するかを決めることです。この3点を踏まえておけば、「その言語を扱える人が辞めてから、代わりを探し始めた」という事態を避けやすくなります。比率の低い言語を扱える人の探し方に迷いがあれば、外部の手を借りるのも一つの選択肢です。

LASSICに相談するメリット

比率の低い言語の作業を書き出しても、社内にその言語を扱える人が1人しかいないことがあります。そうした作業は、常に人を置く体制を増やすより、作業の中身と期間を決めて専門人材に加わってもらうほうが、やり直しが少なくなります。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

開発言語の比率は、以前の調査から変わっていますか

資料は、2014年度から2019年度の結果と比べて、開発言語の比率にあまり差はないとしています。*2 今回の2016年度から2021年度の集計でも、Javaが最も多く、COBOL、Visual Basic.NET、C#、Cが続く順です。

資料の数値を社内の説明資料に使ってもよいですか

数値を引用し、出典を示す形で使うのが無難です。資料の著作権はIPAが保有し、無断の改変や公衆送信などは禁じられているとされています。*2 図表をそのまま複製するのではなく、必要な数値だけを引いて自分で表を作ると扱いやすくなります。

このデータ集はどこで見られますか

IPAのウェブサイトで公開されています。*1 ソフトウェア開発分析データ集は年度ごとに公開されており、2022年版は本編をPDFで読めます。*3

開発体制の言語構成を相談したいとき

比率の低い言語の作業をどう任せるか、作業の中身と期間の整理からご相談いただけます。

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出典

  1. *1 参考:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/metrics/metrics2022.html)。出典:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」。独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター発行。表紙の記述と分析対象の年度を参照。本記事の図と表は、資料に示された数値を引用して作成したもので、資料の図表そのものは複製していない(2026年9月確認)
  2. *2 参考:IPA「ソフトウェア開発分析データ集2022」本編(PDF)(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/metrics/hjuojm000000c6it-att/000102171.pdf)。1.2.2 開発言語(表1-2-2)と1.2.3 アーキテクチャ(表1-2-3)の第1回答の件数と比率、集計対象データ名、経年の記述、提供企業の一覧(表1-1-2)、著作権の記載を参照(2026年9月確認)
  3. *3 参考:IPA「ソフトウェア開発分析データ集」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/metrics/index.html)。データ集が年度ごとに公開されていることを参照(2026年9月確認)
  4. *4 参考:IPA「ソフトウェア開発関連調査」(https://www.ipa.go.jp/digital/software-survey/index.html)。IPAが公開している開発関連の調査群の構成を参照(2026年9月確認)




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