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2026.10.02 採用支援コラム

エンジニア人材紹介の求人依頼で選考フローを決めて伝える手順




監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

この記事の結論

  • 求人依頼の時点で、書類選考と面接の段階、各段階で結果を返す期日、候補者へ連絡する担当を紹介会社と決めておきます。
  • 厚生労働省の委託調査では、紹介会社の利用で困ったこととして求人企業の12.8%が条件とマッチしない応募者の紹介を挙げました。
  • 不採用の理由は紹介会社に具体的に返し、内定で条件が求人時と変わるときは、変わった内容を候補者に書面で示します。

※ 本記事は2026年10月時点の公式情報(省庁・公的機関、および製品やサービスを提供する事業者が公開している資料)に基づきます。

紹介会社に求人を出したものの、推薦が届いてから面接日が決まるまでに何往復もやり取りが続く。書類選考の結果を返したつもりが、候補者には伝わっていなかった——。エンジニア人材紹介に求人依頼するとき、求人票の中身には気を配っても、選考フローの段取りまでは決めずに始めてしまうことがあります。

選考フローは、求人依頼の段階で紹介会社と決めておくと、やり取りの往復を減らせます。本記事では、エンジニア採用を担当する方に向けて、厚生労働省の委託調査と職業紹介事業の業務運営要領をもとに、書類選考と面接の段階の決め方、候補者への連絡の担当、合否と理由の返し方、内定時の条件の伝え方を整理します。

青空と白い雲を背に、2本の細いワイヤーに間隔をあけて取り付けた小さな吹き流しを見上げた写真。桃色・緑・水色・黄色・紫などの吹き流しが風を受けて横に伸びている。人も文字も写っていない

求人依頼で伝える選考フローとは

選考フローとは、応募から内定までに候補者が通る段階と、その段階ごとの連絡のやり方をまとめたものです。エンジニアの中途採用なら、書類選考、技術面接、最終面接の3段階に、コーディングの課題や現場のエンジニアとの面談を加える形があります。紹介会社を通すと、ここに推薦を受け取る、紹介会社から候補者に結果を伝えてもらう、といった紹介会社とのやり取りが加わります。

求人依頼で紹介会社に伝えたいのは、段階の数と順番だけではありません。各段階で誰が評価するか、結果を何日以内に返すか、面接の日程は誰が調整するか、候補者への連絡は自社と紹介会社のどちらが出すか、までを含めて1枚にまとめておくと、推薦が届いた時点から迷わずに進められます。

求人情報そのものの渡し方はエンジニア人材紹介の求人依頼|求人情報の渡し方と出し直しで、合否連絡の期日の決め方はエンジニア中途採用の選考期間と合否連絡で決める3つのことで扱いました。本記事では、紹介会社を間に挟んだ選考フローの決め方を見ていきます。

紹介会社との間で起きる困りごと

厚生労働省が2021年度に委託して行った「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査」は、過去3年間に紹介会社や求人情報サービスなどを利用した求人企業561社に、紹介会社を利用して経験した問題や困りごとを尋ねています。*1 エンジニアに限った集計ではありませんが、紹介会社とのやり取りでどこがつまずきやすいかを知る手がかりになります。

紹介会社を利用した際の問題や困りごとを、回答した求人企業561社の割合で示した横棒グラフ。紹介された人材がすぐやめてしまうが13.9%、条件とマッチしない応募者を紹介、お勧めされたが12.8%、メール等で余分な情報が送られてきてわずらわしいが7.3%、担当者の対応が悪い等の不満が6.4%、提供した情報と異なる就業条件を応募者に提示されたが3.7%、提供された求職者情報の内容が実際と違ったが2.7%、伝えられた応募者の情報に誤りがあったが2.5%。特に問題はないは66.0%。厚生労働省委託調査「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」(令和4年3月)図表IV-25をもとに作成。

「特に問題はない」が66.0%で最も多く、問題として挙がった中では「紹介された人材がすぐやめてしまう」が13.9%、「条件とマッチしない応募者を紹介、お勧めされた」が12.8%でした。*1 「伝えられた応募者の情報に誤りがあった」(2.5%)、「提供された求職者情報の内容が実際と違った」(2.7%)のように、書類選考の材料そのものに関わる困りごとも挙がっています。

紹介会社の側にも、同じ調査で過去1年間に求人者から受けた苦情を尋ねた設問があります。回答した621事業者のうち、「求職者の紹介がない、少ない」が19.0%、「求める条件に合致する求職者の紹介がない」が13.2%でした。*1 企業の側からも紹介会社の側からも、条件の合う候補者が届かないことが上位に来ています。条件の合わない推薦を減らすには、求人票を直すことに加えて、選考の結果と理由を紹介会社に返す流れを、選考フローの中に組み込んでおくことが役に立ちます。

書類選考の段階で決めること

書類選考では、紹介会社から推薦文と職務経歴書などが届きます。厚生労働省の「職業紹介事業の業務運営要領」は、紹介会社が求人者に求職者の個人データを示す行為は、個人情報保護法の「第三者提供」に当たるため、求職者からあらかじめ同意を得ることが必要だとしています。*2 企業に届く書類は、候補者がその求人への応募に同意したうえで渡されたものだということです。

受け取った書類を選考以外の目的に使わないことも、自社の決まりとして確かめておきます。職業安定法は、求人者を含む事業者に、業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者の個人情報を収集し、その目的の範囲内で保管・使用するよう定めています。*3 選考で集めてはならない事項は応募者の個人情報で収集してはいけない3つの事項で整理しました。

そのうえで、書類選考について紹介会社と決めておきたいのは3つです。1つ目は、推薦から結果を返すまでの日数です。2つ目は、書類で見る観点です。使ったことのある言語やクラウド、担当した工程、チームの規模など、書類で判断する項目を先に伝えておくと、紹介会社も推薦文にその情報を書き込みやすくなります。3つ目は、書類の内容に疑問があったときの問い合わせ先です。経歴の読み違いを候補者に直接確かめるのか、紹介会社の担当者を通すのかを決めておきます。

面接の段階と連絡の担当

面接の段階では、日程の調整と候補者への連絡を誰が受け持つかを決めます。紹介会社を通した応募では、日程の候補を紹介会社に渡し、紹介会社が候補者とすり合わせる形があります。この形なら候補者の窓口は紹介会社に一本化されますが、面接官の予定が埋まっていくと調整の往復が増えます。面接官の空き枠を週ごとにまとめて渡しておくと、往復を減らせます。

技術面接の内容も、紹介会社に伝えておきたい情報です。コーディングの課題を出すのか、過去に担当したシステムの設計を説明してもらうのか、面接官は誰で何分かかるのかを伝えておけば、紹介会社は候補者に準備の仕方を案内できます。最終面接で役員が見る点が技術面接と違うなら、その違いも伝えておきます。

同じ調査で求人企業に人材サービスを利用する際の不安な点を尋ねた設問では、自由回答として、会社と求職者の間に紹介会社が入ることで「双方の意向が歪曲されて伝わる」ため、入社後のトラブルになるという声が紹介されています。*1 紹介会社を挟む以上、伝言の途中で意味が変わる余地は残ります。業務の内容や働き方のように食い違うと困る点は、面接の場で自社から候補者に直接説明する段取りにしておくと、食い違いに早く気づけます。

合否と理由の返し方

同じ調査で、求人企業に紹介会社への要望を尋ねた設問では、「経験やスキルなどの条件に合った求職者を紹介してほしい」が37.4%、「入職後、きちんと定着してくれる人を紹介してほしい」が35.8%、「できるだけ早く求職者を紹介してほしい」が18.9%でした。*1 条件に合う推薦を増やすために企業の側でできることの一つが、合否とあわせて理由を紹介会社に返すことです。

理由は、求人票の項目に沿って書くと紹介会社が次の推薦に生かしやすくなります。たとえば「必須にしていたクラウドの構築経験が運用の担当だけだった」「設計の経験は十分だが、チームを率いた経験を確かめられなかった」のように、どの条件のどこが足りなかったのかを示します。「総合的に判断して」とだけ返すと、紹介会社は次にどんな人を推薦すればよいか分かりません。

候補者に合否をどう伝えるかも決めておきます。紹介会社から候補者に伝えてもらうなら、紹介会社に結果を返す日を自社の期日として扱います。不採用の理由を候補者にどこまで伝えるかは企業ごとの判断ですが、紹介会社に返す理由と候補者に伝わる理由を分けたい場合は、その旨を紹介会社に伝えておきます。面接で確かめた技術や経験に沿った説明にとどめ、年齢や家族のことなど職務に関係のない事柄を理由に挙げないことは、どちらにも共通します。

内定で条件を伝える段階

最終面接のあと、年収や配属先、リモートワークの日数などの条件を、求人票に書いた内容から確定させる場面があります。職業安定法は、紹介会社の紹介で来た求職者と労働契約を結ぼうとする求人者が、それまでに示した業務の内容や労働条件を変更する場合などには、契約の相手方となろうとする者に、変更する内容などを明示しなければならないと定めています。*3

同じ調査では、募集時から変わった労働条件を応募者に伝える方法として、「本人に、書面で提示している」が57.2%、「本人に、口頭で伝えている」が20.7%、「本人に、原則書面で提示しているが、希望があった場合はメールやアプリ上で提示している」が11.2%でした。*1 口頭で伝えている企業も2割ほどあります。この変更の明示を定めた平成29年の職業安定法改正について、「知らなかった」と答えた企業は22.8%でした。*1

選考フローの中では、内定の連絡に条件の書面を添える段取りを決めておくと、伝え漏れを防げます。紹介会社を通して条件をすり合わせた場合でも、確定した条件は自社から候補者に書面で示し、求人票から変わった点がどこかが分かるようにしておきます。どの事項をどの方法で示す必要があるかは、最新の法令と業務運営要領を確かめ、迷う場合は社会保険労務士などの専門家に相談してください。

困りごとが起きたときの相談先

選考の途中で、推薦された人の経歴が書類と違っていた、条件の伝わり方が食い違っていた、といった困りごとが起きることがあります。同じ調査で、民間の人材サービスの利用で困りごとがあった企業210社に対応を尋ねた設問では、「利用した人材サービスに相談し、解決した」が37.6%、「利用した人材サービスに相談したが、解決しなかった」が17.1%、「対応せず、そのままにした」が27.1%でした。*1

そのままにした企業が4分の1を超えている点は気に留めておきたいところです。同じ紹介会社に求人を出し続けるなら、困りごとを伝えないままでは推薦の傾向も変わりません。求人依頼の時点で、選考の途中で問題があったときに連絡する担当者と窓口を紹介会社に確かめておき、起きたことと直してほしい点を具体的に伝えます。「社会保険労務士・弁護士等に相談した」は12.9%で、契約や法令に関わる問題は専門家に相談する道もあります。*1

つまずきやすい点

1つ目は、紹介会社ごとに選考フローを変えてしまうことです。複数の紹介会社に同じ求人を出すと、会社ごとに日程の調整や結果の返し方が違い、社内で管理しきれなくなります。選考の段階と期日は自社で1つに決め、どの紹介会社にも同じ内容を渡します。

2つ目は、選考フローを途中で変えたのに紹介会社に伝えないことです。面接の回数を増やした、課題を加えた、といった変更を伝えないままでいると、紹介会社は古い流れで候補者に案内を続けます。変えたときは、すでに選考中の候補者をどちらの流れで進めるかもあわせて伝えます。

3つ目は、不採用の理由を返さずに推薦だけを求め続けることです。理由が返らないと、紹介会社は同じ傾向の候補者を推薦し続けます。条件の合わない推薦が続くときは、エンジニア人材紹介で紹介されないときに見直す求人要件の4つの点もあわせて確かめてください。

まとめ:選考フローは求人依頼の時点で決める

エンジニア人材紹介に求人依頼するときは、求人票とあわせて選考フローを紹介会社に伝えます。書類選考と面接の段階、結果を返す期日、日程調整と候補者への連絡の担当を決め、合否には理由を添えて返します。内定で条件が確定したら、求人票から変わった点が分かる形で候補者に書面で示します。この流れを1つに決めておけば、複数の紹介会社を使っても選考の進め方がぶれにくくなります。選考を進めている間の開発の手が足りないときは、外部の専門人材に加わってもらう方法も選択肢に入ります。

LASSICに相談するメリット

選考フローを整えても、条件に合うエンジニアが見つかるまで時間がかかることはあります。採用が決まるまでの開発を、業務委託で加わる専門人材に任せる方法も、選択肢に入れておけます。

Remoguは、株式会社LASSICが運営するフリーランス・業務委託のITプロ人材サービスです。リモート前提で全国から登録が集まっており、登録は約20,000名規模、その約8割が開発系です。人材が必要になった時点から4時間以内に候補者を提案し、最短1週間で実際の業務開始まで進みます(条件によっては実現できない場合があります)。

よくある質問

選考フローは紹介会社ごとに決める必要がありますか

段階と期日は自社で1つに決め、どの紹介会社にも同じ内容を渡すほうが管理しやすくなります。紹介会社ごとに違うのは、窓口の担当者や連絡の手段くらいにとどめます。

候補者への合否連絡は自社と紹介会社のどちらが出しますか

紹介会社との契約や取り決めで扱いが変わるので、求人依頼の時点で確かめてください。紹介会社から伝えてもらう場合は、紹介会社に結果を返す日を自社の期日として扱います。

不採用の理由はどこまで紹介会社に返せばよいですか

求人票の条件のどれが足りなかったのかが分かる程度まで返すと、次の推薦に生かしてもらえます。職務に関係のない事柄を理由にしないことは、紹介会社に返す場合も同じです。

内定で年収が求人票の幅の中で決まった場合も書面で示しますか

幅を示していた条件を1つに確定させることも、変更の明示の対象になる場合があります。確定した条件は書面で示し、扱いに迷うときは業務運営要領を確かめ、専門家に相談してください。

エンジニア採用の進め方を相談したいとき

紹介会社に渡す選考フローや、結果の返し方の見直しからご相談いただけます。

Remoguとリラシクなら、リモートワークで働く社員の候補者も、業務委託で開発に加わる専門人材も探せます。

Remoguは、リモート前提で全国から即戦力のITプロ人材を調達するサービスです。リラシクは、扱う求人がすべてリモートワークのITエンジニア専門転職エージェントです。どちらもLASSICが運営しています。

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出典

  1. *1 参考:厚生労働省委託調査「採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」(令和4年3月)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf)。出典:令和3年度厚生労働省委託調査。求人企業調査(過去3年間に人材サービスを利用した企業、n=561)の図表IV-17(人材サービスを利用する際に不安な点の自由回答)、図表IV-23(募集時から変更になった労働条件を伝える方法)、図表IV-24(平成29年の職業安定法改正の認知度)、図表IV-25(民間人材サービスを利用した際の問題や困りごと、トラブルの有無)、図表IV-26(問題や困りごと、トラブルへの対応、n=210)、図表IV-38(紹介会社に対する要望)と、職業紹介事業者調査の図表II-50(過去1年間にあった求人者からの苦情、n=621)を参照(2026年10月確認)
  2. *2 参考:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第9 職業紹介事業の運営(令和8年10月1日から適用)(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001681217.pdf)。出典:同要領 第9の4(1)(個人情報の収集、保管及び使用。求人者に求職者の個人データを示す行為と本人の同意)、第9の2(3)イ(求人者による労働条件等の変更等に係る明示。「特定」の説明)を参照。要領の一覧は https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172486.html(2026年10月確認)
  3. *3 参考:e-Gov法令検索「職業安定法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141)。出典:職業安定法(昭和22年法律第141号)第5条の3第3項(労働条件等の明示)、第5条の5第1項(求職者等の個人情報の取扱い)を参照(2026年10月確認)




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